2016年 4月 |
ドラフト展望 | さてドラフトである。んで、コルツはマニングの18番、じゃなかった18位である。「ドラフトは10位台が最も面白い」と主張している私にとって待望久しい10位台である。このサイトを始めて10年くらいになるが、おそらく、つかはっきり初めてである。コルツ史的には11位のフリーニー様以来である。 まあ10位台つっても、厳密に言うとホントに面白いのは6位から15位ぐらいだと思うので、18位はそこからちょいと外れるが10位台である事には変わりはなーい(by林紀子)。一喜一憂というよりは一喜二憂ぐらいの順位であろう。落穂拾いの20位以下よりは全然楽しい。もっとも、毎年10位台つうのもそれはそれで困るけどな。来年は目指せ20位台、つか32位。 じゃ、例年通りポジションごとにチェックしていきたいと思う。要チェックや!!。無駄な煽り。 《QB》 ハッセルベックが3年間のリクルート活動を功奏させ、マイク・ディトカを追い出し、見事ESPNのアナリストの座をゲット(つか、弟もやってんのな。嫁の力か。)。バックアップQBが空席となっているのであるが、まあさすがに、1巡、つか上位もない。下位で面白そうなのがいたらピックするくらいであろう。ストリートにも溢れているしな。 選考基準としては、肩の強さとか、コントロールとか、ポケットムーブとか、プレスナップリードとかは全然必要なくて、まず第一にトークテク。ラックを笑わせられない奴では話にならん。あと、ハゲ知識が豊富である事も割に重要かも。で、出来れば運転テク。乾シンジ君並みのノーブレーキ走法が出来ればなお良し。 コルツファン的にはQBへの関心はこの程度であろうが、勿論QBがドラフトの花なので、上位候補をちょいとチェックしてみたのであるが、正直あまりピンとこない。まあ、最近はキャム・ニュートンやラッセル・ウィルソンの成功で、モバイル型が注目されているというか、モバイル型でもそこそこイケるという事が判明したので、その手のタイプも好評価されているのであるが、どうも私は頭が古いのか、マニングで育った憾みか、その手のQBにはピンと来ない。 しかし、そんなオールドスクールの私のレーダーに引っかかったQBが一人いる。スタンフォードのケビン・ホーガンである。このホーガンも昨今のQBらしく、古典的なポケットパサーではなく、それなりに動けるらしいが、何よりの長所はそのリーダーシップと知性らしい。スタンフォードかつラックの後釜という事で、その辺の能力が買いかぶられている感もなくはないが、そういう能力を私は何より買う。ポリアン育ちの憾みかもしれないが、こればっかりは仕方あるまい。 勿論、コルツの指名は有り得んが、仮にマニングがあのままコルトで今年引退して、やっぱり18位だったら、このホーガンを私は推していたと思う。つか推す。アントニオ猪木のようにホーガンを推す。 まあ、ひとつ間違えると、理想的なバックアップQB止まりという説も無くはないが、今年のQBではベストだと思う。全体1位でも良い。フィッシャー、指名してみ。って、やらないか。あれだけのトレードアップしてホーガンは無いわな。ホーガンなら15位で十分獲れるしな。 《RB》 最早、よく分からないロースター状況であるが、さすがに1巡18位、2巡48位も使わないだろう。3巡以下ならあるかなとも思うが。いずれにして1試合20キャリー未満のRBに高位は使えん。これはRB能力云々の話ではなく、ラックがQBである以上、RBは軽視せざるえない。 ちなに、今ドラフトではグロンコウスキーとJ.J.ワットの弟がそれぞれFBとしてエントリーしている。両者ともにクラシカルなFBではなく、HバックタイプのFBらしい。獲っておくか、人質として。いざっていう時、使えるかもしれん。いや、使える。 《WR》 アンドレ・ジョンソンが抜けたとはいえ、とりあえず頭数は揃っている。上位指名はないだろう。また、昨年一昨年と違って、今年のWRは不作のようであるし、上位を使う事はまずないであろう。ただまあ、陣容的に高さに欠けるので、下位で面白そうなのがいたら指名はあるかもしれない。次善策として、アンドレ・ジョンソンとの再契約も可。 《TE》 一部コルツファンの間で目から血の出るほど議論の白熱していた「アレンとフリーナー、どっちを残すか問題」はアレン残留フリーナー放出という形であっさり決着。「やっぱなー。」という感想が一部コルツファンの間で流れた。希少性という観点から見れば、どう考えたってアレンなのである。ただ心配なのはそのインジャリープローンっぷりである。キャンプ初日にケガしてキャリアエンドという結末も十分あり得る。心して俟とう。 まあ、アレンの虚弱体質はともかくとして、フリーナーが抜けた事でTE枠、とりわけレシービングTE枠がぽっかり空いた。空席である。2年寝かしたスウープを試してみたいという気持ちも多々あるが(森本レオなみに寝っぱなしという説もある。)、一抹の不安つうか大いなる不安を感ずるなら、上位指名もありだろう。 フリーナータイプなら、いつのドラフトでも、それこそ掃いて捨てるほど(それは大袈裟か。)いるので指名には困らない。実際手頃なのがいる。オースティン・フーパー、はいっスタンフォードです。ずばりフリーナーの後釜です。スカウティングレポートは要するにフリーナーみたいなもんです。ただ、フリーナーと比べると、やや体格・運動能力的に劣るみたい。っつても、あくまで「やや」のレベルだけど。さすがに1巡18位だと腹立つが、2巡48位なら「まあ良いかな」とは思う。3巡82位なら嬉しいかな。 《OL》 さて問題のポジションである。多くのモックでコルツの指名が予想されているのがこのポジション、しかもOTである。でも、一コルツファンの立場から言わせてもらうと、「それはねーわ。」。何しろ、昨季にカスタンゾと長期大型契約を結んで(ちなみに、同期入団で私が勝手にライバル視しているNEのネイト・ソルダーは2年契約。セコイ、セコ過ぎる。さすがベリチック。)、隣のメーホートが2巡指名、それも本来のポジションはRTなんだから、これで更にOT指名したらアホだろ。 また、これはコルツを離れた一般論になるが、私は根本的にLTを上位で指名する時代は終わったと思っている。少なくともトレンドではないと思う。というのも、昨今の複雑怪奇なブリッツパッケージに対抗するには、ラインマン個々のタレントの向上では対応できなくなっていると思うからである。かつてのような単純なLT対REみたいな図式、コルツファン垂涎的にはオグデン対フリーニー様的な構図は通用しなくなっていると思うのである。ここはもう完全なユニット対決であり、すなわちフロント7、あるいはSSまで含めた8メンボックス対OL、あるいはTEやRBまで含めた7,8人の戦いになっていると思うからである。 したがって、パスプロなりランブロックなりを向上させようというのなら、個々のタレントを向上させることも重要だけど、それより大事なのはヨコの連携、コンビネーションの向上が何より大事だと私は思うのである。 そうして、この論理がそっくりそのまま当てはまるのが今のコルツなのである。とにかく毎年毎年、あるいは毎試合毎試合、ラインメンをとっかえひっかえしているから、全然統率されていない。それで、ちょっと複雑なブリッツを喰らうとてんやわんやなのである。 ちなみに、そういう時でもうまく対応できていたのがトレント・リチャードソンで、さすがニック・セイバン上がりと思わせるものが十分にあった。今季のコルツの成績低下は一因はリチャードソン放出にもあったと思う。 ちょっと話は逸れたが、そういう訳で、今のコルツが1巡18位を使って有能なOTをひとり補充したとしても、OLの能力が劇的に向上するとはとても思えない。むしろ混乱が増すだけだと思う。 という訳で、私は1巡18位を使ってのOT指名には反対大反対である。まあ下位なら別に良いけどな。 