インディアナポリス研究会ペーサーズ局
歴史

12−13シーズン

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2012年
12月
12月4日
IND@CHI
80−76
 本来なら、シーズン展望なんかも書いてみたかったのであるが、今季はコルツ大改編期なので、コルツ事情を書くのに忙しく、ぺーサーズをここまでうっちゃってしまった。先日、ちょうど、NHKBSで今季ペーサーズの初放送があったので、シーズンレビューも兼ねて、観戦記をものにしてみたい。

 対戦相手は、今季のペーサーズ同様、ディフェンスに定評のあるものの大黒柱兼唯一の得点源を欠いて苦しむシカゴ・ブルズである。

 この記事を書いている12月11日現在、ペーサーズの一試合平均得点は90.8点でリーグ30位、つうか最下位であり、同じくブルズは94.1点でリーグ24位。一方で一試合平均失点はペーサーズが91.8点でリーグ第3位、ブルズは91.3点で第2位。ロースコアの展開に持ち込むと言えば聞こえはいいが、要するに点の取れない両チーム同士の戦いという図式である。ちなみに、失点第一位、91.2点のグリズリーズ(!)は平均得点では98.2点の12位だったりする。

 またまたちなみに、この手のロースコアチームと言うと、私は大昔のニックスを懐かしく思い出す。ユーイングやオークリー、デレック・ハーパーのいた頃のニックスである。ここの頃のニックスは強力ディフェンスを売り物にしていて、マジソン・スクエア・ガーデンで敵チームを80点以下だか70点以下に抑えた時、記念品として何か景品を配るみたいなキャンペーンをやっていたのであるが、で、その条件に合う試合、すなわち80点だか70点だか以下に抑えたゲームはそれなりにあるのだが、負ける時も多いというトホホな結果になっていた。チームディフェンスは強力であるが、得点能力がしおしおという意味では、今の両チームとそっくりである。

 まあ、当時のニックスと違って、それぞれローズとグレンジャーが復帰すれば得点力アップは大いに見込めるので、その辺は全然違うが。当時のニックスは、スタークスが当たるのを待つだけという、ホントにトホホな状態だった。

 さて、問題のゲーム内容であるが、そのデータの示すとおり、ディフェンス合戦と云えば云えなくもないが、両チームともにオフェンスの低調なしょっぱいゲームだった。試合結果は終盤大事なところで、ヒバートのナイス・ディフェンスの出たペーサーズの勝ちである。

 まあ、点数が取れなくなるのは、グレンジャーが怪我した段階で大方分かってはいた。基本1on1のチームで、チームオフェンスがほとんど無く、そのシュートのほとんどをグレンジャーに任しっきりだったのだから、当然こういう結果になろう。昨季、もう一つの得点源だったバルボッサに逃げられたのも痛い。昨オフのペーサーズのロースター移動に私は概ね不満は無いのであるが、唯一の不満は、そのバルボッサに逃げられた事である。懐事情もあるので、あまりきつくは責められぬが、今となってはホントに痛い。まあ、この手のタイプは、ちょうどブルズのネイト・ロビンソンみたいなもんで、いくらでもいるちゃあいるし、シーズン中にでも拾えると思って、リリースしたのだろうが、やはりちと惜しかった。しかも、代わりがジェラルド・グリーンって。微妙すぎないか。まあ、この選手も非常に評価の分かれる選手なので、もしかしたら爆発するのかもしれないが、いまのところ、シケたままである。7年間、シケたままである。

 という訳で、現状、チームのエースはポール・ジョージが担っている訳である。私は、以前何処かで書いたが、むしろこの形の方が望ましいと思っている。このゲームを見てもはっきり分かるが、今のペーサーズで、グレンジャーを数に入れても、最もセンスがあるのは、明らかにポール・ジョージだからである。ポールがチームのリード・スコアラーになるが理想的な形だと思っていた。
 そこで、上手い具合と言う訳でもないが、グレンジャーがケガにより長期離脱が決定的になったので、ポールが化けてくれるかと思っていた。で、このゲームは34得点ということで、一つの結果を出したゲームだともいえるが、ここまでのシーズン全体としてはいまひとつなんだよなあ。平均得点も12月11日現在15.4点ぽっちだし。

 グレンジャーに遠慮しているのか、もともと攻めっ気がないのか、いまいち、点を取りに行こうとしないんだよなあ。特殊なチームオフェンスを使っている訳でもないし。つーか、ほとんどアイソレーションか、単純な2メンゲームだし。歯痒い。「攻め気を忘れないよーに。」by流川楓

