「俺フォールオブフェイム」とは、世間的な実績や人気とはまったく関係なく、わたくし、
すなわち俺が、個人的に一生忘れられないほどに強い印象を受けた選手やその他諸々を表彰するカテゴリーです。
P.McAfee | ![]() 意外に とぼけた顔してんな。 |
コルツが2009年のドラフト7巡を使って指名した、ハンター・スミスに代わる新パンターである。 7巡とはいえドラフト権を使ってまでして獲得したパンターであるから、それなりに期待はした。 で、1シーズン経過して、その結論はというと、 まず飛距離はある。これは間違いなくある。私がファンになって以来見てきたコルツのキッカー・パンターの中では、間違いなくNo.1の飛距離である。パントの高さといい飛距離といいハングタイムといい、素晴らしい。そして何より素晴らしいのはキックオフである。実際の数字はともかく、印象的には半分以上はタッチバックである。地味かもしれないが、意外にこれは大きな仕事である。キックオフをタッチバックにしてしまえば、20ヤード地点からのスタートとはいえ、リターン・タッチダウンは絶対に無いのだから、地味に大きな貢献である。 とはいえ、最近のキックオフはこのマカフィーに限らず、誰でもほとんどタッチバックなので、これはこれからのキッカーにとって最低限の仕事になるのかもしれない。よほど天候が悪くない限り、屋外屋内を問わず、最近のキックオフはほとんどタッチバックである。また5ヤード下がるかもしれない。つーか、そのうちキックオフはプレスキックではなくパントになるかもしれん。 おそらく、元々はラグビーやサッカー同様、中央の50ヤード地点からのキックオフだったのであろうが、人間の進歩とは恐ろしいものである。 話をマカフィーのパントに戻す。 先に述べたように、飛距離的にはは申し分の無いマカフィーのパントであるが、それ以外の要素、すなわち角度を付けたり高さを調整したりというような、所謂コントロールパントは全く出来ない。 したがって自陣40ヤードくらいからだと、見事なパントを敵陣10ヤード前後に落とす事が可能なのであるが、それより後ろからのパントだと結構激しくリターンされたりする。そして何より敵陣に入ってからのパントになるともうひっちゃかめっちゃかである。 それが如実に表れたのが、今回の第44回のスーパーボウルでの1シーンである。 マット・ストーバーが51ヤードのFGを外したシーンである。ここでは、この入りそうも無い、そして実際入らなかったFGを蹴らずにパントを蹴っておいた方が良かったという意見がある。しかしそれは、コルツファンでない、あるいはコルツの試合を見慣れない者の見解であって、コルツファン、ならびにコルツの試合を見慣れた者の見解、というか選択は、コールドウェルと同じく、ほぼ100%ストーバーのFGである。選択というか、選ばされたに近い。ほぼ100%の残りもギャンブルであって、パントはまず無い、つーか無い。 もしマカフィーが、サイファーズのように、敵陣40ヤード前後からのパントを悉く敵陣5ヤード以内に落とす事のできるパンターであったら、私だってコールドウェルだってパントをコールしたであろう。しかし悲しい哉、我等がマカフィーのパントは、このような敵陣40ヤード前後からのパントだと、まず間違いなくタッチバックである。角度を付けようとすると、下手すれば、20ヤードより前でサイドラインを割る可能性すらある。 20ヤード地点からのスタートと、33ヤード地点からのスタート(ギャンブル失敗の場合)、40ヤード地点からのスタート(FG失敗の場合)、NOの攻撃力を考えれば、この3つの地点からのスタートに大差は無いだろう。とすれば、最も得点の可能性の高いFGを選ぶのは自然な決断であったと思う。コルツファン以外にとっては異論のあるシーンだったかもしれないが、コルツファンにとってはごく自然な異論の無いシーンだったのである。 このFG失敗の表面的な戦犯はストーバーやコールドウェルであるかもしれない。しかし、真の戦犯はこのシーンには出てこないパット・マカフィーなのである。あと、その二つ前のスクリーンプレイでブロックに失敗したディーム。←しつこい。 まあ、ここで5ヤード以内にパントを落とせたらスーパーに勝っていたとは言わない。おそらく落としてても負けていたであろう。しかしパット・マカフィーよ、今オフは死ぬ気でコントロールパントをマスターしろ。契約満了時にマスター出来ていなかったら、さようならじゃ。 私がキッカーやパンターに割に拘るのにはいろいろな理由があるが、そのひとつ、というか最大の理由は優秀なキッカーやパンターに対しては防ぐ術が無いという点である。 これが例えば優秀なWRやDEならばダブルチームという手があるし、優秀なCBやリターナーに対してはそっちに投げない・そいつに捕らせない作戦がある。優秀なRBには8メンボックスがあるし、優秀なQBに対してはブリッツだとかボールコントロールだとかがある。 しかし、ことキッカーやパンターに対しては、その対抗策が全く無い。やられるがまま、である。ブロックという手があるにはあるが、こんなのはほとんど奇跡であって、対抗策とはいえない。チャールズ・ロジャースやドミニク=クロマティのような特殊なプレイヤーがいれば、また話は別だが、その彼らにしたってブロックできるのは1シーズンにせいぜい1,2回である。戦術にはなりえない。 