インディアナポリス研究会ペーサーズ局

歴史

戦評 '08-'09シーズン

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2010年 プレーオフ
開催中
 思い切って、フォントをメイリオに変更してみました。

 それはともかく、とうとうペーサーズの試合をみないうちにシーズンが終了してしまった。丸1年、ペーサーズの試合を見ないのは、ファンになって15年ほど経つが、なんだかんだで今年が初めての様な気がする。弱小の悲哀を味わっております。グレンジャーの記事はいつになったら書くことが出来るのだろう。

 シーズン最初の記事はペーサーズのゲームと決めていたので、こんな結果になってしまった。プレイオフも終盤で、もはや残っているのは4チームしかない。まっ、こんなシーズンもあるということでお茶を濁すか。

 ペーサーズのゲームは全然見れなかったわけではあるが、代わりにボブキャッツやグリズリーズ、サンダーのゲームは数多く見れたので、これはこれで良かったと思う。

 今シーズン最大のトピックスはやはりケビン・デュラントの覚醒だろう。ルーキーイヤー、その美しいシュートフォームを見たときから、只者ではない事はわかっていたが、遂に覚醒したか。むしろ、ちょっと遅かった気さえする。2年目でブレイクするかと思っていたが、チームにゴタゴタもあったし、致し方ないか。

 しかし、これでオデンちゃんはますます立場を失うなあ。オデンとデュラントとの関係を、早くもサム・ブーイとジョーダンの関係に比する声も出て来ているし。私は、デュラントの才能同様、オデンの才能も確かのものだと思っているので、頑張れオデン。

 プレイオフも終盤に来てしまっているが、ちょっと感想書くか。1試合丸々見たゲームはひとつも無いのだけれど。ちょい見の感想を。

 まずは、スパーズから。去年も書いたと思うが、チームが唐突に老けた。特に、というか象徴的にダンカン。年齢的にはそんなに老け込む歳でもないように思うが、なんかもう死ぬ直前みたいな感じである。もともとプレイスタイルが、若い時から老成しているようなプレイスタイルだったので、そう感じるのかもしれないが、なにかもうホントに終わっているという印象である。同じ頃のデビット・ロビンソンの方がはるかに若かった。
 バスケットボールというゲームは経験が大いにモノを言うスポーツではあるけれども、それとは別に溌溂とした印象、日の出の勢いみたいなものはどうしても必要である。今のスパーズは完全に落日の艦隊である。とりあえずマクダイスは外した方が良いと思う。この苦労人はチームをよりいっそう老け込ませてしまう。

 そのスパーズとは対照的に、まさに日の出の勢いなのが、今のサンズであるが、これはシャックを外して大正解だろう。あとはグラント・ヒルのところにショーン・マリオンさえいれば、レイカーズに勝つのも夢ではないだろう。でもいないから無理。ヒルではコービーは止められないと思う。ていうか、ドラジッチで誰。

 一方、そのシャックを受け入れて、というか半ば強奪して、えらい目に遭ったのはキャブスであるが、これは別にシャックが悪い訳では勿論無く、前々から散々書いているように、チームのリーディングスコアラー、エースをSFに置く弊害がもろに出ているということだろう。SFにエースを置くチームは、余程の幸運、ないしは抜本的な戦術の変化の無い限り、優勝できないと思う。この課題は、レブロンのみならず、デュラントやカリメロにも突きつけられている課題である。優勝したいのならば、いち早くポジションを変更すべきだろう。

 しかし、このシャックの他にもジェイミソンを加えて、イルカールガスを無茶なやり方でチームに戻してカンファレンス・セミファイナルで敗退となると、かなり恥ずかしい。
 これだけなりふり構わぬ補強というのは、10年位前のポートランドやダラス以来だと思う。セルツの場合は、タイミングが偶々合ったというだけで、なりふり構わぬという感じは無かった。また、そのポートランドやダラスにしても、獲れる選手を片っ端から獲ったという感じであって、今回のキャブスのような、欲しい選手を無理矢理獲ったという印象は無い。そういった意味では、今回のキャブスは歴史的に見ても、かなり恥ずかしい敗退だったと思う。

