R.Miller | ![]() 両雄。 |
だいぶ遅くなってしまったけれど、ちょいと時間が出来たので、我等が御大レジさんについて書きます。 考えてみれば、私がはじめて好きになったアメリカスポーツ界のプレイヤーなだけに書く事もいろいろあるように思われるのだが、一方では何も書く事がないような気もする。不思議な気持ちである。そうは言っても、何も書かない訳にもいかないので、いつもの調子で、ざっくばらんに書こうと思います。 ではまずとりあえずプレイヤーとしての特徴から。レジー・ミラーというプレイヤーの特筆すべき点はまず何よりその運動能力の低さにあると思う。アメリカ4大プロスポーツのスター、それもレジェンドに近いスターに対してこんな事を言うのもなんだが、彼レジー・ミラーの運動能力は一般人並とまでは言わぬものの、一般人の中でもまあまあマシな方、どこの職場にも一人や二人いるくらいのレベルの運動能力であったように思われる。ここでいう運動能力とは、言い換えれば反射神経、頭の中で動こうと思ってから実際に動き出すまでの時間の短さを指す。 ただここで私が言いたいのは、そんな運動能力の低いレジさんが血の滲むような努力をしてスーパースターにまで上り詰めたから偉いという事ではない。彼レジー・ミラーに限らず、うちの副社長などを見ても分るとおり、運動能力が十全でなくとも、練習の質や量によって、バスケットボールに限らずほとんどのスポーツにおいて、活躍する事は十分可能だという事である。反対に圧倒的な運動能力に恵まれながらも、NBAに限らず他のスポーツに於いても、消えていったプレイヤーはそれこそ掃いて捨てるほどいる。彼らは自身の運動能力に溺死したのである。 こんなサイトを見ている小学生中学生はいないと思うが、彼らに忠告しよう。君たち、今現在チームでレギュラーを取れないからといって何も悲観することはない。子供の頃はどうしても先天的な運動能力にスポーツでの活躍を左右されてしまう。しかしそんなものはこれからの君たちの練習の質や量でどうにでもなる。スポーツの世界で大事なものは、運動能力ではなく、練習の質と量であり、そうして何よりそれらを支えるそのスポーツへの情熱なのだ。マイケル・ジョーダンが偉大なのはその圧倒的な運動能力の為ではなく、そのバスケットボールへの誰にも負けない情熱の為なのだ。とりわけバスケットボールプレイヤーにおける三大要素は技術・高さ・経験(知識と言い換えても良い。)である。運動能力はその中に含まれていない。まあさすがに陸上競技は練習のみでは厳しいかもしれないが。 だいぶ話が逸れた。まあでもこれはレジー・ミラーという選手を考える上において、ひいてはバスケットボールというスポーツを理解するうえに於いて、本質的なことだと思われるのでしつこく書いてみた。 次は何にしようか。そうそう5,6年前だったか、地元インディアナ州でそこそこ盛り上がった、レジー・ミラーとペイトン・マニングどっちが上か論争について。 当時はまだマニングがスーパーを獲っていなかったので、まだまだレジーの方が上かなとも思っていたが、さすがに今現在はマニングでしょう。そうしてレジさんが引退してしまっている以上、逆転はないでしょうな。ちょっと残念な気もするが。もっとも、インディアナ州最大のスポーツヒーローは別に存在するのではあるが。 この両者は運動能力の低さという点以外は共通項がないので、なかなか比較は難しいだろうが、ひとつだけある決定的な相違点は、言わずもがな、そのクラッチ能力であろう。その能力ゆえにペーサーズ史上最高のプレイヤーとなったレジーと、それが無い故に、なんだかなあという印象をインディアナ州のみならず、全米全体に与え続けるマニングさん。ありゃ、やはりレジさんのほうが現時点でも上か。プレイヤーとしてはともかくヒーローとしては。ちなみにここ20年間におけるニューヨークシティ最大のスポーツヒーローはレジさんだと思う。 そうそうニューヨークで思い出したが、スパイク・リーとはポン友である。 レジさんを語る上でもうひとつ忘れてならないのが姉シェリル・ミラーの存在であろう。実際私がペーサーズの試合を見始めた頃はレジさんはまだまだアメリカ女子バスケットボール史上最高のプレイヤーの弟でしかなかった。そういえば最近シェリルのレポーター姿を見ないが今何やってんだろ。WNBAでコーチしてんのか。 ちなみにレジさんは小学生だか高校生の頃試合で活躍して帰宅、ママに、 「ママ、今日ぼく30点取ったよ。」 「あら何、たった30点。姉さんは40点取ったのよ。」 で、しょぼん、みたいな事が度々あったそうである。 シェリルのプレイを私はこの目で見たことはないので、どんなプレイヤーだったかは皆目見当つかぬが、彼女の存在がレジーをNBAのスターダムに押し上げるのに与って力あったのは事実だったと思う。 そういえば今度のペーサーズのドラフトの順位はレジさんのときと同じ11位である。どうしても後継者が欲しい。いやまじで。 フルネームは Reginald Wayne Miller 。レジー・ウェインよ、お前はインディアナに来る運命だったようだぞ。 申す迄も無く、レジー界の大物である。ミラー界はどうか知らんが。 2008/6/9 |
B.Scott | ![]() 腕組み好きやのお。 |
