インディアナポリス研究会コルツ部

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D.Brees

似てなくなくなくねえ。
 スーパーボウルで敗れたチームのファンが、敵のチームのMVPについて記事を書くというのも、ファンとしてあるまじき行為だと思うが、いいタイミングなので、やる、やってみる。

 スーパーMVPを獲った事で、毎年恒例のプレイオフ大活躍した選手株価大暴騰中のドリュー・ブリーズである。スポーツセンターなどを見ていると、キーションの野郎が、例によって例の如く、「ブリーズは今現役最高のQBだぜ。」とか宣っていやがる。
 まあ、もともと影の実力者だったので、去年のフィッツジェラルド同様、評価が上がるのは喜ばしいことである。

 しかしキーションって、完全にガヤなのね。現役時代から予想はしていたけれど。洋の東西を問わず、現役時代どんなに輝かしい実績を残した選手であっても、ひとたび現役を引退し、テレビ出演するようになると、ただのアホなおっさんに成り下がってしまうのね。長島然り、ガッツ然り、輪島然り(拳闘・相撲とも)。坂東ほどではないにせよ。引退後、TVタレントになるのも考え物だよなあ。テリー・ブラッドショーも、今やただのハゲバカなおっさんらしいし。モンタナやジョーダンみたいに、あまり表舞台に出ないのも、これはこれで正解なのかもしれない。
 スポーツに限らず、仕事って人格の大きな部分を占めているのね、やっぱし。

 スポーツマンの引退後についてはともかく、ブリーズである。現役ナンバー1QBは、さすがに言いすぎだと思うが、彼が現役トップレベルのQBであることは間違いない。今まで不当に評価が低すぎたくらいである。

 プレイスタイル的には、あまり似たようなタイプはいないが、強いて挙げればカート・ワーナーだと思う。ポケット内で粘り強く、OCの希望通りに正確なパスを投げる。また、ワーナーとは違って、ボールセキュリティーは非常に優れている。このへんは、ちょっとマニングを髣髴とさせるものはある。ただ、マニングと違って、プレイリードには長けていない。というか、しない。この辺はプレイスタイルの問題だろう。OC次第のプレイヤーだといえるし、逆に言えば、OCに、特に優秀なOCに非常に好まれるタイプのプレイヤーだともいえる。QB版エミット・スミスといったところか。ていうかエイクマンか。

 最大の弱点は、もちろんその6−0の身長である。SDでリバースと天秤に掛けられ放出された最大の要因は、よはりこの背の低さだったと思う。ドラフト順位が落ちたのも、これが最大の要因だろう。QBの背が低いと、どうしてもプレイ選択に制限が生まれるので、人によっては非常に嫌う、私も嫌う。逆に言えば、OCの腕の見せどころともいえるので、そういった意味でも、優秀なOCに好まれるタイプのQBだとも云える。ショーン・ペイトンがブリーズ獲得にどれだけ関わったかは分からないが、両者にとって、またニューオリンズの町にとって、この両者の出会いは非常に幸福な出会いだったといえるだろう。

 しかし何より彼のキャリアの最大の特徴は、このショーン・ペイトンとの幸福な出会いも含めて、非常にサポーティング・キャストに恵まれているという点である。
 SD時代のRB陣がトムリンソンにマイケル・ターナー、彼等と別れてNO入りしたら、そこにはマカリスターとレジー・ブッシュ。SD時代のエース・レシーバーがゲイツで、NO入りしたら、そのゲイツと全く同じタイプのレシーバー、マーカス・コルストンがいる。ゲイツとコルストンは、プレイスタイルどころか、入団の経緯まで似ている。
 
 さらにSD時代のHCがショッテンハイマー、NO時代はショーン・ペイトン。若手の頃は大ベテランのHCで、キャリアの全盛は新進気鋭のHC、しかもQB上がりという、理想的な順番である。

 とまあ、ドリュー・ブリーズについてちょいと書いてみたが、ブリーズに関しては、他に書いてみたいことが前々から実は別にひとつある。それはこのブリーズとNBAのスティーブ・ナッシュが似てなくなくねえ、という事である。