という訳で、1巡18位を使ってのOL指名には私は反対なのであるが、ひとつだけ例外のポジション、というか例外のタレントがいる。 それはセンターである。正直ココは変えたい。一応今のデプス一番手はカーレッド・ホームズという事になっているけれど、ケガ多過ぎ。センターがインジャリープローンでどーする。 フットボールというゲームでは、多少インジャリープローンでもここぞという時活躍してくれれば良いみたいなポジションもあるにはあるけれど、OLとりわけセンターはダメだろ。ダメ絶対だろ。フル出場フルスナップが義務だろう。つか最低条件だろう。そういった意味じゃ、つかそういった意味じゃなくても根本的にホームズは失格である。 二番手のジョナサン・ハリソンもいまだにスナップミスしとるし、失格である。 先に書いたコルツのOLが安定しないのも、問題の根っこはこの正センター不在にあると思う。ここが決まれば後は自然に収まっていくと思う。 で、この正センターにうってつけの人材はいないかとドラフトガイド誌を物色していたところ、いた。逸材がいた。アラバマのライアン・ケリーである。 このライアン・ケリー、運動能力的にはさほどの事はないらしいが、とにかくリーダーシップと知性、そうして根性が図抜けているらしい。 まあ、アラバマのOLなので周囲に助けられていて、プロに来るとまるでお話にならないという結末もなくはないが、逆に言えば運動能力的には平凡ながら、アラバマのセンターを張ったというのだから、精神的な能力が圧倒的なのかもしれない。ニック・セイバンは、先のリチャードソンに見られるように、そういう能力はかなり重視するから、プロに来たら思いっきりバストみたいな例もなくはないが、センターならその不安は少ないと見る。 そうして、このライアン・ケリーのもうひとつ特筆すべきは、大学3年間のスターターでセンターしか務めていないという点である。謂わば、純正センターである。腕の長さ的にセンター以外は無理らしいのであるが、私はそれをむしろ美質と見る。昨今のセンター候補者には、「大学時代はタックルやってました、ガードやってました、でもセンターも出来ます。」みたいのが多いのであるが、そりゃ勿論タックルが出来る運動能力があればセンターも可能だろうけれど、私はあまり感心しない。センターはOLの中でも独特のポジションのように思われるからだ。それこそ、このケリーの長所であるリーダーシップや知性が何より重視されるポジションのように思われるからだ。その一点において、純正センター、ライアン・ケリーを推す。プリンター・メーカーのように推す。まあ、サタデーを見て育ってきているからかもしれないけれど。 という訳で、私の一押しはこのライアン・ケリーなのであるが、ドラフトガイド誌では3巡前後みたいなモックが多いのであるが、ここにきて評価急上昇で、中には1巡のモックさえある。つー訳で、このケリーに1巡18位を使って貰いたい。つか、私がGMなら使う。でも、グリグソンはこの手のタイプは嫌いなんだよなあ。運動能力重視だから。運動能力絶対主義者だから。 《DL》 昨ドラフトのアンダーソンとパリーが当たりだったとはいえ、デプス的には不安は無くは無いので補強はしておきたいポジションではある。 私は3−4ハイブリッドの肝はDEだと思っているので、アンダーソンの反対側が欲しいといえば欲しい。勿論、ボサとバックナーはその適任者であろうが、18位まで落ちてくる訳がないので論外。むしろ、落ちてきたら怖い。何かあると勘ぐってしまうぐらいであろう。私がGMだったら、その雰囲気に飲まれて、同じくスルーしてしまう。 その次点となると、シャック・ローソンあたりで、実際そういうモックも散見するが、個人的にはイマイチピンと来ない。シャック・ローソンといえば、話題になるのが、その反対側のケビン・ドットであるが、世間一般の見方だと、「てめえ、ケビン・ドット、反対側にシャックがいて良かったな〜。儲かったな〜。」みたいな論調になりがちであるが、私は逆もまた然りではないかと思っている。シャックの方がドットの恩恵に浴したという見方もできるのではないかという論法である。実際、シャックのスカウティングリポートは私的にはイマイチピンと来ない。運動能力的にも体格的に平凡な感じがする。むしろ、ドットの方が1巡は厳しいが、2巡あたりで指名できたらおいしい気がする。 また、DT寄りとなると、エーション・ロビンソンとジャーレン・リードのアラバマコンビになるのであるが、こっちもいまひとつかなあ。先のシャック・ドットコンビ同様、リードを2巡なら面白いという感じである。 つー訳で、DLのプロスペクトは私的には一押しはいないのであるが、ポジション的には歓迎する。グリグソンの、あるいはパガーノの眼力を信用するしかない。 話をちょっとコルツから逸らして、今ドラフトの目玉、ボサとバックナーに移したい。 まず、デフォレスト・バックナーであるが、各スカウティングレポートを見る限り、大変な逸材のように思う。過去全体1位を獲得したDE、マリオ・ウィリアムズやジャデビオン・クラウニーでもここまでの評価では無かったと思う。運動能力、体格、テクニック、練習態度、オフフィールド、全部完璧、まさしくコンプリート・パッケージである。なにしろ、PFWのドラフトガイド誌のバックナーの弱点の項目に書かれているのが「双子の兄弟のいない事」であるくらいなのだから、凄まじい。こんなスカウティングレポート、過去10年で見た事が無い。 もし、このスカウティングレポート通りだとすると、デマーカス・ウェアどころかペッパーズ以来の逸材という事になると思う。あと、ポジション的には微妙に異なるがボン・ミラーくらいか。 という訳で、私が全体一位の指名権を持っているGMで、ポジション的なニーズを無視できるのならば、このバックナーを指名するだろう。少しくらいならトレードアップしても良いくらいである。な〜んで、タイタンズはトレードダウンしちゃったかなあ。この2年間で攻守の顔を入手できる最大のチャンスだったのに。まあ、コルツファン的には大歓迎だが。つか、ラムズが指名したら2度目のビックリだけど。 で、その対抗馬、つか人気はむしろこっちの方が上であるが、ジョエーイ・ボサ。こちらは、私がスカウティングレポートを読んだ限りでは、ちょいと過大評価じゃないかなという気がする。まあ、J.J.ワット2世を期待されているのだろうけど、ひとつ間違うとバストつう感じもしなくはない。あんまりこういう事は言いたくないが、白人スター候補という事で過大評価されている感は無くは無い。クリス・ロングがこんな感じの評価、というか雰囲気だったと思う。それで失敗してワットの評価は下がり気味だったのだけど、フタを開けたら大成功という、分からんもんである。 白人スターはどこのチーム、つかNFL全体で、それこそ喉から手が出るほど欲しいので、上位で指名、それもバックナーより上で指名される可能性は高いだろうけど、バスト臭も無くは無い。まあ、クリス・ロングぐらい出来れば及第点だろうが。 《ILB/MLB》 例年、ラインバッカーはひとまとめにしていたのであるが、今季は便宜上というか、ここ数年は、「MLB/ILB」と「OLB/エッジラッシャー」の区分けが明確になってきたので、当記事でもカテゴリーを区分けする。ちなみに、4−3のWLBやSLBは、これらもまた、それぞれカテゴライズしたいところであるが、とりあえず今のコルツは3−4なので、ここでは割愛する。 丸々4シーズン、スターターを務めたジャレル・フリーマンがシカゴに旅立ち、現状スターターILBの座は空席になっている訳であるが、ネイト・アービングやシオ・ムーアもいるので補強に火急を要すというポジションでは無い。ドラフトで指名されるとしても下位であろう。 そもそも私は一般論として、MLBやILBに上位、とりわけ1巡を使うのは反対大反対である。過去10年を振り返ってみても、1巡を使っても良いなと思ったのはパトリック・ウィルスくらいでキークリーでも厳しいと思っている。