インディアナポリス研究会ペーサーズ局

歴史

戦評 '08-'09シーズン

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 2008年
11月
 シーズン展望   シーズン展望っつてもなあ、展望できるほど高いところにいないし。まあ、開幕も近いので、思いつくままに書いてみます。

 開幕も目前になり、まずまず固まったロースターを見ての感想はというと、う〜ん、何だかなあ。

 悪くはないと思う、勿論良くもないが。今季もイースタン8位の座を目指しての闘いになると思う。キーを握るのは勿論期待の新人ブランドン・ラッシュであろう。彼がオールスター級のプレイヤーならばチームは大きく飛躍する。彼が駄目ならば、使い物にならないというレベルではなくアベレージプレイヤーでしかないという意味で、駄目ならば、またしばらくグダグダのシーズンが続くであろう。ジュニア天下である。嫌いじゃないけどさ。いやホント頼むよラッシュ君。ジュニアを追い出してくれ、父親のところへ。

 もうひとりの新人、ロイ・ヒバートにも期待している。ユーイングクラスの活躍をしてくれとは言わない。せめて、ムトンボぐらいやって欲しい。それくらいできれば、ペーサーズは大変な武器を手に入れたことになる。頼むよ、ホントに。

 そのほか、私が個人的に注目している選手にトラビス・ディーナーつうのがいる。ちっこくて苦労人という典型的な人気選手らしい。映像が見たい。ちなみに私はマーキス・ダニエル反対派である。T・J・フォードはやってくれるだろう、実力者だし。怪我さえしなければ。

 さすがに売れないな、ティンズリー。NBA的に見ても、サンズ時代のアンフェニー・ハーダウェイなみの難物件であろう。いっそステェファン・マーブリーにいってみるか。両方ともアイザイア物件というのが凄い。凄味すら感ずる。

 ペーサーズ以外で注目は勿論このひとグレグ・オデンであろう。スポーツセンターでその映像を、動くオデンをチラリと見たが、圧巻の一語であった。うおお〜とか叫んでしまった、恥ずかし。
 私は勝手にマーカス・キャンビーみたいな選手かと思っていたが全然違った。動けるヤオ・ミンといった感じである。全盛期のパトリック・ユーイング(もちろんジュニアじゃない方。)を彷彿とさせる。さすがにオラジュワン級ではないが。期待大である。これは見逃せない。だけどインディアナを捨ててオハイオ・ステートに行った事は忘れない。生涯忘れない。

 いずれにしても、ひとつだけ確かなのは、ペーサーズの試合を見たいということだ。放送してくれ〜。もう丸一年見ていない。今年はJスポーツもあるので、なんとしても見る。

                                                          2008/10/27
 
 11月6日
HOU@POR
99−101


11月7日
TOR@ATL
92−110
 ほんとはポートランド戦についてのみレポートする予定だったんだけど、待望のオデンちゃんはまたしても欠場。あんまり書くことがなくなってしまったので、ジャーマインちゃん登場のTOR@ATLとの合わせ技一本です。たまにはこういうのもいいでしょ。

 しかしオデンちゃん、このまま幻のおでんになってしまうのか。地方の銀座じゃないんだから。

 HOU@PORは興行的には大成功だったろうけど、試合内容的にはどうでしたかねえ。今のポートランドは本当に才能の宝庫だけど、じゃあ数年後が楽しみかというと、ちょっと違う気もする。チームを勝利に導く選手、所謂 Go To Guy がいないような気がする。フロアに満遍なく才能が散らばっているけれども、でも力点はない、そういう感じである。ピペンのいた頃のポートランドに良く似ている。5,6年前のクリッパーズ、ブランド、マゲッティがいて、Q・リチャードソン、D・マイルズがぺいぺいだった頃のクリッパーズよりも将来性という点では劣る気がする。もっとも、このクリッパーズにも将来はとうとう来なかったのだけど。

 オデンがその Go To Guy であるのか。そうであれば、文句なしに優勝候補筆頭に躍り出るであろう、それも今シーズン。

 一方ヒューストンはというと、こっちもどうなのかなあ。一試合見たっきりなのでなんともいえないけれど。

 ヤオ・ミンに関しては、数年前、私はこのままだとリッツ・スミッツ止まりだと思っていたのであるが、その予想は不幸にも当たったような気がする。この試合を見た限りでは、ヤオ・ミンは好調時のリッツ・スミッツ程度のプレイヤーである。まあ、それで十分ちゃあ、十分かもしれないが。
 昨季、ヤオ・ミンは大きく成長したというような報道を聞きかじったのであるが、とてもそういう感じはしなかった。ヒューストンの命運は彼をサポートするルイス・スコラ次第のような気がする。ほんとはヤオがスコラを支えなければならないのだけれど。現状では逆になっている。

