2008年 | 2月29日 UTH@NO 98−110 |
しかし、怖いくらい放送せんな、ペーサーズの試合。似たようなカードばっかり放送しとる。まあNHKは弱小チーム不人気チームには異常なほど厳しいからな。ジョーダン全盛期はブルズの試合ばっかりだったし、その後はレイカーズの試合ばっかり。まあある意味、平等といえば平等ではあるが。悔しかったら、強くなってみろ、人気出てみろということか。一時期はウォリアーズの試合をまったく放送しなかったし、ホークスなんか今年5年振りぐらいに見た。最後に見たのは確か田伏の開幕戦だったと思う。ジョシュ・スミス跳ぶなあ〜と思ったのを憶えている。あっ、これテレ東だ。 というわけで、戦評第一弾はペーサーズとは何の関係もない試合、ジャズvsホーネッツです。強いて関係があるといえばバイロン・スコットぐらいか。 なかなか見どころの多い面白いマッチアップだったと思う。例によって、思いつくままにあれこれ。 なんといっても注目はデロン・ウィリアムズvsクリス・ポールの同期ライバルマッチアップであろう。私は今回はじめて噂の二人をじっくりと見た。 この試合を踏まえてというわけでもないが、現時点ではC・ポールの方が上だろう。一試合16アシストなど簡単に出来る数字ではない。印象としてはストックトンとケビン・ジョンソンを足して2で割ったような感じ。これも無理に表現すればということで、彼のようなスピードとパスセンス、得点力を高い次元で備えた選手というのはいそうでいなかったタイプだと思う。得点力を落として、その分パス能力を上げたアレン・アイバーソンという言い方も出来るかもしれない。いずれにせよ、ニューオリンズの宝であることにちがいあるまい。ただホーネッツのPGって長続きしないからなあ、ボーグスといいバロン・デービスといい。そのへんが鍵かもしれない。どんな鍵だ。 一方、D・ウィリアムズはこの試合に限っては不出来が目立った。戦略なのか、それともそういうスタイルなのかはよく分からないが、球離れが非常に悪い。優秀なフロントラインを持っているのだから、もっと彼らにボールを預けても良かったと思う。この試合に限っては、それが直接の敗因だろう。似ている選手はなんといってもうちのマーク・ジャクソン。とくにミラーのいないときのマーク・ジャクソンとはくりそつである。とりわけデンバー時代。まさに、あんな感じだった。ローポストに入れるところも良く似ている。ただM・ジャクソンのローポストは得意のプレイだったが、D・ウィリアムズはもうすこし腕をみがく必要がある。これを身に付ければ、ユタにとってこの上ない武器となるだろう。それくらい、PGのローポスト強力無比な天下無双の武器なのである。ペーサーズも幾度となくM・ジャクソンのローポストには助けられた。ただ、現行のルール解釈だとほとんど反則になっちゃうだよね。 しかしどうしてJ・スローンはD・ウィリアムズを獲ったのだろう。どう考えてもストックトンに近いのはC・ポールの方だと思うのだが。もうストックトンには飽きたのか。 先にもちょっと触れたが、ユタのフロントラインは現在のNBAでは最強クラスだと思う。これより上はクリーブランドぐらいしか思いつかない。フロントラインの力はそのままチームの勝敗に直結するので、今年のユタはいいところまでいくと思う。問題はD・ウィリアムズの球離れか。 D・ウェストは今までにないタイプのPFだと思う。どういうプレイヤーになるのか興味深い。 そうそう、元インディーということではストヤコビッチを忘れてた。逃がした魚は大きかったか。 NOのジャージの胸のマークはセインツと共通なのね。市のマーク?州のマーク? 2008/3/5 ペーサーズが見たい。今季は無理なのか。とほほ。 新たにC・ポールのプレイを見る機会があったので、ちょいと補足。 上項で似たようなタイプはちょっと思いつかないと書いたが、ひとり忘れてた。スティーブ・ナッシュである。彼は確かにスピード、パス、スコアリングのみっつを高い次元で備えている。ただ、今回あらためてC・ポールのプレイを見て思ったのはそのパスセンスはS・ナッシュよりはるかに上にあるということだ。 ナッシュのパスはあくまで自身のペネトレイトで相手ディフェンスをかき回した上でのパスがほとんどである。一方、C・ポールはペネトレイト抜きでもパスを裁ける。ボールをもらった瞬間にパスを放れるのである。