それもドラフト前のスカウティングレポートを判断材料にしてでは無く、ドラフト後の活躍を判断材料にしてでの話である。それくらい、私はこのポジションを重視していない。 重視していないと書くと語弊があろうが、1巡上位に必須の運動能力や体格はあまり必要でないポジションだと思っているからである。それらよりは、知性やリーダーシップといった精神性が重要なポジションだと思うからである。その精神性もQBほど強力でなくてよいのである。普通にプレイブックを解し、周囲に説得力があればよいという程度である。 つー訳で、MLBやILBはドラフト下位や外で獲得して、長期中型契約を結ぶのがベストかと思う。コルツ的に言えば、ゲーリー・ブラケット方式である。そのほか、センターやセイフティなんかも同様のポジションだと思う。っつて、ライアン・ケリー一押しなんだけど。 しかしまあ、ドラフトに関する考察をしていると、毎年思うのだが、私はしみじみポリアン学校の生徒だなあという事である。これは生涯変わらんだろうなあ。三つ子の魂百までか。 《OLB/エッジラッシャー》 はいっ、問題のポジション。コルツファン以外にとってはコルツロースター最大の問題はOLらしいが、コルツファン的には何といってもココ。 期待の若手、ジャナサン・ニューサムをああいう形で失い、今やスカスカのポジションである。単純にデプスチャートだけ見れば、ロバート・マシスにトレント・コール、エリック・ウォルデンと名前だけは豪華であるが、年齢いくつだよって話である。加齢臭どころか、杖ついてるっつの。まあ、意外に年齢的な衰えが見えにくいポジションとはいえ、いくらなんでも無理があるだろ。マシスなんか35だよ。大袈裟に言えば、この年齢構成ってのは、フットボールの戦略に対する大いなる挑戦っつても良いくらいである。 で、ドラフト候補生を再三物色してみたのであるが、なーんかイマイチピンと来ないんだよな。今季のOLB/エッジラッシャーは、どっちかというとバランス型が多くて、純正パスラッシャー、すなわちパスラッシュ馬鹿がいない。強いて云えば、ヤニック・ンガコエなんだろうけど、バスト臭もハンパねえしなあ。 運動能力的には、ダロン・リー(名前がカッコいい)なんだろうが、どっちかというと素材型だし。こういうのは、スティーラーズが指名して2,3年後にプロボウラーつうパターンだろう。コルツには、この手のプレイヤーを育てた実績まるで無し。 あとまあ、上位指名候補パスラッシュ馬鹿としては、ノア・スペンスがいるにはいるが、明らかに、あ・き・ら・か・に問題児だしな。条件が全て揃っているもんなあ。どう考えても、すぐいなくなるもんなあ。これで、キャリアを無傷で全うしたら、私はチン毛を剃る。でも、こういうの、いかにもグリグソンあるいはパガーノが好きそうなタイプなんだよなあ。お買い得感に魅かれちゃうんだろうけど。って、お前ら、オバサンか。 つう訳で、私には候補者見つかりませんでした。グリグソンとパガーノの眼力を信じるほか無いっす。願わくば、2002のドラフトでフリーニー様を全体11位で指名したような豪快なリーチっ振りを見せつけてほしいものである。 《CB》 ぶっちゃけ役立たずだったグレッグ・トーラーが去ったものの、パトリック・ピーターソン、じゃなかったパトリック・ロビンソンのFA加入に、プロボウラーのボンタ、名スロッターのダリアス・バトラーに、昨年の2巡指名ジュワン・スミスとロースター的な不安はない。 とはいうものの、ロースターに何人抱えても困らないポジションであるし、しかも今ドラフトは噂のジャレン・ラムジーを筆頭にCB豊作年らしい。私も何人か物色してみたが、OLB/エッジラッシャーと違って、確かにここは粒選りである。上位指名候補者の誰を指名してもそんなに不満はない。今ドラフトにおける最も安全なピックはこのポジションかもしれぬ。 さて、そのジャレン・ラムジーであるが、一部では全体1位のモックさえある。つか、あった。まあ、あれだけのトレードアップをしたラムズが指名するとも思われないので、その夢は泡と消えたが、にしても凄い評価である。なにしろ、全体1位のCB指名は未だに無く、DBまで枠を広げても、1956年のゲイリー・グリックただ一人である。昨今のNFLでは「the Legion of Boom」の台頭でCBの価値は鰻上りであるけれども、ラムズのトレードアップにはっきり分かるように、CBの全体1位指名はなかなかに難しい。 でも、タイタンズは、この全体1位をそのまま使って、このラムジーかバックナーを指名した方が良かったように思うけどな〜。それだけの逸材だと思う。 そのラムジーのスカウティングレポートを読むと、ここ最近ではパトリック・ロビンソン、じゃなかったパトリック・ピーターソンによく似ている。サイズと運動能力を兼ねていて、なおかつテクニックも優れ、しかもセイフティーも出来るという。なるほど、パトリック・ピーターソンなら全体1位も納得である。そのパトリック・ピーターソンは全体5位指名。ラムジーは何位で指名されることやら。 《S》 もうここ何年もこの時期になると、私はセイフティの指名を主張し続けてきたので、いい加減もう飽きた。昨ドラフトでランドン・コリンズをスルーした事からも分かるように、セイフティの上位指名は考えていないのだろう。マイク・アダムスも健在だし、ギャザーズも使えそうな目途が立ったので、上位指名は無さそうである。少なくとも1巡18位は無いであろう。 実際、今ドラフトは上記のラムジーを除けば、セイフティは不作なようで、私の目で見ても、面白そうなのはいない。まあ、ギャザーズが典型的なSSタイプで、マイク・アダムス35才もいい加減オッサンなので、その後継となるFSタイプが欲しいところではあるが、このポジションに限ってみても、面白そうなのはあまりいない。 ボールホークっ振りだけで特筆するならば、キャリア19INTsのダリアン・トンプソンであろう。守備範囲は広いが、マンカバーは苦手という典型的なFSタイプらしい。でもタックルはなかなからしいので、中位で獲れたら十分だろう。2巡を使っても良いかな。 《K/P》 ヴィナティエリ、マカフィーともに健在なので指名は無いであろう。 ところで、今ドラフトでプレスキッカーでエントリーしているロバート・アグアーヨつうのがンごいらしい。キッカーのくせに、ジュニアでエントリーしてくるというのも大概だが、飛距離・正確性ともにハンパ無いらしい。なにしろ、大学でのキャリア3年間で40ヤード未満のキックはノーミス。それこそ同じフロリダ・ステイト大の先輩、ジャニカウスキー以来の大物らしい。 まあさすがに、ジャニカウスキーみたいに1巡17位(!)の指名って事はないと思うが、指名順位はともかく、どんな選手か大いに楽しみ。ヴィナティエリがもし引退していたら、1巡18位の誘惑に駆られてしまう選手ではあった。で、指名したら、グリグソン殺す。個人的には、ライアン・ケリー、バックナー、ラムジーの次に楽しみな選手。 また、話は変わるが、例年だと、スペシャルチーマーにリターン・スペシャリストの項目があるのであるが、今季は各ドラフトレビュー誌に、この項目は無い。NFL公式サイトのドラフトトラッカーにもない。 キックオフのルール変更、パンターの技術向上により、リターナーの価値、つか活躍の場は近年減る一方なので、致し方ないところであるが、寂しい限りである。ダンテ・ホールやデビン・へスターはもう現れないのかなあ〜。 てな感じである。 で、私の希望的観測的コルツピックはというと、 1巡 ライアン・ケリー(C) 2巡 オースティン・フーパー(TE) 3巡 ダリアン・トンプソン(FS) 4巡 ヤニック・ンガコエ(エッジラッシャー) 5巡 グレン・グロンコウスキー(人質) 6巡 デレック・ワット(人質) 7巡 トークの上手いQB みたいな感じかなあ。でもまあ、過去5年間の傾向から、グリグソンのピックをマジで予想すっと、CBの誰かに行きそうな気がする。