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Q.Nelson | ![]() 四角い顔二代目。 |
ドラフト時、「オールプロ間違いなし」と謳われ、本当にそのまま、しかもルーキーイヤーにオールプロに選ばれてしまうという、「看板に偽りなし」という意味では、「ゲスの極み乙女。」以来の大物(スパンが短いな。)、クェントン・ネールソンである。 ネルソンのプレイの特長はというと、まずは何といっても、その電車道スタイルのランブロックである。8ヤードくらい進んでいる時がある。いっそ、ネルソンにボールを持たせた方が事が早いんじゃないかと思う時さえある。つかまあ、ネルソンにボールを持たせるというプレイも来季のプレイブックには組み込まれるであろう。私なら、そうする。 一方で、ドラフト時のハイライトフィルムに多かったプルアウト的なプレイは、少なくとも私の記憶にはあまり無い。それは、どっちかというと、反対側のガード、グローインスキーの担当だったように思う。まあ、これはスキーム上の事なので、あんまり当人たちの能力とは関係ないかもしれない。 話をネルソンの電車道に戻すと、とにかく、こんなランブロック、コルツに限らず、過去15年間のNFLで私は見た事が無い。この15年間でベストのガードというと、スティーブ・ハッチンソンやザック・マーティンなどが挙げられるだろうけれども、彼らは、どちらかというと、プルアウト的なランブロックが主武器で、こういう電車道スタイルのランブロックは少なかったと思う。 つかまあ、こんな電車道スタイルのランブロックをNFLレベルでやっているネルソンの方が異常なのかもしれない。高校レベルくらいだと、、彼我の差があり過ぎて、結果電車道という事も多いであろうが、フリーク揃いのNFLのディフェンスライン相手に電車道というのは、はっきりいって異常だと思う。この一点だけでも、この15年間でベストのガードだと思う。 一方、パスプロテクトであるが、こちらは鉄壁というほどまではいかないが、当然のことながら、十分合格点である。さすがにブルラッシュでやられるという事はほとんど無かったと思うが、どうしてもテクニシャン系ちびっこスピード系には出し抜かれる事もあった。まあ、相手の特徴がつかめてくる2年目以降は、「鉄壁」に近づいていく事だろう。 と、ここに紹介した所謂実際的ゲーム的なプレイより何より、私がネルソンを評価する、というか好感が持てるのは、常にボールキャリアを助け起こす「熱い魂」と、何よりそれを可能にする「機動力」である。 このネルソン、「常に」といったら大袈裟かもしれないが、ほとんどのプレイ、つかプレイ終了後、ボールキャリを助け起こしたりハイタッチしたりしている。そんなガード、つうかオフェンシブラインマン、コルツどころか過去15年間のNFLでも私は見た事が無い。まあ、もしかしたらハッチンソンやザック・マーティン、あるいは他のオフェンシブラインマンでも、似たような感じがいたのかもしれないが、少なくとも私は見た事が無い。少なくとも、過去のコルツにはいなかったように思う。サタディあたりは、手を差し伸べていたようにも記憶するが、「常に」では無かったように記憶している。 そうして、そういうボールキャリアに駆け寄っていく「熱い魂」も勿論素晴らしいけれど、それより何より、それを可能にする「機動力」が素晴らしい。RBどころかWRにまで駆け寄っていく。かなりのロングゲインのプレイでも、いる。普通のオフェンシブラインマンには、「熱い魂」はともかく、この「機動力」が無い。これだけでも1巡6位の価値はあると思う。って、それは大袈裟か。でも、今季のコルツの全プレイで私が一番感動している、あるいは印象的なのはコレなのであった。 1巡6位というドラフト時の話が出たので、ちょっと、その事を蒸し返すが、このネルソンのドラフト時のライバルは結局デンバー入りしたブラッドリー・チャッブであった。まあ、ライバル視といっても、コルツファンがどっちにするか迷っていただけで、当人たちにその感情は全くない訳であるし、結果、コルツは選べなかった、というか、ネルソンを選ばされた訳であるが、そのライバル、チャッブの1年目のスタッツは60タックル、12サック、2ファンブルフォース。んで、各賞は無し。一方、ネルソンはオールプロ・ファーストチームにプロボウル。オフェンス新人王は、ポジション的な理由もあるし、メイフィールドやバークリーの活躍もあって、逃がしている。 ガードとパスラッシャーをスタッツや各賞で比較すること自体、無理な話なのであるが、印象的には1年目終了時はネルソンが一歩リード、かな。 まあ、いずれにせよ、怪我さえなければ、向こう15年間、コルツの顔、それどころかNFLの顔となるような選手になる事は確定的なので、乞う御期待。 2019/3/12(火) |
B.Smith | ![]() とっつきにくい顔。 |
