インディアナポリス研究会

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T.Y.Hilton
お前は誰なんだ。
 コルツファンにおなじみ、ティティワイワイT.Y.ヒルトンである(T.I.M風に、)。

 通常、この選手紹介のコーナーは、初めにその選手のプレイスタイルの紹介とそれに対する私の感想ないし批評を書き、その後、そのプレイヤーのプライベートについての簡単な紹介と私のツッコミというスタイルなのであり、今回も、その心算で文章を用意していたのであるが、ヒルトンについてのセコい調査を進めている途中で、衝撃の事実と邂逅したので、まずは何より、それを紹介したい。

 ヒルトンが、2011ドラフトの3巡92位でコルツに指名された当初から、私はその名前、T.Y.HiltonのT.Y.は、当然ファーストネームとミドルネームのイニシャルだと思っていた。トーマス・ヤングとかその類である。まあ、ヤングちゅうミドルネームは聞いた事が無いが、とにかく何らかのイニシャルだと思っていた。信じ込んでいた。

 ところが、この項を書くにあたって、ウィキを調べてみると、このT.Y.Hiltonのフルネームはなんと、Eugene Marquis Hilton。ユージン・マーキス・ヒルトン。ユージン・マーキス・ヒルトン。TでもYでもねーよ。TでもYでもねーよ。TでもYでもねーよ。TでもYでもねーよ。(無限に繰り返す)。

 コルツファンを始めて、私もかれこれ15年くらいたつが、一番驚いた。間違いなく、過去15年、コルツがらみで、つーかNFLがらみで一番驚いた。TでもYでもねーよ。TでもYでもねーよ。TでもYでもねーよ。(リフレイン)

 じゃあ何故、T.Yかっつうと、父親の名前が「Tyrone」なんだってさ。その頭の二文字、TとYを取って、T.Yなんだと。分からねーよ。ネーミングのセンスがまったく分からねーよ。センスが良いのか悪いのかすら分からねーよ。

 かつて、G+のじーさんアナウンサーがこのヒルトンの事を「タイ・ヒルトン」と何度も何度も読んでいて、「タイじゃねーよ、T.Y.だよ。TとYの間にピリオドがあんだろ、ちゃんと見ろよ、この馬鹿。」と私は毒づいていたのであるが、もしかしたら、この「タイ」の方が正しい呼び方なのかもしれない。うかつに悪口言えねーよ。こえーよ、T.Y.Hilton。つかヒルトン家。

 という訳で、そのネーミングの衝撃が凄すぎて、そのプレイスタイルの紹介はどうでも良くなってきているのではあるが、一応義務的に記しておこう。

 入団当初は、そのいかにもマダムキラーっぽい容貌と、ひょっろとした体形から、いくらか心配もしていた。こいつ大丈夫かいな、と。もっともドラフト3巡なので、スカッとバストでもそんなに痛手ではないので、まあ軽く不安くらいである。

 で、実際ゲームでの動きを見て見ると、ルートランはゆるいし、ハンドも甘いので、あまり期待はしていなかった。ところがどっこい、1年目で50レシーブ、861ヤードを記録すると、Mr.スペシャルチーマー・ヘイワード=ベイを軽くぶっ飛ばしてスターターを勝ち取り、その後は順当に数字を重ね、2016シーズンは1448ヤードでNFLのリーディングレシーバーである。リーグのトップレシーバーのひとりといっても過言ではないであろう。

 その秘密は何かというと、ウェインのところでもちょいと触れたが、その独特のルートランニングに尽きると思う。特別スピードやクイックネスに長けている訳ではないけれども、リズムが独特というか、チェンジ・オブ・ペースというか、とにかく妙なリズムでルートランニングをすると、いつの間にか、ディフェンスが振り切られてしまうのである。

 私はあまり音楽に詳しくないので、音楽の比喩は出来るだけ避けたいのであるが、一回のルートランニングで次々変調するタイプなのである。3拍子で走り始めると、途中で4拍子になり、すると突然2拍子になる、といった感じである。それが毎回変わる。これは今までにいなかったタイプだと思う。少なくとも私は知らない。RBで似たようなタイプはいたと思うが、これをルートランでやったWRはヒルトンが嚆矢だと思う。
 今までのWRは、スピードでぶち抜くタイプや体格にモノを言わすタイプ、正確無比なルートランニングで振り切るタイプなどであったが、こういう特殊なリズムで走るのはヒルトンが初めてだと思う。強いて近いタイプを挙げれば、我らがマーヴィン・ハリソンであろう。

 これがヒルトンの最強の武器であり、それに加えて、2年目以降は、ウェイン先輩、あるいは教師ウェインに教わったのか、それとも盗んだのか、それは分からないが、ハンドが素晴らしく良くなった。ハンドは、本当にウェインにそっくりである。これがヒルトンの第2の武器であろう。

 この特殊なルートランニングとウェイン先輩直伝のハンドがヒルトンの武器であり、中でも、前者の特殊なルートランニングはヒルトンが元祖で、このジャンルは独占できると私は考えていたのであるが、直後というか、同時期というか、このジャンルの超大物が現れてきた。言うまでもない、アントニオ・ブラウンである。

 アントニオ・ブラウンは2010年ドラフトなので、ヒルトンよりドラフト的には2年先輩にあたる。しかし本格的なデビューは2011年、スターターを取ったのは2012年、「アントニオ・ブラウン、パねえ。」となったのは2013年からであるから、あれ、やっぱ向こうが先輩か。スイヤセンした。ナマ云って、スイヤセンした。

 こんなとこか。ホントは、このルートランの話題を中心に据えたかったのであるが、名前のインパクトが凄すぎて、他はどうでも良くなってしまった。つか、E.M.ヒルトンに改名しろ。それが本名だろーが。俺は、これからそう呼ぶ。呼ぶぞ。

                             2017/12/17(日)

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