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近況
 ジャイアンツの戸郷がノーヒットノーランを達成しましたね〜。なんでも、甲子園球場で巨人のピッチャーが達成したのは、あの沢村栄治以来だそうです。

 また、エライ名前が出てきましたな。で、ふと思ったのだけど、沢村栄治のピッチングを実際に見た事ある人って、現存しているのだろうか。

 かつて、林家ぺーが「俺はスタルヒンを見た事がある」って主張して、ビートたけしに揶揄われていたけれども、まあスタルヒンなら、見た事があってもおかしくは無いと思う。1955年まで現役なので、ペーに限らず、スタルヒンのピッチングを見た人は、少数ながらも、現存しているであろう。広岡達郎なら、オープン戦などで、対戦した事もあるかもしれない。

 でも、沢村は厳しいだろうなあ。現役最終年は1943年、全盛期は1930年代後半という選手である。今から、およそ90年前(!!!)、見た事がある人がいるとしたら、100歳越え、ギリギリ90代後半であろう。長寿大国日本なので、現存している人は、それなりにいるだろうけど、「見た事がある」となると、かなり少ないのではないか。当時はテレビも無かったし、当時から野球は人気スポーツだったとはいえ、プロ野球を球場で観戦した事のある人は、今よりグッと少なかったであろう。まして、一緒にプレイした経験のある人、これは皆無じゃないかなあ〜。別所さんでも、被っていないんだよね〜。沢村・吉原のバッテリー、まさしく、言葉の正しい意味で「伝説」である。

 アメリカでも、さすがにベーブ・ルースのプレイを見た事がある人は皆無であろう。プレイではなく、その姿を単に「見た事がある」人なら、まだ、それなりにいると思う。「プレイ」となると、ディマジオやテッド・ウィリアムズでも、相当少数だろうしね。まあさすがに、ウィリー・メイズやミッキー・マントルとなると、それなりにいるだろうけど。

 そう云えば、カブスが優勝した時、「前回の」カブスの優勝を見た事があるっていうバアサンが出てきた、つうか発見されてたね。

 って、今調べたら、「見た」じゃなくて、「産まれた」の間違いだった。ゴメンナサイ。

 まあ、そこまで「伝説」の選手やチームでは無くとも、清原や松井とプレイした事のある選手も、現役では、もうほとんどいないでしょ。ヤクルトの石川ぐらいじゃないかな。そもそも、今の現役の選手の多くは「甲子園での松坂」すら見た事ない訳だから。時は過ぎていくものよのお〜。

 「一緒にプレイした事がある」だと、ちょっと前のNBAで「マイケル・ジョーダンとプレイした事のある最後の選手」みたいのが話題になっていたけど、今は当然皆無だし、そもそも、今や、マイケル・ジョーダンのプレイをリアルタイムで見た事が無い選手が大半であろう。レブロンあたりが最後の世代なんじゃないかな。そのレブロンにしたって、1984年生まれなので、「全盛期のマイケル・ジョーダン」は辛うじてギリギリであろう。

 でもまあ、レブロンはともかくとして、NBAのファンとして、バスケットボールのファンとして、いやスポーツのファンとして、「マイケル・ジョーダンの全盛期」を見た事が無いというのは、痛恨の極みであろう。良かった、ギリギリ間に合って。井上雄彦さんに感謝します。

 さて、そんな「マイケル・ジョーダン」とは1ミリも被らない我らがインディアンスの話である。

 「打順」という昨シーズンの8月に開始した記事にかまけていたら、鬼のスピードで2024シーズンが開幕。時は過ぎていくものよのお〜。

 あのストラスバーグの再来とも謳われる超大物ルーキー、ポウル・スキーンズさんは、鬼のスピードで我らがインディアンスを通過、私は気づかなかった。

 そのスタッツは、7試合に先発、27・1/3イニングで45奪三振の鬼ピッチ。奪三振率は、およそ15。ハハハハ。まあ、いる意味無いですな、3Aには。鬼ピッチというより無駄ピッチだったとも云える。

 んで、5月11日に速攻メジャー昇格した訳であるが、その後の成績はというと、3試合先発、16イニング、21奪三振の鬼ピッチ。奪三振率は、およそ12。まあ、もう、我らがインディアンスには帰ってきませんなあ。ハハハハ。

 恐いのはケガだけ、というか、どのタイミングでケガするかというだけであろう。ストラスバーグの再来か、否か。スキーンズの明日はどっちだ。

 見てみたい気もするけど、パイレーツのゲームなんて、日本じゃ年一だしなあ。気が付くと、見逃してる。まあでも、今季は大谷さんがナショナルリーグにいるので、見れる機会は多いかも。

 そのほか、インディアンスのメンツはというと、復帰したクルーズ・オニールに押し出される形か、ジー・ワン・ベーさんが安定のインディアンズ入り。ここまで、打率0.367、4本塁打、7盗塁の大活躍。2年振りのチームMVPに向けて驀進中です。でも、ポジションはセンター。やっぱ、アジア人には内野手は厳しいのかのお。

 あと、スキーンズ君と同じく全体1位のヘンリー・デーヴィス君は、開幕メジャーを勝ち取ったものの、打率0.167の体たらくで、5月3日にインディアンス送還。もっとも、その後は打率0.315、6本塁打と活躍しているので、まあ、ここに壁があるという事か。油断してっと、日本行きだぞ。

 そのほかだと、昨季、ちょっと記事にしたチュキピュータ・マルカーノは、その後11月3日にウェイブされ、古巣パドレスに復帰。んで、明けて3月20日にACLをやっちゃってIR入り。トホホ。人生山あり谷ありですな。

 また、トラヴィス・スワッガティは、昨季7月17日にDFA。今、独立リーグ、アメリカン・アソシエーション・オブ・プロフェッショナルベースボールのカンサスシティ・モナークスにいます。いや、こっちはマジで日本行きかも。

 また、メイソン・マーチンはフリーエージェントになって、只今ハイAのトリ・シティ・ダストデビルズにいます。

 あと、昨季、そこそこ記事を書いたドリュー・マッジさんは昨年の7月23日にリリース。さすがに引退かと思いきや、今季5月19日にステーテン・アイランド・フェリーホークスと契約。アトランティックリーグ・オブ・プロフェッショナルベースボールで、とりあえず独立リーグなんだけど、公的なMLBパートナーリーグという位置づけみたい。経営規模的には3Aぐらいらしくて、1998年発足だそうです。

 毎度思うが、魑魅魍魎だな、この世界。まあまあ、それを知りたくて、このコーナーを初めたので、これは良し。

 ちなみに、インディアンスのここまでの成績は22勝24敗。まっ、これはどーでもいいか。

 あっ、そうそう、我らがペイサーズ(懐かしい、実に懐かしい響き)が、なんとプレイオフのカンファレンスファイナルに進出しております。でも、ここまで0−2とリードされております。見たいなあ。


  GO PACERS!!!