過日、オールスターゲームを見た。私が今まで見たスポーツの試合の中で最も素晴らしい選手入場シーンだったと思う。NHKの実況アナウンサーも述べていたが、私もこのままスイングしたまま終わってしまうのかと錯覚したほどである。試合が始まってびっくりしたぐらいである。なんだ試合やるのか、余韻に浸らせろよ、みたいな。 で、その試合西軍の指揮を執っていたのがこのバイロン・スコットなのである。 インディファンのおおくも忘れてしまっているかと思うが、この選手晩年の一時期一二年間ぐらいぺーサーズに在籍していた事がある。ペーサーズはもともとFAには熱心でないが、たまに彼の様な盛りの過ぎたベテランシューターを獲得する事がある。クリス・マリンはその一例である。彼は最晩年ペーサーズに在籍し、確かそのままペーサーズで引退したように記憶している。ありゃ、GSに戻ったか。B・スコットはレイカーズに復帰して、そこで引退した筈である。 インディ時代のスコットはというと、ほとんど忘れられているぐらいだから大活躍したと言う記憶はない。貴重なベテランシューターとしての役割を求められたのだろうが、R・ミラー全盛時だったこともありシュートチャンスそのものもあまりもらえなかったように記憶している。まあ、もともとマジックがいて何ぼの選手なので、仕方がないといえば仕方がないのだけれど。チームを精神的に支えるという感じでもないし。じゃあ、なぜ獲った。 そのスコット君がまさかのオールスターHC。彼の現役時代、この姿を想像したものが何人いただろう。マジックはさぞかし地団駄を踏んでいる事であろう。 昨今流行の元ガードHCであるが、彼はその走りだったように記憶している。元祖はたしかスカイルズ。一試合最多アシスト記録は破られたのか。 ネッツHC就任時には「おいおい」と言う声が圧倒的多数というか、ほとんど全部だったのであるが(わたしもそのひとり。)、その後まさかの2年連続ファイナル進出、それでも巷の声は「そんなの全部キッドのおかげ。」というものであったが(わたしもそのひとり。)、今年はまさかのニューオリンズWESTトップ、もはや彼の手腕を認めざる得ないところまで我々は追い詰められている。 彼のHCとしての能力が如何なるものなのか、わたしには皆目見当がつかないが、とりあえずいえるのは彼は選手時代から(大学時代は知らん。)常にPGには恵まれて来たということである。マジック、キッド、C・ポウルと常にその時代その時代のトップガードとコンビを組んできた。PGを活かすのがうまいと言うか、活かされるのがうまいと言うか、とにかくその時代その時代のトップガードとコンビを組むというそういう星の下に生まれてきたようである。どういう星の下だ。 フルネームは調べてません。 よもやR・ミラーより先にB・スコットの記事を書くとは。2008/2/23 |
J.O'Neal | ![]() ヤオにやられた。 |
ジャーマインちゃん。うちのエースである。もうひとりのオニールである。 いまは亡きD・デービスのトレードでペーサーズにやってきて早や8年。トレード当初はその活躍を危ぶむ声もなくはなかったが、いまや立派にエースとして成長した。 選手としての評価はというと、手っ取り早く言えば、今話題のK・ガーネットの能力のパラメーターをひとつずつ、あるいはふたつずつ下げたようなプレイヤーという事になるだろう。高卒プレイヤーで割合に早い時期に長期大型契約を結んだという点でもKGによく似ている。微妙に不甲斐無いという点でもよく似ている。近い将来移籍しそうな点もよく似ている。ニックスあたりか。 とまあ、良くも悪くも小型KGというのがジャーマインをあらわすもっとも的確な評だと思う。強いて違いを挙げれば、KGに比べジャーマインのほうがややインサイドのプレイを好むといった点ぐらいであろうか。 結局のところ、この両者にいえるのは就くポジションを間違えているということだ。その体格や性格および能力からいって、PFではなくCとしてプレイすべきだったろう。PFとしてプレイした事が彼らの大成を阻んだといえる。 どんなスポーツでも同様であるが、どのポジションでプレイするかということは非常に重要な事である。この一時を誤ると人生は大きく狂ってしまう。この二人を見ているとしみじみそう思う。まあこれはNBAの世界に限らず、ありとあらゆる世界でいえることだろうけれども。自身の能力とその能力を発揮する場、この両者は成功に不可欠な要素である。そしてそれらを見誤る、あろいは失っている人々は世の中に数多い。折を見て触れるがNBAの世界にもたくさんいる。 ではKGおよびJOがなぜPFに向かないのかというと、私の思うにPFに求められるのはあくまでディフェンスとリバウンド、とりわけオフェンスリバウンドであってスコアリングではないからである。スコアリングはよりゴールに近いCの仕事である。そうしてスコアリングを好む以上、KGとJOの両者はCに入らなければならない。 これがKGやJOにかぎらず数多のスコアラー型PFのチャンピオンリングに届かなかった理由だと私は考えている。バークリー然りK・マローン然りケンプ然り、数え上げれば枚挙に暇がない。ならダンカンはどうなる、という声が上がるかもしれない。しかしよく見れば分かるが、彼はあくまでディフェンダーでありリバウンダーであって、スコアラーではない。チーム随一の得点能力を誇るものの、それはここぞという時しか使わない。でもKGはリバウンド王ではないか、という声が上がるかもしれない。私に言わせれば、それこそがKGの問題なのである。チームNO1のスコアラーでありながらNO1のリバウンダーでもある。ところがリバウンダーとスコアラーはひとりで兼ねることは出来ない。あの究極の万能プレイヤーであるM・ジョーダンですらリバウンドの数字は伸びなかった。伸ばせなかった。当然である。自分のシュートを自分でリバウンドする事はできない。シャックやチェンバレンは両方の数字で秀でているではないか、という声が上がるかもしれない。しかしながら彼らの場合も、彼らはあくまでスコアラーであり、ただその化け物じみた身体能力が結果的にリバウンドの数を伸ばしたということだろう。怪物特有の例外である。 実際、KGとダンカンの数字は驚くほどよく似ている。しかしながらそのアプローチは全く逆である。チームのエーススコアラーであるKGとチームのエースリバウンダーであるダンカン。そのアプローチの差がそのままミネソタとサンアントニオの栄光の差になった。今年KGはダンカンに成れるだろうか。スコアリングの誘惑は甘い。 そうしてこの辺の消息にもっとも通じていたのがあのロッドマンであろう。 なんだかKG論になってしまったが、KGの問題はそのままオニールの問題、すなわちペーサーズの問題である。ミネソタになるのか、サンアントニオになるのか。 J・オニールについてはもうひとつ。