こういうのはサイファーズにさんざん苦しめられたコルツファン独特の恨み節かもしれないが、パット・マカフィーには是非とも、是が非ともサイファーズを目指してもらいたい。そして、チャージャーズに仕返ししてくれ〜。え〜ん。 フルネームはPatrick McAfee。ハンター・ザ・パンターの次はパット・ザ・パンターか。って名前で選んでんのか。サッカーもやってたみたい。 2010/2/16 2016シーズン終了後、まさかの電撃引退。芸人転向だってよ。もともと演芸志向の強いプレイヤーだったので、「引退後はタレント狙ってんな。」と推測していたのであるが、まさか三十路手前で引退とは思わんかったよ。10年とは言わんが、せめてあと5年。 まあ、もしかしたら、キャップヒット削減のあおりを受けて、退団を迫られ、インディを離れるくらいなら、いっそ引退って感じで引退を決めたのかもしれない。 という訳で、個人的には忘れがたいプレイヤーなので、元コルトではなく俺フォールオブフェイマーにしてみました。マカフィーよ、永遠に。 プロスポーツマン、あるいは人気アマチュアスポーツ選手などが、引退後、タレントになるというのはありがちな進路なので、さほど驚かないが、このマカフィーの場合は、それとはちょいと違うようである。ガチで芸人を目指しているらしい。タレントではなく、芸人を目指しているらしい。宮本和知、ではなくガッツ石松、いや、たこ八郎を目指している。 スタンダップ・コメディーなんかもしていて、その画像がコチラ。 平畠(「DonDokoDon」のつまらない方)とか品川(「品川庄司」のよりつまらない方)ぐらいだったら、一コルツファンとして、俺が許さん。 とりあえず、世界一キック力のある芸人である事は間違いないので(いや、違うかもしれんけど。)、ここは是が非でも、ハウス加賀谷とコンビを組んで欲しい。私は熱望する。 2017/11/9(木) |
R.Mathis | ![]() 競技まちがえとる。 |
フリーニーのパスラッシュを防げるLTは現在NFLに何人かいるだろうが、マシスのパスラッシュを防げるRTはいないだろう。 そのプレイスタイルは基本的に大外まくってスピンムーブしてQBに突っ込むという、ちょうどフリーニーを鏡映しにしたようなものであるが、基本的にランブロック要員であるRTとマッチアップするだけにその威力は、昨今高速化の進むLTと相対するフリーニーより、より強力である。 とはいうものの、あくまでフリーニー様がいてなんぼの選手なので、仮に平凡な選手がREに入った場合、彼がどんなパフォーマンスを見せるかはまったくもって未知数である。もっともその場合は彼がREに入ることになるのだろうけど。 そんな妄想はともかく、REフリーニーLEマシスは現役最凶のパスラッシュタンデムである事に異論を唱える者はあるまい(いるかな?)。フリーニーはともかく、マシスはこのセットでもってはじめて威力を発揮するタイプの選手だろう。REマシスLEフリーニーでもいけない。 とまあ、パスラッシュに関しては賛辞の限りを尽くしたが、それに反比例するかように(ほんとはしちゃいけないんだが、)、ランスタッファーに関しては無力、あまりにも無力。2,3年前の悲惨なランディフェンスの一因はこいつである。織り込み済みっちゃあ、織り込み済みなのであるが、それにしても無力。仕方が無いのでSSのサンダースを上げ気味にセットする事になり、それが結果的にサンダースのプロボウル行きへとつながるのであるが、そういった意味ではB・サンダースのプロボウラーの遠因はコイツである。ギャップコントロールなんて言葉は知らない。 まあもともと大学時代はOLBでコルツに入って、と書こうと思って今経歴を調べたら、って大学時代もDEじゃん。私の記憶違いだったか。 フルネームは Robert Nathan Mathis。特に感想は無い。 2008/7/6 私の人生にとって今日は結構大事な日なのであるが、その記念日がマシス。フリーニーにしとけば良かったか。 コロナ騒動の影響で、日本のプロ野球も史上初(?)の無観客試合と相成っている訳であるが、「史上初」と謳っている割には、既視感アリアリなのは私だけではあるまい。 80年代のパ・リーグなんて、あんなもんだったよ。客が入っているのは、開幕直後とゴールデンウィーク、夏休みぐらいで、9月以降なんて、無観客は大袈裟にしても、ホンット準無観客試合だったよ。優勝掛かっているチームがちょりっと入っているぐらいで、ホンット準無観客試合だった。 あと、本格的に無観客試合だったのが、日本シリーズの裏でやっていたロッテvs南海(カードはテキトー)とか、あれは酷かった。若い人は知らないかもしれんが、昔は日程消化のために、日本シリーズの裏でレギュラーシーズンのゲームを消化してた。 まあ、パ・リーグに限らず、巨人戦以外はセ・リーグも似たようなもんだったが。それを考えると、昨今の状況は隔世の感がある。南海の年間観客動員数なんて、ソフトバンクの1試合で抜かれているからね。って、これは大袈裟。でも、一か月分には勝てていなかったかもしれない。 また、無観客試合の、一つの功績というか、ちょっとした美点として、打球音がよく聞こえるというのはあると思う。選手によっても、結構違うし。これは、今しか楽しめない美点ではある。よし、録音しとけ。 昔、長嶋茂雄が、その第2次監督時代に、「野球音を楽しもうキャンペーン」とか言って、応援の自粛を要請していたことがあったけれども、それが今になって実現したって感じ。