 私の見たところ、両者には共通点が非常に多い。

 まず一つ目はキャリアの全盛でチームを移籍し、移籍したチームの成績が大きく飛躍した事、しかも元のチームも依然好成績、あるいはそれ以上の成績を維持している事。

 そして元のチームに親友がいること。トムリンソンにダーク・ノイツキー。

 さらにプレイヤーとしては小柄な部類に属する事。

 そして、両者共に誰からも愛される、それでいてリーダーシップに長けた性格である事。

 更には、旅行好きの行動派である事。ふたりとも、プレイヤーとしてではなく、一旅行者として日本に来た事があるみたい。

 そして何より顔が、似てなくなくなくねえ。あと雰囲気も。

 とまあ、こんなことを書きたいがために、ファンとしてあるまじき行為をしてみた次第である。ちゃんちゃん。

 フルネームは分かりませんでした。

                                2010/2/16
T.Spikes
1月はバカンスの
季節デース。仕事は
入れないで下サーイ。
 上の記事にあるナッシュはレイカーズに行ったな。

 それはともかく、タケオ・スパイクスである。基本、コルツファンの私はタケオ・スパイクスとは無縁なのであるが、何故にそれをわざわざ記事にしようかと思ったのかというと、タケオ・スパイクスの連続プレイオフ不出場記録に注目しているからである。いや、既にもう新記録になっているらしいのであるが、キャリア14年で一回も出場無しなんて、凄くね。逆にスゴクネ。

 元々は、2012年シーズンのシーズン展望記事に書こうと思っていたのであるが、折角なので、最近更新の無い無コルツの項目で記事を立てることにした。

 14年連続って凄くない。プレイオフっていうのは、32チーム中12チームが出場できる訳であるから、まあ要するに32分の12、すなわち8分の3チップスの確率で出場できる訳である。タケオがNFL入りした当初はチーム数が違うの単純計算は出来ぬが、調べるのが面倒くさいので、それを単純に14乗すると、出場できない確率は8分の5の14乗、4398046511104分の6103515625、つうか0.625の14乗でだいたい1000分の1くらいの確率である(筈)。天文学的数字とまでは謂わないが、ほとんど奇跡に近い数字である。

 実際、キャリア10年以上でプレイオフ未経験というのは、他にちょっと思い浮かばない。キャリア5年まで下げてもほとんど以内のでは無いだろうか。例えば、パトリック・ウィルスなんかも去年初出場しているし。ちなみに、キャリア5年だと、32768分の3125で、およそ10分の1の確率である(筈)。

 5年終了時の段階で、大体10人に9人は出場している訳である。ウーゴーの野郎なんか2回もスーパーボウルに出場しているしね。

 キッカーやパンターのような、あまりチーム成績と直結しないポジションだと、10年近く負け続けているチームに在籍し続け、結果プレイオフに出場できないという事もあろうが(ムーアマンの場合)、そのほかのポジションは多かれ少なかれ責任は取らされる訳だから、10年近く、個人で負け続けるというのは、NFLではもはや何事業であろう。

 実際、タケオの在籍したチームは、オリジナルのベンガルズから始まり、ビルズ、イーグルス、ナイナーズ、チャージャーズの5つであるが、ビルズはともかくとして、ベンガルズ、イーグルス、ナイナーズはタケオ退団後にプレイオフ出場しており、イーグルスとチャージャーズはプレイオフ常連なのに、タケオ入団時はきっちりプレイオフを逃がしている。さすがとしか言いようが無い。

 ここまで来たら、プレイオフ未経験記録のまま引退してもらいたいと思うのは、私だけではあるまい。20年連続なら、ほぼ間違いなく不滅の記録になる。

 やはり、三木武夫や福田赳夫に由来するといわれるその名前が元凶か。いっそ、Kakuei SpikesとかEisaku Spikesとかに改名してみっか。

 んで、フルネームはTakeo Gerard Spikes。

                              2012/8/28(火)
R.Aguayo
いい笑顔、
してたんだけどなあ。
 2016ドラフトで私が楽しみにしていた選手のひとりが、このロバート・アガーヨ(この発音で良いのか?)だった。なにしろ、正確性・飛距離ともに抜群で、キッカーとしては、同じフロリダ・ステイトの先輩、ジャニカウスキー以来の大物というのだから、それこそ10年に一人の逸材どころか、20年に一人の逸材(正確には16年に一人だけど、)な訳である。