4,5年前、ダンクシュート誌だったかフープ誌だったかは忘れたがアメリカ人記者のJO評に”彼にはスーパースターとしてのオーラが無い”というのがあったが、これは全くその通りだと思う。これこそジャーメイン・オニールの最大の課題かもしれない。 とまあ、オニールちゃんには厳しい事ばかり書いてしまったが、例の大型契約時の涙といい、一連のアーテスト騒動時の対応といい、気持ちの熱い所謂いい奴なので、彼の元に栄光が訪れて欲しいと私は思っている。むずかしいかなあ。 フルネームは分かりませんでした。 2007/12/30 年の瀬に んな訳で、うちのジャーマインちゃん、トレードされちゃいました。これからはトロントのジャーマイン・オニールです。まっ、ジャーマインちゃんのままでもいいんだけど。 トレード自体は完璧なトレードだろう。パーフェクトである、否、パーフェクト以上である。インディサイドとしてはウハウハである。一時期はザービアックにスノウ(両者共に契約最終年。)をくっつけて、こちらはオニールにドラフト11位なんていう、ほとんど敗北に近い噂も流れていたものであるが、結果的には、ネステロビッチ(当然契約最終年。ある意味今オフの目玉のひとり。)に17位がくっついて、おまけにT・J・フォードまでくっついてきて、こちらはJ・O単体という、ほとんど夢のようなトレードである。これを大成功と呼ばずして何と呼ぼう。ちなみにこれでもまだキャップヒットの調整がつかないらしく、トロント側が更にプレイヤーを付け足すという噂もある。ウハウハである。 正直ここ数年のバードの動きにはイライラさせられることも多かったが、やっぱりこの男最後はやりよる。現役時代もそうだった、HC時代もそうだった、ついでに大学時代もそうだった。 現地掲示板では、この調子でティンズリーも厄介払いだ〜という声が大多数であったが、考える事は国籍は違えど皆一緒だのう。 実際ティンズリー放出は規定路線であろうが、そこはそれ、あのティンズリーである。今頃さかんにロビー活動を行っていることであろう。つーか、あいつの場合はいつもしてんだけど。このままインディに残るのか、それともお気に入りのチームに移籍するのか、いずれにしてもスターターを張っている事だけは間違いない、実力ではなく、政治力で。彼の動向、というか遊泳術は今から興味津々である。 私はバスケットボールプレイヤーとしてのジャマール・ティンズリーには何の興味も無いが、そのジョセフ・フーシェばりの保身術を誇る政治家としてのジャマール・ティンズリーには興味津々である。ステファン・ツヴァイクもびっくりといったところか。 このトレードはインディサイドとしては大成功と書いたが、別にトロントサイドが大失敗という訳ではない。そもそもトレードなんていうのは実際のゲームと違って、一方が勝ったら必ず他方が負けるという訳ではない。両者共に負ける場合も十分あるし、両者共に勝つ場合もある。私もここで今回のトレード大成功などと浮かれているが、数年後どういう結果が出ているかは分らない。結果的には大失敗だったという事も十分ありえる。 事実トロントサイドから見てもオニール獲得は大正解だったと思う。ドラフト権の放出は痛いちゃあ、痛いかもしれないが、それを補うだけのものをオニールはもたらしてくれるだろう、筈、たぶん。なんのかんの言ってもツインタワーというのはバスケットボールというゲームの戦術としては強力なものであるし、NBAの歴史を振り返ってみても、数は少ないながらもそれらはみな一定の成功を収めている。トロントは強力な武器を手に入れたと思う。怖いのは怪我だけか。怪我すんな、ジャーマインちゃん。 とにかくこれで、ペーサーズはあの悪しきアイザイア時代とは完全に決別したことになる。ながかった。これからペーサーズにどのような未来が待っているかは分らないが、アイザイア時代よりましになる事を願う、強く願う。 早速今ドラフトではトレードなども絡めてシューターと大学で4年間みっちりやったセンターを獲得、喜ばしい限りである。もっとも今後、マーフィーやダンリービーの処遇なども含めて、どのようなロースタームーブがあるか分らんが(安泰なのはグレンジャーだけだろう。)、ペーサーズの未来に小さいながらも強い光が差し込んできたのには違いあるまい。ここ数年は真っ暗だったもの。 2008/6/28 |
J.Tinsley | ![]() 平均点。 |
その間、様々な毀誉褒貶のあったもののルーキーイヤーからかわらずスターターを張り続けている。 で、その選手としての評価はというと、ひと口で言ってしまえば、可もなく不可もなく、である。そのボールハンドリング、コートビジョン、パッシング技術、シュート力、どれをとっても特別劣っているものもないが、かといって特別優れているわけでもない。所謂、Mr.平均点である。実際そのキャリアスタッツを観ると見事なぐらい特徴のない数字がならぶ。 ふつうこのような選手は、どんなスポーツに於いても、スタメンを奪れず、いつのまにかチームを去っているものであるが、彼の場合はルーキーイヤーからスタメン、以来さしたる実績もなく、なんとなくスターターを張り続けている。彼のスターター抜擢は数多いアイザイア疑問采配のうちのひとつである。嚆矢といっても良いかもしれない。だいたいアイザイアは自身がこのポジション出身なのであるから、このポジションに関しては何かしらこだわりがありそうであるが、そういったものは未だに見えてこない。不思議といえば不思議な人である。 ちなみに私がMADDEN以前に凝っていたNBAライブ2002では彼をPGから外しJ・ローズ(懐かしい。)をSFからコンバートして使っていた。現実では彼のボールハンドリングではPGは厳しいだろうが、そこはゲームなので何の問題もなし。というか、あのゲームではムトンボでもPGが出来ると思う。 さて現実に戻って、ティンちゃんであるが、そのアイザイア更迭後も二名のHCにわたって、スターターを張り続けているのであるから、内側から見れば彼を起用するだけの強力な理由があるのかもしれない。政治力にすぐれるのか。 しかしながら、ティンちゃんには悪いが、彼と 彼らに代わる、強力なセンターとPGが欲し〜い。