長嶋の主張していたのは、こういう事だったのね。当時は、「そんなの客の勝手じゃ。」とか思っていたけど、今了解した。ゴメンナサイ、長嶋監督。 さて、本題のマシスである。今回は、特に書きたいがあって、この記事を作ったという訳では無く、マシスの項目を「現役」から「俺ホール・オブ・フェイム」に移すために書いただけなので、特に書きたい事はない。ってか、遅すぎ。 マシスは、2016シーズンを最後に現役を引退しております。123サック、54ファンブルフォース。ちなみに、54ファンブルフォースはオールタイムのリーダーだったりもする。知らなかった。2013シーズンには19.5サックでサック王。5巡138位のドラフトからの大出世といえよう。 ダンジー、コールドウェル時代のDEから、パガーノ時代はOLBへとポジションが変わったが、スタッツは落ちるどころか、むしろ増した。一方で、同様にポジションを変えた相方のフリーニーはスタッツ、ガタ落ち。今以って謎である。 その成績急降下が理由かどうかは分からんが、フリーニーはコルツを離れ、マシスはコルツ一筋でキャリアを全う。その後、パスラッシュ・コンサルタントたる役職でコルツに居残り。ただ、その成果は不明。2020/7/6現在、チームに所属しているかも不明。とりあえず、公式ページに、その名はない。 キャリアハイライトは、2013シーズンの対デンバー、つうか対マニングのサックかなあ。 話はちょいと変わるが、マシスの前回の記事は、ちょうど12年前(!!)の今日7月6日。「私の人生にとって今日は結構大事な日」なんて書いてあるが、12年後の今日、やっぱり大事な日になった。人生って、不思議。 2020/7/6(月) |
D.Freeney | ![]() ごきげん。 |
はい、フリーニーさんです。 かつてはインディディフェンス唯一の武器などと言われたフリーニーさんであるが、それも今は昔。いまや、唯一どころか、第一ですらなくなりつつあるが、それはコルツディフェンス陣の充実を示すものであって、フリーニーさんの力の衰えだけのゆえではない。 基本的にやることはひとつで、大外にセットしてマクり、LTとぶつかったら内側にスピンターン、そうしてここからがフリーニーの恐ろしいところであるが、QBに到達しても、そのままタックルするのではなく、ボールを掻き出してファンブルフォースを狙う。敵QBから見たら本当に性質の悪い厄介な迷惑千万なREである。 3,4年前までは、その他にもいろいろなムーブを身に付けようとしていたのであるが、試行錯誤の末、結局これ一本に落ち着いた。このプレイのみで現時点では無敵とまではいかなくとも、それに近い。健康体のフリーニーに今のところ 1 on 1 で勝負できるLTはほとんどいない。一歩目が尋常でないくらい速いというのもあるのであるが、これはLTが悲しいくらい後ろにセットすれば何とか対応できる。それ以上に厄介なのは、ぶつかった時の内回転のスピンターンである。これをケアすれば外に逃げられるし、外を警戒すればそのまま素通りである。しかも的が小さいため腋の下をすり抜けられてしまう。 そういう対応のしづらさという点ではJAXのジョーンズ=ドリューにちょっと似ている。でもなんでフリーニーはRBをやらなかったんだろう。異常にボールセキュリティーが悪いのか。RBよりDEのほうが価値が高いのは事実だろうけど。 このようなプレイスタイルのため、パワータイプのLTよりはテクニシャンタイプを苦手とする。3,4年前のNFLウィークリーで最も手ごわいのはKCのウィリー・ローフだと語っていた。さもありなんと私は思ったものである。でも大丈夫、ローフはもういない。TENのホプキンスなんかもうまくフリーニーを抑えていた。でも大丈夫、ホプキンスはもういない。ジョー・トーマスとマッチアップしたらどうなるのか、には個人的興味がある。まあさすがに、健康体ならフリーニーの勝ちか。 フリーニーの登場によりLTはやや小型化するかもしれない。少なくともフリーニー登場以前よりははるかにクイックネスが重視されるようになった。 大好物は、申す迄も無く、今は亡きオグデンさんである。 3年位前であろうか、たしかシーズン終盤のマンデーナイトで、フリーニーさんはオグデンさんをズタボロにしたのであった。オグデンはやられるたびに、少しづつ後ろにセットし、最終的には「それスクリメージにセットしてねんじゃねえの。」つうぐらい後ろにセットし、それでも抜かれまくって、あげくにフォルススタート連発。LTとREのマッチアップなど普通はまずフォーカスしないものであるが、この時ばかりはここぞとばかり、テレビカメラはそのシーンを抜きまくり、オグデンとフリーニーをアップしまくり。しかも当然全国放送なので、その醜態は全米中にばら撒かれる。まさにさらし者。 更にはその翌年もたしか開幕戦が狙ったかのようにこのマッチアップ。それもサンデーナイト。もち全国放送。試合中にさんざん前回のリプレイが放映されたのであるが、その試合自体もまるでリプレイ。おんなじようにオグデンさんはフリーニーさんに抜かれまくったのであった。この2試合でオグデンはその評価を20%は下げたと思う。この辺から、オグデン衰えたりの論調が見え始め、今オフでの引退につながったと思う、とコルツファンは信じたい。実際はそんなには衰えていなかったと思う。引退を3年早めた。