                                     2024/5/26(日)
チュキピュータ
マルカーノ
 我らがペイサーズは0−4で敗退しちゃいましたね。残念。来季からは、NBA見よっかな。現金なヤツ。なんか、WOWOWでも見れるみたいだし。

 で、インディアンスの話題になるのであるが、前回の記事で、ちょりっと触れたチュキピュータ・マルカーノさん、なんと「野球賭博」の容疑で球界を永久追放されちゃいました〜〜〜。パチパチパチパチ〜。いや、パチパチじゃねー。

 しかし、マッジといいマルカーノといい、私が記事にすると、何故に思わぬ後報が続くのか。

 まあ、それはともかくとして、チュキピュータ・マルカーノさん、永久追放で〜す。まあ、そんな思い入れのある選手でもないし、それ自体といしては、そんなショックでもないのであるが、なんでも「現役選手の賭博容疑による永久追放」は100年振りの快挙、もとい珍事になるらしい。

 まあ、そりゃそうだよね。どっかの記事で書いたけれども、「賭博」なんていうのは現行犯以外はなかなか発覚しにくいものなのであるから、「知らぬ存ぜぬ」で押し通せば、それ以上捜査は先に進まない。

 ピューリタンの国だけに、この100年間、MLB選手が誰一人「賭博」に関わっていなかったのかもしれないけど、普通に考えれば、そんな事は無いよね。「発覚しなかっただけ」、と捉えるのが当然であろう。

 ピート・ローズの件があるけれども、あれは度重なるマスコミの追求に、ローズがつい自白しちゃったといったところであろう。

 と考えると、このチュキピュータ・マルカーノは、何で自白しちゃったのかなと不思議ではある。一平ちゃん問題があったので、MLB機構側が風紀を引き締めて、そのスケープゴート、あるいは「戒め」の対象にマルカーノがなったのかもしれない。

 そうして、マルカーノ自身も2度目のケガ、しかもACLなので、キャリアを諦め気味だったのかもしれない。そこに、「100万ドルくらいで自白してくんない」といった「司法取引」めいたものがあったら、自白もするかもしれない。

 以上、何ら証拠の無い、あくまで私の憶測・妄想なので、厳しくツッコまないよーに。

 なあんてことを疑っていたら、うまい具合って訳でもないけど、ドジャース、つうか大谷がパイレーツと3連戦。

 早速見た。2戦目である。お目当ては勿論大谷、では全然無く、我らがスキーンズ君である。

 パッと見、第一印象は、「意外に腕が下がってんな」である。ストラスバーグ2世みたいな触れ込みだったので、私は勝手にガチ・オーバースローを想像していたのであるが、意外に腕が下がっていて、驚いた、というか、意表を突かれた。

 スリークォーター、あるいは、もうちっと下、サイド気味といっても良いかもしれない。下半身を含めたトータルのピッチングフォームは違うけれども、腕の出どころは、郭泰源とか、最近だと、戸郷に近いかもしれない。確かに、戸郷には、ピッチングフォーム、ピッチングスタイル等々、よく似ているかも。

 腕が下がれば、その分だけ「ケガのリスク」は低くなるので、それは朗報かな。ストラスバーグ2世というよりは、戸郷2世か、いや、それは違う。

 で、右のサイドスローの宿命、というか永遠の課題は「対左対策」であり、その答えのひとつがシンカーやフォークボールといった変化球であり、私はそこに注目して見ていたんだけども、このゲームではあんま投げなかった。御自慢のスライダーも含めて、変化球は非常に少なかった。勝負球もほとんどストレート。で、それをバチコーンと打たれたのが大谷のホームラン。

 3−2というカウントだったし、前の打席はストレートで三振だったので、「ここはスライダーかな」と思って見てたら、ストレートをバチコーンと打たれていて、私はちょっとビックリした。意外だった。

 もともと、そういうピッチングスタイルなのか、偶々このゲームだけなのか、それとも変化球のキレ・制球に自信が無いのか、それは私には分からない。でも、あの場面で、大谷が狙い打ちしたところを見ると、「勝負球は速球が多い」という情報が大谷に入っていたのかもしれない。

 「速球に自信を持ってる」って事なんだろうけど、その「速球」で驚いたのは、むしろ、後から出てきたチャップマンの方だわ。

 「まだやってた」って事にも驚いたけれども、「まだ、あんなに球はえーんだ」って事の方に、もっと驚いたわ。スキーンズより速く見えた。

 まあ、これくらいかな、この試合の感想は。そうそう、普段は、ドジャース寄りというか、大谷寄りでゲームを見ている訳だけれども、この日はパイレーツ寄りで見てた。パクストンが降板した時は、テレビの前で「オッシャー、ザマー」って叫んでたもんな。あっ、僕、あくまでインディアンスファンです。

 あと、オニール・クルーズも見てみたかったけど、この日は不出場。残念。でも翌日から2試合連続ホームラン。

 あとまあ、なんつーか、1試合に1回2回は必ずしょーもないミスをするよね、今の大リーグ。甲子園レベルの高校なら、しないようなミス。

 よくまあ、金とって見せてんなっていうレベル。キャンプで何してんだろ?。集団お泊り会?。好きな子の名前、言い合ってんの?。

 見る方も見る方で、よく金払って見てんなってレベル。他に娯楽無いのかね。まあ、三振とホームランしか、興味がない、つーか分からないのだから、それでいいのかもしれんけど。

 でも、これなら、チームで争う意味無いのよね。トップ30人のピッチャーとバッターを全米各地30球場で争わせて、MVPを決めれば、それでいいんじゃないの。1試合(?)何打席でも良いけど、仮に10打席くらいだったら、30分くらいで試合終了だし、昨今大流行の「時短」にも大きく貢献するでしょう。

 もっとも、日本も同じだけどな。大リーグ級のミスは、さすがに頻発しないけど、野球のレベルはめっきり落ちたよね、明らかに。

 「野球のレベルが上がった」っていう人は多いけど、私にはとてもそうには見えない。チームプレイは勿論のこと、個人プレイにしても、随分とまでは云わないけど、落ちてはいると思う。

 こういう議論は、どうしても自身が熱中して見ていた時期、あるいは初めて見た時期を美化しがちだけど、それを差っ引いても、1990年前後と比較して、日本のプロ野球のレベルは落ちていると思う。高校野球は上がっているかもしれない。全体のレベルはともかく、甲子園レベルは上がっていると思う。

 でも、プロ野球は下がっているよね。

 単純に考えても、全盛期の西武ライオンズに、昨今の優勝チーム、ヤクルトやオリックス、阪神が勝てるかといったら、厳しいと思う。軽くヒネられるであろう。単純なマンパワー的にも、チームプレイ的にも厳しいと思う。

 それこそ、この質問を、高津監督や中島監督、岡田監督にしたら、彼等は苦笑いするしかないと思う。特に、中島監督には、この質問をしてみたいよね。西武どころか、あの当時のオリックス、ブルーサンダー当時のオリックスと今のオリックス、もちろん山本・吉田のいるオリックスと戦ったらどうなるか、という質問でも、苦笑いして、「監督が違うからなあ〜、」とか答えて、お茶を濁すだろう。

 「レベルが下がった」には、いくつか根拠がある。

 一つ目は、当然ながら、「トップ選手のメジャー移籍」である。

 これは、当然ながら、全体のレベルを下げるよね。「スターがスターを作る」じゃないけど、トップ選手が5人抜ければ、5人分だけレベルは下がるであろう。

 野茂がメジャーに行った時、私は「これで、日本のプロ野球はMLBのマイナーリーグになる」と思ったけれども、あれから30年、はっきりそうなった。さしづめ、MLBの非公式パートナーリーグといったところかもしれん。

 二つ目は、「外国人のレベル低下」。

 これは、日本の経済力の問題だけど、1990年前後と比較すると、明らかに外国人の質が落ちた。給料が払えないからである。今のメジャーと日本では、給料的には、それこそ10倍くらいの差があるけれども、1990年前後はほとんど変わらないというか、バブル期の恐ろしさ、下手すりゃ日本の方が高かったりする。

 この手の元祖メジャーリーガーは、云わずと知れたボブ・ホーナーだけど、ホーナーは、今となっては笑っちゃうけど、年俸400万ドルで揉めていて、それを日本のプロ野球が、というかヤクルトが100試合3億円で契約したという話である。