 さすがに、ジャニ先輩のように1巡(17位!!)指名の予想は少なかったけども、「3巡楽勝・2巡も有り得る」みたいな予想は多かった。

 で、事実、2巡59位でバッカニアーズが指名、私は大いに期待した。ところが、私は個人的な事情から2016シーズンのNFLはほとんど見れずじまい。「まあ、2017シーズンでもいいや。」と思っていた矢先に、2017プレシーズン初戦後にまさかのカット。んで、その直後、ベアーズと契約するが、こちらも開幕前にあえなくカット。で、今は所在不明です。いや、調べてないけどな。

 で、問題のバックス時代の成績はというと、FGが22/31で成功率71%、XPが32/34、と確かにひどい。FGを年間9本外すプレイヤーって、なかなかいないと思う。距離にもよるけど、9本も外せば、よほど実績がない限り、つか、あってもお払い箱だろう。
 
 で、調べてみると、40ヤード台が4/10と非常に悪い。40ヤード台つうのは、キッカーの実力を計るちゅうか、評価する際の大きな指標であろうから、これが40%だと、カットもやむ無しであろう。同じく、2016シーズン、40ヤード台が4/9と振るわなかったダン・カーペンターもビルズをカットされてる(リリースかもしれんけど、)。カーペンターほどの実力者でも、である。

 カレッジのスターがNFLで活躍できない要因としては、以下の7つが考えられると思う。

 1.ケガ
 これについては解説不要であろう。

 2.単純な実力不足。
 例えば、QBが、カレッジ時代では通っていたパスがNFLだとCBの寄せが速く通らない。そこで、球速を挙げると、今度はコントロールが付かなくなる。あるいは、カレッジ時代ののスピードスターだったCBやWRが、NFLでは相対的に遅くなって、通用しなくなる等々である。

 3.周囲に凄いのがいた。
 例えば、DEが反対側のDEあるいは隣のDTが凄んごくて、そこにマークが集中して、結果スタッツを稼いだ。あるいは、QBの力の恩恵に浴して、スタッツを稼いだWR等々である。

 4.敵がしょっぱかった。
 これは、たまたま同カンファレンスに良いプレイヤーや良いチームがなかった為に、相対的にスタッツを稼いだケースである。例えは出すまでもあるまい。

 5.スキームが合わない。
 これは、有名なスプレッド・オフェンスQB問題であるとか、カレッジではゾーン専門だったCBがマンツーマンに対応できなかった等々である。実際はもっと複雑微妙な問題があるかもしれない。

 6.人間関係。
 入団したチームのコーチと性が合わなかったり、先輩に苛められたり、等々のケースである。

 7.そもそもやる気が無い。
 これは、フットボールというかなり特殊なテンションを要求されるスポーツなので、契約金で大金を手にした途端、ヤル気が無くなってしまう。あるいは、ケガが怖くなってしまう。というのは、ままあると思う。


 これらケースについて、アガーヨの場合を考察してみたい。

 1.ケガ
 少なくとも、私のもとにケガをしているという情報は入ってきていない。バックス・カット後にベアーズと契約していることを考慮しても、ケガはしていないのだろう。そもそも、コンタクトの少ないポジションであるし、ケガは考えにくいと思う。まあ、強いて挙げれば股関節炎ぐらいだろうけど。

 2.単純な実力不足。
 キッカーというポジションの特性を考慮した場合、この理由は考えにくいと思う。だって、カレッジもNFLもやる事同じだし。50ヤードFGはカレッジもNFLも同じ50ヤードFGだろう。ハッシュマークの位置を考えれば、むしろNFLの方が、僅かながらとはいえ、易しくなっているくらいである。 
 百歩譲って、どマイナーカレッジ出身なために、大観衆に慣れていず、FGを外しまくったという理由も考えられなくもないが、アガーヨはフロリダ・ステイト出身だし。下手すりゃ、バックスより観客多いし。