それは卓越したコートビジョンに依るものであり、私はマジックやラリー・バードのそれを思い出した。彼のパスは実際バードやマジッククラスのものだと思う。大変な逸材である。フロントコートに超大物が入団すればファイナル制覇もありうるだろう。一時期、鬼のウェストでトップにいたのも無理からぬ話である。D・ウェストの好成績やタイソン・チャンドラーのスターター奪取の理由も判明した。 背が低いのが気になるといえば気になるが。レポーターの女性とどっこいどっこいだったし。 本当にどうでもいい話だが、上記の試合でごくごく一部にマニアのいるバードマンことライアン・ボウエンを発見。薬は厭きたのか。書き忘れてたので付け加えておきます。記念に。なんの記念だか。 2008/3/9 ごめんなさい。訂正します。 上項で触れたバードマンとはライアン・ボウエンではなく、クリス・アンダーセンでした。ごめんなさい。訂正します。 どうも昔からこのボウエンとアンダーセンの区別がつかないんだよなあ。そんなに似ているわけではない二人なのだけど。重ねてお詫びします。 2008/3/30 |
3月13日 GS@PHX 115−123 |
今シーズン、ペーサーズの試合は見れないのかもしれない。怖いくらいの実力主義だな、NHKBSは。民間企業か。まっ、民間企業だけど。一時期あれほど放送していたネッツの試合も全然やらんし。 という訳で戦評第二弾はGS@PHX。元インディもちらほらしているし。GSのみにだけど。 とはいうものの、やはりこの試合で第一に触れねばならないのはやはりこの人、シャックでしょう、シャックトレード問題でしょう。近年これほど賛否両論の、というか異論百出したトレードは稀だったと思う。 まず私の結論をはじめに述べておくと、なんだかんだといってもシャック獲得はサンズにとって正解だったと思う。怪我さえしなければ、これが一番の問題なのであるが、とにかく怪我さえしなければ、まだまだシャックは現役ナンバー1のセンターであるし、と同時に現役ナンバー1のインサイドプレイヤーでもある。ダンカンといえどもシャックには苦しむ。大いに苦しむ。そうしてバスケットボールで最も重要なポジションはセンターである。そう考えればサンズは他のチームに対して大きなアドバンテージを得た事になる。このトレードはサンズにとって大正解だったと思う。 とはいうもののアマレは巷間囁かれている様に死ぬだろう。おそらくシャックの相棒としては歴代最悪のPFだろう。ちなみに歴代最高はハスレム。こっちもシャックを失ったことにより死ぬだろう。実際はスタッツ的には伸びているようであるが、この試合を見た限りでも、シャックがコートにいる時はアマレの影は薄く、シャックがベンチに引っ込むと同時に輝きだすといった感じである。 またもうひとつ、これはこの試合を見て感じた事であるが、シャックとナッシュの相性も悪いように感じた。なんだかんだ言ってもナッシュはやはりラン&ガンのPGであり古典的なハーフコートオフェンスには向いていないように感じた。一方シャックにはやはりペイトンのような大型のディフェンシブなPGの方が良いだろう。こう考えるとトライアングルオフェンスとはつくづくシャック向きのスキームだったということである。いまこそペニーが必要か。ディアウをPGに起用しても良いくらいである。 仮にサンズが以下のような布陣だったら優勝候補最右翼だったと思う。それも圧倒的最右翼である。 C:シャック PF:カート・トーマス SF:ショーン・マリオン SG:ラジャ・ベル PG:ペイトン 6thマン:ディアウ、バルボッサ あらためて書き連ねてみると、これNBA史上最強チームかも。とりわけフロントラインは鬼である。しかもこれは有り得なくはなかった布陣である。CBA的にも可能だったと思う。詳しくは知らんけど。もっともマリオン放出がこのトレードの目的である以上、こんなチームは有り得ず、埒のあかない想像に過ぎないのだけど。 それからもうひとつ、今回サンズの試合を見てもうひとつ感じたのが、サンズはいつの間にかラン&ガンっぽい選手がアマレとナッシュ以外ほとんどいないという事だ。このメンバーだったら普通にハーフコートオフェンスをやったほうが良いと思う。それでもラン&ガンやってんだけど。 そうしてラン&ガンといえばこの人、狂気のラン&ガン、ドン・ネルソンである。この人は相変わらず古色蒼然としたラン&ガンをやっている。