 それ以降、95年くらいまでかな、日本に来た外国人の多くは、ほぼメジャーリーガーである。ケガや年齢等々の、ちょっとした編成上の理由でロースターを外れちゃった人達が、日本に来ていたのである。日本の方が給料いんだもの、そりゃ来るよね、プロ野球選手なのだから。パリッシュ、バナザード、モスビー、シェーン・マック等々である。

 バナザードと云えば、思い出すのは、あれは南海最終年で、なぜかオープン戦をテレビ放送していた。そこで、解説の野村克也(ヤクルトの監督就任前ね)が、例の調子で、「南海なんて、今年で身売りだなんて言われているのに、こんな凄いガイジン連れてきてどうするの。最後のご奉公かい。」ってボヤいていた。

 そのゲームで、バナザードがスゴイゲッツーを決めて、「こりゃ凄いガイジンが来た。南海戦は絶対見よ」って私は心に決めたのであるが、その後、ゴールデンウイークあたりに、また南海戦のテレビ放送があったのであるが、その時は、バナザード、完全にヤル気失ってた。いかにも「ホームラン打てばいいんでしょ」ってバッティングしてた。本来はラインドライブの選手の筈なのに。守備はもう、「無」でしたね。「無」としか表現のしようがない。「空」ですらない。

 また、その後、今から20年くらい前かな、私は古本屋で、たまたま、というか、うまい具合に1987年のメジャーリーグのイヤーブック(表紙は、若き日のロジャー・クレメンス)を見つけ、速攻で購入した。

 その雑誌には、出てくるわ、出てくるわ、後に日本に来るガイジン達が。ほぼ全ページ誰かしらいる。「ああ、アイツも、ああ、コイツも、」状態。読みだしたら止まらなくなって、徹夜してしまった事があるくらいである。
 更に、その特集ページのひとつは、あのボビー・バレンタイン、ボビー・Vである。テキサス時代の事を記事にしていて、見出しは「バレンタインはテキサスに野球をもたらすか」みたいな感じだったと思う。インカビリア(覚えている人、いる?)の名前もあった。フランコは、あったかどうか記憶にない。その雑誌は家の中のどこかにあるだろうけれども、メンドくさいので探さない。

 インカビリアはともかくとして、このフランコやホーナー、バナザード級の外国人を、いま日本に呼ぼうとしたら、年俸1000万ドルは必要だよね。現行の為替レートで、およそ15億円。あるいは2000万ドルかかるかもしれない。およそ30億円。まあ、払えなくは無いだろうけど、払わないよね。

 3億円、200万ドルくらいだと、まあ、こんな感じのガイジンになっちゃうよね。200万ドルくらいだったら、多くのマイナリーガーは、「アメリカで、もうひと頑張り」になるよね。レギュラーを奪えれば、1000万ドルなんだから。そっちに賭けるよね。

 つう感じで、この時代のメジャーリーガーの多く、は言い過ぎだけど、メジャーリーガーの幾人かは、日本のバブル期の経済力で日本に出稼ぎに来た訳だけど、その副産物が、上記の「日本のプロ選手のメジャー流出」である。

 当時の日本人選手、野茂や吉井あたりは、BSでメジャーリーグ中継をよく見ていたらしく、そこで見ていた選手が、数年後、来日し、自分たちと対戦、そこそこ通用するとなったら、メジャーリーグも怖くなくなるよね。

 そういった意味では、「日本のプロ選手のメジャー流出」というのは、鈴木監督やダン野村のせいだけでは全然無くて、バブル期の日本の経済力や衛星放送の発達などが微妙に絡み合っての結果なんだよね。この世の出来事は単純ではない。

 ちなみに、先に、私はホーナーが年俸400万ドルで揉めていたと書いたけれども、では、当時、マイケル・ジョーダンが一体いくらくらいの給料を貰っていたのかというと、俺たちのスポトラック調べで、8年2570万ドル、年平均およそ320万ドル、1ドル100円換算だと、およそ3億円なのである。

 しかも、私は当時のスポルティングニュースを運良く入手出来ているのであるが、それによれば、1年目は97万ドルくらいなんだよね。日本円で、およそ1億円。落合とたいして変わんね〜。でも、落合とジョーダンじゃあ、スポーツマンとしての価値はともかく、総合的なプロスポーツマンとしての価値は1000倍くらい違う。落合じゃあ、靴1足も売れね〜。いや、100足くらいは売るか。

 そんな時代である。そりゃ日本来るよね。

 つかまあ、この当時、ホーナーは400万ドルを要求していたそうであるが、そりゃ干されるよね。「てめーなんか、ジョーダンに比べたら、ゴミだ、ゴミ以下だ。」って、私なら言っちゃう。

 ちなみに、同じ頃、ピッペンさんが7年およそ1900万ドルでブルズと契約、契約当初はホクホク顔だったのであるが、7年後、いや5年後くらいから、地獄を見たのは、皆さん承知の通り。みんなで笑おう。

 また、そのピップ地獄の一因ともなったプロスポーツマンの給料高騰は、1996年のジョーダンの1年およそ3000万ドル契約からである。その後、これがアメリカプロスポーツマンのなんとなくの上限となり、20年後くらいにシャーザーあたりが突破する事となる。

 ちょっと話は逸れたが、1990年前後のように、金の力でガイジンを呼べなくなってしまった事も、「レベル低下」の大きな要因であろう。単純計算で、各チーム2人、計24人分力が落ちている訳であるから、「トップ選手のメジャー移籍」より、こっちの方が影響は大きいかもしれない。

 この二つが「レベル低下」の大きな二つの根拠だけど、その他に、これは根拠とは違うが、ひとつの印象としては、「外野手の肩」というのがある。

 1990年前後は、秋山や新庄、飯田といった外野手が台頭してきて、「これからの外野手、特にセンターは肩が弱いとレギュラーを獲れない時代になるんだろうなあ〜。」なんて私は思っていた、あるいは予想していたのであるが、案に相違して、今や「肩の弱い外野手」が沢山いる。普通にレギュラー獲ってる。

 そのほか、盗塁阻止率も壊滅的だよね。1990年前後は、古田が台頭してきて、その影響で、盗塁阻止率は5割を変えるのが当たり前みたいになっていたけど、今は3割5分がやっとだもんね。
 一方で、盗塁数自体は減ってる。という事は、「確実に成功する」時以外は走らなくなっているのか。そういうもんじゃないんだけどね〜、盗塁って。

 また、その盗塁阻止率以外でも、キャッチャーのバッティング等々も含めたスタッツが壊滅的である。私は「古田の全盛期」を知ってるので、最近のキャッチャーのスタッツを見ると、「ケガしてたのか」って思っちゃうくらいである。明らかに、「ケガした古田」以下のキャッチャーがいる。

 そのほかだと、チーム打率とか完封数だよね。90年代を知っている私から見たら、信じられない数字である。「ピッチャーの平均球速が上がったから」を言い訳にしているけども、だったら何故にバットを短く持たない。み〜〜んな長く持ってる。み〜〜んな落合みたいなバッティングしてる。バットを短く持っているのは角中くらいである。最近の選手は色々理屈を言うらしいけど、「バットを短く持つ理由」も知らないんだよね。

 このへんの「盗塁阻止率」とか「チーム打率」とかは、あくまで相対的なものなので、軽々に判断は出来ないけれども、私の漠然とした印象では、個人の技術や能力、チームの戦略や戦術等々、総合的に考慮すると、やっぱり「レベルは落ちている」と思う。西武には勝てそうもない。