対フリーニー戦は散々だったものの、それ以外はかつてと遜色ないパフォーマンスを見せていたと思う、とコルツファンは信じたい。まっ、自信を失ったのは確かだろうが。 一方でフリーニーさんはこの2試合を機にその名が全国区になったと思う。それまではAFC南のファンの間では知られていたものの、パスラッシャーといえば、まだまだストレイハンでありシメオン・ライスでありカースでありペッパーズであったと思う。しかし、この対オグデン戦を機にスピードパスラッシャーといえばこの人フリーニー様になったのであった。ちゃんちゃん。←意味不明。 ちなみに写真はルーキーイヤーのオフだったと思うが、MADDEN大会で優勝した時のもの、だと思う。でも使ったチームはジャイアンツ。シラキュースだからか。NY出身だからか。 ![]() またフリーニーはスポイラの表紙を飾った事もある。 これ→ ここ数年のインディの選手では彼とマニングの二人だけだと思う。ハリソンやサンダースもない筈。スポイラの表紙が全てではないがインディのオフェンスの顔がマニングならば、ディフェンスの顔はこの人フリーニー様なのである。 またフリーニーは一言居士でもある。コルツのプレイヤーのなかでは唯一マニングに意見することのできる男である。ほかにはハリソンも意見しうるだろうが、無口だからどうしょうもない。ほかにはバンダージャットもいたが、消えた。 スーパー制覇マニングMVPの時、「確かにこのチームはマニングのチームだ。しかしこの優勝はチーム全員で勝ち取ったものだ。」とフリーニーが発言しているのを忘れてはいけない。 で昨オフ、ちょうど1年前ぐらいに長期大型契約を結んだのであるが、図ったようにそのシーズン、IR入り。どこかでも書いたが、私は正直この契約には反対だった。この手のプレイヤーは年齢的な衰えが、そのまま怪我に、さらにはパフォーマンスの低下につながるからだ。実際その前年あたりから、力の衰え、というか数字の衰えは指摘されてはいた。ダブルチームを常時喰らっていたからだという擁護論もあったが、力自体の衰えもあるかなと私は見ていた。そこでリリースも有りだろうと思っていたのだが、論功行賞的な長期大型契約、私はちょっと嫌な気がした。中心プレイヤーをがんがんリリースするとチームの士気が下がるっちゅうのもあるが(MLBのアスレチックス。)、まあ難しいとこですな。例のオグデンの2試合が彼のキャリアのハイライトでないことを祈る。 フルネームはDwight Jason Freeney 。なんか公式サイトが見ずらくなっているので、情報はWikiから。しかしフリーニーっていう名前は、いつ見てもかっこいい。珍しいし。 2008/7/22 勢いあまってNY出身とか書いちゃいましたが、すいません、裏が取れません。どこかでNY育ちみたいな記事を読んだ記憶があるのだけれどなあ。移民は間違いないと思うのだが。 このサイト、基本的にこの手の情報はいい加減なので、あんまり信用しないで下さい。すみません。 2008/7/23 2012シーズン終了後、コルツとの契約終了、その後、コルツとは再契約の話も無く、5月18日、SDと2年13ミリオンで契約したそうである。 この話そのものに驚きは無い。フリーニー自体は昨オフから売りに出され、買い手の無いまま、ここまでズルズル来ちゃったので、むしろ再契約先があって良かったと思っているくらいである。SDはメルヴィン・イングラムが2013シーズンほぼ絶望だそうなので、その代役としての契約である。2年13ミリオンとはあるが、1年目のキャップヒットは3ミリオン程度、サインボーナスも3ミリオン程度なので、高からず安からずといったところであろう。 とは云うものの、実際問題、今のフリーニーの適正価格がいくらなのかのは正直分からない。この手のロートルの元オールプロ級というのは最も値段設定しにくいのであるが、フリーニーはその際たるものであろう。まあ、売り値が相場という奴か。 まあ給料はともかくとして、フリーニーの現役続行が決まって、コルツファンとして率直に嬉しい。このまま引退かと危ぶんでいたくらいだからだ。このハイブリッド流行の昨今、純然たる4−3エンドって、なかなか職場が無いのね。 って、SDは3−4じゃなかったのか。やっぱり、OLBやらすのか。まあ、どうゆう結果が出るのか、さっぱり分からんが、コルツファンとして、今季のフリーニーには注目したい。しかし、マシスと差が開いてしまったなあ。大学時代の経験って、そんなに大きいのか。10年前の経験なんだけど。 それはともかく、このフリーニーの退団により、ポリアン時代の攻守の頭がコルツを去った事になる。いよいよ、名実ともにグリグソン時代突入である。感無量。なんじゃそりゃ。言葉の使い方、間違ってんだろ。 ジョジョリオンは面白いのか。2013/5/23(木) 一昔前、野球における、理論上の完投勝利最小投球数といえば、27球であり、理論上の完投最小投球数といえば、25球で決まりであったのであるが、「申告敬遠」という、この革新的な新ルールの登場により、この理論値は劇的に変化向上した。 理論上の完投最小投球数は、勝ち負け関係なく、0球になったのである。全部申告敬遠して、牽制でアウトにしちゃえばよいのである。まあ、もちろん、そういうピッチャーが現れたら、リードしなくなるので、これはあくまで机上の計算ではある。今までの、27球ないし25球も、あくまで机上の計算、理論値に過ぎないので、そういう話つう事で。 上記のマシスを踏襲して、野球話から入ってみたが。