いつまでもやっている。あいかわらずへんな外人を連れて来る。 GSサイドではまずはこの人に触れねばならないだろう、アル・ハリントン。シャックとマッチアップしてた。IND時代は確かSG登録だった筈である。それが今ではシャックとマッチアップしてる。時の移り変わり、とか言っている場合ではないだろう。もともとプレイスタイルはIND時代からPFのそれだったのでそんなに問題はないとは思うが、にしてもシャックとマッチアップしている。倒されまくって、シャックからファウルを獲り捲っていた。異常に小さい選手をシャックにマッチアップさせてファウルを獲り捲る。これが現代最先端のシャック対策なのか。 元インディということでは、クロージァも登場していた。今NBAに数多いるI・トーマスに人生を狂わされた者のひとりである。元祖といってもいいかもしれない。このひとこそ、使い方次第なので、上手く使えばロバート・オーリーのようになっていただろう。ガッツのあるロバート・オーリー。なんとも魅力的ではないか。クラッチかどうかは知らんけど。しかしプレイヤーとしての旬はとうに過ぎてしまっているし、本人も完全に自信を失っている様であるし、再生は難しいだろう。アイザイアと出会いさえしなければ。 ちなみに白人の背番号44ということでダラス・クラークを彷彿とさせるものがあるが、クラークからしてみれば迷惑千万だろう。 もうひとりの元インディ、スティーブン・ジャクソン、彼は変わらずいいプレイを続けている。S・ジャクソンといえば頭の悪い事で有名であるが、彼の場合はIND時代の言動から見ても、頭が悪いというよりはむしろ中学生っぽい感情に大人になった今現在でも支配されていると見るべきだろう。いつまでも少年の心を持ち続けているということか。所謂、いい奴である。 評判のモンタ・エリスである。今回はじめて観たのであるが、なるほど素晴らしい。キングスのK・マーチンと双璧だろう。何の双璧かと問われても困るのであるが。とにかくプレイスタイルはくりそつである。 そうして真打ち、バロン・デービス様。彼こそまさしくG・アリーナスと双璧をなす現代NBA最強のスコアリングガードである。この試合でもその才能を遺憾なく発揮した。私はそれを堪能した。 ラジャ・ベルはいつみても男前よのお。もはやR・フォックスを抜いて、歴代最高か。←根拠なし。 NFLが終わるとNBAが楽しくなってくる。2008/3/17 |
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プレイオフ 雑感 |
本当はゴールデンウィークあたりにプレイオフ展望と称していろいろと書き込みたかったのだけど、なんやかんやで今頃になってしまいました。気が付けば残っているのはわずか3チーム。思うところをつらつら書き連ねてみたいと思います。 まずは残れなかったチームから。んでサンズ。 1試合チラッと見ましたが、ひとつのチームの中にふたつのチームが並存していたといった感じですな。ナッシュ、アマレチームとシャック、ベル、あとは出場していないけどヒルで一チームといった感じで、手っ取り早く言えば、ラン&ガンチームとハーフコートオフェンスチームがひとつのチームの中に並存し、チグハグというよりは妙なチーム構成になり5人の力がひとつにまとまらなかったといった感じである。変な例えになるが、大鷲のケンとアオレンジャー、キレンジャー、つばくろの甚平、モモレンジャーでひとつのチームを作っているといった感じである。これでは忍法竜巻ファイターもゴレンジャーストームも使えない。シャック効果でアマレのスタッツが伸びたというような如何にもテレビ的な意見もあるけれど、それは単に今迄マリオンに配給されていたナッシュのパスがアマレに集中したというだけの話で、チームとしてプラスにはなっていない。私の見ている限り、シャックの動いている時はアマレは棒立ちであり、アマレの動いている時シャックは棒立ちである。 この問題は直に解決するといった見解もあるが、私はその見解に与し得ない。サンズは二者択一を迫られている。 今回このサンズを見ていてしみじみ思ったのは、上に書いたように、ラン&ガンのプレイヤーとハーフコートオフェンスのプレイヤーは、ちょうどフットボールのカバー2のプレイヤーと46系のプレイヤーのように、なかなかに互換性がない、共存が難しいということである。