 これだけ、得点できないと、チーム最高給取りのヒバートにも批判が集まる訳であるが、私は、以前にも書いたように、ヒバートには、あまりオフェンスには参加させたくない。あくまで、ディフェンスとリバウンドに特化したセンターになって欲しい。変にオフェンス・スキルを身に付けようとして、オデンのように、膝を壊してしまったら、実も蓋も無いからだ。この試合でもディフェンスで決定的な仕事をしたように、ディフェンス&リバウンドでチームに貢献して欲しい。それだけで、最高給が取れる選手であるからだ。

 同じく、高給取りになってしまったジョージ・ヒルにも批判が集まるが、まあ、こっちもあくまでボール運びとディフェンスの特化したPGなので、これ以上の活躍を期待するというのは酷というものであろう。まあ確かに、クリエイティヴィティのあるPGを連れてくるという手もあるにあるが、そんな選手、なかなかおらんし。グランジャーが帰ってくるまで、しばらく、この状態で我慢するしかないと思う。でも、本音を言うと、そのグランジャーを放出してポール・ジョージを名実ともにエースにしたい。それだけのセンスがジョージにはある。でも、無理。だって、グランジャーはボードのお気にだから。携帯の待ち受け、笑顔のグランジャーだから。

 ペイサーズ話はこれくらいにして、リーグ全体の話を。つーかレイカーズの話をしよう。

 つーか、あのメンツで優勝できなかったら、コービーとナッシュとワールドピースは強制引退だろっ。マイク・ブラウンは切腹だろっ。それも比喩的な意味ではなく、血の出るやつ、心臓の止まるやつ。とか、書こうと思っていたら、マイク・ブラウン、早速更迭されとるし。しかも、5試合で解任されとるし。その5試合の意味が分からん。代えるなら、キャンプ前に代えとけっつの。5試合やらなきゃ分からない事があったのか。

 あと、ハインリッヒって、ブルズにいたのね、知らんかった、出戻り?

                                                    2012/12/11(火)
2013年
6月
プレイオフ終戦  負けちゃいましたね、ペイサーズ。一応、負け惜しみをしておくと、「こっちは、チーム1の高給取りを使わずにここまで来たんだよ、バ〜カ。出鱈目な補強を繰り返しているチームに負けたって、じぇんじぇん悔しくないんだよ、バ〜カ。」。

 まあ、グレンジャーが出ていたら結果が変わっていたかというと、微妙なところ、ちゅうか、あまり変わっていないと思われるが、まあまあ負け惜しんどく。

 という訳で、ペーサーズの今季は終了した訳であるが、ほんとはもっと前、プレイオフの前ぐらいに「プレイオフ展望」的な記事を書きたかったんだけど、いろいろあったんで、ここまでズルズルしてしまった。そこで、プレイオフ・イースタンカンファレンス・ファイナルのザクッとした感想、ガッツリ見たのは第1戦、第2戦、第5戦なので、その辺を中心にザクッとした感想を書きたいと思う。
 しかし、何故に第7戦をNHKBSは放送せぬ。相変わらず、日本のスポーツ放送の理念が分からない。まあ、理念なんか無いんだろうけど。

 それはともかく、まず、一発目のツッコミとしては、初戦終盤、何故にヒバートを引っ込めたかちゅう点である。3点差以上離れているならともかく、あの状況ならペリメーターよりペイント内だろう。このゲームに限らず、このシリーズを通して、終始ヒートが嫌がっていたヒバートを、あの終盤ギリギリで下げる意味がまったく分からん。案の定、レブロンに2回ともドライブを決められ逆転負け。試合終了後、現地のカメラがヒバートを抜いていたが、そりゃ抜くだろ。わしがディレクターでも抜く。

 まあ、ヴォーゲルは専門家であるから、それなりの考えがあって、したことだろうけど、貴重な敵地での勝利、更には結果的には3−4というシリーズの結果を考え合わせると、完全な結果論になるけれど、痛恨の采配ミスだったと思う。しかも、その後は、似たような場面でもヒバートは引っ込めていなかった訳であるし。謎な采配ではあった。

 その第一戦でヒーローになり損ねたポール・ジョージであるが、あの土壇場でのフリースロー3連発は圧巻だった。あの場面、3点ファウルを貰った瞬間、私は「さすがに3連発は厳しいかな。」と思ったのであるが、その予想を覆しての、3本3成功。有りそうで無いシーンだったと思う。ああいう場面で、2つなら2つ、3つなら3つ、決めてしまうというのは、私も20年近くNBAを見ているが、初めてかどうかまでは分からないが、過去に記憶は無い。どんな名手もひとつぐらいは外してしまうものである。ペイサーズというチームは、レジー・ミラー以降、もしかしたら、それ以前からも、伝統的にフリースローは上手いチームであるが、それでも、このポールのフリースロー3連発は特筆に価する。それだけに、その後のヴォーゲルの采配が。