というのも、過去5年のグリグソンのピックの傾向からすっと、1巡に限らず、ドラフトはニーズよりBPAみたいな感じだからである。単純にドラフトボードに従って指名していくみたいな感じである。 すると、今ドラフトはCBにタレントが集中しているようなので、昨年ドーセットを指名したように、CBの誰かを指名するような気がする。まあまあ、それはそれで大歓迎ではある。先にも書いたように、今ドラフトはCB陣が最もセイフティピックな気がする。かえって、ノア・スペンスあたりに突っ込んで、豪快に粉砕する方が怖い。しかも、無くは無い。 さて、コルツ話はこれくらいにして、ドラフト全体の展望というか感想めいたものを書きたい。例年だとここで、全体1位の予想めいた事をするのであるが、今年はさすがにね。 まあこれで、ラムズやイーグルスがラムジーとか(ラムズだけに、)バックナーとか、果てはマイルズ・ジャックとか指名したら大笑いなのであるが、どう考えても着順はともかく、ウェンツ&ゴフのワンツーフィニッシュである事は間違いないのだから、予想にならぬ。 でも、私がドラフトレビュー誌等々で研究した限りでは、両者ともに、そこまでのQBかなとも思うが、どうであろう。8位から2位に上げたイーグルスはともかく、15位から1位のラムズはやり過ぎな気がする。私も無論QB絶対主義者であるけれど、そこまで獲得する価値のあるQBが、今ドラフトに限らず、いるのかというと、ちとどころか大いに疑問である。ラックやマニングでもそこまでのトレードアップは出来ないと思う。QBは獲得できる時に獲得できる範囲で獲得すべきであろう。 しかも、この両チーム、ちょうど1年前にQBスワッピングを実施した当該チームだというのだからなお面白い。それが、1年後には仲良くQB指名トレードアップとは。でもまあ、しつこいようだが、ウェンツ&ゴフとブラッドフォード&フォールズ、年齢以外はそんなに差が無いような気がするが、どうだろう。 そうして、そのスワッピングの首謀者、チップ・ケリーは今回のトレードアップで最も割を食ったチーム、ナイナーズの新ヘッドコーチなのだから、更に笑える。 逆に、このトレードアップで最も恩恵に浴したであろうブラウンズのロバート・グリフィン3世は2011年のドラフトで、ワシントンが同じような大トレードアップで獲得したQB。因果は巡るというか、一寸先は闇というか。どうなる事やら。 と書くと、トレードダウンに応じたタイタンズやブラウンズは賢明みたいな感じになるけれども、私はそうも思わない。タイタンズなんかは、そのまま全体1位を使って、ラムジーなりバックナーなりを指名した方が良かったと思う。全体1位の指名権を獲得し、なおかつQBを指名しないで済むなんて機会はそうそう無いのだから(まあ、しゅっちゅうあっては、そちらの方が大問題なのであるが、)、そのまま行使した方が良かったと思う。しかも、それに見合うプレイヤーがいないというのならともかく、ラムジーやバックナーはン年に一人の逸材だと思う。 一方で、ブラウンズも、そもそもQBを渇望しているのだから、そのままウェンツかゴフのどっちかを指名した方が良かったと思う。まあ、ブラウンズのQBドラフトっていうのは、過去10年を見てみると、土壇場で腰が引けて、得意の22位で曰く付き物件を指名しちゃうんだよなあ。よっぽど、ティム・カウチがトラウマになっているのか。 まあ、もっとも、今回の場合は、どちらかのQBを狙っていたら、それをラムズが指名するという情報が入ってのトレードダウンなのだろうけど。でなきゃ、よほど3世を買っているのか。 ちなみに、わたしがブラウンズのGMだったら、このトレードダウンした8位でエゼキール・エリオットを指名して、2巡32位でケビン・ホーガンを指名。2001年のドラフトで、マイケル・ヴィックをトレードダウンしてトムリンソンとブリーズをかっさらったチャージャーズの再現を狙う。まあ、ヴィックをそのまま指名しておいた方が良かったという説も無くはないが。結局、3年後リバース指名(公式にはイーライだけど、)してるしな。 で、そのチャージャーズであるが、今回は全体3位を保持、すなわち、今回の2大トレードアップで事実上の全体1位が向こうから勝手に転がり込んできて、笑いが止まらないという。ラムジーでもバックナーでもボサでもタンジールでもマイルズ・ジャックでも選び放題。 でも、これだけ選び放題だと、かえって誰を選んでも損した気分になるんだよなあ。彼を獲得した喜びよりを彼以外を獲得しなかった悲しみの方が強くなるという。このへんが1位から5位ぐらいまでのつまらないところではある。これが6位から15位ぐらいだと、獲得できた喜び方が強くなるのであるが。人間心理の難しいところではある。 思ったより、ハゲが進行していない。2016/4/26(火) |
2016年 5月 |
ドラフト結果 | ここ数年、GAORAで放送されていたドラフト中継、今年は無し。契約更新料を吹っ掛けられたのか、単に数字が悪かったのか、まったくもって不明であるが、NFLファン的には残念至極。もっとも、初めての放送の時、すなわちラックドラフトの年にも書いたが、非NFLファン的にはまったくもって意味不明な番組なので、この措置についてGAORAを責める気は全くなし。むしろ、ここ数年よくぞ放送したと讃えるべきであろう。ちなみに今年、同時刻、GAORAで放送されていたのは、「インディカー・レース」。う〜ん、微妙。 そんな日本放送界の事情はともかく、ドラフトである。例年だと、まずコルツドラフトについて感想を書いて、それからドラフト全般の感想へと移行していたわけであるが、今年は構成を変えて、まずドラフト全般の感想から書きたい。 さて、注目の、つうか通過儀礼の全体1位はジャレッド・ゴフ。一応全体1位なので、興味本位で私もさくっと調べてみたが、確かに、マット・ライアンに雰囲気的によく似ていると思う。あるいは、ブラッドフォード。前回の記事にも書いた通り、15位から1位へのアップで獲るだけの価値のあるQBかというと、微妙な感じもするが、惚れ込んでいるなら、それも悪くないであろう。前回の記事で、1位から15位まで上げる価値のあるQBなんていないと書いたけども、ちと訂正。惚れ込んでいるなら、話は別である。また、基本的に私はドラフトはリーチ気味でいくべきだという考えの持ち主なので、この指名を強く否定する気はない。むしろ歓迎かもしれない。ただまあ、営業的な側面は無視できないだろうなあ。 んで、2位のカーソン・ウェンツ。このQBで注目すべきは何といっても、その出自であろう。ノース・ダコダ・ステート大学。どこやねん、っていう話である。ミズーリ・バレー・フットボール・カンファレンスって、どこやねんっていう話である。しかも、今ちょっと調べてみたら、インディアナ・ステート大学が所属しとるし。 しかしまあ、こんあFCS出身なんていう、あからさまなマイナス要素があるにもかかわらず全体2位で指名されるのだから、それだけのものがあると考えるべきであろう。FCS出身なんていうのは、スタッフ会議であからさまに突っ込まれるポイント、とりわけ非フットボール部門、営業部長とか財務部長とかに、もろに突っ込まれる(逆に、ベタ過ぎて突っ込めないというパターンもあるにはあるが、)ポイントがあるにもかかわらず、全体2位指名なのだから、実力あるいは才能的には折り紙付きなのであろう。 実際、個々のドラフトを振り返ってみても、力的あるいは評価的に劣るとされる大学出身のQB、ロスリスバーガーとかフラッコーとか、ちょいと古いところではスティーブ・マクネアなんかも成功しとるし、QB以外でも元コルツのギャルソンとか、昨季バッカニアーズ入りしたアリ・マーペットなんかも成功しとる。 つう訳で、このウェンツ、結構期待できるんじゃないでしょうか。でも、これでウェンツが活躍すると、カレッジ時代のスタッツって一体何なのっていう話にはなるが。 