同じ事は今年のマブスにもいえる。 ダラス。 かつて、ラン&ガンでリーグを席巻したものの、それでは覇権を握れぬ事からハーフコートオフェンスへの移行を計りながらも、我慢しきれなくなってキッドを獲得、結果ラン&ガンに舞い戻り、事態は混乱、支離滅裂の結果に終わる。これが今季のマブスである。これからどうするんすか、キューバンさん。 ヒューストン。 C・ランドリーとL・スコラという二人をもう少し見てみたかったのであるが、来季のお楽しみにしときますか。 ジャズ。 もう少し勝ててもおかしくない布陣なんだけどなあ〜。なにがいけないんだろ。キリレンコの集中力か。 ホーネッツ。 いくらC・ポールを擁するといえども、さすがにあのフロントラインではここが限界か。それとやはりC・ポールの身長は大きなとまでは言わないが、小さな傷にはなっていると思う。 76ersとホークス。 おいおい勝っちゃたよ。ホークスはともかく、シクサーズは驚き。言葉の正しい意味でサプライズチームだと思う。試合を見ていないから何とも言えないが、いったいどうなっちゃてるんだ。何が起きているのだ、シクサーズに。とりあえずはっきり言えるのは、アイ婆さん、もといアイバーソンの立場が無いということだ。 んで、そのナゲッツとレブロン様のキャブス。 これは後々項を改めて(今迄私は常に項を改めてと書いてきたが、先ほど辞書を引いて確認したところによると、稿を改めてが正解みたい。でも項を改めてのほうが私は感じが出るので、しばらくこれで通したいと思いま〜す。)詳述するが、レブロンとカリメロはSFのポジションにいる限り、彼らがその指にリングを通す日は来ないと思う。レブロンはSGに、カリメロはPFに転向すべきだと思う。カリメロはその多彩なムーブ、シュートテクニック、その体に見合わぬパワーなど、あのバークリーにそっくりだと思う。そうして、その空いたSFにマリオンなりポージーなりショーン・バティエなりを入れたら、その瞬間、優勝候補筆頭であろう。特にキャブスなどは、その瞬間優勝間違い無しである。 他のチームについては割愛します。来年のお楽しみという事で。 では残っている4チームについて。 まずは評判のレイカーズとセルティックス。どう考えてもそんなに強いチームだとは思えないんだよなあ。私は優勝する必要条件として、ペイント内を支配するインサイドプレイヤー(オフェンス、ディフェンス、リバウンドの3部門のうちのふたつ、出来ればみっつ。)、エースキラーと呼べるようなマンツーマンディフェンスを持つSF、凶悪な得点能力をもつSG、このみっつがあると思うが、両チームでそれに相当するプレイヤーはレイ・アレンとコビー、J・ポージーぐらいしかいない。ガソル、KGともに優れたプレイヤーであるかもしれないが支配的とまではいかない。またそれを補うような相棒もいない。ガソルは確かにトライアングルオフェンス向きのプレイヤーだろうけど、そう思ったらトライアングルオフェンスしてないし。テックス・ウィンターは辞めたのか。 この両チームが、ここまで勝ち上がってきている理由が私にはさっぱり理解できない。特にレイカーズの磐石振りは私には理解不能である。ライバル不在というのが意外に主因かもしれないが。全チーム決定力不足という奴か。まあ確かにルール解釈の変更でペイント内の価値はかつてほど高くはなくなっているけれど。にしてもである。 つうわけで、私は本命にスパーズを挙げるというか、挙げざる得ないけれど、そのスパーズもレイカーズにいきなり2連敗。どうしたことやら。 話は変わるが、そのレイカーズの試合で電球ことブライアン・ショーを発見。スタッフをやってるのかしら。ちょっち嬉しい。電球っぷりは変わってなかった。 んなことより我がペイサーズ。とうとう今季BSで放送なし。これから私はスカパーに入るつもりなので、来季からは少しは視聴環境は良くなるだろうけど。試合見たいなあ。 そしてドラフトはぬめりと11位。何の感動も無い。一体どんな選手を獲れば良いのやら、それも分からん。末期症状だな、今のペイサーズは、課題もわからんとは。とりあえずスターが欲しい、景気づけに、実力は問わない。良くなるか、でなければ悪くなって欲しいというのファンの率直な感想だと思う。落ちてきたら、メイヨー獲るか。どうすんだ、ラリー・バード。ラリバーラリバーラリバーバーよ。 2008/5/25 で、結局レイカーズとセルティックスのファイナルになっちゃいました。 