インディアナポリス研究会ペーサーズ局

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理想のチーム  デズ・ブライアント、みんなが思っている事、言っちゃった。
 シンシィ、着々と極悪チーム化が進んでいますな。第2のバットボーイズか。とりあえず今まで支払った罰金の合計なら、ワールド・チャンピオン間違い無しである。

 と、NFLの話柄から入ったが、今回はバスケットボールのお話である。

 NBAも見始めてから、かれこれ15年近く経過している。さすがにこれだけの歳月を付き合っていると、自分なりの理想のチーム像、理想のチーム構成が出来上がる。昨季は毎年恒例の「俺ファーストチーム」も発表できなかったので、その代わりという訳ではないが、今回は私の理想のチーム、「俺理想のチーム」を発表してみようと思う。

 「俺理想のチーム」といっても、具体的な名前を挙げるのではなく(それを挙げたら単なる「オールタイム・ファーストチーム」になってしまう。)、各ポジションに求められる選手像、理想像を説明したいと思う。

 まずはC/PFから。

 センターとパワーフォワードを分けるという考え方もあるようだが、私はこのポジションに関してはCとPFとでワンセットと考えているので、ひとまとめにしたい。
 ここで大事なのは、CとPFを、プレイスタイル的にも性格的にも対照的な両者を組ませるという点である。より具体的に言えば、片方がオフェンシブな選手であるならば、他方はディフェンシブな選手、また、性格的にも、片方が積極的能動的な選手ならば、他方は消極的受動的な選手といった具合である。
 オフェンシブなプレイヤーは大概性格的にも積極的能動的であるし、反対にディフェンシブなプレイヤーは大概性格的には消極的受動的なので、そういう組み合わせである。まあ、ヤオ・ミンやダンカンのようにオフェンシブかつ消極的受動的な性格という例もあるが、それはそれで良い。
 また、その特徴は、センター、パワーフォワード、どちらがどちらでも良い。

 それでは、オフェンシブな選手に求められる能力は何かというと、それは、もちろん、ペイント内での得点能力である。フックでもダンクでもバンクショットでもドリーム・シェイクでも特殊なムーブでも、武器は何でも良いが、とにかくペイント内で8割近い確率で得点を決められる能力である。ぺリメータでのシュート力などどうでもよい。あとフリースローも高確率で決められれば、尚良しであるが、まあこれは必須ではない。

 ディフェンシブな選手に求められる能力は、もちろんリバウンドにスクリーンアウトとブロックショットである。

 すなわち、攻守ともに共通して云えるのは、ペイント内でのフットワークである。これが出来ない選手、例えばアマレ・スタッドマイアーなどは、速攻のフィニッシャーとしてどんなに素晴らしくとも、それだけでアウト、不要である。

 具体的な選手名を挙げよう。ここ最近では、その理想のコンビは、ヒート時代のシャックとハスレムであろう。マジック時代のシャックとホーレス・グラントも悪くなかったが、これはグラントが意外に積極的な性格だったので、シャック/ハスレム・コンよりはうまくいっていなかったと思う。しかし、グラントはブルズ時代もカートライトという典型的なオフェンシブな選手と組み、上手く言っていた。またカートライトは控え目な性格だったので、そういう点でも良いコンビだったと思う。
 シャックは、その後、レイカーズ時代には、一時期、カール・マローンと組んでいたが、これは見事なくらいオフェンシブとオフェンシブの組み合わせなので、ファイナルには進んだものの、そんなに効果的なコンビではなかったと思う。レイカーズ時代のシャックの相棒としてはA・C・グリーンがやはりベストだったろう。

 そのほか、C/PFのコンビを、思いつくままに採点してみると、ダンカン/ロビンソン・コンビは、プレイスタイル的には、ダンカンがオフェンシブ、ロビンソンがディフェンシブという事で、悪くなかったが、ただ両者共に控え目な性格という事で、優勝はしたものの、イメージほどの爆発力は無かったと思う。もし、どちらかの性格が積極的だったら、3連覇ぐらいしてもおかしくなかったと思う。