今季というか昨季というか横浜ベイスターズがドラフト1位で指名した投手の名は上茶谷大河という。もはや日本人の名前とは思えんな。映画や小説の題名かと思ってしまった。まだオコエ瑠偉の方が日本人の名前っぽい。いわんや大坂なおみをや。 私ももうかれこれ40年近くプロ野球を見てきたけれども、ダントツナンバー1の珍名さんである。伝説の南牟礼豊蔵と源五郎丸洋を超えたと思う。いや、確実に超えた。豊蔵と洋はまだ名前っぽいもの。 この両者は選手としてはイマイチだった(これも名前負けと云うのだろうか?)ので、上茶谷大河君は、名前負けをせず、選手として大成して欲しいものである。 と、お得意の、本題とは何の関係もない話で始めてみたが、ブレイディン・スミスである。 ドラフト時、全体6位でネルソンを指名してからの全体37位で同じくガードのスミスを指名という事で、「てめー、ヤリチンか、ヤリマンか。」と私はやいのやいの罵倒したのであるが、ルーキーシーズンが始まると、第5週でライトタックルのスターターを務め、そのまま正ライトタックルの座を勝ち取った模様。このままいくと、ライアン・ディーム以来の、コルツファン待望の正ライトタックル誕生となる。 ドラフト時は、「腕が短いのでタックルは無理」みたいなスカウティングレポートであったが、その評価もどこ吹く風、持ち前のフットワークできっちりライトタックルをこなした。分からんもんである。 ジャラウド・パワーズの記事で、私は「オーバーン出身は堅実なキャリアを送る選手が多い」みたいな事を書いたけれども、このブレイディン・スミスもその一人となって欲しいものである。いやマジで。 2019/3/21(木) |
R.Kelly | ![]() エリート面。 |
私がコルツファンになって以来、そのドラフト指名が最も嬉しかったのが、このライアン・ケリーである。「欲しい、欲しい。」と思っていた選手が、実際指名された時の嬉しさったら、無い。その詳細は当時のドラフト記事を読み返して欲しい。 で、それから丸3シーズン経過した訳であるが、当時の「嬉しさ」が今も継続しているかというと、ちと微妙。怪我が多いのは致し方ない面もあるが、正直、私の期待に応えているかというと、ちと微妙。 ランブロック、パスプロテクトといったパフォーマンスは勿論及第点である。不満はない。プロボウルやオールプロも見えているであろう。しかしながら、なんつーか、こう「グワーッ」っと来るものが無い。実も蓋もない言い方をすると、リーダーシップが感じられない。 まあ、地球の裏側からテレビで見ているだけの人間に、そういう内面的な事は最終的には判断が付きかねるのだけれども、少なくともテレビ画面を通しては伝わってこない。前任者のサタディからは溢れるほどに伝わってきたし、それを期待しての全体18位指名である。単純に肉体的なプレイのみだったら、1巡18位は使えない。それだけだったら、控えのエヴァン・ボームやジョシュ・アンドリューズでも十分である。63番のセンターはやっぱ萌える。 つー訳で、もうそろそろ再契約話も出てくる頃であるが、私的にはちと微妙である。私の「FA残すランキング」ではランク4ないし3まで落ちている。ちなみに、「FA残すランキング」は以下のようにカテゴライズされている。 5:ぜってー残す。 4:基本キープ。ただし状況次第でリリース。 3:どっちでもいい。 2:基本リリース。ただし状況次第でキープ。 1・ぜって―捨てる。 まあ、現コルツメンバーが私の中でどのようにランク付けされているかはひとまず隠しておくとしよう。ちなみに、ランク5は二人しかいない。 つー訳で、ケリー君にはもうひと頑張りして欲しいのであるが、ケリーについて考える場合、まあやっぱり、蒸し返すようであるが、アラバマ出身の難しさ、扱いづらさというのは、矢張りあると思う。世界一のチーム、世界一のヘッドコーチの下でやってきたという自負が、このケリーに限らず、プロ入り後邪魔しているように思えてならない。 アラバマにリクルートされ、なおかつドラフト上位で指名されているのだから、実力的には申し分ない筈である。ところが、プロ入り後大成した選手は少ない。ディケードでのオールプロとなると、一人もいないのではないだろうか。候補も思いつかない。ぎりぎりフリオ・ジョーンズだろうけど、アントニオ・ブラウンやカルヴィン・ジョンソンと比べてどうかというと、もうひと頑張りが必要であろう。 あと、ディケードのオールプロとは対極的な話になるが、アラバマ出身はルーキー契約後リリースされちゃう選手が結構多いような気がする。プロボウルとかにも選ばれて、「結構活躍してんな〜。」とか思っていても、案外簡単にリリースされちゃう。勿論、チーム事情もあるのだろうけれど、やっぱりアラバマ出身者独特の扱いづらさがあるのだと思う。 また、この説は巷間流布してはいるものの、私はあまり信じていないのだけれども、「アラバマ出身者はチームメイトに恵まれているので、過大評価されている。」という説がある。私は、「そもそも、アラバマにリクルートされているのだから、素質的には申し分なく、しかも全米有数のプログラムで訓練されているのだから、実力的に問題がある訳がない。」という説の支持者なのだけれども、この10年間の結果をつらつら眺めてみると、矢張り前者なのかなあとも思ってしまう。 という訳で、ライアン・ケリー君、もうひと頑張り必要だぞ。 ちなみに、フルネームは、Ryan Patrick Kelly。 2019/3/27(水) |