で、事実上の全体1位となる全体3位のチャージャーズはジョーイ・ボサ。まあ、そうなるわな。移転問題を抱えているし、興業的な側面も考え合わせればボサという結論に到達するのは容易であろう。 その後ラムジー(ジャガーズ全体5位、パトリック・ピーターソンと同じ!!)やバックナー(ナイナーズ、全体8位)といった上位指名候補が軒並み指名され、少しづつコルツの18位勝ちづいてくる。このへんで私が心配していたのは、CB陣が18位まで残っているのではないかという点である。すると、CBの誰かが指名され、我が愛しのライアン・ケリーは、と思っていた矢先に、イーライ・アプルが10位でジャイアンツに、続く11位でバーノン・ハーグローブスがバッカニアーズに消え、私の憂慮は和らいだ。 と、ちょいとくつろいでいたら、レイダースがカール・ジョセフ。これにはちょっと驚いた。PFWのドラフトガイド誌では5巡で予想されていた選手だったからである。その驚きも冷めぬうちにファルコンズがコルツの直前、17位でキール・ニール、これにはもっと驚いた。PFWのドラフトガイド誌ではベスト・オブ・ザ・リストに掲載されていた選手だったからである。私も10年以上ドラフトを見ているが、ベスト・オブ・ザ・リストに掲載されているような選手が1巡指名されたのは、今回が初めてのような気がする。1巡に指名されるのは、どんな一本釣りであれ、せいぜい3巡予想くらいまでであろう。PFWの予想なりスカウティングレポートなりが、何も絶対という訳でもないが、にしてでもである。 で、ドラフト終了後、色々考えたのであるが、今回のドラフトは、上位候補7,8人とCB陣4,5人の12,3名と彼等以外の間に大きな力というか評価に差があったのではないかという事である。上位指名7,8人は、どのドラフトでも全体1位指名候補だけど、彼等とCB4,5人を除いたプロスペクトはせいぜい3巡4巡クラスのプレイヤーという評価だったのではないだろうか。 その証拠という訳でもないけれど、このキール・ニールを始め、15位以降から2順ぐらいまでの選手の評価が非常に割れている。各モックで同じ選手が2巡評価だったり7巡評価だったりしている。これから紹介するコルツの指名選手にも、そういう選手がいる。 1巡下位から2巡というと、一般的には、「オールプロ級・プロボウル級ではないが1年目からスターター級」みたいなのが順当な線であろうが、今年はそういうプレイヤーが非常に少ないように見受けられる。これから紹介するコルツ1巡指名のライアン・ケリーはそういう選手であるが、ポジションがセンターなので本来ならば3巡・4巡相当の選手であろう。 そう考えると1位を8位に下げたタイタンズは非常にうまくやったといえるし、一方で2位を15位に下げちゃった(しかも、タイタンズが媒介!)ブラウンズはしくじったといえるのではないだろうか。しかも、指名したのがコーリー・コールマンという、やっぱり微妙なところ。評価の割れる選手であろう。これで、ウェンツが本物だったら目も当てられない。ブラウンズファンは悔やんでも悔やみきれない。 という訳で、おまっとうさんのコルツの18位はライアン・ケリー、センター、スタンフォード大学、である。キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。 無駄にアオッちゃった。2016/5/4(水) 前回の記事の最後で、百年前のインターネット表現をしてしまったが、実際嬉しかったのである、ライアン・ケリー指名が。 10年以上コルツファンをやっているが、よく考えてみると、ドラフトで自分の希望した選手が、実際に、それも1巡で指名されるのは今回が初めてだったからである。生まれて初めてだったからである。 2010年の時のカスタンゾの時が、予想が当たったというか、希望が通ったというか、それらに近い感じもするが、この時は、確か、カスタンゾ、ネイト・ソルダー、タイロン・スミス、ゲイブ・カリーミ等のうち残った誰かみたいな予想だったので、希望した選手がそのまま指名されたには、ほど遠い。 また、2012年のラックも、希望通りちゃあ希望通りだが、さすがにこれはねえ。 つう訳で、自分の希望した選手が、そのまま指名された事例としては今回が初めてだと思う。これ、結構うれしい。これも5位以内だったら、そんなにうれしくも無いのだろうけど、18位ちゅうと、まず18位までその当該選手が残っていなければならない。人気選手ならば、この順位だと消えてしまう可能性も高い。また、上手く残ったとしても、今度はGMと自分の希望が合致しなければならない。前者はともかく、後者は結構難しいですよ。自分とGMの趣味が一致するって、なかなか無いもの。この10年間、何度も「なんだよ〜。」と思った事か。 つう訳で、これ結構うれしい。一日明るい気分で過ごせた。 NFLファンにとって、エモーショナルな出来事というのは、普通に考えると、スーパーボウル制覇、スーパーボウル敗退、ドラフト全体1位の、この3つかと思われるが、この3つに加えても良いくらいエモーショナルかも。それくらい嬉しかった。 ちなみに、ここでちょっと話は逸れるが、ここに挙げたNFL3大エモーショナル体験であるが、私つうかコルツファンは過去10年ですべて経験している。これって結構珍しい事なのではないだろうか。今ざっと調べたところ、過去10年ではコルツだけである。ちょっと昔までさかのぼると、ラムズが2000年にスーパーボウル制覇、2002年に敗退、そして2010年にドラフト全体1位がある。ちなみに、コルツは2007年に制覇、2009年に敗退、2012年に全体1位と、サイクル速すぎ。2007年に優勝した時、まさかその5年後に全体1位を引くことになるとは夢にも思わなかったもんな。まあ、マニング的といえばマニング的であるが。 そのうち2つは結構あって、近いところではシアトルやピッツバーグ、そうしてニューイングランドが制覇と敗退、パンサーズやレイダース、ナイナーズは敗退と全体1位。制覇と全体1位は、ここ最近だと3冠王のコルツとラムズのみである。しかも5年のスパンで達成したのはコルツだけである。 まあ、スーパーボウル出場も当然難しいのであるが、ドラフト全体1位も意外に難しかったりする。調べてみると、特定のチームに結構偏っている。 例えば、ジャガーズなんかはしょっちゅう全体5位以内にいるイメージがあるが、全体1位はなんと過去一度もなし。エクスパンションされた年ですら全体2位なのである。 一方、同じエクスパンション仲間のテキサンズは3度もある。 また、ここ最近じゃあ最大のドアマットであろうビルズなんかも全体1位は1985年のブルース・スミスまで遡らなければならない。同じドアマット仲間のブラウンズもエクスパンションされた年の1999年とその翌年の2000年のみである。 また、NFLで最も安定した成績を残しているといって良いスティーラーズは、スーパーボウル設立の1967年以降で見ると、1970年の一度きりである。そうして、その唯一の全体1位でテリー・ブラッドショーを指名していたりする。さすがである。ちなみに、同じくNFLの雄レイダースは1967年以降では、全体1位は同じくただ一度きり、2007年のみである。でも、指名したのはジャマーカス・ラッセル。、さすがである。 つう訳で、スーパーボウル出場も勿論難しいのである。全体1位も、同様に、つうかそれ以上に難しかったりする。異常に偏っている。多いのは、コルツやバッカニアーズ、ここ最近じゃあテキサンズである。つか、今数えてみたら、1967年以降最も多いのはコルツだわ。6回。そもそも第1回ちゅうか1967年の全体1位がコルツでブッバ・スミス指名しとる。残り5回のうち4回がQBで、メンツはというと、ラック、マニング、ジェフ・ジョージにジョン・エルウェイと豪華絢爛多士済々。ちなみに残りの一つはというと、スティーブ・エントマンという伝説的バスト。