試合もちらほら見たんだけど、どうしてもこの両チーム、ファイナルに進出するようなチームには見えないんだよなあ。私も10年以上NBAを見てきているが、ファイナルに出てくるようなチームは、やはり然るべきチームが出てくる。過去に例外は無かった。でも今年は本当に意外な感じがする。2001年の日本シリーズに近鉄が出てきたような感じである。えっ、これで優勝したの、みたいな。まあ、スパーズ、ピストンズといったここ数年NBAを引っ張ってきたチームがチームとして下り坂に入ってきたというのもあるんだろうけれど、それにしても、である。西はともかく、東はクリーブランドが出るべきだったと思う。しつこいようだが、レブロンを一日も早くSFから開放してやらないと、彼のキャリアは失意のキャリアになってしまうだろう。 というものの、ポール・ピアースは、我が愛しのレジー・ミラーが散々痛めつけられたとはいえ、結構好きなプレイヤーなのでこれはこれで嬉しかったりもする。ある意味、レイ・アレンよりも更に過小評価されている選手なので。全世界にその才能をアピールしてこい。非常に分かりにくい才能だけど。 LAL対BOSというおそらく全米プロスポーツ中最高のライバリーの対決なので、それなりに盛り上がるだろうが、昔からのファンは満足なのかなあ、特にセルティックスファンは。大満足か。 勝敗の予想はというと、ポージーのいる分セルツ有利にも見えるが、今年はことごとく予想を外しているからなあ。コビー大活躍でますます嫌われるっつう図式か。どういう図式だ。 今週のペイサーズ情報。 何もなし。 2008/5/31 |
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ファイナル 雑感 |
第3戦と第4戦を見た。一試合まるまる見るのはプレイオフに入って、この第3戦が初めてだったりする。第4戦は肝心の第3Qのところでちょっと寝た。でもやっぱり生放送はええのお〜。(観たのは録画したものだけど。)一試合まるまる見れる。(タイムアウトは飛ばしたけれど。) 思いつくままに感想をば。 まずはKGからかなあ〜。いつ見ても毎度思うのだけど、結局のところ、彼のキャリアが満足いくものでない原因は、そのペイント内でのオフェンススキルの無さに尽きるという事である。今回もクイックネスで圧倒的に差のあるガソル相手にほとんど何も出来ず。本来ならば40点20リバウンドぐらいあげてもおかしくない筈である。さすればこの試合どころかシリーズ全体を通しても楽勝だったろう。つーかミネソタで優勝してる。彼の素質をもってすればかつてオラジュワンやジョーダンが得意としたようなベースラインでのドライブなどもマスターできたろうが、それも無力。ミドルシュートが得意などといわれているが、実際のところは攻撃の手段がミドルシュートしかないのである。 まあ、これはKGに限らず、高卒C/PFに総じて言えることなのではあるが。KG然り、アマレ然り、クワミ然り、うちのJ・オニールなどはまだマシな方かもしれないが、極端な例では懐かしのオロキャン然りである。あれオロキャンはアーリーエントリーだったけ。例外としてはD・ハワードがいるが彼は諸先輩を反面教師にしたのだろう。オデンちゃんはどうなのか、楽しみでもあり、怖くもある。1年のアーリーだけど。 彼らがその身体能力に比して思うようにリバウンド、とりわけオフェンスリバウンドを奪えないのも同様の理由による。尽まるところ、ペイント内でのフットワークをマスターしていないのである。あらゆる運動は足元から。そうしてそれらは大学のアリーナでなければ見に付かないものらしい。ここ10年、彼らより身体能力の劣るT・ダンカンにいいようにあしらわれているのはその理由からだろう。目先の大金も大事だろうが、2,3年我慢すればそれ以上の大金が得られる。世の中に数多い事例のひとつである。ちなみにシャックは1年間の大学生活でそれをマスターしてるんだよなあ〜。不思議。 現時点での、つーか昔から、KGの価値は若い頃のムトンボ程度だと思う。それでも十分なのであるが。で、そのインサイドの得点力不足をアウトサイドで補わなければならないのであるが、まずはレイレイ(レイ・アレンの事。私は彼のことをこう呼ぶ。)から。 良くも悪くも大人なんですよねえ、このひと。この試合でもマイペースで、チームの状態とは関わりなく、活躍しておりました。