 ダンカンの前のロビンソンの相棒、ロッドマンは性格的には、悪くないコンビだったと思うが、基本的にはディフェンスの選手、すなわちペイント内のオフェンススキルに乏しいロビンソンと、典型的、というか意識的なディフェンシブ・プレイヤーであるロッドマンとでは、やはりプレイスタイル的に噛み合っていなかったと思う。このコンビの崩壊は、性格的な不一致が主因だとも言われているが、私には、それより、プレイスタイルの不一致の方が大きな要因だったと思う。

 そのロッドマンもデトロイト時代は、レインビアとコンビを組み、これは一見すると壊滅的なコンビのように思われるが、ディフェンスのロッドマンにオフェンスのレインビア、そして凶悪なレインビアと、そのレインビアの前ではおとなしいロッドマンという事で、これはこれでなかなかのコンビだったと思う。

 ヒューストン時代のバークレイとオラジュワンは、これは典型的な失敗例だと思う。移籍時、バークレイはディフェンスに徹するみたいなコメントを出していたが、結局は無理だったようである。このコンビの失敗はケガが大きな要因かもしれないが、ケガが無くとも成功は難しかったと思う。健康であればあるほど、バークレイがディフェンスに徹するなんてことはまず不可能である。同様にフランチャイズ・プレイヤー、それも大学時代からのフランチャイズ・プレイヤーであるオラジュワンが攻撃しないなんて事も、フランチャイズ的に不可能である。
 当時のバークレイのベストの相棒は、ムトンボだったと思う。性格的にはぶつかる可能性もあるが、プレイスタイル的には最良だったろう。

 という訳で、この二つのポジションに関しては、その能力や特徴よりは相性が非常に重要だと思われる。

 あと、体格に関しては、これはC/PFに限らず、どのポジションでも、大きければ大きいほど有利なポジション、すなわち上限は無いスポーツなので、特に要求は無いです。そのポジションを務められる技術や能力があるのならば、大きければ大きいにこした事はない。大きすぎて困るというスポーツではない。体重もあればあるだけ良いだろう。その分、ケガもしやすくなるが。

 また、このC/PFにはローテーションでもうひとり必要になるが、そのベンチプレイヤーに求められる能力は、上に説明してきたような理由から、攻守どちらでもそこそここなせるという能力であろう。どちらかのスペシャリストは要らない。オフェンシブなスターターと組んだ時はディフェンシブに、ディフェンシブなスターターと組んだ時はオフェンシブになれるプレイヤーである。

 そのほかのポジションについても一気に書く予定であったが、時間がなくなってきたので、次回つうことでひとつ。

                                                                      2010/7/29

 つーわけで前回の続きである。

 C/PF編は前回で一区切りついたので、つーかそれしか書けなかった訳であるが、今回はSF編からである。

 SFに関しては、かつて一枠設けて詳述したし、あちこちでも自論を書き荒らしているので、今回はちょろっと書いて終わりにしたい。

 私の理想のSFとは、要するに、マンツーマンディフェンスの鬼、エースキラーというべき選手である。それに一試合2/5ぐらいで決められる3Pと少々のリバウンドがあれば、それで合格である。

 具体的な名前を挙げれば、その嚆矢にして最高のプレイヤーはスコッティ・ピペンであるし、そのほかティーション・プリンスやブルース・ボウエン、ジェームズ・ポージー、トレバー・アリーザ、ロン・アーティスト等々、優勝チームには軒並みこのタイプのプレイヤーがいる。

 2004年のファイナルも、もしリック・フォックスが健在ならば、史上空前のロースコアシリーズになったものの、なんとかレイカーズが優勝していたと思う。リップ・ハミルトンを止める術が無いというのがレイカーズには痛すぎた。

 また、かつてのキングスのストヤコビッチ・クリスティー・コンビのように、SFにスコアラー、SGにディフェンダーを配するというチーム構成もありえるだろうが、一般的にはより体の大きいSFの方がディフェンスには有利なので、これは特殊な例だったと思う。

 また、上のC/PF論も同じであるが、何もポジションによってディフェンス型とオフェンス型を分ける必要はないという考え方もあるだろうが、現実的には、一人でオフェンスもディフェンスもというのは、最近ではレブロンが良い(悪い?)例であるが、体力的に不可能だと思われる。まあ、全盛期のオラジュワンのような非常に特殊な例外もあるだろうが、それは例外中の例外である。マイケル・ジョーダンも、ここぞという時はともかく、普段はディフェンスは流していた。実際、ピペン抜きのビルズ王朝というのは考えられない。