 しかもこのなりふり構わぬ補強は、私の見たところ、あまり意味の無い補強だったと思う。ひと昔前のシャックならともかく、今のシャックとZとの間に、特にオフェンス面ではほとんど力の差が無い。むしろ総合的に見ればZの方が上といってよいくらいである。しかも、そのZを無理矢理チームに戻してきて、ベンチに座らせておくのも不可解。チームの功労者に対する温情ロースターとしか思えない。
 そしてジェイミソン、彼は体格的にはPFであるけれども、プレイスタイル的にはSFである。レブロンの控えという意味しかないだろう。

 優勝するために、なりふり構わぬ補強をするのだったら、そのZを使って、シャックと相性のよいハスレムを連れて来るべきだったし、なによりSFにマリオンやジェームズ・ポージーのようなタイプを連れてきて、レブロンをSGに固定すべきだったろう。そうすれば、レジョン・ロンドにあんなにいいようにやられなかった筈である。
 ベン・ウォレスを連れてきた昨年の方が補強の方針としては正しかったと思う。ただウォレスが予想以上に老化していたのが計算外だったというだけである。

 なりふり構わぬといえば、ボストンもラシード・ウォレスを連れて来ているが、これは「お金が余っていたから使ってみました。」みたいな補強だろう。あまり戦略的な意味は内容に思われる。むしろ、なりふり構っていないのはラシード・ウォレスの方であろう。晩年のカール・マローンを思い出した。

 ファイナルの予想は、よく分からんので、控えておきます。西は、上に書いたようにレイカーズだと思うが、東はなあ、まったく分からん、マジックの試合を全然見ていないので。


 全然話は変わるのだが、なりふり構わぬつながりという事で時事ネタをひとつ。

 来る参院選に向けて、中畑やら堀内やらヤワラちゃんやら、果ては原田大二郎やら、各党がなりふり構わずタレント候補を擁立して顰蹙を買っているが、あれ多分、架空の人物でもいけるな。矢吹丈とかアムロ・レイとか、三井寿とか。ていうか人物じゃなくてもいけるかも。デビルマンとかガンダムとか、ドラえもんとか出てきたら、それこそイチコロだろう。サラリーマン金太郎は堪忍な。

                           2010/5/18 メイリオもまずまずだな。


 メイリオ飽きちゃった。早っ。なんか、角が丸いんだもん。角が立たないんだもん。

 フォントはともかく、NBAファイナルはLAvsBOSというNBA最大のライバリーのマッチアップと相成りました。2年前の再戦ですな。LA・BOS時代到来という感じも無くはないが、バード・マジック時代ほどの盛り上がりは感じんな、流石に。

 その前に、カンファレンス・ファイナルについての感想を、それぞれ。

 サンズ、やはりラン&ガンはこの辺が限界なのか。でも何故にラン&ガンは勝ちきれないのかという古くて新しい問題を改めて考えてみたが、結局のところは良く分からん。ここぞという時、得点できないというのは確かにその通りだが、でもそれだとレギュラーシーズンでは何故勝てるのかということになってしまう。プレイオフも一発勝負ならともかく、7戦やるのだから、7戦のうち4つ取れば良いという考え方に立てば、「ここぞという時、得点できない」というのは理由にならなくなってしまう。う〜む。

 サンズに話を戻すと、ラジャ・ベルが今年のチームにいれば少しは変わったかもしれないが、でもやはり厳しいか。あと、噂のドラジッチを初めて見たが、若い時の、ハゲる前のジノビリに良く似てる。こましゃっくれていてシュートが上手いという。

 一方、イーストであるが、こちらはマジックが敗退。去年も書いたと思うが、正直に言って、このチームがカンファレンス・ファイナルに出てくること自体が私には不思議である。ドワイト・ハワードのディフェンスがそれだけ凄いともいえるのかもしれないが、にしてもである。サンズも同様であるが、3ポイントをぽんぽん打つだけのチームがここまで勝ちあがってくるというのは、やはり現行の得点配分に問題があるとしか思えない。普通のシュートを3点、今の3ポイントを4点にするというような得点配分の変更が必要なように私には思われる。でなければ、いっそ3ポイントを廃止するとか。

 ペイント内の戦いがそのままバスケットボールであるとまでは言わないが、「フロントラインの力=チーム力」が持論の私としては、現状のNBAはちと物悲しい。まあぺリメーター・ディフェンスもそれなりに楽しいけどね。