 あっ、そうそう、最近の「投高打低」のひとつの要因となってる「中6日の先発ピッチャーの100球降板」だけど、あれでいいいなら、昔のピッチャー、点取られないよね。江川とか江夏とか、稲尾とか杉浦とか、それこそ金田とか、あれでいいなら、このクラスのピッチャーは、年間0失点で切り抜けちゃうと思う。

 あと、話は全然変わるが、阪神の佐藤の打順が4番だ5番だ云われているけど、あの手のタイプは3番だよね。4番はともかく、5番は最も向かない打順である。ちなみに、私の考える最も理想的な5番バッターはイチローである。理由は、「打順論」で述べます。この調子だと、来年になるかもしれんけど。

 と、最近のプロ野球について恨み辛みを述べてみたけど、メジャーリーグだってレベル下がってからな。

 しかも、これは理由ははっきりしている。アフリカ系アメリカ人が全然野球をやらなくなったからである。黒人メジャーリーガーもちらほらいるけれど、たいがい中南米系。所謂「アフリカ系アメリカ人」は、ほぼ皆無だと思う。

 一昔前、80年代90年代は、白人ショートなんて、ほぼ皆無だったけど(カル・リプケンJr.くらい、故にチヤホヤされた。)、今や各チームのショートはほとんど白人。で、全然上手くない。あとは、中南米系。

 60年代以前に生まれたアフリカ系アメリカ人、分かり易いのがマイケル・ジョーダンだけど、彼等の多くは野球をやるが、70年代以降に生まれたアフリカ系アメリカ人は全然野球をしない。その象徴はケン・グリフィーJr.の次の言葉であろう。「僕は親父が野球選手だったから、野球をやった。親父が野球選手じゃなかったら、バスケットボールをやっていただろう。」。ケン・グリフィーJr.は1969年生まれである。

 その理由は、アメリカ人でも無ければ、アフリカ系アメリカ人でもない私には全然分らないけれども、とにかくメジャーリーグのレベル低下の一因になっている事は確かである。一昔前なんて、ショートどころか、NBAやNFLみたいに、スターター全員黒人なんてザラだったもんな(ザラは言い過ぎか)。いまや、スターターどころか、ロースターに黒人がいるのも珍しい。

 あと、これは「レベル低下」とは全然関係ないけど、最近全盛期、というか若い頃、80年代のクレメンスのピッチングを見る機会があったのだけど、とんでもなく速えーよ。スキーンズやチャップマンより、全然速い。

 以上、老人の愚痴戯言でした。

 あっ、そうそう、「レベルが下がってる」って散々書いたけど、メジャーリーグはともかく、日本のプロ野球の「人気」は、80年代より、あるいはそれ以前より、今の方が確実に上がってます。これは断言出来ます。間違いない。特にパシフィックリーグなんて、同じリーグとは、とても思えないもの。「人気」と「実力」は、必ずしも相関しないんだよねえ〜。比例しないというか、独立してんだよね〜。勘違いしがちだけど。川上監督より、落合監督より、長嶋監督の方が、立浪監督の方が、集客力があるんだよねえ〜。

 プロ野球関係者に限らず、「人気」商売で、これを勘違いしている人は多いよねえ〜。

                       今年初めて冷やし中華を食べた。2024/6/9(日)
スキーンズ2杯目  先日、新千円札を初めて入手した。「なんかオモチャみたいなお金が財布にあるな」と思って、よくよく見たら、噂の新千円札だった。北里柴三郎君だった。新五千円札と新一万円札は、未見。ちょっと楽しみ。

 でもまあ、自身の肖像がお札に使われるって、どんな気持ちなんだろ。日本中の財布に自身がいるって、どんな心持ちなんだろ。

 さすがに、多くは故人なので、心持ちも何も無いであろうが、ごくまれに、存命中の人の肖像が使われる場合もあるよね。日本の場合は無かったと思うが、海外だと、どこぞの王族とか革命家がその事例であろう。毛沢東とか、存命中から使用されていたんじゃなかたっけ。なんか、こそばゆいのかな。

 で、同じように、過日、スキーンズを見た。NHKBSでの観戦である。今季2杯目である。その感想をちょいと書いてみたい。もっとも、裏で「将棋のNHK杯」が放送されていたので、ザッピングしつつ、「環那ちゃん、環那ちゃん」云いながらのズボラ観戦なので、厳しくツッコまないよーに。

 スキーンズ初見の際の感想は、ちょうど上の記事にあるが、そこで、私は、「この手のスリークォーターピッチャーの永遠の課題は『左バッター対策』であり、その答えの一つがシンカーやフォークボールのような変化球なのであるが、その割には速球中心の配球であることに疑問を感じた。」みたいなことを書いたのであるが、それに応えてどうかはしらぬが、この試合では、前回とは一転、変化球中心の配球であった。特にシンカーが多かった。このシンカー、前回はほとんど投げていなかったように思う。やはり、「対左バッター」が一つの課題になったのであろう。

 前回、私が観戦してから2ヶ月ほど経過しており、その間、どんな調子だったかは知らない。スタッツを見た限りだと、大きく崩れている様子もない。この記事を書いている段階で、16試合登板、98イニング、奪三振121、奪三振率11.11。ちょっと、奪三振率は落ちてきているかな。

 でも、この試合でシンカーを多投していたという事は、やはり「左バッター対策」が一つの課題になってきているのだろう。それこそ、たかっつぁんみたいな握りでシンカーを投げていた。

 ただまあ、キレなり落差なりがも少し欲しいかなとは思った。実際、このゲームでも、痛いところで左バッターに打たれとるし。全盛期の潮崎なみとまでは云わなくとも、もちっと完成度を上げて欲しいと思う。現時点では、たかっつぁんなみ。しかも、コントロールはたかっつぁんに劣る。

 まあ、もっとも、このスキーンズに全盛期、すなわち1年目2年目くらいの潮崎のシンカーがあったら、それこそ無敵だろうけどな。

 あとまあ、もうちっとスピードも欲しい。豪速球投手という触れ込みだったので、イメージ先行していたのかもしれんけど、「言うほど速くない」って感じではある。前回も書いたけど、チャップマンの方が、よほど速く感じる。

 まあ、つってもルーキーだしね。それもメジャーリーグのルーキーではなくて、ガチ・ルーキー、プロ野球1年目の選手なのだから、そこを勘案すれば、立派としか言いようがない。それこそ、去年の今頃ドラフトされた選手である。驚異的といってよいであろう。

 このスキーンズ、その登板を私は2度見たわけだけど、その限りで判断すると、やっぱ理想は郭泰源のように思う。今時珍しい、その沈むような下半身の使い方も郭泰源によく似てるし。もっとも、当のスキーンズ、あるいはパイレーツ関係者が、郭泰源を知っているか否かは不明ではあるが。まあでも、ベテランのピッチングコーチなら知ってるかな。

 で、そのスキーンズ、このゲームも6回で降板。所謂「100球前後をメドに」って奴である。

 洋の東西を問わず、まあ韓国や台湾、メキシコ等々ではどんな調子か知らんけど、日米両国では、ここ10年というか、ここ20年くらいで、すっかり定着した戦略というか習慣というか風習であるが、私には、全く以って、意味不明である。

 確かに「コンディショニング」という意味では、価値があろう。でも、それなら、「100球をメド」とせず、勝負が見えたら、あるいは5回終了、6回終了の時点で、90球でも、80球でも、70球でも、出来る限り早く降板させるべきであろう。早ければ早いほど「疲労は減る」のであるから。