 以上が理想のSF論である。次はSG。

 SGは、上のSF論でもチラッと触れたが、何といっても爆発的な得点力である。シーズン平均20点どころか、平均25点は求められるポジションである。内に外にバリバリ点を獲ってもらいたい。したがって、ペネトレイトだけ(まあ、そんな選手はあまりいないだろうけど、)とか、3Pだけという選手は不合格である。かつて、ピュア・シューターといわれたアラン・ヒューストンが、結局のところ大成しなかったのは、彼には外しかなかったからである。だから、ピュア・シューターって名付けられたんだけど。現役では、J・J・レディックとかカイル・コーバー等が、それに当たると思われるが、そういう選手は結局のところベンチ・スタートになると思う。

 我がレジー・ミラーも、一見すると、3Pしかないようなイメージであるが、スクリーンを駆使してゴール下で得意のレイアップを連発していたのは、ペーサーズファンなら周知の事実である。

 SGの具体名については、各時代のスター・プレイヤーそのままである。各自、思い浮かべていただきたい。ただ、各時代とは言っても、それは’90年代以降に限定される。というのも’80年代以前のスター・プレイヤーは、一部の例外を除いては、SGというポジションにはいないからである。というか、それ以前はSGというポジション自体が無かった。かつて、このポジションはオフ・ガードと呼ばれ、その消極的な名称が示すとおり、ポイント・ガードの補佐的な役割しかなかったようである。それが、シューティング・ガードという、かなり積極的な名称に変更され、スター・プレイヤーの宝庫のようなポジションに変わったのに、理由はひとつしかない。申す迄も無く、3ポイント・ルールの施行である。

 3ポイント・ルール導入以前は、スターはむしろSFに多かったようである。我がラリー・バードはその最後の一人といって良いのかもしれない。同じく、我がレジー・ミラーはスターSGの元祖といっても良い選手かもしれない。マイケル・ジョーダンは特殊な例外だろう。

 オフ・ガードは、ポイント・ガード同様、そのガードという名の示すとおり、その機動力を駆使したディフェンスの主役だったようである。そしてスモール・フォワードが外角のシュートを担当していたようである。しかしながら、3ポイントというルールの導入が、この両者の役割を逆転してしまった。よりゴールから遠いオフ・ガードの方が3ポイントを打ちやすい位置にいるのは自明である。結果的にポジションの名称まで正反対にしてしまった。
 ひとつのルールの導入が、あるポジションの性格を激変させた、他のスポーツにはあまりの例の無い、非常に珍しい事例だと思う。

 SGについては、ここまでにしよう。

 で、このSFとSGの、いわゆるスイングマンのポジションに控えを一人置きたい訳であるが、そのプレイヤーの特徴は、C/PFと同様、ディフェンス・オフェンス両面で、そこそここなせる選手という事になるだろう。でなければ、上記のコーバーやレディックのような3Pの専門家という事になるだろう。ディフェンスの専門家を置くという説もあるかもしれないが、ディフェンス向きのプレイヤーというのは、なるべくコート上に置いておきたいのでベンチスタートには向かないと思う。基本的にはスターターとして使うべきだと思う。

 最後にPGとなるが、ここのポジションに求められる能力は、何といってもコートビジョン、フロアリーダーとしての能力であろう。勿論、ボールを手にしている時間が、全選手中、最も多く、ボール運びもしなければならないのであるから、一定レベル以上のボールハンドリング能力も、当然必須である。