 しつこく繰り返すが、3点と2点というのは、一見したところ、単に1点差でしかないように思われるが、実際は1.5倍である。麻雀の基本的必勝法が親の連荘であるように、パッと見のイメージよりも、この両者にははるかに差がある。仮にそれぞれ30回づつシュートが成功したら、もうすでに90点対60点で30点の差がついてしまう。3ポイントラインの内と外のシュートに、それだけの技術的難易度の差があるとは、とても思えない。改善必須だと思う。今ふと思ったが、ペイント内を2点、それ以外を3点というのも良いかもしれない。

 マジックに話を戻すと、J.J.レディック、欲しいなあ。その美しいシュートフォームが私のお気に入りなので、是非ともペイサーズが狙って欲しい人材である。もうそろそろFAだと思うので、トレードなりFAなりで是非とも獲得してほしい選手である。バードは白人好きっぽいので、ちと期待している。
 本音をいうとマジックでは鳴かず飛ばずのまま終わって、捨てられたところを拾うような形で獲得して欲しかったのであるが、ここにきてぼちぼち活躍し始めたので、それはちと難しくなったろう。

 さて、ファイナル予想であるが、世間一般はボストン有利の声が多いようであるが、私はレイカーズを持ちたい。今のセルティックスにはコービーを止めることの出来るプレイヤーがいないからである。2年前にはジェームズ・ポージーがいた。その差がはっきり出ると思う。

 レイカーズの不安要素としては、なんかしょっちゅう書いている気がするが、バイナムの出来不出来・出場不出場であろう。バイナムが思うように活躍できない・出場できないとなると、ボストン有利に傾くだろう。今のレイカーズのフロントライン、というかC/PFはバイナム・ガソル・オドムの3人で絶妙に構成されているので、この3人のうち誰か一人でも欠けると、途端に無力になる。実際、2年前のレイカーズがそれである。中でも、一番欠けやすいのはバイナムだと思われるので、普通にプレイできるよう心がけて欲しい。バイナムが普通にプレイできれば、レイカーズ勝利でまず間違いないと思う。あっ、言っちゃった、外れたらヤベぇ。

 あとまあ、個人的に注目なのはロンドvsフィッシャーのマッチアップかな。自分と同年代のPG相手にブイブイ言わせて、評価鰻登り中のロンドであるが、このベテラン曲者PG相手にどんなプレイをするのかは、個人的には大いに注目している。ロンドがぶっちぎるのか、フィッシャーがおいしく料理するのか、どちらの目も考えられるだけに、楽しみである。

 あと、マイケル・フィンリーとネイト・ロビンソンは今ボストンにいるのね。知らんかった。

                                                       2010/6/3

 ファイナルはここまでLALの2勝1敗であるが、ここまでの感想と前回の補足をば。

 前回、レイカーズの不安要素としてバイナムを挙げたが、ペイサーズファン的にも大事な不安要素をひとつ書き忘れていたので追加します。

 それは、もちロンロンこと、ロン・アーテスト大先生である。

 もちろんロン・アーテストは、ペイサーズ・ファンもよく知るとおり、優秀なスモール・フォワードであり、リーグ有数のディフェンダーであり、ファイナル制覇のためには必須のプレイヤーなのであるが、これもペイサーズ・ファンもよく知るとおり、重大な欠点がひとつだけある。

 一般的にはアーテストの欠点というと、オフ・コートでの問題が云々されるが、実際はそれはそんなにたいしたことではない。問題行動を起こすといえば、確かに起こすが、アーテストのそれは、どちらかというと、子供っぽいものが多く、深刻なものは無い。性格的にも、目立ちたがり屋ではあるけれども、けれども温厚で、ロッドマンのようにチーム内で浮くというようなことも無い。

 彼の唯一の欠点は、これもどこかで書いたかと思うが、妙に点を取りたがる、それもゲームのかなり重要なところで、強引なペネトレイトやジャンプシュートで得点したがるという点である。ひとたびボールに触れたら、なかなか離さない。これも、かなりの高確率で得点を決められれば、そんなに問題はないが、これが結構外す。実際、ペイサーズはこの悪癖にかなり悩まされた。このファイナルでもレイカーズ第2戦の敗因のひとつになった。

 レイカーズは、大事なところでは、アーテストにボールを触らせないという形で、この悪癖に対応しているようであるが、そうはいっても、オフェンスリバウンドやスチール絡みで触ってしまう時は触ってしまうものである。この悪癖が、バイナムと並んで、レイカーズの2大不安要素である。