フリーニーさんである。 フリーニーは、上の記事にもあるように、とっくの昔、2012オフにコルツを退団しているが、当時はこの枠「俺ホール・オブ・フェイム」が無かったので、普通に「元コルツ」の枠に置いていたのであるが、フリーニー様をタダの「元コルツ」扱いにできる訳も無いので、改めて「俺ホール・オブ・フェイム」入り。つうか、気分的にはクレッコーに続く、「俺ホール・オブ・フェイム」第2位である。 クレッコーはともかく、このフリーニー推しの気分は00年代のコルツファン以外には分かりにくいものであろうが、当時のコルツファンの多くは、私同様フリーニーが大好きだった筈である。マニングよりもフリーニー推しだった筈である。 だいたい、ウォルデンとかシアードとか云った輩が、なんで背番号93付けてんだよ〜〜。93番は永久欠番だろうが。 そういう、コルツサイドのつれなさもあってか、コルツ関係のイベントにはあんまり顔を出さない気がする。偶々かもしれんけど。 コルツ退団後のフリーニーはというと、その後、サンディエゴ、アリゾナ、アトランタ、シアトル、デトロイトと転々、謂わば、さすらいのサックアーティストとなり果て、2018年4月に引退。一応、最後にコルツと一日契約して、元コルツとして現役引退している。 その間のハイライトは、やっぱり、アトランタ時代のスーパーボウル最高齢サックかな。あんときは興奮した。泣いた。ブレイディへの通算何個目のサックかは知らん。でも、ブレイディへのサック数という意味では、結構上位に来るのではないだろうか。 通算成績は、125.5サック、47ファンブルフォースである。フリーニーよ、永遠に。 で、話をもう一度、野球に戻すが、プロ野球は無観客試合が終了、上限5000人でファンを入場させているが、5000人入場していないカードとかはあるのかな。コロナ関係なし。 ヒグラシが鳴き始めた。2020/7/26(日) フリーニー様の事で、ひとつ書き忘れていたことがあるので、付け加え。 似たような事は、戦評等々の記事でも、あちこちに書いていると思うが、フリーニー及びマシスの成功により、当時、2000年代終盤くらいかな、彼等と似たようなパスラッシャー、すなわち小型軽量パスラッシャーがNFL界隈で一時流行った。しかし、まあ、結局のところ、成功事例は少なかった。 まあまあ成功といって良いのが、エルヴィス・デュマーヴィルとかブランドン・グラハムぐらいで、しかも、彼等もどっちかというと、DEというよりはOLBタイプなので、フリーニーやマシス、とりわけフリーニー様のような純然たるDEタイプとは違う。 フリーニーが何故にDEとして成功したのかというと、技術的な理由はよく分からない。とにかく、「フリーニー様、スゲー。」つう事である。 あっ、そうそう、軽量ではないが、小型パスラッシャーとしては、強烈な成功事例が一つあった。アーロン・ドナルドである。公称は6−1、280パウンドであるが、TV画面を通して見ると、もっと小っちゃく感じる。動きもフリーニー様に、何となく似ているし、彼こそ、フリーニー様二世かもしれない。ドラフト順位も似てるし。インサイドラッシャーだけどな。 ってな事を書き忘れてました。ちゃんちゃん。 2020/7/29(水) 金欠。誰か、お金ちょーだい。 2024年2月8日、余裕の殿堂入り。その式典での写真がこちら、 ![]() 往時のコルツファンには、たまらん一枚。うっとりしてしまふ。サタディも並べたかったなあ。 2024/8/12(月) |
J.Irsay | ![]() ナイス・チンピラ |
ポリアン時代は、マスコミの表舞台に立つことも少なく、私なんぞはその読み方すら知らず、勝手にイーセイとか読んでいたぐらいであるが、マニング解任劇の際、オーナーとして当然の事ながら、マスコミの表舞台に立ち、それに味をしめたか、しばしばマスコミを賑わすようになる。その同時期、ツイッターが世間に広まり、それを利用しおもしろ発言を連発、すっかりキャラ立ちする。 の、挙句、飲酒運転で逮捕、アーンド薬物所持で、その手の施設の収容される始末。クリッパーズのドナルド・スターリンのようなアメリカ文化の否定みたいな問題では無いので、オーナー職を追われるって事は無いと思うが、いずれにしてもキャラ立ち過ぎ。 とはいっても、今のコルツを作った最大の功労者は、このジム・アーセイ・オーナーなので、プレイヤーじゃないけど、記事を立ててみたい。 一般にオーナーには、大きく分けて二つのタイプがあるように思う。一つは本業あるいはメインの仕事としてオーナー業をしているタイプと、副業あるいは数多くの投資対象のひとつとしてオーナーをしているタイプである。 もっとも、ここに云う本業と副業とは、あくまで世間的なイメージのそれであって、財産目録や営業帳簿を審査してのそれではない。数字的なものいうよりは、むしろ情熱的なものである。 一つ目のタイプ、すなわち本業としてオーナーをしているタイプとしては、NFLの記事にNBAやMLBの事例をいきなり出すのもどうかと思うが、マーベリックスのキューバンであり、スティーラーズのルーニー一族であり、かつてのドジャースのオマリー一族であり、何と云ってもこのタイプの究極の事例はレイダースの故アル・デービスであろう。ジェリー・ジョーンズや故スタインブレナーなどもこのタイプであろうが、ちょっと胡散臭い匂いもする。 