 でも、「100球をメド」としてるのは、「肩肘うんぬんで、100球が限界」となっているからである。

 でも、これ、医学的には何の根拠もないからね。そもそも、どのピッチャー、どんなタイプのピッチャーでも、一律100球というのが嘘くさい。そのピッチャーの肉体的条件、ピッチングスタイル等々によって、その限界は変わって然るべきものだと思う。それが一律100球って。すでに嘘くさい。医学的でないし、科学的でもない。

 それが医学的でもなければ科学的でもない、一つの証拠として、そもそも、その第1号、すなわちジョーブ博士がトミー・ジョンに与えた数値が、すでに「100球」だったという点がある。

 第1号が「100球」だったという事は、少なくとも、統計学的、あるいは臨床的事実ではないであろう。なにしろ、「初めて」なのだから。「データ」にする事実そのものが無い。

 まあ、分からんよ、もしかしたら、ジョーブ博士は、肘の靭帯の強度とか、ピッチングの負荷とか、手術の完成度等々を厳密に計算して、「100球」という数字を叩き出したのかもしれない。

 でも、そんな事ないよね。まず単純に考えても、自然が人間に与える数値がそんなに「キリのいい」数値である訳がない。円周率とか重力定数とか1年は365日と1/4とほにゃららとか、自然が我々にあたる数値は、みんな分かりにくい、「キリの悪い」数字ばかりである。「トミー・ジョン手術をしたピッチャーが初めて先発する際に降板すべき投球数は100球」になる訳がない。

 いやまあ、もしかしたら、なるのかもしれないよ。そんな「キリのいい」数字を自然は人間に、野球関係者に用意してくれたのかもしれないよ。でも、違うよね。ここでジョーブ博士が「100球」って返事したのは、絶対そういう理由、研究の成果である筈がない。というか、そう答えるしかないからである。

 まず根本的に50球以下はあり得ない。

 トミー・ジョン:「先生、僕今度先発するんですけど、何球くらい投げられるのですかねえ。」
 ジョーブ博士:「う〜ん、38球だね。」
 トミー・ジョン:「先生、それでは先発できません。」

 また、150球以下もあり得ない。

 トミー・ジョン:「先生、僕今度先発するんですけど、何球くらい投げられるのですかねえ。」
 ジョーブ博士:「う〜ん、216球だね。」
 トミー・ジョン:「先生、216球なんて、年一どころか、キャリア通じて一度あるかないかです。ってか、多分ないです。」

 つう訳で50球から150球の間という事になる。だとしたら、もう100球しかないよね。憶えやすいし。現実的に「100球」以外答えは無いといってもよいくらいである。38球や216球は極端としても、67球とか134球も非現実的であろう。「意味を持たせる」としたら「100球」以外はあり得ない。これが「100球前後をメドに」の真相だと思う。

 もっとも、その後、統計学的に「100球」を証明した人もいるらしいけど、そんなのは、あらゆる統計学同様、無意味なものである。それは「打順論」でしつこく書くつもりだけど、とりあえず、ここではこう言っておこう。統計学の示唆するような、あるいは用意するような、あるいは期待するような、「普通の人」、あるいは「平均的な人」なんて、この世にはいないからである。

 とりあえず、ここでは「100球前後をメドに」の反証をひとつ提出しておこう。

 それは村田兆治である。手術後、最初の先発登板で、やはり「100球前後をメドに」を言われていたらしいのであるが、そのゲームは白熱し、村田兆治は村田兆治らしく、降板を拒否、「この試合で、投げられなくなってもいい」、結果155球を投げてしまうのである。

 その後、村田兆治はどうなったかというと、さすがにその試合直後は痛みが酷かったらしいが、それから凡そ6年間現役を続け、体力の限界を理由に引退するのである。つか、引退後も無駄に豪速球を投げ続けていたのは人も知るとおりである。肘の靱帯は無事だったのであろう。

 まあまあ、これはたまたま上手くいっただけなのかもしれないが、反証の一つにはなろう。

 そもそも、「100球前後をメドに」、昨今の投手は降板しているけれども、それでもケガが減らない、下手すりゃ、増えているのは、この「100球前後をメドに」理論が医学的科学的に完全に崩壊している最も強力な反証であろう。

 ちなみに、今ここで、「ジョーブ博士はトミー・ジョンに云々」と書いたけれども、そのソースが見つからない。その本はアタリがついているのだけれども、今ちょっと読み返した限り、「100球」の記述は無い。もしかしたら、間違っているかもしれない。その時はゴメンナサイ。
 村田兆治の方はソースがあります。ググれば出てきます。

 つう訳で「100球前後をメドに」は何の意味も価値もない理論であるのに、それが何故に、洋の東西を問わず、野球界に深く深く、それこそ宗教のように浸透したかというと、その理由は一つしかない。それは、多くの、つうか、もしかしたら全ての監督にとって、何よりの福音だったからである。

 かつて、それこそ「100球前後をメドに」理論が浸透する前は、ピッチャー交代、それこそ先発ピッチャー交代のタイミングは、監督にとって最も難しい采配であった。「ピッチャー交代は監督の最も難しい仕事」なんて言われていたものである。

 早すぎてもダメ、遅すぎてもダメ、替えても替えなくても、ファンやマスコミに、それこそ判で押したように、批判されていたものである。

 ところが、この「100球前後をメドに」理論の登場とともに、この声、つか罵声はピタリとやんだ。科学的医学的に立証されているのだから批判できないのである。まして、日本人は「アメリカでは」にイチコロである。かつては「唐では」、その後「イギリスでは」「ドイツでは」「フランスでは」、最近では「アメリカでは」。次はどこの国になるのでしょう。「チリでは」「ジンバブエでは」…。

 つう訳で、現代の監督は、洋の東西を問わず、100球前後で交代すればよいのである。誰も批判しない。文句を言わない。楽チンチンであろう。

 良かったね。というお話でした。

 あっ、このコーナー、あくまで「インディアンス同好会」でやんす。念の為。

                                2024/8/18(日)
今季終了のお知らせ(アホ)  昨年、どこかで記事にしたクリスマス抽選会に今年はさっそく初日に突撃した。抽選回数は5回。ガラガラを5回回した。結果はなんと、まさかの5連続ポケットティッシュ。

 私は運の強い方なので、この手のクジ引きは特賞や一等賞はともかく、5回も引けば、ひとつぐらいは3等4等が当たるものなのである。実際、数年前は同じ抽選会で500円の商品券を当てていてる。

 それがまさかの5連続ティッシュ。私はイカサマを疑った。

 まあまあ、今年最後のクジ引きで5連続ティッシュだったのだから、この分、来年は良い事があるでしょう。と、無理矢理ポジティブシンキング。野放図ポジティブシンキング。

 とまあ、年の瀬も押し迫ったこの時期にこんな事を云うのもバカ丸出しで大変恐縮なのであるが、今季のインディアンス、とっくの昔にシーズン終了してま〜〜〜す。←バカ

 前期:33勝40敗の地区8位、後期44勝30敗の地区2位、通算77勝70敗の地区4位で〜す。当然プレイオフには行けませ〜〜ん。

 プレイオフは、インターナショナルリーグ前期優勝のオマハと後期優勝のコロンバスでリーグ優勝決定戦を行い、3戦シリーズ2勝1敗でオマハが優勝。続いて、パシフィックコーストリーグ優勝のシュガーランドと戦い、こちらは一発勝負をシュガーランドが13−6で制して、優勝で〜〜す。シュガーランドの皆々様おめでとうございま〜〜す。