 3.周囲に凄いのがいた。
 これも、キッカーというポジションの特性を考えた場合、全然関係ないだろう。まあ、強いて挙げれば、ロングスナッパーやホルダーとの相性も無くは無いだろうが、だったら、彼らを変えればよいだけの話であるし、説得力のある理由にはなるまい。

 4.敵がしょっぱかった。
 これも、キッカーの場合は関係ないだろう。強いて挙げれば、たまたま同カンファレンスのブロックチームが皆しょぼかったので気安く蹴れたというのも無くは無いだろうが、まあ可能性は極端に低い。

 5.スキームが合わない。
 キックのスキームって何だよ。これが、パンターだったら、ハングタイム重視とかコントロールパント重視とか多少の向き不向きは考えられるだろうけど、FGにスキームはねーだろ。なるべく右端狙えとか、サイドバーぎりぎり狙えとか、そんな指示ねーだろ。どこを通過したって3点は3点なんだから。
 あとまあ、無理矢理考えれば、異常にスペシャルプレイが多くて、その練習に付き合わされて、キックのリズムを失ったというの考えられなくはないが、まあ可能性は低いだろう。

 6.人間関係。
 これは、地球の裏側からではわからん。

 7.そもそもやる気が無い。
 これも、地球の裏側からではわからん。

 という訳で、6番と7番はともかく、普通に考えたら、アガーヨが活躍できなかった理由が全然思いつかない。ただし、ひとつだけあって、それはキッカー特有の理由なのである。所謂、心理的なものである。

 入団当初、キャンプだかプレシーズンだかで、たまたま2本連続ぐらいで外すと、どこからともなく、チッっていう舌打ちの音が聞こえ、更にまた何かの拍子で外すと、「2巡のくせに意外に大したことないなあ。」という心の声が聞こえ、更に更に、「2巡でも外す奴は外すんだあ。」「2巡のくせに外しやがって、生意気だぞ。」「今度外したら、カットだな。」「いや、むしろ、決めたら、カットだな。」「いや、死ね。」「だからキッカーって、大っ嫌いなんだよ。」「外せ外せ。」「お前の母ちゃん、出ーべそ。」等々の声が聞こえ、自滅していったんだと思う。所謂、イップスであろう。

 もっとも、これはあくまで地球の裏側からの類推なので、真相は分からない。とはいえ、こんな理由ぐらいしか考えられないだろう。

 私はスポーツの世界の精神的心理的理由を持ち込むのはあまり好きではないのだけれど、ことキッカーというポジションに限り、完全い精神力だけの世界だと思う。ある程度の運動能力と練習期間があれば、50ヤードのFGを決めるというのはそんなに難しい事では無いと思う。誰が蹴っても、50%前後の成功率ではないだろうか。単純に技術的な意味だけで言えば、あらゆるスポーツでロングスナッパーの次ぐらいに易しい技術だと思う。求められる成功率を考慮すれば、もしかしたらロングスナッパーより易しいかもしれない。

 ただし、それを実際のゲームで同じ確率で決められるかといえば、おのずから別問題であろう。

 ちなみに、私がフットボールで最もやりたくないポジション第1位がこのキッカーで、第2位がQBである。理由は簡単、精神的に耐えられそうもないから、である。
 ちなみに、最もやりたいと云うか、やっても良いかなというポジション第1位はオフェンシブ・ガードである。肉体的な条件がそろっていたら、やっても良いと思う。似たようなポジションにオフェンシブ・センターもあるが、QBとの人間関係等々マニングとの人間関係等々、めんどくさいことが多そうなのでパス。ガードのダウンフィールド・ブロックで、ちびっ子ラインバッカーを体にものを言わせて、バンバンぶっ飛ばしたら、さぞかし痛快だろうと思う。パスプレイで鬼ラッシャーと対決して、恥かくこともないしな。