ほし〜〜い。 フルネームはJamaal Lee Tinsley 。ニックネームはMel 。バスケットボールのヒーローは Isiah Thomas, Rod Strickland and Mark Jackson だそうである。ぬう、やはり政治力か。 スーパーボウルをおよそ12時間後に控えて、なんだか興奮してきた。 2008/2/3 ちょっち時宜を逸した話柄で恐縮なのであるが、セ・リーグ開幕日で恥をかいたナベツネに関して、一言二言。 震災余波のなか、予定通りの開幕日を主張して、毎度毎度の世間の猛反発を喰らい、結局、思い通りにならなかったナベツネさんであるが、世間的にはもの凄い権力者のイメージがあるが、ホントにこの人、権力者なの。私の知る限り、例の1リーグ構想といい、大連立構想といい、今回のセ・リーグ開幕日問題といい、何ひとつ自分の主張は通っていない。そういえば、松井も簡単にヤンキースに盗られちゃったし。しかも使い捨て。 世間が思っているほどに、また自身が自負しているほどに権力はないのかもしれない。一種の裸の王様なのかも。もちろん、私の見えぬところでは強大な権力があるのかもしれないが。 FAなんかも、ナベツネが主導して導入されたみたいなイメージがあるが、FA導入の主導者は、私の知る限り、選手会、それも落合である。それもナベツネがオーナーになる以前の話である。ナベツネはほとんど関わっていないだろう。そもそも、オーナーがFAの旗振り役をするなんていうのは、論理的には有り得ない話である。 日本プロ野球のデタラメなドラフト制度に関しては、彼が主導者だったかもしれない。 ただひとつ確実にいえるのは、彼がジャイアンツのオーナー(みたいなの)になって20年近く経つと思うが、その間、彼の言動で、確実に巨人ファンが90%は減ったということだ。ジャーナリストとしてはどうかしらんが、人気商売の経営者としては、まるで駄目であるという事ははっきりしていると思う。 ちなみに、もうちょっとナベツネ話を続けると、彼に関しては、ありとあらゆる罵詈雑言が浴びせられているが、実際のところは、そんなに悪人ではないと思う。どんなに彼の悪口を言っていた人でも、実際に会えば、おそらく好印象を抱くであろう。なにくれとなく世話を焼いてくれる、面倒見のいい爺さん、というか」、そういう人物なのであろうし、それが彼の出世の、おそらく唯一の原動力であったであろう。上に愛され、下に慕われる人物、それがナベツネであろうと思われる。ただ、経営者としての能力は、まったく無いけれども。典型的な人間関係のみで、出世してきた人物であると思う。そうして、そういう人物は今の日本、もしかしたら世界中に、掃いて捨てるほどいる。 さて、ティンズリーの話である。いつの間にか、ペーサーズのロースターから消えているなあと思って、今回調べてみたら、08−09シーズン限りでペーサーズを退団、09−10シーズンはグリズリーズ入りしているが、10−11シーズンはロースターにいないようである。引退かしらん。 ちなみに、今調べてみたところ、ティンズリーは元々はバンクーバー・グリズリーズ(まだ、バンクーバーだった筈。)に全体27位でドラフトされていて、その夜のトレードで、ペーサーズ入りした模様である。詳しくは良く分からんが、アトランタ絡みの三角トレードだったみたい。アトランタとグリズリーズは、そこでシャリフ・アブドゥル・ラヒーム(懐かしい。)とポウ・ガソルを中心としたトレードを行っている。その絡みでペーサーズに来た模様である。 2011/3/30 |
J.Foster | ![]() あっ、シュート打ってる。 |
うちのもうひとりのJである。ジェフでもある。 選手としての能力を手っ取り早く云えば、リバウンドしか能のない男ということになる。 しかしながら、そのリバウンドに関して云えば、現役ではNBA有数、とりわけオフェンスリバウンドに限れば、おそらく現役ではNBAナンバー1の奪取力を誇る。まさにその一芸だけでNBAを生き抜いてきた男とも言える。そういった意味では上記のティンズリーとは好対照である。 しかしながら、それ以外の能力、例えばシュート力やスクリーンプレイ、ディフェンスなどはからっきしなので、使い方が難しいといえば難しい選手でもある。シュートを打たせてもらえないから、オフェンスリバウンドの数値が上がっているともいえなくはない。 本来的にはシュート力のあるセンターと組ませてこそ、その真価を発揮するタイプの選手だろう。イルカルガスとかヤオミンとか。 しかしながら、ジャーマインにセンターをやる気はまったくないので、PFとしては使えず、かといってスターターでセンターが務まるほどのオフェンス力はまったく無いので、中途半端にベンチを温める日々が続いている。そしてたまに出てきてはリバウンドを取り捲る。パートタイムのスコアラーならともかく、パートタイムのリバウンダーっつうのもなあ。やはり彼のような選手はスターターで出てこそなんぼだろう。 そういうわけで、ペイサーズではグレンジャーについでトレードバリューのある選手でもある。うまい話があれば乗ってみるのもひとつの手だろう。といいながら早や数年、なんとなく時宜を逸した感もなくはない。どうしたものか。なんか、そういう選手多いな、うちは。 申す迄も無いがNBA屈指のバカ面でもある。次点はマイク・ミラー。しかし最近マイキーは凛々しくなっているからなあ。もはや、ぶっちぎりのダントツ一位か。 フルネームはJeffery Douglas Foster 。なんか芸能人みたいだな。 2008/2/4 スーパーまであと四時間。 結局、11−12シーズン限りで引退、キャリア13年のNBA生活であった。フォスター・クラスのプレイヤーとしては十分、いや十二分に良くやった部類であろう。讃えたい。 それより何より、フォスターの場合、特筆すべきは、そのキャリア13年間を、オリジナルはウォリアーであるにせよ、事実上ペイサー一筋で過ごしたという点であろう。FA・トレード全盛のNBA、つうかアメリカ・プロスポーツ全体の中でも、「10年以上1チームで過ごして移籍せず引退」というのは非常に珍しいキャリアだと思う。 