一方で、二つ目のタイプ、副業としてオーナーをしているタイプとしては、こちらのタイプは、その情熱ゆえか、あまりメディアには登場しないので事例を挙げにくいが、昨季優勝したシーホークスのポール・アレンとかブルズのレインズドーフなどが挙げられると思う。そうして、この究極の事例は、ライオンズの故フォード・オーナーであろう。これなんかは、副業どころか、デトロイト市民の名誉職としてオーナーを務めている風であった。 もちろん、ここに挙げた事例は、先にも書いたように、あくまで世間的なイメージ、というか私の印象であって、実際とは違うかもしれない。でも、ここからの主張においては、実情より印象の方が大事だったりするのである。 私が、ここに二つのタイプを挙げたのは勿論優劣を付けるためである。結論から言えば、一つ目が良く、二つ目が悪いという事になる。勿論、昨季はシーホークスが優勝したり、近年のレイダースの迷走は明らかにアル・デービスにその責がある訳であるから、一概に優劣は付けられないかもしれない。「金は出すけど、口も出す」みたいな議論もある事だから、両者に一長一短はあることだろう。 でも、長い目で見て、あるいは一ファンの目で見て、どちらが好ましいかと云えば、それは前者だと思う。少なくとも、私はそれである。 また、一般的にいっても、オーナーの情熱とチーム成績は基本的にリンクしていると思う。スティーラーズとライオンズはその好例であろうし、日本のプロ野球で巨人が常に強いのも賛否両論、つか否定論の方が多いであろうが、歴代のジャイアンツのオーナーのルールを捻じ曲げてまでも勝とうとする情熱が一因である事は否定できないと思う。まあ、日本のプロ野球は正力松太郎が儲ける為に作られたとも言えなくはないが、それだって立派な情熱である。そこから派生して、実に多くの人が儲け、あるいは喜んだのだから、多くの日本人は正力オーナーを称えこそすれ非難はできないであろう。 また、近年の西武ライオンズの興亡が堤オーナーの情熱、つうか社会的地位と完全にリンクしているのは今更めて説くまでもあるまい。 で、我等がコルツのアーセイ・オーナーがどちらのタイプかと云えば、申す迄もなく前者であろう。つか、他の仕事が何かは知らん。完全に専業だと思う。 ウィキペディアでざっと経歴を調べてきると、大学卒業後、帝王学を学ぶではないけれど、一種のインターンとしてのコルツのオーガニゼーションの就職すると、チームの要職を歴任し、1997年(マニング獲得の前年!!)、逝去した父親のあとを継ぐ形でオーナー職に就き、今に至っている。実に37歳、当時(つうかおそらく今現在でも、最年少記録ではないだろうか、調べてないけど)リーグ最年少のオーナーである。しかも、共同オーナー無しの100%のオーナーである(多分)。 とまあ、MADDENバカにとっては夢のような家に生まれたジムであるが、その経歴を見ると、なんと大学時代はプレイヤー経験まであるのである。しかも、そこらの大学ではなくSMU、南メソジスト大学である。しかも、例のデス・ペナルティ以前であるから、押しも押されぬ強豪時代、エリック・デッカーソンのいた時代のSMUである。まあ、所謂Walk−Onでの入部、しかもNFLオーナーの息子としてのWalk−On入部なので、どんなレベルの選手だったかは分からないが、少なくともラインバッカーとしてSMUでプレイしていた事は事実である。 私は先に、本業と副業という形でオーナーを分けたけれども、プレイ経験者(なんか、やらしく響くな。)と非プレイ経験者でオーナーを分けても面白いと思う。 そのフットボールプレイ経験があり本業としてオーナーをしているのがジム・アーセイである。ちなみに、父親のロバート・アーセイは、これも同じくウィキ調べによると、一種の空調関係の会社の経営で財を成した後、人生の上がりの仕事としてスポーツ・チームのオーナー業に乗り出したようである。その初期にラムズとコルツを交換している事から見ても、NFLやフットボールへの情熱と云うよりは、一種の財界人の付き合いとしてのオーナー業だったようである。 エルウェイの入団拒否の大きな理由であったろう80年代のスットコドッコイな経営振りを見ても、NFLやフットボールに強い関心は無かったと思われる。その象徴がボルチモアからの有名なお引越しであろう。 ちなみに、このロバート・アーセイはハンガリーからの移民の子である。私が読めなかったアーセイという苗字は、元々ハンガリー系の名前なのかもしれない。もしかすると、アーセイにも我等と同じアジア人の血が流れているのかもしれない。言われてみると、なんとなくフン族の面影があるし(テキトー)。 また、ちなみに、先に書いた空調関係の仕事というのは、元々はロバートの父親カールの仕事であったらしい。 まあ、それはともかく、ロバートのあくまで余生の道楽的な経営としてのオーナー業から、ジムの本業としての、人生のテーマとしてのオーナー業に変わった事が今のインディアナポリス・コルツを作り上げた事は間違いの無い事実であると思う。そこはジムを称えておきたい。その象徴が、オーナー就任直後のポリアンとの契約であり、そのポリアン最初の仕事であるマニング指名なのである。ロバート時代、1位指名で失敗を繰り返してきた事を考え合わせると、ちょっと劇的といえばあまりに劇的な変化ではある。そうして、二つ目の全体一位でラック指名となり、アーセイ全米デビューとなる訳である。 