 あと、そうそう、懐かしのロン・アーティスト発見。相変わらずシュート撃つの好きだねえ。この試合でも、余計なところでシュートを打ってチームのリズムを乱していた。敗因のひとつになったと思う。精神面はしばらく措くとして、これさえなければ本当にいい選手なんだけど。ロッドマンを意識しているといいながら、こういう肝心なところは見習っていないんだよなあ。折角のディフェンス力が台無しである。プラマイゼロどころか、どうかするとマイナスである。我がペイサーズもこのシュート癖にはさんざん苦しめられた。随分と痛い星も落としたと思う。


 で、TOR@ATLであるが、私はこのアトランタの方が先述のポートランドよりよほど魅力的なチームだと思う。爆発的なスコアラーを手に入れればいきなり優勝候補筆頭であろう。それこそ A.I を獲りにいっても面白かったと思う。

 爆発的なスコアラーというなら、ジョー・ジョンソンがいるではないかという説もあるだろうが、私は彼が爆発的なスコアラーであるとはとても思えない。非常に器用な選手であり、また優秀なプレイヤーであることを認めるにやぶさかではないが、爆発的なスコアラーかというと、それは違うと思う。爆発的というほどの得点力は彼には無いと思う。当人も自覚しているであろう。あくまで弱小チームのエース止まりのプレイヤーだと思う。かといって、強豪のロールプレイヤーになるつもりはなさそうなので、私がアトランタのGMならば、彼を餌に大物スコアラーの獲得を画策する。
 そういった意味ではかつてのロン・ハーパーやケニー・キトルズを思わせるものがある。ロン・ハーパーはちょっと違うか。でもケニー・キトルズを思わせるものがある。

 ジョジュ・スミス。私はかつて田伏の開幕戦で「この選手、よく跳ぶなあ、ビンスより跳ぶかも。」と感嘆したことがあるが。そのジャンプ力はまだまだ健在である。ことジャンプ力に関してだけはあのヒューマン・ハイライト・フィルムの後継者といってよかろう。さすがに「帰ってきたヒューマン・ハイライト・フィルム」にはなれそうもないが。

 一方、トロントの元インディ、ジャーマインちゃんはまずまずやっていた。怪我も癒えているみたい。しかしツインタワーつう感じじゃなかったなあ。それはひとえにクリス・ボッシュがSF的なプレイしかしない、というか出来ないからなんだけど。いっそバルニャーニも出してトリプルタワーにした方が良いように思う。これはさすがに脅威だ。まさしくリアル・ビック3である。でもぺリメーターに並んじゃうんだろうなきっと、3人中2人が。

 つうか、ロナルド・マレーってうちにいたのね、知らんかった。

 ああペーサーズ、電波が日本に届く日は来るのか。

                                                      2008/11/14
  
2008年
12月
12月11日
POR@UTH
88−97
 ついに見ましたよ、2年越しの恋人、 眷恋の人、オデンちゃん。

 まず最初に目に付いたのはペイント内でのオフェンススキルである。これはもう確かに持っている。この時点で既に現NBAトップ3の純正センターといってよいと思う。特殊な例外であるシャックを除けばもはや現役ナンバー1の純正センターといってよいかもしれない。

 一方で期待のディフェンスでは物足りなく感じた。ディフェンスでゲームを支配すると言われていたので、おおいに期待して見ていたのだが、思っていたよりたいした事なかった。というか、ディフェンスもリバウンドも全然物足りない。ケガの影響もあるのか、力をセーブしているようにも感じた。ほとんどジャンプしないし。プレイタイムが30分と短いのも、その為かもしれない。こちらの方面でバリバリやるのは来年以降の事となるのだろう。

 しかし、あのオフェンススキルを見た限りでいっても、向こう10年NBAを支配するセンターである事は間違いないと思う。ユーイング級、もしくはそれ以上だろう。あとはオラジュワンやシャッククラスのプレイヤーが現れてこないのを祈るばかりか。それと怪我、と。

 実際、この試合に於けるオルドリッジの活躍も彼の存在抜きには語れないだろう。強力なセンター及びポイントガードはチームメイトのスタッツを2ランク挙げる。
 つーか、オルドリッジって、あんなにスカイフック上手かったっけ。このゲームでは悉く決めていた。去年はペイントの周りをうろちょろしていただけのイメージしかなかったのだけど。たまたま調子が良かったのか。