まあ、もちろん、ペイサーズで云えばレジー・ミラー、他チームで云えばダンカン、またオリジナルはホーネットであるが、事実上レイカー一筋のコービーなど等々、オールスタークラス、殿堂クラスなら、そういう選手もいないこともないが、フォスターのようなオールスターどころかスターターでもない6thマンレベルのプレイヤーで、こういうキャリアは非常に珍しいと思う。ちょっと他に事例が思い浮かばない。最近、引退が噂されているジノビリが6thマンちゃあ6thマンであるが、彼の場合、完全にスーパースターだし、フォスターと同格の選手ではない。しらみつぶしに探せば、そういう選手も数名見つけられると思うが、いずれにしても、ここ20年くらいのNBA、あるいはアメリカプロスポーツ全体でも非常に珍しいキャリアだったと思う。 また、先に私は、オールスタークラス、殿堂クラスならオリジナルのチーム一筋もあると書いたが、オールスタークラス、殿堂クラスだって、古くはジャバーやバークリー、最近ではレブロンなど、オリジナルのチームで引退というのは非常に稀である。そういった意味でも、特筆すべきキャリアの選手だったと思う。アンリの放送局でよくあるトリビア・クイズの格好のネタであろう。 なんで、そういうキャリアを送ったのかというと、それは彼のプレイスタイルとは全然関係なく、様々な運命の綾がそういうキャリアを遅らせたのだろう。実際、キャリア5年目くらいから毎年のようにトレード候補にあがっており、事実、当時のペイサーズでは最高かつ唯一のトレードバリューのある選手だったと思う。なんやかんやで、そのままペイサー一筋で引退に至ったのだろう。このサイトではあちこちに書いているが、人間の運命とはまことに分からぬものである。 そのプレイスタイルは、上の記事でも触れているが、何と云ってもリバウンドの強さ、とりわけオフェンス・リバウンドの強さが際立っていた。ことオフェンス・リバウンドに関しては、それこそロッドマン以来のプレイヤー、同時代のシャックやハワードにも負けていなかったと思う。いやまあ、シャックに負けていないは褒め過ぎか。 このオフェンス・リバウンドの強さが当時のペイサーズにあって最高のトレードの駒であった唯一の理由であるが、結局、この駒は効力を発揮しないまま終わってしまったのは先に述べたとおりである。 何故に、オフェンス・リバウンドが強かったのかというと、その体格、ガッツは勿論のこと、今から考えると、そのバカ面に似合わず頭の良い選手だったのだと思う。ディフェンスはともかく、オフェンス・リバウンドは頭の悪い選手には絶対奪えないからである。顔付きだけで人を判断してはいかんの〜。 2013/7/7(日) |
R.Hibbert | ![]() 浮かれてます。 |
過日、終了したファイナルではヒートがスパーズを下し、これで名実ともに、ここ15年近く続いてきたダンカン・コービー時代が終了し、レブロン時代、あるいはレブロン・デュラント時代に移行した訳である。まあ、実はウェイド時代では無いかという説も無くはないが、それはともかくとして、このレブロン・デュラント時代に我等がペイサーズも割って入りたいのであるが、その最大の武器が、今回紹介するペイサーズの至宝、ロイ・ヒバートである。 そのヒバートの最大の武器、すなわちペイサーズの最大の武器は、その7−2の身長、すなわち7フッターである。 この7−2がゴール下にいることにより、現在のペイサーズ最大の武器である高さのアドバンテージが遺憾なく発揮されるのである。私はバスケットボールというゲームにおける三大要素は高さ・技術・経験(知性といっても良い)だと思っているが、そのうちの高さを今のペイサーズは完全に支配できるのである。このアドバンテージは本当に大きい。ここ数年のペイサーズの好成績は、ヴォーゲルを中心に、つうかカーライル時代からシコシコ作り上げてきたチームディフェンスによるところも大きいだろうが、結局は、このヒバートを中心にした高さの絶対的なアドバンテージによるところのものである。 その中心ちゅうか扇の要というか、それそのものが、このセンター製造工場ジョージタウン大出身のヒバートであるが、彼に関しては、私はもう何もいうことは無い。ゴール下にいてくれるだけでいい。「もう少しPPGを上げろ」みたいな批判もあろうが、オフェンススキルを身に付けるために膝や足首、腰などを痛めたら元も子も無い。リバウンドとブロックショットのみでチームに貢献してくれれば、私はそれでいい。いや、ゴール下にいてくれるだけでいい。実際、カンファレンス・ファイナルでは、そのゴール下のヒバートをレブロンは本当に嫌がっていた。7フッターというのは、それだけの価値があるのだ。走れるセンターとかおだてられて、速攻の先頭を走ってアリウープなんていうのは絶対にやめてもらいたい。先日、J−SPORTSでサム・ブーイのドキュメンタリーが放送されていたが、彼のような悲劇が繰り返されるだけである。 実際、そういうプレイが無いところを見ると、チームから禁止されているのかもしれない。センターなんていうのは、シャックの様にちんたら走って、最後にゴール下に入ればよいのである。 でもまあ、ペイサーズの至宝云々は抜きにしても、NBA的にも7フッターで本格的に動けるセンターというのはホント久方振りではないだろうか。7フッターのプレイヤーというのはいつの時代にもそれなりにいるけれども、あくまで公称7フッターみたいな、あるいはギリ7フッターみたいなのがほとんどであった。ヒバートのように7−2、正真正銘の7フッターというのはホント久方振りのような気がする。実際、コート上のヒバートはホントでかい。しかも、ちゃんと人間のように動ける。そういう選手は、なんだかんだでデビット・ロビンソン以来では無いだろうか。ヤオ・ミンはシュートは上手かったけど、動きはいまひとつであったし、あとはまあまあタイソン・チャンドラーぐらいか。ただ、チャンドラーはいまいちその公称7−1の大きさは感じないんだよなあ。あと勿論シャックがいるけど、これは怪物なので別枠。