 マジック以降、大型PGが流行りながらも、結局は誰一人成功しなかったのは、大型PGというのは皆このボールハンドリング能力に問題があったからである。スティーブ・スミスや我がジェイレン・ローズ等、その後の大型PGが皆一様に大成しなかったのは、結局はこのボールハンドリングに難があったからである。背が高ければ、その分だけ、どうしてもドリブル時に手からボールが離れている時間が長くなり、スチールされやすくなる。私は先にバスケットボールは背が高ければ高いだけ何事にも有利と書いたが、唯一の例外はこのドリブルである。この点に関してだけは、背が低ければ低いだけ、有利である。
 では、マジックはこの問題をどう解決したかというと、それは例の有名な後ろ向きのドリブルで解決したのである。マジックは、ボール保護のために
、敵のマークマンに背を向けてドリブルしたのである。もちろん、後ろ向きにドリブルしている訳だから、その分だけ当然視野は狭くなる。その狭くなった視野を、マジックは何でカバーしたかというと、それは申す迄も無く、自慢のコートビジョン、ゲーム把握力でカバーしていた訳である。目で見なくとも、コート上で何が起こっているのか、また何が起こるのかを、マジックは知る事ができた、知っていたのである。ノールックパスは、その副産物とでもいうべきであろう。

 マジック以外で唯一成功したといってよい大型PGにアンソニー・ハーダウェイがいるが、彼の場合は活躍期間が短かったので、真の意味で成功といえるかは微妙かもしれない。言葉は悪いが、弱点が露呈する前にコートを去ってしまったとも、言えなくは無い。

 という訳で、PGに最も必要なのはコートビジョン、フロアリーダーとしての能力という事になる。そのほかの能力、例えば得点力に関しては、あればあるに越した事はないが、必須というほどのものでもないだろう。PGはゴールから最も遠い所にいるのであるから、何も無理してシュートする必要はあるまい。ゴールにより近いプレイヤー達に任せればよい。ギルバート・アリーナスやバロン・デービスといった、所謂スコアリング・ガードが結局勝てないのは、その辺に理由があると思う。また、逆に、あまり得点力の無いジェイソン・キッドが一流PGであり続けられるのも、同じ理由である。

 PGに得点力は必要ないと書いたが、個人的には、ローポストが出来るPGは好みである。PGのローポストは、バスケットボールというゲームにおいては、最強の武器であるからだ。単純に敵PGにマンツーマンでマークされていたら、そのままシュートしちゃえば良い訳だし、ヘルプが来たら、空いたところにパスすれば良い。もともとアシストの専門家なのであるから、そんなのはちょろいもんである。マーク・ジャクソンのローポストがかつてのペーサーズの隠れた得点源であったことは、インディファンなら、周知の事実である。

 また、ペニーやマジックの隠れた、それでいて最大の武器がこのローパストであったことは、ファンなら周知の事実である。

 最近は、PGに限らず、このローポスト自体がルール的に禁止とまではいかないものの、「なるべくするな。」みたいになっているのは、ちと悲しい。逆に言えば、このPGのローポストが、ゲームをつまらなく出来るぐらいに強力な武器だとも云える。

 そのほかPGに求められる能力としては、ラン&ガンを採用するチームならば、リバウンド力ということになるだろう。理想のラン&ガンはRGのリバウンドから始まる。

 という訳で、私の理想のPGは深津一成だべし。

 で、このPGとSGの控えに、もう一人必要になる訳であるぴょんが、タイプは二つあるぴょん。ひとつは所謂コンボガード、もうひとつはバリバリのスコアラーである。コンボガードについては、説明不要であろうし、書く事も無いので、これで終わりにするが、スコアラータイプについてはちょっと説明を加える。

 これはPGの控えに限らず、全てのポジションについて、同様の事が言えるのであるが、控えの場合はどのポジションに於いても個人的なパーソナルな得点力がある程度必須である。というのも、スターターと違って、控えの場合は、どうしても、その局面局面でメンバーが一定しないため、チームプレイで得点するということが、なかなかに難しい。一時期のキングスのように、スターターを5人丸ごと変えてしまうという方法もありえるが、それは稀有な例外である。大概はちょろちょろ選手を変えなくてはならない。そこで、どうしても、チームプレイに頼らない、個々の能力でのスコアリングが控えのプレイヤーには必要になってくる。ましてPGである。上記の理由から、パッシングによる得点があまり期待できないため、PGの個人技による得点がどうしても要求される。逆に言えば、得点力の無い控えPGは不要という言い方も出来る。
 という訳で、私の理想の控えPGはボビー・ジャクソンである。

 んな感じである。サクッと書き上げる予定であったが意外に長引いてしまった。暑いからか。でも、次回書く予定のものも長いんだよなあ、これが。でも、ここらで書いとかないと、シーズン始まっちゃうし。

                                                    2010/8/4

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