同じくちなみに、この年は全体2位もコルツが持っていて、クエンティン・コーヤットというLBも指名しているが、こちらもそこそこの活躍で終わったという、奇跡のバスト・ワン・ツーフィニッシュの年なのであった。 そのコルツの6回に続くのがバッカニアーズの5回なのであるが、一方で一度も全体1位が無しという喜ぶべきか悲しむべきかよく分からないチームも結構ある。先挙げたジャガーズのほかにシーホークスとかカージナルス、あるいはベアーズやパッカーズも無い。チーフスも2013年のエリック・フィッシャー一度きりである。 しかし、コルツの50回中6回って、多くね。バッカニアーズの5回と合わせると、この両チームが5回に1回全体1位を獲得していることになる。実際、ここ最近でも2012年はコルツで、昨年すなわち2015年はバッカニアーズである。もっとも、そのバッカニアーズの全体1位も1987年以来だから、コンスタントに全体1位を獲得しているのはコルツのみとも云える。 という訳で何が云いたいのかというと、スーパーボウル制覇、スーパーボウル敗退、ドラフト全体1位、希望した選手の1巡入団という4大エモーショナル体験をした私は、もうNFLで経験したいことは何もないので、NFLファンを辞めます。って、辞めるかバカ。何度でも抱くわ。同じ女を千回抱くタイプだわ。 でも、NFLファンとして、他にエモーショナルな体験っつたら、あとは本拠地移転くらいしかないものなあ。日本に暮らす私には全然関係ないけど。まっ、コルツとラムズはそれも経験しているけどな。お前ら、性豪か。 とまあ全体一度話はさておき、我らがコルツ全体一位ライアン・ケリーに話を戻そう。 1巡18位 ライアン・ケリー 純正センター アラバマ大学 指名直前の状況はというと、先にもちょいと触れたが、ドラフト上位8人衆ないし9人衆は順当に消え、CB陣も二人(イーライ・アプル、バーノン・ハーグローブ)も消え、コルツの直前ではセイフティが2名(カール・ジョセフ、キーヌ・ニール)がリーチ気味に指名。 この時点で私が最も恐れていたのは、グリグソンがノア・スペンスに行くのではないだろうかという事だった。 と、軽い不安を抱きつつ、ピックを見守ったら、オン・タイム後に速攻指名、めでたくケリー獲得と相成った。 まあ、モック界隈ではケリー指名が有力&待望されていたので、順当といえば順当な指名だったかもしれないが、私は、上記のように狂喜乱舞した。 指名後の報道では数か月前から決めていたなんて情報もあるにはあるが、上記したように、有力候補も軒並み消え、モック界隈もうるさいし、グリグソン的にはヤケクソ気味の指名だったように見えなくもない。外堀を埋められた末のピックという気がする。あの速攻ピックを私はそのように感じた。 さて、ケリー様であるが、その特長はドラフト展望の記事に散々書いたので、もう繰り返さない。純正センター、その一言に尽きるだろう。指名後、カーレッド・ホームズを解雇しているので、事実上ポジションを開けて待っているといっても良いであろう。コルツ、最後のワンピースという訳では無いが、重要なワンピースであるので、がっちりスターターを全うしてもらいたい。 本来1巡18位でセンター指名となれば、マワエ級でなければ、私は納得できないのであるが、贅沢も言っていられないので、ここはがっつり働いてもらいたい。また、それの出来る男だと私は思っている。 2巡57位 T.J.グリーン セイフティ クレムゾン大学 1巡でライアン・ケリーを指名し、気分良く一日を過ごした後のドラフト2日目、私はルンルン気分でパソコンのモニターにかじりついた。もともとの48位はパッカーズとの間でチョイとトレードダウンし57位。んで、グリーン、おっセイフティか、グリグソンもいよいよニーズ派に転向か、と思い、スカウティングレポートを調べると、 とにかく評価が割れているプレイヤーである。スッパマンのアゴのように割れているといっても過言ではない。PFW誌では、7巡からFA相当で「そもそも、テメー何でエントリーしてんだ、このバカ。」みたいな書きようであるし、そうかと思うと、NFL公式ページでは普通に2巡相当になっているし、ドラフト後のプロフットボール・フォーカスの記事ではワースト・ピックの一つと書かれちゃっているし、とにかくブビビンマンのように評価の割れているプレイヤーである。 とまあ、評価は真っ二つなのであるが、面白い事に、スカウティングレポートに書かれている内容は、書きようは様々なれど、皆同じい。要するに、「40ヤード4.34という数値からも分かるように運動神経抜群であるが、経験不足のため、タックルとゾーンカバーに甘さがある。」である。 まずタックルに関していうと、NFLの公式ページに、「タックルを肩から行っちゃう事が多く、ラップアップ(Wrap Up)が出来ていない」とある。ラップアップとは何ぞやというと、私も調べていないので(←調べろよ)、断定は出来ないが、両手を広げて包み込むようにタックルする事だと思う。パトリック・ウィルスがやってたタックル、つうか、このタックルを私はパトリック・ウィルスから学んだ。 通常、タックルというと、かつてのボブ・サンダースのように頭から突っ込んでいくミサイルのようなタックルの方が、いかにもハードタックルという感じがして、観客受けも良いし、私もそれを喜んでいたのであるが、このタックルは肉体的にもフットボール的にも非常に危険である。実際、ボブ・サンダースは、それでキャリアを失ったし、ボブ・サンダースは違ったけれども、タックルミスも多い。 正しいタックルは、パトリック・ウィルスのそれのように、両手を広げ、キャリアーの進路をふさぎ、包み込むようにキャリアーを倒すタックルであろう。それを「ラップアップ」と呼ぶと私は推察する。これが、肉体的にもフットボール的にも最も安全なのである。 一方、ゾーンカバーであるが、これまた各スカウティングレポートで、判で押したように、「Instinctsが無い」と指摘されている。「インスティンクトとは何ぞや?」というと、直訳すると「本能」という事になろうが、まあ現代日本語でいうところの「センス」に近い用法・概念かと思われる。より正確に表現するならば、「経験に基づいた(あるいは「基づかない」)瞬間的な判断力」とでも謂うべきであろうか。まあ、それがグリーンには無いらしい。 ただ、これらタックル、インスティンクト双方ともに、経験不足からくるものだと思われるので、経験がいずれ解決すると私も思う。ちなみに、何故に経験不足かというと、大学はWRとして入学し、2年目にセイフティ転向、スターター経験は2015年の1年のみだからである。イメージとしては、かつてコルツにいたセルジオ・ブラウンの身体的バージョンアップ・バージョンといった感じではある。あるいは、昨年のドラフトでNEに衝撃の2巡指名されたジョーダン・リチャーズの裏返しバージョンとも云えるかもしれない。 その愛しのセルジオも、初年度はともかく、年々良くなっていったので、1年目はサイドライン、2年目にスターターでミス連発、3年目に一人前という軌道を描くかもしれない。って、そんな待ってられないよ、バカ。今のコルツはここ1,2年が勝負つうか、事実上来季つうか、今年2016年が勝負なの。3年後なんて、キャップキツキツでどうにもなんねっつの。 そんなコルツの3年後はともかくとして、このグリーンのパーザンのように(しつこい)評価が割れている現象は、私にはちょっと面白い。グリーンへのスカウティングは全く同じながら、その結論は真っ二つなのである。なかなかちょっとお目にかかれない現象だと思う。つまるところ、セイフティに運動能力、すなわち肉体的なものを求めるか、技術や経験といった、謂わば精神的なものを求めるかによって評価は割れるのであろう。いわば、評者のフットボール観、見識の問われるプレイヤーだとも云える。 ちなみに私は、中間派かな。セイフティに、QBやCほど精神的なものは重視していないので、肉体的なもの、精神的なもの、両者がそこそこにあればよい派である。