 リーグチャンピオンシップは3戦シリーズなのに、トリプルAチャンピオンシップは一発勝負なのな。分からん。いやまあ、別にいんだけどさ。

 シュガーランドなんて聞いた事もない地名だけど、テキサス州にありアストロズ傘下だそうです。今調べたら、ヒューストンのすぐ近く。ニックネームは「スペース・カウボーイズ」。まあ、ベタやね。

 「スペース・カウボーイズ」にしたのは2022年で、つい最近の事。それまでは「スキーターズ」。創立は2010年で、当時は独立リーグ所属だったのが、2021年にアストロズ傘下となり、それを機にトリプルA入りした模様。がんばって。

 さて、我らがインディアンスであるが、ゲームは全然追っていないので、私には何が何やら分からないのだけれど、スタッツを見る限りでは、マット・ゴースキーというセンターが23本塁打、打率0.257でやや目立っとる。ただ、この成績が何を意味するかは、私には全然分からん。

 あと、何気に結構メンツ変わっとるな。おなじみの名前は、当サイトでは毎度おなじみジー・ワン・ベーくらい。あとは、知らん名前が並ぶ。

 つう訳で、今季の「俺MVP」はゴースキーで。来年がんばって。

 つか、真のMVPは、申す迄もなく、ポウル・スキーンズ大先生である。一応、インディアンとしても7試合先発45奪三振だしな。

 というより、ナショナルリーグの新人王。11勝3敗、防御率1.96、奪三振170。

 つかまあ、シーズン当初からメジャーリーグで投げさせりゃあ、もっと良い成績だったんじゃないの。インディアンとしての7試合は無駄ちゃあ無駄だよね。まあ、例のサービスタイム云々なんだろうけどさ。

 あと、ついでという訳でもないが、サイ・ヤング賞も第3位です。

 でも、スキーンズのようなガチ・ルーキー、すなわち前年にドラフトされた選手が新人王って、結構珍しいんじゃないの。私がザッと調べた限りだと、ドラフトの翌々年みたいな選手はちらほらいるが、翌年はいない。あんま話題になっていないみたいだけど。

 ちなみに、ホーナーさんは、ドラフトされた翌年ではなく、その年、つまり1978年6月6日に全体1位でドラフト指名、その10日後の6月16日にパイレーツ戦でデビュー、第3打席でホームラン。んで、そのままシーズン23本塁打して新人王。いや、とんでもない選手だったのね、ホーナーって。

 更にちなみに、そのホーナーに第1号を打たれた投手はバート・ブライレブンというのであるが、通算257勝で殿堂入りしとる。いや、とんでもない選手だったのね、ホーナーって。

 ホーナーの「マイナー経験なし」ってエピソードはよく見るので知ってはいたけれど、そのレベルだったんかい。「ルーキー開幕戦デビュー」とか「NFLのDAY1デビュー」とか、そのレベルの話だと思ってた。まさか、金田レベルだったんかい。

 そのレベルなら、高飛車でも仕方ない。許される。400万ドル要求するのも仕方ない。許される。日本のプロ野球を批判するのも仕方ない。許される。

 まあ、そんなもんかな、インディアンスに関してわ。すまん。

 あと、今季のメジャーリーグを語るにあたって、避けては通れないのは、やはり大谷。私もドンとぶつかってみようと思う。

 今季の大谷に関して、私に限らず、全世界の野球ファンが注目したのは、事実上この一点、すなわち「打者専念した大谷がいかなる成績を残すか」、この一点のみであった。

 で、結果は、皆様ご承知のとおり、「54−59」である。

 まあまあ、盗塁の59はともかくとして、本塁打の54本に絞って、この場合は考えてみる。

 大谷二刀流のベストイヤーは何年かというと意見が割れるであろうが、とりあえず、投手としてベストの成績を残した2022シーズンを参照してみる。15勝、166イニング、防御率2.33。

 そうして、この年のホームランは34本。となると、ホームラン20本分が投手としての仕事量だったともいえる。15勝がホームラン20本分である。もっとも、チームも年齢も技術も違うし、一応今季は「リハビリ中」であるから、これはあくまで単純比較、それもものすごい単純比較ではある。

 ちなみに、昨年2023シーズンは、投手としては途中離脱したが、10勝、132イニング、防御率3.14。で、ホームランは44本でホームラン王。

 ここらの数値をざっくりまとめると、

 2021  9勝 130・1/3イニング 防御率3.18 46本塁打
 2022 15勝 166イニング 防御率2.33 34本塁打
 2023 10勝 132イニング 防御率3.14 44本塁打
 2024 登板なし                54本塁打
 
 打者専念した2024年と比較すると、2023年は10勝がホームラン10本分、2022年は15勝がホームラン20本分、2021年は9勝がホームラン8本分といったところである。

 大谷がフルシーズンがっつり二刀流をすると、ホームラン35本前後が基本の数字で、打者専念するとフルシーズンで20本ほどホームランが増すといった感じかもしれない。半シーズンだと10本前後といった感じか。

 埒の明かない比較ではあるけれど、これをどう見るかは微妙なところであろう。まあ確かに、「打者に専念すれば、成績は向上する」、とは云える。少なくとも、「下降」は無論のこと、「同等」でもない。ただし、「激増」あるいは「倍増」かといえば、これまた微妙なところであろう。まあ「5割増し」くらいか。少なくとも「倍増」ではない。

 また、一般的なバッター、つまり打者一刀流の選手の成績のシーズンごとの増減の範囲内ともいえるであろう。2021シーズンからのホームラン数は、46、34、44、54。ちなみに、同時期のジャッジのホームラン数は、39、62、37、58。ジャッジはケガが多いので、こちらも単純比較はできないけれど、この程度のホームラン数の推移、シーズンごとの変化はよくある話ではある。対戦相手の相性や気候等々の運不運、技術的体調的な高下の範囲ともいえる。とりわけ異常な事ではない。

 さて、どう結論付けるか。「打者に専念したら、成績は向上する」とは言い切れるであろう。ただし、世間一般で云われているピッチャーの疲労度、ローテーションピッチャーの疲労度、特にピッチャー経験者の主張するピッチャーの疲労度からしたら、10本増、20本増では全然足りないと思う。最低でも「倍増」はしてもらわないと、70本80本打ってもらわないと、ピッチャーの労力に相当するホームラン数ではないと思う。少なくとも、私は納得しない。それくらい、「ピッチャーは疲れる疲れる」と彼らは主張してた。

 という訳で、私の結論は「『打者に専念すれば、成績は向上する』は間違いだった」である。多少は向上するものの、少なくとも「二刀流を辞める」に値するほど増す訳ではない。すなわち、大谷二刀流反対論の大きな根拠のひとつであった「二刀流は、どちらも中途半端になる」は間違いだったって事である。

 大谷の二刀流挑戦に際して、反対論は大きく分けて二つあった。ひとつも「体力的に持たない」である。これは達成されたことで、あっさり覆された。しかも、大谷は、なんだかんだで10年以上「二刀流」を続けているのだから、「体力的に持たない」なんていうのは、根も葉もないデマだったという事になる。

 もうひとつの反対論は、今回ここで検討した「両方をやろうとすると、両方ともに技術的に大成しない」である。両方の練習をしなければならないので、その分洗練されないというのである。所謂、「二兎追うものは一兎も得ず」である。

 で、この主張は「打者専念」に関しては、完全に、とまでは云わないけど、ほぼ覆されたと思う。打者に専念したからとて、劇的に成績は向上しないことは判明した。
 まあ、勿論、「キャリアの初期から『打者専念』していれば、違った」という主張もなくはないが、でも、そうしたら、大谷はシーズン70本塁打80本塁打を10年近く続けるような選手という事になってしまう。そんなバッター有り得るだろうか。ボンズがキャリアを通してドーピングし続けるような数字である。