飲酒運転あ〜んど薬物所持にリーグがどんな裁定を下すのかは分からんが、コルツファンとしては彼が非常に優れたオーナーである事、少なくともこの15年近くの間、立派な仕事をしてきた事は力説しておきたい。 まあ、その経歴を見ると、典型的な金持ちのバカ息子のそれであるし、このタイプは晩年グズグズになるパターンも多い。今回の飲酒運転&薬物所持もその兆候と言えなくもない。しかしながら、彼がオーナーになって以来、この15年近く良い仕事してきたのは、紛う事なき事実であると思う。マニング解雇&ラック獲得もタフではあったけれども、正しい決断であったろう。その評価は忘れてはならぬと思う。 ちなみに誕生日は1959年7月13日、もうすぐ56歳。 24時間寝ちゃった。 2014/7/9(水) 今週は、元々は、25年前の、じゃなかった、25年振りのペイサーズvsニックスのカンファレンスファイナル記事を書く予定であったのだが、コルツ&コルツファンの未来を大きく左右するニュースが飛び込んできたので、そちらを記事にしたい。する。 アーセイ・オーナーの訃報である。2025年5月21日。享年65歳。合掌。R.T.P。 死因の詳細は不明であるが、公式サイト(日本語版)によると、ここ数年は健康問題、特に呼吸器疾患に悩まされていたらしいので、その影響も少なからずあるのであろう。 この上の記事にあるフリーニーの殿堂入りパーティには姿を見せていたものの、車椅子姿だったので心配していたが、かなり重症だったのだろう。でなければ、デブでもない限り、65歳で死に至る事はない。「その式典時の車椅子姿に、私は『かなりのジーサンなのかな』と思い、年齢を調べたら、まだ60代と知って驚いた。」みたいな記事を、当時書いた記憶がある。65歳はいかにも若い。ご冥福をお祈りいたします。 また、今回の訃報の公式サイト(日本語版)の記事で私は初めて知ったのであるが、アーセイはピッピー文化に心酔傾倒していたらしい。ヒッピー文化といえば、「ドラッグ」が切っても切り離せないが、それもこの早すぎる死の一因ではないかと噂されてはいる。無論、真相は不明である。 ヒッピー文化といえば、「ベトナム平和運動」の成功から全面的に肯定されがちだけど、その闇の側面、罪の側面も見逃すべきではないと思う。映画「フォレストガンプ」のように、それを全面的に何から何まで否定するのもどうかと思うが、その負の側面もしっかり認識すべきであろう。 また、アーセイは世代的には大きくまとめれば「ヒッピー文化直撃世代」かもしれないが、細かく区分すれば、ジョン・レノンやデニス・ホッパーのような「ヒッピー文化を体現した」あるいは「ヒッピー文化を生きた」世代とは微妙に異なる。彼らの直後の世代というべきであろう。「体現世代」直後の「心酔傾倒世代」といったところか。 時代が隔たってしまうと、このへんはひとまとまりにされがちであるが、この二つの世代は微妙に異なる。同様の事は他の文化現象文明現象にもよくある。 「ヒッピー文化」と比較すると、かなり卑近な譬えになるが、たとえば「ガンプラブーム」で云えば、「ストリームベース」等々の「スケールモデルからガンプラに移行した世代」と「初めて作ったプラモデルがガンプラ世代」は、大きくまとめれば、同じ「ガンプラ世代」であろうけど、内実は微妙に異なる。 また、日本史で云えば、織田信長と宮本武蔵は、やはり似て非なるものであろう。「もののふ」と「さむらい」の違い。仮に、宮本武蔵が織田信長に仕官したら、信長は武蔵を「武将」とも「武士」とも思わないであろう。「芸人」とか「芸術家」のように感ずる筈である。そうして、珍重するかもしれない。「本物」と「模倣品」の違い。「ガチ」と「ヤオ」の違い。 また、これは危険な譬えになるけど、「キリストそのひと」と「キリスト教徒」の違い。これ以上は、怖いので書きません。 ちょいと話が逸れたが、アーセイのこういう死に方を見ると、「ヒッピー文化」も考えものというか、卒業すべき時期に来ているかもしれん。ハリウッドなどは逸早く、「敗北・孤独・怠惰」の「イージーライダー」を捨て去り、「勝利・友情・努力」の「スターウォーズ」や「ロッキー」に移行している。 それはさておき、アーセイの事跡へと話を移そう。 アーセイのオーナーとしての経歴で特徴的な事は、上の記事にもある通り、「プレイヤー・オーナー」、「本業オーナー」だった点である。 学生時代は「一フットボール・プレイヤー」(SMUのラインバッカー!!!)として過ごし、卒業後、というか在学中からかな、コルツのオーガニゼーションの一員として働き始める。それこそ、モギリの経験もあるかもしれない。 こういった経験がオーナーとしてプラスに働いたのかマイナスに働いたのかは私には分からない。ただ、アーセイのオーナーとしての経歴を特異なものにしたとは思う。NFLに限らず、他のプロスポーツの世界でも似たような事跡を私は知らない。 一般に、プロスポーツチームのオーナーで最も多いのは、何らかの形で財を成し、その出資先のひとつ、あるいは社会貢献の一環としてプロスポーツチームのオーナーになるパターンである。代表的なのはポール・アレンであり、他は有象無象、いくらでもいる。三木谷なんかも、その一人かな。このタイプを私はあまり好きではない。チームやゲームに対する情熱が無いからである。ポール・アレンは基本的にギーグであり、三木谷はただのヤンキー(アメリカ的な意味ね)であろう。最近流行りの投資家グループあるいは投資会社オーナーもこのタイプである。 