運動能力があればあるに越したことはないが、それが無くても、それこそフットボールIQや経験でそれを補えるポジションだと思っている。エッジラッシャーやCBだと、それが致命的な欠陥になるけれども、それの欠如が致命的な欠陥にならないと思っている。もちろん、NFLプレイヤーとして最低限の運動能力は必要だけどさ。 そもそも、そんなにセイフティは重視していないし。フットボールのあらゆるポジションで、ロングスナッパーの次に軽視しているのがセイフティかもしれない。言い過ぎか。まあでも、オープンフィールドタックルは重要かな。それが出来れば、あとは何でも良いかもしれん。 という訳で、運動能力&お値打ち感という、いかにもグリグソンの好みそうな、あるいは飛び付きそうなピックなのではあった。今回のドラフトは、1巡ケリー指名への反動か、この手のピックが例年以上に連発するで〜。 3巡82位 レレーベン・クラーク OT テキサス工業大学 体格・運動能力的には申し分ないが、技術的にやや未熟で、1年目はRTで起用し、折を見てLTに、というパターンのよくあるタイプのOT。 まあ、LTがニーズで下位のピックしかない、すなわち2011年のコルツのような状況の場合、狙いどころのプレイヤーであろうが、今要らねーだろ、この手のタイプのOTは。また、ガードで起用するつもりか。2017年で契約の切れるメーホートの後釜として考えているのか。にしては、一年早いわ。 クラークの能力を疑うつもりは全くは無いけれど、コルツ事情的には謎のピックである。1巡相当と予想していた選手が3巡まで落ちてきたので飛び付いたという、いかにもグリグソン的ピックのようにも感じられる。 ちなみに、ドラフト展望の記事で、私がちょいと押していたオースティン・クーパーは、この直前の81位でファルコンズにもっていかれる。残っていたらピックしていたのだろうか。 4巡116位 ハッサン・リッジウェイ DT テキサス大学 体格的・運動能力的に敵プレイヤーを圧倒するという程ではないが、不足も無いという感じの選手。ただ、プレイにムラッ気がありという評価は散見する。 それも精神的なムラッ気というよりは、ヤル気があり過ぎて、それが空回りする場合と、はまる場合に分かれるようである。いずれにしてもハッスルプレイヤーである事は確からしい。反対側のアンダーソンが職人型のDEなので、反対側は暴れん坊型で良いかと思う。 個人的には、テキサス大学出身のDLには好印象を抱いているので、期待している。今ドラフトでは、ケリーの次に期待している。 今回のドラフトは長いので、連載方式な。 2016/5/11(水) 一月ほど空いてしまったが、ドラフト話の続きである。 4巡125位 アントニオ・モリソン ILB フロリダ大学 このへんになってくると、情報も少なくなってくると、まあ平均的なILBといった感じのプレイヤーである。NFLの公式ページには40ヤード5.1秒なんていう、とんでもない数値が掲載されているが、PFW誌では4.6秒とあるので、速くもないが遅くもないと思う。ストップウォッチの数字よりもゲームスピードは速いという情報もあるので、そのへんは私はあまり心配していない。 また、タックリング能力に関しては、どのスカウティングレポート太鼓判を押しているので問題ないと思う。tただし、体格的にブロックを捌けないという評価も多い。一方、パスカバー能力に関しては、イケるという説とイケないという説が錯綜していて、よく分からない。また、スキームによってはサック数も稼げるだろうという評も多々あり、ブリッツ能力も問題なさそうである。もちろん、あくまでILBとしてのブリッツであるが。 という訳で、ランストップメインの典型的なインサイド・ラインバッカーというのが、各スカウティングレポートを総合しての私の印象である。また、各誌ともにベストフィットは4−3のWLBとあるので、そういう選手かと思う。ジャレル・フリーマンの後釜にすんなり収まってくれたら、万々歳であろう。また、収まらなくても、スペシャルチーマーは十分こなせそうである。 先のリッジウェイの項目で、私はテキサス大出身のDLには好印象を持っていると書いたけれども、同じく、このフロリダ大学、というかフロリダ御三家、つーかフロリダの大学全ての出身者にも、私は、ポジションを問わず、好印象を持っている。 なんつーか、さすがに全米有数のフットボールネーションだけあって、皆、基本がしっかりしているというか、フットボール選手としてのクオリティが、他の州の出身者に比べ、1ランク上という感じがする。まあ勿論、あくまで私の印象に過ぎないけれど。 さて、ここで話を大きく変えて、フットボールにおける内側のポジションと外側のポジションについて簡単に考察して、ささやかな意見を述べたいと思う。 「フットボールにおいても、センターラインが大事」なんて意見が、特に日本人の口からよく発せられるが、私はそうは思わない。 「センターラインが大事」というのは、おそらく野球からの連想かと思われるが、これは勿論野球には当てはまるだろうが、フットボールには当てはまらないと思う。 まず、何故に野球においてセンターラインが大事かというと、この理由は簡単至極で、要するに、センターライン以外、すなわち両翼、すなわちサード、ファースト、レフト、ライトのポジションの守備範囲の半分がファウルゾーンだからである。 ゆえに、サードやレフトの守備がどんなに上手くても、あるいはどんなに守備範囲が広くても、価値が半減してしまうからである。長嶋茂雄、あるいは三宅秀史の守備がどんなにうまくても、自分より大きく右側に来たボールは、フライやライナーでない限り絶対アウトにできないのである。 あるいは高田の守備がどんなに上手くても(例えが古いな。)、スタンドに入ってしまったボールは絶対アウトに出来ないからである。これが、センターライン(バッテリーは特殊なポジションなので除外するとして、すなわちセンター、セカンド、ショートストップ。)に両翼より上手い選手、あるいは守備範囲の広い選手を配置する唯一の理由である。まあ勿論、現実には、チーム事情、プレイヤー事情が色々あるので一概には言えず、あくまで一般論である。 そのほか、センターラインのプレイヤーには、いわゆる守備の司令塔的な役割が求められるので、そういった意味で大事だという意見もあろうが、それは妥当しないと思う。守備の司令塔なんて、何もセカンド、ショートが必ずやらねばならぬ理由は何もなく、サード、ファーストがやったって良いであろう。まあ、さすがにレフト、ライトは距離的に無理であろうが(つか、センターも、)、おそらく、ポジション的に最も向いているが、内野手で最もヒマなサードであろう。特に外野からの中継プレイなんていうのは、主にセカンド、ショートが入る事が多いのだから、それを横から見れるサードの方が適任だと思う。 さて、一方、フットボールではというと、ここにセンターラインを重視する理由は全くないと思う。少なくとも、私は全く思いつかない。むしろ両サイドの方が大事だと思う。 ラインバッカーを例にしたい。一見すると、サイドラインに近いOLBの方が、野球と同じ理由で、軽視されそうであるが、フットボールの場合、よっぽど極端なフォーメーションを取らない限り、通常はサイドラインまでの距離に大きな差は無い。 むしろ、反対サイドまでの距離を考慮すれば、OLBの方がILBより運動量は多い。フットボールの場合、他の多くのスポーツと違って、自分と反対サイドのプレイに、原則参加しなければならないからである。野球やサッカーなら、右サイドのプレイヤーは左サイドのプレイには、ほとんど傍観であろうし、むしろ追いかけることを禁じられている場合も多い。所謂、「素人はボールに集まる」である。ところが、フットボールの場合は、反対サイドのプレイにも当然参加、しかも、最悪キャリアーにタックルせねばならない。運動量的にOLBの方がILBより多い理由である。 