プレイオフでは不調だったらしく、そのことで精神的に弱いみたいな批判もあったようであるが、この人の場合、精神的に弱いというよりはむしろ、精神的に強すぎる、精神的に大人であるといった方がより正確であると思われる。チームの置かれている状況とは全く関係なく、淡々と、粛々と、プレイしちゃうんだもんあ〜。勝敗に頓着しないというか。家に帰ってもMADDENなんかやらずにピアノ弾いていそうなタイプだもんなあ。これはバックス時代からなにひとつ変わっていない。スポーツというものは本質的に子供がやるものである以上、スポーツマンには子供っぽさみたいなものがどうしても必要なのであるが、それがこのレイ・アレン君には皆無なのである。実力的にはジョーダン以降ウェイド登場までコービーやT−MACを凌ぎナンバー1SGであったものの華やかな経歴と無縁なのは、はっきりそれが原因であろう。矢吹丈曰く、「それが大人だっていうのなら、俺は大人になんかなりたくないぜ。」 んで結局ポール・ピアース様が攻守に大活躍せねばならぬ羽目に陥るのであるが、これは能力的というよりも体力的戦略的に無理があるんだよなあ〜。おんなじ事は只今のレイカーズのコービーにも言えるのだけど。あの体力無尽蔵のジョーダンですらディフェンスにはここぞという時にしか参加してなかったし。相手エースに就くのは専らピップの役目だった。そのピップもポートランド時代はオフェンスまでやらされて苦しんでいた。 ドッグ・リバースの本音としてはジェームズ・ポージーをフルタイムで使ってコービーに就けて、レイレイとピアースを交互に使いたいんだろうけど、両者ともフルタイムで出てなんぼの選手だしなあ〜。悩ましい。レイレイもPGってタイプじゃないし。第4試合の最後の方は、KG、ポージー、ピアース、レイレイ、E・ハウスというオン・ザ・フロアだったけれども、インサイドに力の無い今のLA相手には確かにこれがベストの布陣だと思う。 でそのレイカーズであるが、先にも書いたけれども、どうしてこのチームがファイナルに出てこれたのだろうというのが率直な私の感想である。噂のバイナムがいれば違うのかもしれないが、そのバイナムもプレイオフには不参加だし。ワイルドウェストとか言っているけれども、実際はたいしたこと無いのかもしれんと思ったりもした。ナゲッツはともかく、ユタやSAなら今のLAには十分勝てたし、また勝たねばならなかったと思う。フィルが偉いのか、コービーが凄いのか、それとも他のチームがだらしないのか。まあ、確かにSAはイメージとは違って意外にひょっこり負けるところのあるチームだからなあ。ムラがあるというのとは違うのだろうけど、ポカがあるというか、ひょっこり負けるんだよなあ〜。安定感が無いというか。ダンカンがいけないのか、ポポがいけないのか、理由は皆目不見当だが、それがなければ5連覇はともかく3連覇ぐらいはしていただろう。おかしくは無いチーム構成だった。 そしてラドマノビッチ、相変わらず消えるな、この男。私が見るたびに、ケガだ、ファウルトラブルだですぐいなくなる。クイックネスに欠けるのでファウルが重むのは分らんでもないが、にしてもなあ。私ならとてもスターターでは使えん。 あとセルツの背番号、リタイアドナンバーが多いのは分るが、ついていけん。そもそもKGやアレンの番号も分らんが、PJやキャセールになると、もう意味が分からん。かと思うとエディ・ハウスは50番だし。かとおもうと0番はいるし。 今週のペイサーズ情報。 何もなし。 2008/6/15 今、私の手元にスポーツイラストレイテッド2008/6/9号がある。The Greatest Rivalry Returns ってことで、バードとマジックの写真が表紙を飾るなかなかカッコいい奴である。その中ごろ、36,37ページが見開きになっていて、両チームの往年の名プレイヤーや会場での名物シーンなどがコラージュ風に掲載されている。オールドファンならずとも見入ってしまうものだ。そのなかにマクへイルの写真が二葉あるが両方ともラフプレイ、つうか反則(有名なランビスへのラリアートもある。)。他の選手はほとんどシュートシーンなのに、である。私にとって、マクへイルといえば、あの鬼のローポストなのであるが、アメリカ人にとってマクへイルといえばラフプレイらしい。本文でもマクへイルがちょろっと触れられているが、やっぱり例のクローズライン。 