2015年 3月 |
俺オールプロ’14 | NFL界隈的にはFAやらドラフトやらFAやら、謂わば来るべき未来についての話柄が真っ盛りであるが、私はそんなのを全然無視して、過ぎ去った過去(変な日本語)について書く。俺オールプロ’14である。まずはオフェンスから、 《オフェンス》 QB:カーソン・パーマー(ARI) 彼の怪我はリーグの趨勢を決した。 RB:デマルコ・マーレー(DAL) なんかしょっちゅう選んでいる気もするが、今季は選ばざる得ないだろう。 OL:DAL で、その原動力。 FB:タイラー・クラッツ(DAL) で、その相棒。 WR:アントニオ・ブラウン 5−10 (PIT) 最近はやりのタイプ、その1。 T・Y・ヒルトン 5−9 (IND) 最近はやりのタイプ、その2。 コール・ビーズリー 5−7 (DAL) ちっちゃい、ホントちっちゃい。 《ディフェンス》 DL:カイル・ウィリアムズ(BUF) 隠れた実力者が遂に表面化した。 ンダマコン・スー(DET) こっちは最初から表面化してたけどな。 J・J・ワット(HOU) ヒューストンの至宝。 LB:ダレル・ワシントン(ARI) このケガも痛かった。 ジェームス・ローリナィティス(ST) 毎年安定した成績を残している割には世間の評価は低いような気がする。 プロレスラー差別か。 ジャスティン・ヒューストン(KC) いや、22サックって。 エルヴィス・デュマービル(BAL) フリーニーの二番煎じからようやく脱したかな。 CB:ボンタ・デービス(IND) いや、ボンタだろーが。 ブランドン・ブラウナー(NE) NE優勝の立役者。 S:アール・トーマス(SEA) このコンビがちょっと抜けている。他に候補者がいない。 キャム・キャンセラー(SEA) このコンビがちょっと抜けている。他に候補者がいない。 《スペシャルチーマー》 K:ダン・カーペンター(BUF) 記録を見ると、何気にスゴイ。 P:ジョン・ライアン(SEA) すんごいゲームだったので、あんまり話題にならなかったが、あのスーパーボウルでの タッチダウン・パスって、結構難しいパスだったと思う。 RS:該当者なし LS:該当者なし 《三賞》 MVP:J・J・ワット(HOU) いや、ワットでしょう、やっぱ。 新人王:ザック・マーティン(DAL) ルーキーでオールプロ(本物)って、あーた。 コーチ・オブ・ジ・イヤー:ブルース・エイリアンズ(ARI) 順当。 しかしNFC西のコーチ陣ってスゴイな。コーチ・オブ・ ジ・イヤーたらい回しか。 《総評》 なんかオフェンスはダラスだらけになってしまったが、今季はマーレーの年だったので、致し方あるまい。元々好きな選手でもあるし。その他のダラスの選手も謂わば芋づる式に選んでしまった。 その中にあって、WR陣にちびっこ三人衆を選出できたのは個性を出せたと思う。WRというと、身長が美点になりがちであるけれど、それだけではないという事が示せたんじゃないかな。実際、この三人の他にもちびっこWR業界の御大ウェス・ウェルカーとかスティーブ・スミスとか低身長でも十分数字を叩き出せるポジションだと思う。 また、WRを3人、さらにはFBを選出する関係で、選出の無かったTEであるが、このポジションはここ数年で本当に凋落したポジションだと思う。5年位前は、誰を落とすのか大いに迷ったものであるが、ここ数年はパッと名前が上がらない。単純に選べば、グロンコウスキーしかないだろうが、それもつまらないので外した次第である。 こちらは、ダレル・ワシントンとかローリナイティスとかを選んだのが自慢かな。どうしても、不人気チームのプレイヤー、特にディフェンスの選手は評価が低くなりがちなので、こういう選手はドンドン選んでいきたい。ワシントンなんて先輩格のダンスビー同様、本当に凄い選手だと思う。世間の評価的にキークリーの後塵を拝しているのは、アリゾナファンならずとも不満であろう。まあ、パンサーズも決して人気チームとは言えんが。 スザンヌと里田まいの対談が見たいのは私だけではあるまい。2015/3/25(水) |
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2015年 4月 |