 キッカーの精神力と云えば、何と言っても、あのノーウッド・ノーグッドのシーンだろうけど、その論評のひとつに、「あの場面、すなわち「決まればスーパーボウル優勝、外せばスーパーボウル敗退」という、まあ謂わばアメリカ人にとって究極のシチュエーションで、ボールを蹴れたこと自体が凄い。」、みたいなものがあったけれども、私も大いに同感である。

 私だったら、多分気を失う。つか、気を失えなかったら、気を失ったふりをして、やり過ごす。

 「気を失う作戦」はともかくとして、アガーヨは、気持ちひとつで、生涯賃金10億円から20億円くらいをパァにしちゃったんだから、ほっんと恐ろしいポジションだよな、キッカーって。でも、2億円くらいゲットしてっから、まっ、いっか。

 という訳で、思わぬ形かどうかはともかく、思わぬスピードでNFLを去ったアガーヨの個人的な情報は少ない。数少ない情報としては、弟にリッキー・アガーヨというのがいて、やはり同じくフロリダ・ステイトでキッカーをしている。二匹目のドジョウか。完全に言葉の使い方、間違っとる。

                              2017/10/4(水)
D.Watson
1巡3つの価値のある男
ア〜ンド
職員でもないのに
裁判所通いをする男
 第94回選抜高校野球大会は無事(?)、大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じた。ただし、この大会は、その選抜の過程で、聖隷クリストファー高校が落選し、物議を多少醸した。

 その選考過程にどうこう云うつもりはない。だって、選抜だもん。どこを選ぼうと、主催者の気持ちひとつである。今回は、要するに、「秋季大会の結果より、地域性を重んじた。」というだけのことであろう。所謂「県民ナショナリズム」が高校野球の柱のひとつなのであるから、それは致し方のない事だと思う。騒ぐ方がどうかしている。

 ただ、ここで私が述べたいのは、この「クリストファー騒動」についてではなく、選抜高校野球大会の所謂「選抜」のあり方についてである。

 21世紀に入り、夏の大会との差別化を図るためか、「選抜高校野球大会」は「21世紀枠」なんてものを企画した。それ自体どうこう云うつもりはない。企画としては、十分理解できる。

 ただ、私なんかが思うのは、夏の大会との差別化を図りたいのなら、いっそ、地域性を完全に無視して、ガチでトップ32のチームを選抜して、大会を開いたらどうだろうかという事である。まあ、半分くらいは大阪や東京の学校、あるいは兵庫や神奈川の学校になってしまうだろうが、そうすれば、夏の大会よりハイレベルな大会にはなる。
 また、かつての江川のような、力がありながら、なかなか甲子園に辿り着けなかった選手を優先的に甲子園に招待する事も出来る。「実力の春、結果の夏」みたいに差別化が出来て、良いと思うが、どうであろう。

 まあ、もっとも、トップ32をランキングする能力が、高野連あるいは毎日新聞社にあるかと問われれば、それはまた別問題ではあるが。

 さて、本題のデショーン・ワトソン君である。このノンコルツの項に記事を書くのは、実に4年半ぶりくらいなのであるが、私は別にワトソン君のファンでもなければアンチでもない。

 そのファンでもアンチでもない私がワトソンの記事を書こうと思い立ったのは、そのトレード内容に、びっくらたまげた門左衛門だったからである。イスに座っていたら、ずり落ちていた事だろう。

 そのトレード内容はというと、

 ワトソン+2024・6巡⇔2022・1巡(13位)+2022・4巡(107位)
              +2023・1巡+2023・3巡
              +2024・1巡+2024・4巡

 という、俄かには信じられないもの。つかまあ、いまだに、間違っているのかもしれないと、記事を書いてて不安なぐらいである。

 ブラウンズとテキサンズの公式ページには記載が無いので、真の内容は不明ではあるが、でもまあ、1巡3つは間違いなかろう。

 1巡3つって、しかも、内ひとつは13位。ラッセル・ウィルソンのトレード内容にも大概驚いたけど、それと同等か、それ以上である。
 私も長年スポーツファンを続けてきてはいるが、あらゆるプロスポーツで、最も驚いたトレードではある。故に、記事にしている。