で、第5戦、6戦見ました。第5戦は丸々見たけれど、さすがに第6戦は、後半飛ばした。 感想はねえ、セルティックスが強いというか、レイカーズが弱いというか、よくこのチームがファイナルに出てきたなというのが正直な感想です。セルツの場合はイーストの他のチームがそれぞれに問題を抱えていて、消去法的に出てきたという感じもするが、レイカーズはねえ。この問題についてはちょいと思うところもあるので、後で書きます。 セルツの優勝に関しては、ピアースをはじめ、レイ・アレン、J・ポージー、P・J・ブラウンといったその実力に相当するだけの称賛をいままで得られなかった人たちの優勝だけに、喜ばしいといえば喜ばしいだろう。 でも、KGはあらためて思ったのであるが、ムトンボクラスのプレイヤーに過ぎないと思う。KGに関していえば、彼の場合、その圧倒的な運動能力と体格、そうして若さなどから、歴史の無い弱小チームということもあったろう、その実力に比例しない、将来性込みの馬鹿げた契約が結ばれ、自身も、そうして周囲も彼がその契約に相当するだけのプレイヤーだと勘違いしてしまった事に、この悲喜劇の原因は、言い尽された事であるが、ある。実際、彼はフランチャイズプレイヤーか否か、みたいな揶揄する記事もチラリと見かけたし。私の考えるバスケットボールプレイヤーの三大要素は先述したように、高さと技術と経験であるが、彼には高さはあるが、残りの二つは全く無い。これではフランチャイズプレイヤーは務まらない。まあ、ムトンボくらいできれば、それで十分ちゃあ、十分かもしれないが。 彼の最も輝いていた時期が多彩なオフェンスムーブを持つググリオッタと組んでいた時期であるというのもむべなるかなである。その頃はじめて私はKGのプレイを見、ミネソタの将来に大きな可能性を見たのであるが、それは結局、可能性のまま終わってしまった。そういえばググリオッタ、今何してっかなあ。彼も大物移籍インサイドプレイヤーが決まって怪我するサンズに入ったのが運の尽きだった。 んで、ここぞという時はピアースにボールが集中するのであるが、(レイレイはレイによって例の如くなので、)まあしかし、あのピアースがチャンピオンリング獲るとはねえ、それもセルティックとして。7年前の自分に教えてあげたいぐらいである。ピアースとアントワンはリング獲るんだどー、と。ピアースなんかAIより先にチーム出ると思ってたもんな。リング獲るにしても今回のKGやアレンのように温い形になるのだろうなあと思っていたもの。人生何が起こるか本当に分からん。 あとキャセール、例によってせこいプレーのオンパレード、楽しませてもらったぜ。それだけでNBAを10年以上生き抜いてきた男だからな。実力以上に自分を見せるという事にかけてはKG以上かもしれない。しかしこれで3つ目のリング。キャリアの初期と晩期でリング獲得というのも結構珍しい例かもしれない。コレも自分を実際以上に大きく見せるひとつの方法か。 今後のセルティックスの課題としては、やはりPGだと思う。優秀なPGさえ獲得できれば、今後毎年優勝とまでは行かぬものの、ファイナルに出たり出なかったりぐらいのチームにはなれると思う。現時点のロンドではちと厳しい。自身のターンオーバーの直後、無理矢理ドライブしてブロックショットなんていうのはPGとしては最悪のプレイである。そんなプレイがこのファイナルでは散見した。ロンド、てめえはすっこんでろ。私は何度そう思ったことか。まあ優秀なPGの獲得というのは、優秀なCの獲得と同じくらい、難しいのだけれど。1番手っ取り早いのはドッグ・リバースの現役復帰か。まだまだやれんじゃねえの、クルム伊達みたいに。 さて問題のレイカーズというか、レイカーズ問題であるが、何度も書いたが、このチームがファイナルに出て来れた理由が本当に分からん。ガソルは基本的にあの程度のプレイヤーだし、コービーにしても相変わらずちょっと優秀なディフェンダーにつかれると、外のシュートの調子がよくない限り、何も出来なくなる。彼はその登場以来常にマイケル・ジョーダンに比較されてきたけれど、こういう一事を見てもジョーダンにははるか遠く及ばない。1 on 1 でジョーダンをマークできる人間などこの世にはいなかった。それはウィザーズ時代でさえもである。若い時代のフィルムを見ると、1 on 1だろうがダブルチームだろうがトリプルチームだろうが自由自在である。