 しかしアーテストは、これさえ無ければ、それこそ現役ナンバー1SFといっても良いくらいの、いい選手なんだけれどなあ。実に惜しい。彼が敬愛しているロッドマンとの最大にして唯一の違いはそこである。ロッドマンはオフェンス、というか得点には全く無関心だった。

 さて、ファイナルの感想としては、いろいろあるがここではひとつだけ。私が個人的に注目していたロンドvsフィッシャーであるが、これもここまで、チーム成績同様、フィッシャーの2勝1敗のようである。フィッシャーは意外にクイックネス・タイプには苦労するので、実にいい勝負になっている。チームの明暗を左右するとまではいかないだろうけれども、ここまでは彼らの戦いがそのまま両チームの対戦成績につながっているので、実に面白い。

                                                  2010/6/9

 どうも、「週刊ファイナル通信」です。ファイナル・ファンタジーとは何の関係もありません、ごめんなさい。

 例によって例の如くのしょーもない書き出しはともかく、今年のファイナル、ながくね。例年はもっとポンポン試合をやっていたように記憶しているが、今年は妙に飛び石ゲームである。つっても、めんどくさいから調べないけど。

 さてファイナルはここまで3勝3敗のタイ。レイカーズ勝利を予想した私としては、ちょっとドキドキしているのであるが、まあ、バイナムの不調ないし不出場の試合に限って、レイカーズは苦戦敗北しているので、まあまあ予想通りと言い訳させてください。
 第6戦もプレイタイム自体は少ないものの(早い時間帯でゲームが決しちゃったからだけど、)、オフェンス3の計4リバウンドを挙げているので、今日は活躍したゲームといってよいと思う。レイカーズの優勝はバイナムの半月板にかかっていると言ってさえ良い。

 膝の怪我、とりわけ軟骨や半月板の怪我というのは治りそうで治らないので、本当に性質が悪い。バスケットボール・プレイヤーに限らず、多くのスポーツマンを悩ませている。松井とかオデンとか、松井とか。バイナムのキャリアもこの半月板のために大きく傷ついている。

 バイナムの半月板はともかくとして、このレイカーズのように、ある特定のプレイヤーの出来不出来、出場不出場によってチームの力がこれだけ大きく変わってしまうというのも、なかなか珍しいと思う。どこかでも書いたと思うが、今のレイカーズは、バイナムが普通に出来れば、’00年代というか、NBAの歴史を通じても有数のチームになり、バイナムが出場出来なければ、並みのチーム(一昨年のファイナルのチーム)に成り下がってしまう。そのキープレイヤーが、コービーやレブロンのような、殿堂入り間違いなしの大選手ならともかく、バイナムのような、せいぜいオールスター数回出場レベルのプレイヤーで、こういう現象が現れるのはなかなか面白い。こういうのを、言葉の正しい意味で、「ケミストリー」というのだと思う。
 これは、バスケットボールというゲーム特有の面白さともいえるだろうが、何よりそれは、人間関係の妙でチームを構成するフィル・ジャクソンのチーム作り、バスケットボール・フィロソヒィーの面白さだと思う。

 実際、このバイナムのいないレイカーズのようなチームをどこかで見たことあるなあと思っていたら、思い出した。そう、ジョーダン復帰1年目のブルズがちょうどこんな感じだった。カンファレンス・ファイナルでマジックに屈する訳であるが、あの時私はその一連のゲームを見ながら「ホーレス・グラントさえいたらなあ。」と思ったものである。ちなみにそのホーレス・グラントは敵方のマジックにいて、その勝利の際のグラントのガッツポーズが印象的なシリーズでもあった。

 そのオフシーズン、ブルズは電撃的にデニス・ロッドマンと契約(正確に言うと、トレードにて獲得。)、第2次ブルズ王朝の開幕を告げる訳であるが、当時バスケットボール観戦初心者の私は「誰でも考える事は同じだなあ。」と思ったものである。

 ちなみにこの「誰でも」の中には日本のバスケットボール解説者は含まれていない。彼らは一様にブルズ敗退の原因を、野球から復帰して間もないジョーダンの調整不足のせいにしていて、ブルズのスクリーナー不足リバウンダー不足には、全くと言ってよいほど触れていなかった。アマチュア・スポーツマンのゲーム理解は、その程度だともいえるし、日本のスポーツ・メディアのゲーム理解が、常にスター主義・個人主義だともいえる。彼らの目は常にスター選手の出来不出来を追い、ゲームの構造には全く目をやらない。たまにスター選手の動向から目が離れると、今度は一足飛びにファーメーションやら打順、監督采配の話になる。スター選手の好不調と戦術でゲームの一切が決まるかの様な勢いである。