一方で、これと似て非なるタイプがある。それは、一見すると、上記のタイプ同様、「上手い具合に金持ちになった人」のように見え、確かにその一面もあるのであるが、もともと、そのスポーツやチームが好きであり、そのオーナーを最終目標、見果てぬ夢として、金儲けに勤しんでいたら、ホントに金持ちになり、その見果てぬと思われていた夢を実現しちゃった人達である。 このタイプの代表はマーク・キューバン(インディアナ大学卒業!!!。アーセイより1歳年上の同じ7月生まれ!!!。1958年7月31日。)であり、ジェリー・ジョーンズでありロバート・クラフトでありスタインブレナーであろう。私の好きなタイプのオーナーである。 また、同じくこのタイプに分類されるであろうが、かなり特殊なのが、あのアル・デービスであろう。いや、このタイプじゃないかな。アル・デービスは「元祖・元プレイヤー・オーナー」かもしれん。マイケル・ジョーダンとかジーターとかの走りか。 そのほか、アメリカのプロスポーツ界に特有なのは「一族オーナー」であろう。「ルーニー家」とか「オマリー家」とかである。この手のタイプは賛否両論あるが、一貫した哲学思想をもって球団経営に奉じ、それがチームのみならず、リーグ全体にとっても吉と出る場合が多い。まあ、凶もあるけどな。また、一貫した哲学思想をもって球団経営に奉じるため、チームは安定した成績を残す。スティーラーズ、ドジャースともに「弱かった時期」が少ない。あるいは、無い。 ジム・アーセイ、あるいは「アーセイ家」も広い意味ではこのタイプである。ドジャース、コルツともに「ムチャな移転をしている」という点でも共通している。 話はちょいと逸れるが、日本で最も多いのは「社員オーナー」である。自分の就職した会社がたまたまプロスポーツチームを持っていたので、あるいは持ったので、その会社で出世した結果、会社人事の一環としてオーナー職に就くタイプである。実例は出す迄も無いであろう。うじゃうじゃいる。このタイプは私の大嫌いなタイプであり、成功例も非常に少ないので、リーグで禁止してもらいたいぐらいである。プロスポーツチームは、会社ではなく、あくまで個人が所有すべきであろう。 とまあ、軽く「オーナー論」をぶってしまったけれども、それは、プロスポーツチームにとって最も重要な人物はスーパースターでも監督でもGMでもなく、無論用具係でも全然無く、オーナーだと私は考えているからである。 実際、2000年代のコルツに栄光をもたらしたのは、ポリアンでもダンジーでもマニングでもなく、ジム・アーセイだったろうし、同じくペイトリオッツ王朝をもたらしたのはベリチックでもブレイディでも、無論ピオーリでも全然なく、ほからぬロバート・クラフトそのひとであったろう。 日本のプロ野球に目を転じても、ジャイアンツの栄光は正力松太郎とともにあり、ジャイアンツの没落はナベツネとともにある。 また、同じく西武ライオンズや福岡ダイエーホークスの栄光は堤義明や中内功とともにあり、オリックスブルーウェーブの低迷は宮内義彦とともにあり、東北楽天ゴールデンイーグルスの迷走は三木谷浩史とともにある。 ちなみに、この「オーナー最重要説」はプロスポーツチームに限っての事であり、アマチュアスポーツ、とりわけ学生スポーツは全然異なる。 学生スポーツで最も重要なのは、「オーナー」では無論全然無く、「リクルート」であり、これがほぼ全てといってよいであろう。 そうして「リクルート」で最も重要なのは、監督や採用担当者の力量も無論あるであろうが、それよりなにより、その学校やチームに学生やプレイヤーが入りたいプレイしたいと思わせるような学校作りチーム作りである。それさえ出来れば、学校側チーム側がリクルートに一切尽力しなくとも(「一切」は大袈裟かな)、学生やプレイヤーの方から、勝手に、頭を下げて、約束を破ってでも、入ってくるであろう。 そのためには「強くする」が一番単純かつ強力であろうが、「男女共学にする」なんていうのも下卑た一案ではあろう。 ちょいと話は逸れてしまったが、先に書いた通り、私はプロスポーツチームにおいては「オーナー」を最重要視している。「全てだ」といっても良いくらいである。 そういった意味では、ジム・アーセイの逝去は一大事であるし、ちょいと妙な言葉の使い方になるが、画期的な出来事になるとも思う。まさしくコルツの未来を左右する出来事になると思う。最近の事案で云えば、「ラック電撃引退」以上の事件だと思う。 これからどうなるのだろう。 普通に考えれば、アーセイの娘さんが、「オーナー代行」か「暫定オーナー」か肩書はともかくオーナー業を代行(?)することとなろう。そうして、そのまま「オーナー」となり、コルツの経営は所謂「アーセイ家」のものとなるのかもしれない。また、「身売り」も十分考えられるであろう。「投資家グループ」は堪忍してもらいたい。 あと、忘れちゃいけない、バラードの処遇。あっ、こっちか、こっちなのか、肉体関係があるのはこっちなのか。バラードの体を忘れられないのはこっちなのか。 そんな床上手の話、および今後のコルツの事はともかくとして、この20年、いや30年かな、この30年間のコルツの栄光は、間違いなくジム・アーセイともにあったと思う。感謝します。数多くのの喜びをありがとうございました。安らかにお眠りください。 本名はJames Irsay (June 13,1959-May21,2025)。 2025/5/24(土) |