そう考えると、ヒバートはホント久方振りの本格的な7フッター・プレイヤーという気がする。 10年位前、すなわち2000年前後、ミュアサンやブラッドリーあたりの成功(?)を受けて、各チームで一人ぐらいはデカイだけのセンターを青田買い的に抱えていた時期があった。7フッター、それも7−2とか7−3ぐらいの化け物的にデカイだけのおっさん、しかもアフリカとか東欧出身の選手が多いので大概変な名前の選手が、各チームで一人ぐらいはロースターに名を連ねていた時期があった。当時のイヤーブックを持っている人がいたら確認してもらいたい。 ところが、このデカイだけのおっさんどもは、やっぱりバスケットプレイヤー的にはいまひとつどころかいま二つ的な出来の為、ほとんどゲームには出る事も無く、ただぼ〜っとベンチに座っているだけであった。そのくせ青田買い的な契約だったので、みな4年20億円とか10億円みたいな給料を得ていた。そのため、「ただ人間離れ的にデカイというだけで、NBAのゲームをコート最前列で全試合見ることが出来、なおかつ年2億円貰える世界一幸せな連中」みたいな言われ方をしていた。 そうして、その手のプレイヤーは結局誰ひとりモノにならず、時代はスモール・ラインアップへと移行して行った。その流れに逆行するかのようにヒバートが登場する訳であるが、NBA全体で大型化の時代が再来するかなあ。本当は、このヒバートの役割をオデンがする予定だったのであろうが。 そのオデン共々、ヒバートは大学時代は当然スタープレイヤーだった訳であるが、よく考えたら、私はヒバートが表紙のスポーツ・イラストレイテッドを購入していた。そう思って、押入れをひっくり返したらだから、出て来た。以下の写真がそれである。ちなみに隣にあるのは、、ついでに見つけたハンスブローさんが表紙のスポーツ・イラストレイテッド。あの時は輝いていたんだなあ。でもまさか、購入した当時は、両者ともにペイサーになるとは思っていなかったなあ。 ![]() ![]() ちなみに何でヒバートが表紙のスポーツイラストレイテッドを購入していたかというと、別に私がジョージタウンやヒバートのファンだったからでは全然なく、このヒバートの表紙はアメリカ5地区で表紙を替えたものの内のニューヨーク地方つうか東海岸地方のものである。取次店の洋販がニューヨークあたりで本を購入していたらしく、今でもそうだが、この手の雑誌のアメリカ各地方表紙違い物は大概ニューヨーク、あるいは東海岸地区のものになる。日本在住の私は選べないのである。だから、NFL関係の雑誌でも表紙は、不本意ながら、大概、つうか全部イーライとかリーヴィスなのである。マニングとかラックのは買えない。無理矢理注文すりゃか得るのかもしれんが。 ちなみにハンスブローが表紙の方は、彼は全国区の選手なので、全国共通の表紙なのね。 またまた、ちなみに、ヒバートが表紙のスポーツイラストレイテッドは2006年11月20日号なので、結構古い。今から7年ほど前である。しかも、この時点でジュニアである。んで、2008年にドラフトされているので、大学をシニアまで送っている事になる。今時珍しいプレイヤーである。シニアまで大学にいた1巡プレイヤーといったら、それこそダンカン以来ではないだろうか。 本名はRoy Denzil Hibbert。デンジル。 とにかく、ヒバートに関しては、兎に角怪我だけすんな。さすれば、5年先10年先、必ずチャンスがある。それだけである、とにかく。あとはもう何も言うことは無い。 とか何とか云っていたら、私が腰を痛めた。スポーツマンでも何でも無いのに。 2013/7/7(日) 本屋をプラプラしていたら、「ゴルゴ13」の最新刊を発見した。第何巻かは忘れた。 いや、終わらんな、このマンガ。500年後でも発刊しとるな。第2381巻とか。ガチ・ネバーエンディングストーリーだよ。終わらない物語だよ。しんちゃんも500年間幼稚園に通ってるよ。 トランプ大統領の「関税政策」が世間を賑わしている。この政策の正否は私には分からない。論じる資格も能力もない。 ただ、私がちょっと面白いと思うのは、「関税」というのは、本来、経済的に弱い側が経済的に強い側に掛けるものであるという事である。 その最も分かり易い事例、というか人類史上初めて本格的な「関税」の登場した事例が、産業革命時の世界、とりわけインドや中国(当時は清)を中心としたアジア諸国の貿易事情であろう。 当時、産業革命下にあったイギリスは、人類史上前例のないほど、凄まじい量と勢いで「モノ」を生産していた。そうして、その「モノ」は国内で消費しきれなくなり、海外、とりわけ巨大な人口、すなわち巨大な市場を抱えるアジア諸国、なかでもインドと中国にその消費を求めた。 ところが、その両国とイギリスの経済事情、すなわち社会状況は大きく異なるので、大きな、というか巨大な混乱を招いた。その結果の象徴が「東インド会社」であり「アヘン戦争」であろう。 ここで適切な「関税」を掛けていれば、このような混乱、そうしてインド・中国両国の悲劇、いや、イギリスまで含めた三国の悲劇は避けられたかもしれない。 ただ、これほど巨大な貿易活動、経済事情の大きく異なる国や地域の間での貿易活動は人類史上初めてであったから、インド・中国両国の高官、さらにはイギリスの高官も関税の必要性・重要性に気付かなかったのであろう。それに気付いていたのは、ヒュームのような優れた知性の持ち主だけであったかもしれない。 で、それを見ていた日本の高官、というか勝海舟や横井小楠といった所謂「維新の志士」たちは「関税自主権」の獲得に向けて動き出し、明治政府の最初の、そうして最も重要な仕事となり目的となる訳である。 つう訳で、本来、「関税」というのは、この産業革命時の如く、経済事情の大きく異なる、というか経済力に大きく差のある国や地域間での貿易の際の調整制度として必須のものである。現代だったら、所謂「先進国」と「発展途上国」の間での貿易の際に必須のものとなろう。もっとも、最近は、一昔前ほど「先進国と発展途上国の間での格差」は無くなってきているし、そもそもどこが「発展途上国」かも分からなくなってきてはいるが、それはまた別の問題。 