 また、「投手専念」に関しては、こちらは実証が無いので、分からない。まあでも、40勝はローテーション的に不可能だろうけど、防御率0点台、1試合平均20奪三振みたいなピッチャーが現れるとは思えない。また、現時点の大谷を見ても、大谷にそのようなピッチャーのポテンシャルがあるとはちょっと思えない。もし、大谷が「投手専念」していたとしても、今とさほど変わらない成績だったのではないか。

 1シーズンのみで結論を出すのもどうかと思うけど、少なくとも2024シーズンのみの結論だと、「打者に専念すると、いくらか成績が向上する」でしかない。

 これがもし「投手専念」なら、更に成績向上は僅かなものとなるであろう。なぜなら、バッターの方がピッチャーより疲労は少ないのであるから。せいぜい、1勝2勝の上積みでしかないと思う。

 まあ、それでも「専念」した方が「二刀流」より成績は向上するであろうが、微増レベルにとどまるであろう。少なくとも「中途半端」ではない。

 という訳で、「二刀流否定論」は、ほぼ否定的に解決されたと思う。

 まあ、分かってた事だけどね。二刀流が不可能だというのなら、何故アマチュアで可能なのだという事になる。野球に限らず、ほぼ全てのスポーツ、いやほぼ全ての技術は、むしろ逆である。「プロでは可能だけど、アマでは不可能」、まあ、これは分かる。技術的体力的に劣っているからである。また、当然、その技術の修練や練習にアマは専念できないという側面もあろう。

 「アマは可能で、プロなら不可能」なんて言っているのは、この「二刀流」くらいのものである。金銭的契約的に不可能というのはともかく、アマに可能な事をプロが技術的体力的に不可能なんて事は、有り得ん、考えられん。あとは、ただ、それがプロとして合格点に達するか否かの問題のみである。

 その当たり前のことを大谷は証明した、つうだけの話である。また、それを証明できるだけの能力を投手打者双方ともに保持してたという事である。

 ただまあ、数年前も同じことを書いたけど、大谷を見ていてしみじみ思うのは、「やっぱ、『二刀流』いらねーー」である。

 この100年間、日米ともにプロ野球の世界で「二刀流」が登場しなかったのは、散々議論された「可能不可能」の問題ではなく、「要不要」の問題だったって事である。「二刀流」をしなかったのは、「出来ない」からではなく、「要らない」からだったのである。

 この比較は無意味かもしれないけど、もし「二刀流」が必要であるならば、大谷が「二刀流」をしていたエンジェルスは優勝とまでは云わなくとも、好成績を挙げていただろうし、大谷が「二刀流」をしなかったドジャースは優勝は出来ず、成績も悪化していただろう。

 でも、結果は逆。「二刀流」は、チーム成績向上のためには「必要」でなかったのである。

 まっ、そりゃそうだよね。いつかも書いたけど、「二刀流」がチームにいる利点は、たったひとつ、ロースター枠が一つ空くつうだけの話である。26人目の選手が25人目になるだけの話である。そんなのは大幅な戦力アップにはならんよね。

 一方で、アマチュアの世界、とりわけ高校野球レベルだと、「二刀流」が多い、つか全てのピッチャーが打席に立ち、打つ気満々という意味では、全て「二刀流」なである。なぜなら、それが「可能」だからではなく「必要」だからである。

 まして、それがプロレベルの選手、チームで飛び抜けた力の持ち主ならば「4ピー」、すなわち「4番ピッチャー」をやって貰わざる得ない。「お前は打つだけでいいよ〜。」「お前は投げるだけでいいよ〜。」なんて贅沢は言ってられない。勿論、かつてのPLとか現今の大阪桐蔭のような強豪校なら、多少ピッチャー専念バッター専念できるだろうけど、それもあくまで「多少」であろう。バッティング練習免除ピッチング練習免除とはなるまい。

 プロで「一刀流」が可能なのは、それだけ戦力が豊富だからである。やる必要がない、「不要」なのである。大谷のように打てる選手、大谷のように投げれる選手が、まだ他にいるからである。

 まあ、もっとも、今から考えると、金田がいたころの国鉄とか、V9時の堀内とか、桑田のショートとか、「二刀流」をやらせた方が良かった、「二刀流」が必要だったチームもちょろちょろあるけどな。

 ちなみに、昔、私は「日本人やアジア系のメジャーリーグのショートは、人種的に不可能」みたいなことを書いた事があるけれども、桑田だったら、メジャーリーグのショートは可能だったかもしれない。メジャーリーグでショートで2番みたいな選手は可能だったかもしれない。少なくとも、エクスタイン以上の選手にはなっていたと思う。勿論、川相や勝呂よりは上だよね。

 ちょい話が逸れたが、メジャーリーグや日本のプロ野球のような高いレベル、戦力豊富なリーグでは、「二刀流」ははっきり不要だと思う。それは大谷が証明したと思う。そういう事だったのね。

 つかまあ、「二刀流いらね〜〜」って、世界で一番強く想っているのは、当の大谷本人だと思う。大谷こそ「二刀流不要」を痛感していると思う。まあ、勿論、興行的な意味、フトコロ具合的な意味では「二刀流大賛成」だろうけど、純粋にスポーツ的な意味、野球的な意味では、大谷ははっきり「二刀流不要論者」だと思う。

 まあ、そんな事は今更口が裂けても言えないけどな。「オトナに騙されたなあ〜。」って思ってるかもね。後悔してるかもね。「二刀流、かったり〜〜」みたいな。

 という訳で、大谷はともかく、「二刀流」の未来は暗いと私は思います。以前もどっかで書いたけど、ロースター当落線上の選手が「ピッチャーも出来ます。バッターも出来ます。守備にも就きます。」みたいな自己アピールとして、「二刀流」、あるいは「三刀流」をする選手は出てくるかもしれないけど、大谷のように、それぞれでタイトルも狙えるような選手がわざわざ「二刀流」はしないと思う。異常な「野球好き」だけだと思う。スキーンズ大先生が「二刀流」をしなかったのも、結局は「かったりー」が理由だろうしね。

 てな感じで記事を締めたいと思っていたら、またもや訃報。

 今度はナベツネこと渡辺恒雄である。

 まあまあ、ナベツネに関しては年も年、98歳なので、謂わば大往生、鳥山明やミポリンとは違って、そんなに悔やむ気持ちもないのであるが、とりあえず、ここに謹んでお悔やみ申し上げます。

 ナベツネといえば、今の若い人たちはほとんど知らないであろうが、例の球界再編騒動の際の主役の一人、つかヒールである。

 世間的にも本人的にも主役面、メインキャラクター、ラスボス扱いの人物ではあったが、私はそうは思わない。たまたま、あの時、巨人のオーナーだった、というかオーナー職に就いてただけの人物にすぎないと思う。日本のプロ野球に多い、所謂「サラリーマンオーナー」の一人である。自分の入社した会社がプロ野球チームを所有しており、社内人事の関係で、たまたま「オーナー」になっただけの人物である。

 堤オーナーや中内オーナー、宮内オーナーといった自身の意志で球団を購入した人や、アメリカのプロスポーツにありがちな「家業オーナー」、あるいは「投資家グループオーナー」とは違う性質のオーナーである。

 その最大の特徴は、野球やプロ野球経営に愛情や情熱が全く無いという点である。会社に命令された仕事の一つとして「オーナー」を勤めてるに過ぎない。野球への愛情、プロ野球チーム経営への情熱、プロスポーツ興行への見識は全く無い。それっぽい事は言ったり行ったりするであろうが、所詮は業務命令、お仕事である。