 とまあ、このプレイに関しては、ポール・ジョージ絶賛であるが、シリーズ全体というか、シーズン全体的には、私にはまだまだ物足りない。一応、MIP受賞者であるから、世間的には大活躍、大躍進のプレイヤーという事になっているのだろうが、私的には全然足りない。シーズン17.4、プレイオフ19.2のPPGであるけれど、私的には、25点以上とまでは言わぬものの、20点以上は欲しい。10点台では不合格である。そのプレイを見る限り、それが可能な選手であると思うからだ。やっぱり、ディフェンスが好きなのかなあ。

 そのポール・ジョージの低得点も、その理由のひとつであろうが、このシリーズ全体を見ていて、強く思ったのは、チーム全体での得点力不足である。プレイオフ開幕前、各メディアで、ペイサーズの得点力不足が指摘され、私もそれに反論しきれないでいたが、まあ、やっぱり、それは重大な欠陥だったと思うし、カンファレンス敗退の最も大きな理由であろう。

 とにかく、個人技でしか得点できないというのが痛い。要するに、個々の選手の調子頼みということである。チーム全体でのオフェンスを作って欲しいところである。

 あと、もうひとつ、それ以上に痛いのが、速攻のフィニッシャーがいないという点である。それは、このシリーズを見て、痛感した。リーグ有数、中には史上屈指という説まであるが、まあ史上屈指かはともかくとして、非常なハイレベルにある今のペイサーズ・ディフェンスであるが、それが速攻につながらない為に、結局あまり活きていないのである。
 折角、そのリーグ屈指のディフェンスでボールを奪っても、速攻で得点できない為に、結果的にはオフェンス・リバウンドを奪われたのと同じ事になっている。もしかしたら、その速攻のフィニッシャーとしてジェラルド・グリーンを獲ったのかもしれないが、あの体たらくであるし。

 この得点力不足の解消は、来季のペイサーズの大きな課題であろう。

 一番単純な解決策としては、オフェンスの鬼の獲得である。今までもいろんな噂があったが、O.J.メイヨでもエリック・ゴードンでも、誰でもいいから2番にオフェンスの鬼を入れたい。プレイオフ前に、マックグレイディーと契約するなんて噂もあったが、それも面白かったと思う。また違う結果が出ていたであろう。
 このレベルのオフェンスの鬼でなくてもいいから、レディックだとかカイル・コーバーとか、ヒートであぶれているマイク・ミラーとか、この手の3ポイントの名手でもいいから、2番の得点力不足を解消して欲しいと思う。

 次は、上記したような速攻の成功率を上げるためのフィニッシャーの獲得であろう。これだけでも随分違う筈だ。

 最後に、大技としては、オフェンスをクリエイトできるPGの獲得である。ジョージ・ヒルも良くやってはいるが、オフェンスをクリエイトする力は無い。もし、そういうPGを獲得できたなら、上記の速攻の問題も解決するし、ペイサーズ自慢のフロントラインも更にレベルアップし、ファイナル制覇も夢ではなくなる。
 では、それが誰かと問われれば、実名を挙げれば、ずばりクリス・ポールである。グレンジャーで獲れんかなあ。サラリー的には釣り合うだろうし。クリス・ポールが今のペイサーズに来れば、自慢のディフェンス力はいくらか落ちるだろうが、一気にファイナル制覇への活路は開けるだろう。ジェイソン・キッドでも悪くはないが、さすがに寄る年波がなあ。契約した途端、全休とかも十分有り得るしなあ。

 まあ、いずれにしても、今のペイサーズが、もう一ランク上のチームになる為には、個々のプレイヤーの努力ではなく、フロントの手腕にかかってくるであろう。グレンジャーという大きな手駒もあることだし。この活用が今後のペイサーズの命運を握っていると云っても過言ではないと思う。グレンジャーの大きな後ろ盾であったバードも、とりあえず形の上では、チームを去った訳であるし、今オフは大きなチャンスだ。

 とまあ、既に来期のことを書いちゃっているが、今季のペイサーズに関しては、当然ながら十分及第点であろう。プレイオフ初戦敗退ならば、さすがに責任問題だろうが、難関と見られていた対ニックスの2回戦も突破したし、優勝候補筆頭のヒートとも第7戦までいったし、ペイサーズの存在感も十分示せたシーズンだったと思う。特にヒバートはこのカンファレンス・ファイナルで十分名を挙げたと思う。もはや若手有望センターではなく、NBAを代表するセンターになったと思う。オールNBA・ファーストチームも夢では無いだろう。