 しかし、実際は、それら選手の好不調や戦術のほかに、会場の状態や天候、世間からの注目具合、選手の心理状態、戦術と選手との相性、会場との相性、選手やコーチ陣ならびにチーム関係者との人間関係、審判の技術的心理的傾向、運不運等々が複雑に絡み合って、ゲームは成立している。 私はそれをゲームの構造と仮に呼んでいるが、それらの因果関係を解きほぐしていくのがゲーム観戦の大きな楽しみのひとつだと思っている。もちろん、それがゲーム観戦の全てではないし、単純に勝った負けたで騒ぐのもゲーム観戦の大きな楽しみだと思うが、せめてスポーツマスコミぐらいはそのことを意識してもらいたいと思う。

 先日行われたワールドカップの日本対カメルーン戦でも、決勝ゴールを決めた本田にばかり報道が集中しているが、私のようなサッカー素人の目から見ても、日本の勝因はディフェンス陣の頑張りと戦術、そして何よりエトーのへたれっぷりだったと思うが(ポジション自体が間違っていたという説もあるが、)、そういうことは全然報道しない。
 もしかしたら玄人目には日本の勝因は本田の正確なトラップと冷静なシュートだったのかもしれないけれど、他の点にももう少し触れても良いのではないだろうか。だいたい戦前は、「日本は勝てない勝てない。」とさんざん言ってきたのに、その反省が全く無いのが、まず以って不思議。何故そんな間違った予想をしてしまったのかを考えるだけでも、かなり面白い記事を書けると思うのであるが、どうであろう。

 確かにスター主義は記事を書きやすい。しかしそればかりに終始すると、一切を失ってしまう。良い例というか、悪い例が、日本の映画界ドラマ界である。ハリウッドも同じかな。

                                                           2010/6/16

 世間は「W杯サッカー」と「相撲なのに野球賭博問題」で盛り上がっているが、当サイトはそんなことはお構いなしに、「週刊ファイナル通信最終号」です。それもトウが立っているけど。

 負けましたな、セルティックス。第7戦の試合内容自体はお互いシュートの決まらない、近年稀に見るグダグダな内容のゲームでしたが、第4クォーター終盤、レイカーズのそれまで入らなかったシュートが入り出して決着しました。

 私が注目していたバイナムは20分間ほどの出場。ドクターによるプレイタイム制限があったようである。それもレイカーズ苦戦の一因だったかもしれないが、結局はレイカーズの勝ち。つーか、バイナムが普通の状態でフル出場していたらレイカーズのスイープも有り得たと思う。それくらい両チームに力の差があった。

 第7戦にケンドリック・パーキンスが出場できていたら、という仮定はあるかもしれないが、パーキンスとラシード・ウォーレスで、プレイスタイルの違いはあるものの、総合すればプラス・マイナスゼロだと思うので、試合結果に差は無かったと思う。

 にしても、ケビン・ガーネットは役立たずだと思う。日本でも(日本では、かな。)人気のある選手なので、あえて悪口を書くが、過大評価もいいとこのプレイヤーだと思う。どこかで私はKGはムトンボ・クラスのプレイヤーだと書いたが、前言を撤回する。ムトンボ以下のプレイヤーである。せいぜいグレン・ロビンソンである。
 スクリーン・アウトが出来ない、だからリバウンドが取れない、かといってペイント内のオフェンススキルは全く無い。つまるところ、オフェンスでもディフェンスでも全く役に立たない。ミドルのシュートなんか誰でも打てるつうの。

 この第7戦のガーネットのリバウンド数はなんとオフェンス0のトータル3である。バイナムなんか、その半分の時間しか出場していないのにオフェンス4のトータル6である。だいたいバイナムどころか、ガソルやオドム、挙句の果てにはアーティストやコービーといった本来リバウンダーではない選手にまでリバウンドを奪われている始末である。