 AFC南のチームのファンなので、ワトソンについては、他地区のファンより、ちっとは知っているつもりであるが、ワトソンに1巡3つの価値があるとは、ちょっと思えない。
 テキサンズで嫌だったのは、ワトソンではなく、なんといってもホプキンスである。「ホプキンスに1巡3つの価値があるか?」と問われれば、「もしかしたら、あるかもしれない。」と答えちゃうくらいである。

 そもそも1巡3つの価値のある選手、あるいはQBがいるかって話ではあるが、なんとも云えない。「全盛期のマニングやロジャースに、その価値があるか?」、と問われれば、「あるかもしれない、ないかもしれない。」。

 私は、常々、NFLでは、選手よりドラフト権の方が価値があると述べてきたが、その主張を変更訂正する時が来ているのかもしれない。スポーツ医学の発達等々により、20代と30代の選手の価値は、かつてほど差が無くなってきているのかもしれない。とりわけ、QBなどは、その最たるポジションであろう。ブレイディやスタッフォードの成功もあるし、ウェンツの失敗もあるし、いよいよ、NFLも、NBAやMLBのようにFA・トレード全盛時代に突入か。

 でもまあ、NFLの場合は、QBやキッカー、パンターはともかく、その他のポジションにおいては、ルーキー契約時の3〜5年ぐらいがキャリアベストっていう選手が大半だと思うんだけどなあ。

 また、パッシングオフェンスにおいても、「とにかくQB」みたいな考え方があって、優秀なQBを入手できれば、それでオールオッケーみたいな雰囲気があるけれど、私は20年近くフットボールを見てきて、とりわけここ5年くらいのコルツを見てきて、思う、つか痛感しているのは、「QBがパッシングオフェンスの全てではない」という事である。

 OLが優秀なのは勿論だけれども、レシーバー陣も、OLと同等、QBと同等に重要だと思う。
 QBとレシーバー陣の価値の対比が8:2とか7:3みたいなムードがあるけれど、私は同等5:5だと思う。

 分かり易い実例はフィッツジェラルドで、彼は、そのキャリアでQBがなかなか一定しなかったけれども、成績は安定していた。
 また、かつて、コルツに在籍していたピエール・ギャルソンも、コルツ在籍時、というかマニング在籍時は、その数字はマニングが作ったもののように思われていたが、あの2011シーズンでも、変わらぬ数字を叩き出していたし、ワシントン移籍後も、ワシントンのレジェンドであるアート・モンクのチーム記録を一つぐらい破るぐらいに活躍していた。

 このフィッツジェラルドやギャルソンのように、案外レシーバーの数字はQBの能力に依存していないのである。

 かえって、QBの方がレシーバーの能力に依存していたりする。分かり易いのは、今季つうか昨季つうか、2021シーズンのカイラー・マレーであろう。ホプキンス欠場後、明らかに数字が落ちた。同じ事は、ワトソンにも云えよう。

 つう訳で、私は、近い将来、5年後か10年後かは分からんが、スターターQBのキャップヒットは10%以下に収める時代が来るように思うのだけど、アメリカ社会においては、日本のピッチャーと同じく、QBっていうのは信仰の対象だからなあ〜。なかなか、チームの単なる一員にはなれないのかもしれん。

 まあまあ、そういうQB価値論はともかくとして、とりあえず「1巡3つ」は重いと思う。向こう10年はともかく、2,3年後からの5年くらいは捨てる覚悟で、ブラウンズはワトソンに賭けたのだろう。単に、「QB玉突き人事ブーム」に乗ってみただけかもしれんけど。

 メイフィールドがいるから、1巡一つぐらいは還ってくるという目算なのだろうが、足元見られるぜ〜〜〜。

 いずれにせよ、これから数年のワトソン&ブラウンズの顛末には、乞うご期待である。女問題で終了って線も捨てがたいけどな。

 フルネームは、Derrick Deshaun Watson。D.D.ワトソン。

                               2022/4/6(水)

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