また、「モノ」の中でも、例えば日本の「コメ」のような特殊な「モノ」があり、そういうものには「関税」が掛けられて然るべきであろう。「酒」や「薬」のような、各国において扱いの異なる「モノ」に関しても同様であろう。まあ、「自動車」なども、そういった意味では特殊な地位にある「モノ」かもしれない。 だが、それら以外の「モノ」、一般的な「モノ」に関して、経済的に同等の国や地域での貿易においては、「関税」は掛けるべきではないであろう。それは結局のところ「消費者」、すなわち、その国民の大部分、その当該の生産者を除いた大部分の国民が損をすることになるからだ。所謂「自由経済の妨害」である。 で、今回のアメリカと日本の場合、というか、アメリカとそれ以外の国々の場合、当然ながら、経済的な格差はない。ところが、トランプ大統領は多くの「モノ」に関税を掛けようとしてる。 いや、いいよ、アメリカが他の国々と比較して、大きく経済的に劣っている、経済的に格差があるというのなら、「関税」を掛けて然るべきであろう。我が国の商品は国際競争力がないので、関税掛けさせてね。 ところが、トランプ大統領は、一方では「経済大国アメリカ」「アメリカ最強」「アメリカ is ナンバー1」を謳っている。もしもアメリカが世界一の経済大国であるならば、むしろ逆に多くの国々がアメリカの「モノ」に対して関税を掛けるべきであろう。それこそ、かつてのイギリスのように。 この矛盾、というかアンビバレンツが、今回のニュースの面白いところである。 まあ確かに、アメリカの「モノ」が世界的に見て、価格的にも品質的にも競争力を失っているのは確かであろう。 それには色々な理由があるのだろうけど、そのひとつには「アメリカ生活のガラパゴス化」というのもあると思う。 「ガラパゴス化」というと、日本の商品に決まって言われる言葉で、「ガラケー」なんて言葉もあるくらいだけど(結局、「ガラケー」ではなく、世界初の「スマートフォン」だった訳だけどな、)、「アメリカ人の生活」も大概ガラパゴスだと思う。世界的に見て、かなり特殊な生活様式だと思う。そういった生活様式が生み出し、「ガラパゴス化」してしまった典型的象徴的な「モノ」が「自動車」だと思う。 アメリカ人の多く、一部の都市生活者を除いた多くのアメリカ人は、皆さんご存じの通り、広大な土地にデカい家で暮らしている。お隣さんが1km先、小学校はバス必須、そんな暮らしである。 んで、近所のスーパーマーケットは100km先。そりゃ、デカい車じゃないと、話にならんよね。ピックアップトラックじゃないと話にならんよね。「時速100km以上で直線を安定して走れる」というのが、「アメリカ車」の必須の性能となる。日本を始め、多くの国々で必須な「止まる・曲がる・動き出す」は、さほど重要でなくなる。アメリカでの自動車運転は、ひとたび動き出せば、ほとんど止まったり曲がったりはしない。日本でいえば、ほぼ全てが「高速道路」みたいなものであろう。ちょこまか止まったり曲がったり動き出したりはしない。 で、そのスーパーマーケットでの買い物は、1週間どころか1ヶ月分のまとめ買いである。となれば、重視されるのは「大容量」と「保存性」であり、日本の、いや世界中のほとんどの奥様のような「鮮度」ではない。毎日、あるいは2日や3日に一度買い物に行くスタイルではないのである。 んで、その食料品を保存する巨大な冷蔵庫、あるいは保冷室。 そりゃ、アメリカの商品は外国では売れんよね。コストコは日本に来たら、「日本式」の売り方をせざる得ないであろう。セブンイレブンは日米で大きく異なるであろう。 ちなみに、この現今のアメリカ生活のような「僻地で暮らす」は、今現在他の地域にもあるし、かつては世界中の多くがそれだったけど、その場合、原則「自給自足」である。電化製品みたいなものは、さすがに年に一度くらいで都会に買いに行くだろうけど、基本的な日用品、とりわけ食糧は「自給」である。田や畑を耕し、鳥や魚を獲りに行く生活である。水にしたって、井戸、ないし川に汲みに行くであろう。 「僻地で暮らしながら、貨幣経済をしている」というのは、恐らく人類史上初の生活様式だと思う。 まあ、こういう生活様式に関しては、このような「モノ」の問題以外にも、色々問題をはらんでいるらしく、「日本のような、つうか大概の国々のようなコンパクトな生活をすべき」という意見もあるらしいけど、それは別問題。私に論ずる資格、能力はない。 さて、話を「トランプ大統領と関税」に戻す。 経済の国際化は、とっくの昔に完了している。それを示す証拠は多い。反証は見つからない。 たとえば、今現在、日本の企業の多くのトップ、取締役とか重役とかに外国人が就いてる。それこそ、ゴーンあたりが走りだったかもしれん。 そういった人事に反感を持つ日本人もちらほらいる。「日本企業が外国人に乗っ取られる」みたいな調子でね。 でも、現実問題、大企業、中小企業を問わず、今現在、外国の市場や資材や物流等々と無関係、没交渉で活動を行える企業なんて、ほぼ皆無であろう。すなわち、国内のみで、その活動が完結している企業なんて、ほぼ無いのである。 であれば、どうしたって、外国人を雇わざる得ないだろうし、重役に外国人を起用せざるえない。 それは、大企業、中小企業のみならず、零細企業、個人商店すら同様であろう。 たとえば、どこぞにネジ工場があり、今まではトヨタと日立のみに商品を納めてたとする。そこに、とあるスイスの企業が現れ、「あなた方のネジは大変素晴らしいです。トヨタや日立の10倍の値で私たちが買いましょう。」。そんなような話はザラであろう。 また、どこぞにラーメン屋があり、その食材の多くは外国産だったとする。今までは、その食材を食材輸入業者から買っていたが、直接アメリカや中国の農家から買った方が安いと知る。となれば、という話になろう。 また、どこぞの中古ゲーム屋さんが大量の在庫を抱えていたとする。当然、外国人の方が高く大量に買う。となれば、となろう。 という風に、あらゆる企業活動、経済活動が国際的なのである。国際化せざる得ないのである。