そうして、もうひとつ、OLBにはILBとは違う仕事、それも大きな仕事が一つある。申す迄もなく、ブリッツである。勿論、ILBにもそれなりにブリッツさせるプレイはあるし、昨今は増す一方であるが、主役は基本的にOLB、いわゆるエッジラッシャーであろう。では、何故OLBにパスラッシュさせるかというと、理由は一つ、「スペースが広いから」である。インサイドは当然ガード、タックルといった複数プレイヤーと対峙せねばならぬのに対し、両サイドは原則タックルのみ、特にウィークサイドはLTとの1対1のシチュエーションになる。勿論、昨今のパスラッシュ対パスプロテクトはこんな単純な構図にはしないけれど、一般的には、この構図になり、OLBにILBより運動能力の対プレイヤーを置く理由になる。これは、そのままDTとDEの関係にも当てはまる。クラシカルな3−4は違うけれども。 で、それに対応するために、OGよりOTという事になり、給料やドラフト順位も当然、インサイドのプレイヤーよりアウトサイドのプレイヤーの方が高くなっている。 では、CBとSにその関係がそのまま当てはまるかというと、これは違う。CBは特殊なポジションだからである。CBはWRをマークするのが仕事だからである。では、何故、そのWRが両サイドにいるのかというと、勿論、両サイドの方がスペースが広いという事も理由の一つに挙げられよう。それならば、両サイドにデフィンダーを増やせば良いという事になる。でも、そうしたら、おもむろに中央のラン、そうそれが、WRを両サイドに配置する真の理由、「RBから最も遠い」である。 そう、古今東西あらゆる戦術のうち最も基本的なもののひとつ「揺さぶり」、この場合は「左右の揺さぶり」が、パスプレイの本質なのである。「左右」というよりは「内外」といった方が良いかもしれない。イメージ的には、バスケットボールの「内外」に近いであろう。外側の方がリスクは高いが生産性も高いという点などは、まさしくバスケットボールによく似ている。バスケットボールにおける3ポイントプレイが、ちょうどフットボールのパスに当たるといっても良いかもしれない。 この「内外」、あるいは「左右」の揺さぶりこそ、パスの本質なのである。なんで、パスをするのかというと、勿論タテに距離を稼ぎたいというのもあろうが、タテの距離ならランプレイでも、プレイデザインやRBの能力次第で、十分稼げる。パスをする真の理由は、要するに横に揺さぶっているのである。アラバマのRBがみなインサイド型なのは、ニック・セイバンが、このパスプレイの本質を了解している証左であろう。 そこで、私は想像するのであるが、フォワードパスが認められなかった時代にも、今のWRスクリーンのようなプレイはあったと思う。勿論、理想的にはQBが直接SEやFLにハンドオフすることであろうが、そんなことは時間的に不可能なのでパスするのである。 これが、WRを大外に配置する理由であり、そのマークマンであるCBに絶対的な1on1の能力の求められる理由である。結果、重要になり、給料も高くなる。 話がだいぶ逸れてきたので、、ドラフトに話を戻そう。 5巡155位 ジョー・ハーグ OT ウェンツ大学、もとい北ダコダ・ステート大学 ドラフト展望の記事で、「シャック・ローソンとケビン・ドット、どっちがどっちの恩恵に浴しているか。」みたいな事を私は書いたけれども、これは完全に、ハーグがウェンツの恩恵に浴しているだろ。明らかな、あ・き・ら・か・な「ついで物件」だろ。ハーグは契約金の8割をウェンツに上納しなきゃ、駄目だろ。 「昨日、ウェンツ、見てきたんだけど、あのLTも、なかなか面白そうだよ。体もおっきいし、それなりに動けるし、」みたいな会話を横で聞いていたグリグソンが、つい欲しくなって、ついつい指名したとしか考えられない。 とまあ、ちょっと腐したけれども、「昨日、ウェンツ、見てきたんだけど、あのLTも、なかなか面白そうだよ。体もおっきいし、それなりに動けるし、」らしいので、そこそこに期待。 7巡239位 トレバー・ベイツ LB メーン大学 まったく謎の物件。NFLの公式ページによると、4−3DE、3−4OLB、すなわちパスラッシャーではあるらしい。ILBとしての指名という情報もあり。ただ、いかんせん、メーン大学なので、まったくもって情報は無し。完全な隠し玉。隠しっぱなしでない事を願うのみ。 7巡248位 オースティン・ブライス C アイオワ大学 ざっくり云えば、廉価版ライアン・ケリー、つかまんまサタディー。体格・運動能力的には平凡であるが、フットボールIQとリーダーシップで勝負するタイプだそうである。先に挙げたPFWのドラフトガイド誌の筆者などは、かなり好意的で、十分スターターの務まる選手、とある。この筆者が、所謂センターラインのプレイヤーには運動能力より頭脳、肉体より精神を求めている証左であろう。ラックが大学時代に強くプッシュしていたなんて記事も、どっかで読んだような気がする。 つかまあ、この選手を7巡で指名できるのだったら、何も1巡でケリーを指名しないで、ノア・スペンスでも指名しておいた方が(←オイオイ)。 つー訳で、個人的にはかなり好きなタイプの選手であるが、コルトとして花開くという事は、すなわちケリーがコルトとして花開かないという事を意味するので、痛し痒しの指名ではある。 つかまあ、これで今ドラフト4人目のオフェンシブ・ラインマンである。今ドラフトに限らず、グリグソンは、FA・ドラフトともに妙にオフェンシブ・ラインマンを獲得するのであるが、これは一体何を意味するのであろう。OLのスターターは5人だっつの。このブライス指名なんつーのは、すなわちどっちかのピックを無駄にするつう事じゃないのか。まあ、6巡7巡で指名して競わせるというのだったら分からんでもないが、事実上スターター決定的、というかスターターじゃなかったらバストになってしまうような選手を1巡で指名して、その当て馬のような保険のような選手を7巡で指名しても、それは無駄ピックという事になるのではないだろうか。 しかも、このブライスなんぞは、体格的に、どう考えてもセンター以外は務まりそうもない。それとも、ケリーをガードに転向させようとしているのか、純正センターのケリーを。 このセンターというポジションに限らず、このOL乱れ打ち作戦(念のため断っておくが、AVのタイトルでは無い。)は、私には全然理解できない。これが同じラインマンでもディフェンシブ・ラインマンだったら理解できる。どころか、歓迎である。DLはローテーションが効くからである。でも、OLはローテーションできんだろ。派遣会社じゃないんだから。がっつり、5人、ポジション込みで固定の筈である。ちなみに、私はかつてMADDENでランプレイ・パスプレイでOLのメンツを変えていた事がある。さすがにアホらしくなって5試合ぐらい(←バカ)で辞めたけど。 まして、実戦となれば、ラインマンの顔ぶれでプレイがばれてしまうのだから、そんな事できる訳がない。 まあ、メンツが固定できないのが諸悪の根源なのだろうけど、このような愚行は一日でも早く卒業して欲しいと切に願う。 以上、コルツドラフト2016だった訳であるが、課題のパスラッシャー馬鹿、縮めて馬鹿ラッシャーの指名は無し。一応、7巡で謎の男ベイツを指名しているが、こいつは馬鹿ラッシャーなのか、チームの救世主なのか。 あと、ささやかなニーズだったTEも結局指名無し。わたくし一押しのオースティン・クーパーは3巡81位、すなわちレレーベン・クラークの直前でファルコンズが指名。残っていたら、指名していたのか。スウープに期待していいんだな。2年寝かしたスープ、もといスウープに期待していいんだな。 また、コルツとは関係ないが、同じく私の一押しケビン・ホーガンは結局5巡162位(滂沱の涙)でチーフスが指名。アレックス・スミスをぶち抜いちゃれ。 なし水&クリームたい焼きの最強コンボが止まらない。2016/6/5(日) |