 しかしいずれにしても、これでポートランドはPGとセンターに人材を得た事になり、ファイナル制覇に大きな一歩を踏み出した事になるだろう。あとは凶悪な3ポインターないしシューティングガードか。
 なんか、こういう事、他のチームのレポートでも言った気がする。昨今のNBA、意外にシューティングガードが人材難か。10年位前は優秀なのがゴロゴロしていたポジションであるが。またSGか、みたいな。
 代わりにPGとSFに優秀なのが最近は増えた気がする。あくまで印象だけど。そしてSGとPFに優秀なのが減った。大学のプログラムに変化があったのか。

 フットボールばかり見ていると、たまに見るバスケットボールが新鮮。ポンポン点が入るし。アメリカ人のスポーツライフがちょっと分かった気がする。

                                               ああペイサーズ。 2008/12/14 
2009年
1月
1月27日
IND@ORL
111−135
 スーパーボウルを間に挟んだので、時宜を逸してしまった感もあるが、NHKBSで放送されたペーサーズ戦の観戦レポートです。

 実に久しぶりにペイサーズの試合を見た。最後に見たときには、どんなメンバーだったのだろうと思い返してみるのだが、ジャーメイン・オニール、ロン・アーティスト、スティーブン・ジャクソン、ジャマール・ティーンズリーまでは思い出せるのであるが、もう一人がどうしても思い出せない。アル・ハリントンあたりがPFとして使われていたのであろうか。フォスターあたりがスターターをやっていたのであろうか。うーむ。いずれにしても、確かあの大乱闘のシーズンが最後だったと思う。

 ペジャ・ストヤコビッチは結局見ないまま、いなくなってしまったし、トロイ・マーフィー、ダン・リービー・Jrは今回初めて見ることになる。いや、ペジャのペーサー姿は見たことあったか。うーむ、定かではない。そういえば、スポーツセンターを見ていたら、ジェイレン・ローズが解説者やってた。意外にそういうところある、ジェイレン・ローズは。

 そうしてその久方振りのペーサーズの試合が、なんと4クォーター全て30失点以上というとんでもない試合。全盛期の(もちろん弱いほうに。)クリッパーズでさえ、そんな試合は無かったと思う。

 ディフェンスが弱い弱いとは聞いてはいたが、まさかここまでとは。その理由ははっきりしていて、単純に運動能力が低い事、運動能力の高いプレイヤーがロースターに、少なくともオン・ザ・コートにいないこと。とにかくこれに尽きる。だってヘルプが全然間に合わないんだもの。
 私は高い運動能力はバスケットボールプレイヤーに必須ではないという考えの持ち主であるが、さすがにここまてひどいと、一人ぐらいは入れておく必要があると思う。T・J・フォードが運動能力が高いちゃあ高いが、彼の場合は身長が無いので、ディフェンスは根本的に期待できない。

 で、もひとつ思ったのが、それだけディフェンスが悪いのだから、だらだらと時間いっぱい使って攻める事で点差が付かないようにすれば良さそうなのであるが、それが反対で時間を使い切らずにドンドン攻める。センターラインを超えたら、パス一本でいきなり3ポイント、そんな感じである。これでは3ポイントが入る試合でしか勝つことは出来ない。3ポイントというのはだいたい3割ぐらいの確率だから、実際今のペイサーズの勝率も0.388である。move the ball はバスケットボールの金科玉条ではなかったのか。今のチーム構成からすると、パスを回してレイアップで決めるようなゲームを心がけるべきであろう。

 そのチーム構成であるが、もちろん最大の問題はジュニアとグランジャー問題であろう。完全にキャラが被っている。どちらかを放出するとすれば、当然ジュニアの方であろうが、トレードバリューは当然グランジャーの方が上である。いっそ、両方放出してディフェンスの鬼みたいなプレイヤーを獲得する方が優勝への近道なのかもしれない。

 グランジャーに関して言えば、この試合はたまたま調子が悪かったようであるが、彼が素晴らしいプレイヤーである事に異論の余地はない。今のペイサーズのロースターでは唯一のスターといっても良いであろう。
 しかしながら、私は常々言っているように、SFをオフェンスの中心にはしたくない。彼の平均得点が20点を割った時こそ、ペイサーズが強豪に復帰した時であろう。でも、ディフェンスで貢献するというタイプでもないしなあ。かといって、SGをする程のボールハンドリングはないし。思い切って、ショーン・バティエあたりとトレードするのも有りだと思う。

 そして、ロースター構成でもうひとつ不満なのが、どうしてもっとロイ・ヒバートを使わないのかという点である。この試合でも彼の出ている時間帯がペーサーズの最も調子の良い時間帯であった。ペイント内のオフェンススキルもあるし、リバウンドも獲れる、シュートブロックも出来る。なるほど、大学に4年間いただけの事はあると思わせるプレイヤーである。現時点では総合力ではグレグ・オデンより上であろう。
 線が細いのがやや気になるが、それを懸念してスターターでは使わないという事なのか。本格的デビューは、オデンと同じく、来季という事なのか。
 彼がセンターに固定されれば、トロイ・マーフィーも生きてくるだろうし、T・J・フォードも真価を発揮するだろう。ただ、ジュニアとグランジャーがダブるのであるが。結局ここか、ペーサーズの問題の中心は。