日本中のあらゆる看板に、英語表記がほぼ必須であるのも、その証拠のひとつであろう。別に「おもてなし」のみでやってる訳じゃない。 また、「made in japan」とか「made in china」みたいな表記もほぼ無意味であろう。「日本で」作られていたとしても、その工員のほとんどが中国人やベトナム人、その材料、工具のほとんどが中国製なんてことはザラだからだ。それって、「日本製」ですか。「ダイソーの商品は、さすが日本製品」ですか。 故に、国別の経済指標なんていうのも、ほぼ無意味な統計であろう。「先進国」と「発展途上国」があるのではなく、各国それぞれに「富んだ人」と「貧しい人」がいるだけである。トヨタもマクドナルドもレノボもルイ・ヴィトンも皆国際企業なのである。ただ、その本社の所在地が、それぞれ日本、アメリカ、中国、フランスであるに過ぎない。 そうして、インターネットの登場により、文化の国際化が猛烈な勢いで進んでいる。昨年の鳥山明の訃報の広がり方は、その象徴である。 そういった事情を鑑みれば、政治もどんどん国際化すべきであろうし、国際的な法整備を進めていくべきであろう。というか、それしか道はない。せざる得ない、のである。 その典型、というか早急に解決を要する問題が、例えば「外国人労働者問題」であり、世界的に可及的速やかに解決すべき課題であろう。「移民移民」言うてる場合じゃない。日本の「技術実習生制度」が名案かはともかく。 そうして、その行き着く先は、当然「世界政府」となる訳けど、まあ、その前に当然、戦争、統合戦争があるよね。 それはともかくとして、通貨ぐらいは統合すべきであろう。ヨーロッパでは既に実験している訳だし、世界もそれに追随すべきであろう。とりあえず、アジア圏とか中近東圏とかアメリカ圏とかアフリカ圏とかで統一して、いずれ世界通貨に、である。名称で紛糾するなら、それこそ「ゼニー」にでもすれば良いであろう。 となれば、それに猛烈に反対するのは、現状事実上の決済通貨である「ドル」、すなわちアメリカであり、かつてのイギリスの如く猛烈に反対するであろう。今のアメリカが世界に対して、不当に、って言ったら言い過ぎだけど、有利な位置を占めている理由は、英語、軍事力、鉄、石油等々色々あるが、そのひとつが「ドルが決済通貨であること」だからだ。 まあまあ、そのへんの問題はともかくとして、経済に始まった「世界の国際化」は猛烈な勢いで進むだろうし、それは世界中の多くの人々、アメリカ人も含めて、世界中の多くの人々が望む事であろう。いや、望む人が多いから、「国際化」してる訳である。 と.・こ・ろ・が・な・ぜ・か、世界中の政治家、とりわけ首長クラスの政治家の多くが非国際的、あるいは反国際的な言辞を弄し、時にはそれを政策として実行する。その象徴が今回の「トランプ大統領の関税政策」だし、その極めつけは「ゼレンスキーの戦争」であろう。 今ここに「と.・こ・ろ・が・な・ぜ・か」と書いたけれども、理由ははっきりしている。そのような非国際的、反国際的な言辞を弄するような人、ざっくり云えば右翼的な言辞を弄する人は「選挙」に強いからだ。その理由については、ちょい前に書いたけれども、世の多くの人が「褒められたことのない人」「冴えない人生を送っている人」であるからだ。そうした人の多くは、自己愛の裏返しとして、あるいは変形として自分の国を愛するであろう。その頂点、極めつけは、申す迄もなく、アドルフ・ヒトラーである。 実際のところ、トランプやゼレンスキーといった人達が、本当に本心から非国際的、反国際的な思想、愛国的な思想を持っているのかは分からない。単純にテレビ視聴率の獲得のために、そのような言辞を弄んでいたら、あれよあれよという間に、このような結果になってしまったのかもしれない。 と考えると、そうした人気取りの「発言」と現実的な「政治」の乖離、相克に最も苦しんでいるのは彼ら、トランプやゼレンスキーのような人達なのかもしれない。あんなこと言わなきゃよかったなあ。ここでも、「ヤオとガチの問題」は現れるのだ。 時事問題を片付けたので、本題はチャチャっと済ませたいと思う。 ヒバートの前回の記事を見ると、何と12年前。12年前何してた?。「両親がまだセックスしてなかった。」とか言わないよーに。 当時の私の希望の星だったヒバートのその後はというと、2015年、ちょうど私がNBAから離れたあたりでレイカーズへトレード。 このトランザクション自体は知ってはいた。レイカーズの歴史は、いわばスーパーセンターの歴史であるので、当時、トップとまでは云わなくとも、若手有望株センターの一人だったヒバートに、シャックの後任として白羽の矢が立ったのであろう。 ただまあ、私は多少懸念というか、心配もしていた。というのも、レイカーズの歴史はスーパーセンターの歴史ではあるけれども、そのスーパーセンターの歴史はオフェンス型のスーパーセンターの歴史、マイカン、ジャバー、シャックの歴史であるからだ。 ヒバートは典型的なディフェンス型のセンターなので、「その点どうかな。」とも思ってた。「むしろ、ボストン向きだろう。」とも思ってた。 そうした私の不安が的中したかは知らぬが、レイカーズは15−16の1シーズンのみでヒバートをリリース。FAとなったヒバートはホーネッツと1年契約。その16−17シーズンはバックス、ナゲッツへと連続してトレードされ、ナゲットとしてシーズン終了後、リリースされ、結局2017年7月17日に引退をアナウンスしたそうである。 一体、何があったんだ。ペイサーズ後の2年間のプレイっぷりは全然観ていないので、断言は出来かねるが、2年後に引退するような選手ではなかった筈である。ケガという情報も無いし。不思議。謎。安西先生のような心持ちである。 「守備型センター」と「3Pの無い選手」の需要が激減してるのは分かるが、まだ2017年である。もう、お呼びで無かったの。 引退後は、ユーチューバーなどをやって、気楽に暮らしてるようである。 期待してたんだけどなあ、希望の星だったんだけどなあ。さらば、ロイ・ヒバート。 2025/4/13(日) |