 そういうオーナーの一人にすぎなかった渡辺恒雄、ナベツネが、たまたま、ああいう時期に球界の舵とり役的な位置につき、トンマな言動を繰り返し、しかも、それが世間に大きく、面白おかしく報道されてしまったというのが、あの球界再編騒動の顛末だと思う。

 もとより、渡辺恒雄にこの問題を解決する情熱も能力も無かったのである。

 ところが、元々の性格もあったのであろうが、ああいう発言を繰り返し、それにあの憎々しげな風貌もあって、球界再編騒動の主役、ラスボス的な位置に就いてしまったのである。

 また、「渡辺恒雄」っていう名前も憎々しげだった。これが例えば「佐藤雅之」みたいな名前だったら、さほど嫌われもしなかったろう。「サトマサ」とか名付けられて、逆に救世主的な扱いを受けたかもしれない。「ナベツネ」じゃねえ。

 もっとも、渡辺恒雄に、この球界再編騒動を解決する能力があったかといえば、それは無かったであろう。実際、無かったし。

 あの場合、オーナー達のまとめ役であろうナベツネのやるべき事は、近鉄に代わるバファローズのオーナーを見つけてくる事であった。でも、出来なかった。古田が見つけたのか、そのへんの詳細は不明であるが、なし崩し的に三木谷がオーナーになった訳である。

 そもそも、近鉄に限らず、当時のプロ野球チームの多くが何故に経営難だったかといえば、なんてことはない、古田も語っていたけど、当時の親会社とサラリーマンオーナー達がまともどころか、普通の経営すらしてなかったからである。

 その証拠に、普通に経営している現在は、どの球団も黒字経営、プロ野球チームを持ちたい企業や投資家は沢山いて、虎視眈々とその座を狙ってるくらいである。

 実際、今のプロ野球各チームの客入りを見たら、かつて70年代80年代90年代のパシフィックリーグ、いや巨人以外の11球団の客入りは何だったのかと不思議なくらいである。当時は甲子園ですらガラガラだった。外野席の一番高いところにある通路でのラッタラーは、秘かな甲子園名物であった。私のようなマニアを喜ばせたものである。ああ、ラッタラー、やっとるやっとる。

 ところが、今や、甲子園は全席プラチナチケット。甲子園のみならず、どこの球場もガラガラって事はない。季節、時期、地域を問わず、よく入る。

 いや、ほんと、私が若い頃見たあの球場のガラガラっぷりは何だったの。幻。もはや岡田さんのつけ入る余地はない。あのビニール傘が窮屈なくらいである。

 マジメに、というか普通に経営すれば、こうなるのである。
 
 かつての球団経営者達が、判で押したように「巨人戦が、巨人戦が」って言ってたのは何だったの。いまや、その頼みの巨人戦の地上波中継はほぼ無くなってしまっているのである。でも、あの客入り。むしろ、「巨人戦のテレビ中継」が諸悪の根源だったのではないかとさえ思えてくる。

 近鉄に話を戻せば、あの時、近鉄の経営者、あるいは他のプロ野球チームの経営者連のやるべき事は、なにはさておき「フランチャイズ移転」である。

 近鉄に限らず、当時のパシフィックリーグの関西3球団の経営難の諸悪の根源は「阪神タイガース」である。この強力すぎるフランチャイズの主がいるために、経営的に苦しんでいたのである。で、南海、というかホークスは福岡に移転して大成功。

 こういう大成功の事例が目の前、それこそ目と鼻の先にあるのだから、それに倣えば良いだけの話である。実に簡単な仕事である。

 まあ、近鉄の場合は、親会社が鉄道会社なので、近鉄ごと他地域に移転は難しいであろうが、近鉄が球団経営への情熱を失くしているのなら、地方の企業に売却すればよいだけの話である。プロ野球チームを欲しがる地方自治体、地方企業は多かろう。

 そうして、それを球界の盟主面している巨人のオーナー、この場合はナベツネが斡旋してやればよいだけの話である。条件面、金銭面で折り合いがつかなければ、巨人や他チームが援助してやればよいのである。こんなの正力松太郎なら、ちょろい仕事である。お茶の子さいさい、朝飯前であろう。

 ところが、ナベツネを始め、当時のオーナー連はそれが出来なかった。代わりにやろうとしたのがチーム削減、1リーグ構想である。「赤字だから、やめましょう」。典型的なサラリーマンの発想である。自身でお金を儲けた事のない人間の発想である。給料以外で金銭を得た事のない人間の発想である。経営なんてしたことのない人間の発想である。そりゃ、球場ガラガラだよね。

 ちなみに、この「チーム数云々」というのは最近もよく聞くけれど、私にはどういう意味だかさっぱり分からない。チーム数とプロスポーツ経営に一体いかなる関係があるのだろう。

 まあ、1チームでは不可能、これは分かる。「練習」だけでは金が稼げないであろう。「練習」で金を稼げるのは、現状、大谷ただ一人である。

 で、2チームなら、可能は可能だろうけど、じきに飽きられるであろう。人気商売の大敵「マンネリ」である。

 で、3チーム、4チームと増やしていくにつれて、「マンネリ」は遠ざかっていくのであるが、これが1000チーム、100万チームになったら、これはこれで困る。憶えられない。上限は100チーム、50チームくらいであろう。まあ、100万チームあってもいいけどね。とりあえず、不可能ではない。

 でも、そのチーム数と経営状況にいかなる関係があるのか、私にはさっぱり分からない。増やせば儲かるのか、それとも、減らせば儲かるのか。

 ちなみに、球界再編騒動の際は、「12チームだと赤字で、11チーム、あるいは10チームだと黒字になります。それも1リーグが良いです。」とオーナー連は主張してた。いったい、どういう計算なのか、私にはさっぱり分からない。「12チームだと赤字、11チームだと黒字」、そんな事はあり得るのだろうか。あるとしたら、相当な高等算術ではないだろうか。私のような中学レベルの数学知識しかない人間には、さっぱり分からない。

 チーム数を減らせだ増やせだいう人は、ここらへんをちゃんと説明してほしいと思う。説得力のある説明を私は見たことが無い。

 つうのが、球界再編騒動とナベツネに関する当時の私の感想である。今も変わらない。

 ナベツネという人は、当時、自身の能力に余る仕事や役割を押し付けられたというのが事の真相だろう。マスコミも悪いよね。今、私の書いた、この程度の分析すら、当時はしてなかったし、今もしていない。ただ、水戸黄門的に「ナベツネ」を「悪代官」にして終わりである。さしづめ、「古田」は「水戸黄門」で、「三木谷」は「印籠」であろう。「ホリエモン」は「うっかり八兵衛」といったところか。

 ナベツネを、一部では「政界のフィクサー」みたいに扱う報道もあったけど、この球界再編騒動での立ち回りを見る限り、とてもそんな感じには見えねー。実際、ナベツネやオーナー連の望んだ事は、何ひとつ実現しなかった訳である。古田の涙ひとつで白旗上げてんだもの、何をか況やである。マスコミの人間なのに世論誘導すら出来ないんだから、無能ここに極まれりといったとこであろう。政治家や官僚にも鼻であしらわれてたんだろうな。

 んな感じか。

 今年最後の記事は、なんか辛気臭い、あるいは抹香臭い事を書いてしまったが、来年も引き続き辛気臭い抹香臭い記事を書き続けるので、そこんとこヨロシク。では、よいお年を〜〜。いや、もっかい、記事書くかも。

                                  2024/12/22(日)