まあディフェンス技術の進歩もあるだろうが、優秀なディフェンダーひとりに四苦八苦する、コービーをはじめ、昨今のスーパースターとの決定的な違いはここである。オラジュワンとKG、バークリーとダンカンとの違いも同様である。したがってコービーがアンストッパブルというのは言い過ぎである。外のシュートが悪いと、いきなりストッパブルになる。。 ジョーダンとコービーの比較はともかく、このレイカーズというチームが何故にファイナルにまで勝ち上がってきたかという事をつらつら考えてみるに、ちょいと思い当たる節があるので試験的に書き連ねてみたい。 まず第一に、これは以前から書いていた事であるが、キリレンコ、ボーエンといったコービーを止めるべき選手の不調というか不振があると思う。 キリレンコについては以前も書いたが、このプレイヤーは実力的にはそれこそマリオン級だと思うのだが、どうもプレイにムラがあるというか、いいプレイがが持続しないというか、プレイ的に非常に気分屋といった感じである。よい時と悪い時の差が激しい。スラブ人特有のものなのかもしれない。 ポーエンについては、年齢的な衰えもあるのだろうが、その独特のプレイスタイルを外野にやいのやいの言われたことも原因だと思う。言われるほどひどいプレイという感じもしないけどね。むしろあれくらいやって当然だろう。 まあこの両者のプレイ振りに関していえば、実際の映像をほとんど見ていないので、実は推測の域を出ないのであるが、ファイナルをみていて強く感じた事がある。それは5年ほど前のイリーガルディフェンスの廃止、つまりゾーン解禁へのルール変更に伴う戦術戦略的影響である。さすがに解禁当初はたいして影響も無かったのであるが、5年近くも経つと(正確な年数は調べてません、ごめんなさい。だってめんどくさいんだもの。)なんだかんだいって大きな影響が出てきている。その影響の結果がレイカーズのみらず、セルティックスのファイナル登場だと思う。一昔前ならファイナル登場は考えられない両チームのチーム構成である。とりわけレイカーズ。 イリーガルディフェンスの廃止に伴い、3秒バイオレーションを攻守ともに厳しく取るようになった。かつてはイリーガルディフェンスでピッピピッピ笛が吹かれゲームが中断していたが、現在ではそれが3秒バイオレーションの笛へと変わった。しかしこれは当然の措置である。これを厳しく獲らないとペイント内でゾーンを敷かれ、バスケットボールが単なる球入れ競争と化してしまう。 結果的にインサイドのパワープレイの価値が下がった。なにしろ、ローポストに入るとたいてい3秒バイオレーションに引っかかってしまうのだから。件のマクへイルなどは現行ルール下では無価値だろう。 その結果、ペイント内ではほとんど仕事の出来ないガソルやKGといったインサイドプレイヤーを擁する両チームのファイナル登場と相成った。 このルールの下ではオフェンスは所謂プリンストンオフェンスっぽいものが有利となる。実際両チームともそれっぽいものを多用していた。とりわけレイカーズ。フィル・ジャクソンがトライアングルオフェンスを捨てプリンストンオフェンスを採ったのは、当然といえば当然であるが、さすがといえばさすがである。確かに現行ルール下ではトライアングルオフェンスは相性が悪い。ピッピピッピ笛を吹かれてしまう。良い時のキングスも今だったら楽々優勝出来ていたかもしれない。5年早かったか。 手っ取り早く言えば、所謂国際ルールに近づいたということになるのだろうが、ちと寂しいといえばちと寂しい。このままだとインサイドプレイヤーは単なるスクリーナーと化してしまう。そういえば一昨年日本で開催された世界選手権でのギリシアのセンターがそんな感じだった。マクへイルみたいなプレイヤーは当分の間出てこないのかもしれない。日本のみならず、本国アメリカでも好まれるプレイだと思うのであるが。 今週のペイサーズ情報。 何もなし。ではなく、そういえば今回のファイナル、両チームの英雄が度々メディアを彩ったものであるが、うちの副社長は、私の見る限り、全然姿を見せず。前々から思っていたのであるが、どうもあの人、ボストンという町は好みで無いらしい。契約が切れたら、インディアナにすっ飛んできたし。セルツファンはやきもきしている事だろう。 そうそう忘れていた。天国のアウアバックさん、おめでとさん。1年早かったか。 2008/6/22 |