 最後に、もうひとつ。ペイサーズ話。これは、今プレイオフとも今シーズンとも全然関係ないのであるが、今のペイサーズのロースターにベン・ハンスブロー(生意気に23番付けとる。)というテイラーの弟がいる。まあ、兄弟選手そのものは、NBAに限らずプロスポーツの世界では珍しくも何ともないのであるが。ここで、私が言いたいのは、このテイラーとベンの兄弟、その体格があまりに違いすぎるという事である。ポジションもPFのテイラーに対し、ベンはPGである。私は当初、珍しい苗字ではあるが、血縁関係は無いと思っていたぐらいである。

 兄弟選手といったら普通、ドミニク&ジェラルドのウィルキンス兄弟然り、バリー兄弟然り、ガソル兄弟然り、マニング兄弟然り、金田兄弟然り、河埜兄弟然り、定岡三兄弟然り、まあ能力的にはともかくとして、体格的ポジション的にはほとんど同じであるのが通例であるが、このハンスブロー兄弟、体格違いすぎだろ。6−9の250と6−3の203って。

 ペイサーズ絡みで云えば、ミラー姉弟だって、男女の差はあるが、似たような体格だし。運動能力的には同等、もしくはシェリルの方が上と言っても良いくらいである。
 また、若貴兄弟などは、兄弟としては一見すると体格が違う感じではあるが、貴乃花の方は人工的に肉体を作ったらしいので、本質的に両者に大きな差は無いだろう。
 そもそも、スポーツマンの枠を取り払っても、兄弟、つうか家族ないし一族の体格は似てくるのが通例である。稀に大きな家族の中で一人だけチビとか、逆に小さな家族で一人だけデカイというのも無くは無いが、珍しい部類である。

 で、要するに私が何が云いたいのかというと、母親、浮気してたんだろっという事である。そうでなければ、説明が付かん。私がハンスブローの父親だったら、訝しがる。「あれ、アイツ浮気してたんじゃね。」

 ペイサーズ話はそれくらいにして、ヒートについてもちょいと。

 このシリーズ、ペーサーズで最も株を上げたのはヒバートであろうが、ヒートでは勿論アンダーセンであろう。ナゲッツ時代から良い選手であるのは知ってはいたが、遂に日の目を見たという感じである。ディフェンス、リバウンド、そうして出鱈目なファッション、と完全にロッドマンのばったもんであるが、ほんと、このシリーズでは良い働きをしたと思う。彼の欠場した第6戦、ヒートが完敗したのはその象徴だろう。まあ、そのファッションについては、もう突っ込まんが。

 実際、ボッシュの代わりにアンダーセンを先発させた方が、ヒートは楽勝だったと思う。ボッシュについては、この数年、私は散々批判してきたから、今更何も云わんが、ボッシュの出場している時間帯、ハスレムがヒバートに付いているという事実が一切を結論していると思う。で、アンダーセンが出てくると、今度はアンダーセンがヒバートに付くのである。ボッシュの存在理由って一体。

 あと、今回のプレイオフについて、ひとつふたつ感想。

 まずは何と云っても、グリズリーズの大躍進が今プレイオフ最大のトピックスであろう。苦節18年か。ビック・カントリーもさぞかし喜んどることだろう。ファイナルまで、あともう一歩だ。
 そうして、その中心、ザック・ランドルフの活躍、というか脚光を浴びるのも、個人的には喜ばしい。ランドルフのファンというわけでもないが、この10年間でナンバー1のPFはランドルフだと思っていたので、その彼がようやっと極光を浴びる日が来て、まことに喜ばしい。ブレイザーズ・ファンには申し訳ないが。

 もうひとつのトピックスは、これはプレイオフに限った事ではないが、今シーズンのカリメロ・アンソニーのMVP級の大活躍であろう。アマレには申し訳ないが、アマレの欠場により、カリメロがPFに固定されたのが功を奏したのだろう。私は前々からカリメロはPFがナチュラルポジション、2代目チャールズ・バークリーだと思っていたので、この結果は正直嬉しい。アマレの処遇は難しくなるが。
 あとまあ、ペイサーズファンの私が、こういう事を云うのもおかしいが、世間はやはりカリメロ対レブロンの直接対決を何より望んでいたであろう。正直、私も望んでいた。まっ、それは来季以降のお楽しみという事で。

 ヒート対スパーズのファイナル予想は、興味ないなあ。

                                                    2013/6/9(日)

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