 そして、ロースター上の穴はシューティング・ガードという事になるのであるが、今年の事実上のファーストピック、ブランドン・ラッシュもほとんど出てこないし。こちらも本格的デビューは来年という事になるのか。このSGというポジションにガチガチのスコアラーがどうしても欲しい。ピュアシューターでもいい。でも最近、そういう選手、あんまりいないんだよなあ。どこのチームのこのポジションに苦しんでいるようだ。一昔前はダブついていたポジションであるのに。変れば変わるものだ。この日の対戦相手のマジックもこのポジションに苦しんでいるらしい。J・J・レデックなんか、使えば面白そうなのに。なにか決定的な欠陥でもあるのだろうか。私ならあのシュートフォームを見ただけで、使う。ペーサーズに欲しいくらいである。

 パトリック・ユーイングは変な髪形をやめていた。

                                                      2009/2/6
2009年
3月
3月6日
PHO@HOU
112−116
 何気なく観ていたら、結構興味深い試合だったのでレポートします。

 この試合、最大のトピックスは何といってもヤオ・ミンだろう。シャックをオフェンス・ディフェンス共に完封した。私はシャックのゲームは優に100試合以上は見ているだろうが、これだけ見事にシャックが完封された試合は初めてである。もともとシャックは自分より大きい選手を苦手にする傾向があるが(苦手というより、やりなれないといった感じか。)、それを差し引いても、見事な完封である。ヒューストンはヤオがオン・ザ・コートの時、PHOを引き離し、ヤオがコートを出るとPHOに追いすがられていた。ヤオにとっては選手冥利に尽きる試合といってよいであろう。

 シャックは随分力が衰えたとはいえ、まだまだ現役TOP5には入るセンターである。そのシャックを完封したのだから、もはやヤオが現役ナンバー1センターといってよいのではないだろうか。ドワイト・ハワードと比べても、オフェンスに幅のある分だけ上と見る。

 私はかつて、というかこのページの一番上の項で、ヤオはリッツ・スミッツクラスで終わるというような事を書いていたが、前言を撤回する。これだけ出来るのならば、ヤオは充分にリッツ・スミッツ以上、全体1位に相当するセンターである。

 このヤオに、ヤオと相性のいい、良い相棒になりそうなルイス・スコラ、それにバティエ、アーティスト(何故、似たようなタイプをロースターに二人抱えているのであろう。保険か。)のSF陣、もはやヒューストンのフロントラインはリーグNo.1と言って良いのではないだろうか。ガード陣にやや難があるが、ヒューストンはこれだけで十二分にファイナル候補である。私はバスケットボールは結局はフロントラインだと思っている。
 T−MACのケガはチームにとって、何より本人にとって本当に痛い。今年は本当に千載一遇のチャンスだと思う。

 唯一の不安はロンロンのスコア好きぐらいか。この試合も大事なところでボールを離さず、チームとファンを冷や冷やさせた。結果的にシュートは決まっていたのであるが、これがゲーム内容的にはヒューストンがフェニックスを圧倒していながら、終盤、接戦になった唯一の要因である。ほんと、これにはペーサーズ時代、あっしもオニール(ジャーマインの方である。)もミラーもさんざん悩まされた。これさえなければ本当にいい選手なんだけどねえ、ロンロンは。ディフェンスに特化してくれないものか。各チームを追われる最大の要因は、そのオフ・ザ・コーチの素行ではなく、このオフェンス好き、それも大事なところでの得点好きにある。

 一方のフェニックスであるが、完全に迷走していますなあ。シャック獲得以降、チームの方向性が完全に見えない。もはやこのチームにナッシュとアマレは不用のように思う。そして、シーズンアウトのアマレの代わりに連れて来たのが、永遠の青二才、ストロマイユ・スウィフト。9年やって駄目なのだから、完全に結論でてるっつの。本人もNBA側も見切りをつけるべきであろう。この試合でも自慢の駄目っぷりを炸裂していた。

 NBAを観始めて10年以上になるが、初めてオールスターを見逃した。完全に見逃した。ダンクコンテストぐらいは見たかった。
 そのダンクコンテストはハイライトで見たが、ネイト・ロビンソンの股間がドワイト・ハワードの後頭部に炸裂して、ハワードが後頭部を抱え、ネイト・ロビンソンがゴール下で悶絶していたら、さぞかし面白かったろう。そして、両者ともにオールスター明けの5試合欠場とか。残念。

                                                            2009/3/23 

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