 じゃあ、その分をオフェンスで取り戻しているかというと、そうでもない。第7戦の第4クォーター前半、レイカーズのガソルが、決まる決まらないはともかく、ペイント内で頑張っていたのに対し、ガーネットはペイント内に足を踏み入れもせず。一度誰かのダブルチーム崩れのタッチダウンパスを貰ってダンクを決めただけである。
 この時間帯、ガソルのように、ガーネットもペイント内で頑張っていれば、セルティックスの勝利も十分有り得たと思う。この時間帯のガソルの頑張りが、第4クォーター終盤のアーティストやフィッシャーの3ポイントを呼び込んだと私は見る。勝敗を分けた大きなポイントだったと思う。

 ガーネットはスクリーナーとして頑張っていたという意見もあるが、一体単なるスクリーナーにいくら払ってんだという話である。また、単にスクリーナーとして使うのだったら、幅のある分だけ、グレン・デービスの方がはるかに良いだろう。実際、シリーズを通して、グレン・デービスがコート上にいる時の方が、ボストンの調子は良かった。

 まっ、ここに書いたようなことが全て出来ていれば、ガーネットはミネソタ時代、とっくの昔に優勝しているであろう。メンバー的には今のボストンに遜色ない、あるいはそれ以上の時期がミネソタにはあった。

 あんまり人の悪口を書くのも感じが悪いので、ここらで趣向を変えて、お祝いコメントをひとつ。

 ロン・アーティスト、優勝おめでとう。遂に待望のチャンピオンリングである。

 アーティストは、もはや忘れている人も多いと思うが、かつてジェイレン・ローズとのトレードでブルズからペイサーズにやってきた選手である。もちろん、当時のアーティストは、まだほとんど何の実績もなく、かつ無名だったので、他にいろいろ付いていたかもしれないが、実質的にはローズ⇔アーティスト+ブラッド・ミラーの1対2のトレードでペイサーズにやってきた。
 このトレードは、当時、ペイサーズファンのみならずNBAファンからも非難轟々だったトレードで、唯一ブルズファンのみがその等価値性を主張していた。いつの時代でも、プレイヤーの実力はそのチームのファンが一番良く知っている。しかし、ブルズファン以外の目からすれば、「どこの馬の骨とも分からん選手をオールスタープレイヤーと交換すんな、バカ。」という訳である。
 ちなみに私はというと、ローズの放出はサラリーキャップ的には必至だったし、またローズは、好きな選手ではあったけれども、プレイスタイル的に扱いづらい選手だったので、その等価値性はともかく、このトレード自体は、仮に失敗に終わったとしても、やむなしと見ていた。

 しかし結果的には、皆さんも良く知るとおり、このトレードはペイサーズ史に残るくらいの大成功を収めた。実際、この当時のメンバー、すなわちブラッド・ミラー、ジャーメイン・オニール、ロン・アーティスト、レジー・ミラー、ジャマール・ティンズリー、そして6thマンにスティーブン・ジャクソン、このメンバーならば、ファイナル制覇はともかく、当時のイースタン・カンファレンスの状況を考えれば、3年連続でファイナル進出してもおかしくない位のメンバーだった筈である。あとはHCがアイザイア・トーマスでさえなければ…。

 まあ、死んだ子の年を数えても埒が明かないので、ともかくアーティスト、優勝おめでとう。

 こんなとこかなあ。とりあえず、これで今季のレポートは終わりにします。レギュラーシーズンのゲームもろくすっぽ見ていないので、毎年恒例の「俺ファーストチーム」は今季はパスします。

 あっ、そうそう、今度のファイナルにもマジックやっぱり顔出してたな。どんだけ出たがりなんだか。エイズは治ったのか。つーか当人がエイズである事を忘れてんじゃねえだろうな。
 一方で我等がバードは全く顔を見せず。こちらはもはや完全にセルティックスOBであることを忘れている。つーか、あの人、この10年くらいインディアナ州から出た事ないんじゃないだろうか。どんだけインディアナ州が好きなんだか。ほんと、何から何まで対照的なふたりである。

 そういえば、今オフはレブロンFA問題で盛り上がっているが、さすがにペイサーズには来ねえよな、やっぱ。ペーサーズ入りしたら、アメリカ中がひっくり返るわな、さすがに。アメリカが共産主義国家になるかも。
 レブロンはさすがにアメリカ的にもまずいが、ドウェイン・ウェイドとか来てくんねかなあ。そのくらいの大物が来ないと、今のペイサーズはどうにもならない気がする。ジョー・ジョンソンでお茶を濁してもなあ。

 改めて考えてみると、他の都市からインディアナポリスに来る理由って何も無いな。特に若者は。

                                                   2010/6/23