FAについて | ドラフトもあと数週間後に近づいてきているが、その前にFAについての感想、というか私の一般論について書き留めておきたいと思う。 今オフのコルツの近年まれに見るFA獲得祭りであって、カタカナで煩わしくなるので詳細は省くが、面白いように釣れた。まあ、アンドリュー・ラックという現NFLFA釣場における絶対最強唯一の釣り餌を保持している以上、こういう結果になるのは火を見るより明らかだったのであるが、にしてもである。FA解禁からの1週間でコルツの平均年齢はオトナノカイダンノボル銃で撃たれたかのように上がってしまった。 もっとも、今オフFAにおける最大唯一の大物といわれるスーは逃してしまった訳であるが、これは致し方が無い。金銭面で折り合いが付かなかったのであろう。スーにしてみれば、人生最初で最後(っつたら大袈裟か。もしかしたら引退後、不動産業で大儲けするかもしれないしな。)の大金を手に入れるチャンスである以上、勝利より金、今は守銭奴のように金になるのも無理からぬ所である。 一方、コルツサイドとしても、これから数年のうちにラックの再契約が控えている以上、あまり無理な契約は出来ない。キャップヒット的に無理と判断したら、引くのが賢明な判断であろう。 とまあ、今オフのコルツはFA釣り大会においては大勝利なのであるが、個人的にはこれを私は高く評価しない。勿論、ゴアもアンドレ・ジョンソンも好きな選手なので彼らをコルツとして応援できることはわたくし個人的にも大変喜ばしい事なのであるが、私はNFLにおいてはFAでチームを作るのは難しい、というよりほとんど不可能であると考えているからである。その理由は3つある。 一つ目は、これは当然ちゃあ、あまりにも当然の話なのであるが、ハードキャップである。ハードキャップである以上、FA獲得には上限、それもかなり低い上限がある。単純にハードキャップで無理なのである。 二つ目は、これは一つ目よりも、よりフットボール的な理由なのであるが、多人数である。 NBAの世界では、「スーパースターを3人揃えれば、即優勝。」とよく言われる。これも当然の話で、バスケットボールが5人でするスポーツである以上、その5人のうち3人がスーパースター、ファーストチーム級の選手だったら、敵チームはまず太刀打ちできない。最も単純かつ効果的な戦術であるダブルチームが数字的に使えなくなってしまうからだ。そのほかにも、理由はいろいろ考えられるだろうが、5人のうち3人、すなわち50%以上が圧倒的な力量を持っていたら、そりゃ簡単に勝てる。 ところが、この戦略はフットボールでは使えない。カレッジはまたちょっと違うかもしれないが、少なくともNFLでは使えない。だってプレイヤーが多過ぎるから。フィールド上だけでも11人、しかも実質的には攻守それぞれ11人ずつに加え、スペシャルチーマーやローテーション・プレイヤーも加えれば、30人近くがレギュラーといって良いゲームである。そのうちの半分以上、15人以上をスーパースターにするのは、やってやれない事は無いだろうが、事実上不可能であろう。 仮にハードキャップという制約が無く、オーナーの財布が四次元ポケット並みに無尽蔵としても、難しいであろう。それだけの人数のスーパースターが数年のうちにFA市場に現れ、なおかつほとんどの選手と契約できるなんて事は確率論的に非常に低いだろうからである。 三つ目は、上記二つが数字的な理由であったのに対し、こちらはよりフットボールというゲームの本質的な理由である。それは、フットボールというゲームは、経験よりも肉体の方が重要なスポーツであるという点である。実も蓋もない言い方をすれば、豊富な経験より若くてケガの無い肉体の方が重要なスポーツだという事である。更に言葉を変えれば、経験が積み重なる前にケガしてしまう、あるいは肉体的に衰えてしまうスポーツだという事である。経験の堆積より肉体の疲弊の方が大きいスポーツなのである。 また、他のスポーツ、例えば野球やバスケットボールに比べ、試合数、すなわち経験数が絶対的に少ないスポーツだという点もあるだろう。結果的に、経験より肉体の方が重要なスポーツになってしまっている。 実際、優勝チームの平均年齢はMLBやNBAに比べずっと若いと思う。NBAなどは、むしろ30代中心でなければ優勝できないリーグである。それに比べ、NFLは20代中心でなければ優勝できないリーグである。そもそも30代のプレイヤーはMLBやNBAに比べ、ぐっと少ない。NBAはおっさんが優勝するチーム、NFLはチンピラ、もとい若者の優勝するチームとも云えるであろう。 ぶっちゃけていえば、20代、それもルーキー契約下にあるプレイヤーがどれだけ活躍するかに掛かっているリーグだといって良いと思う。近年のシーホークスなどはその典型である。優勝チームは皆20代中心である。強いて例外を挙げれば、2012年シーズンのレイブンズぐらいであろう。 また、優勝云々を抜きにしても、FA選手が効果的に活躍した事例は少ないように思われる。ここ3年のコルツを振り返ってみても、エイブリーを手始めに、グリグソンの趣味なのか、いろんな選手とFA契約をしてきたけれども、成功といって良いのは、レディングとぎりぎりマイク・アダムス34歳くらいである。あとまあ、トレード選手まで拡大してもボンタが唯一の成功例であろう。 ポリアンが一発必中でヴィナティエリと契約し、成功したのとはあまりに対照的である。あとまあ、ストークリーも成功のような不成功のような感じであるが、これはマニング人脈なので例外。 また、なんつーか、ちょっと話は逸れるが、グリグソンの肩書好きは、ちょっと困ったものだと思っている。元ドラ1とか元プロボウラーとかいうような肩書きに滅法弱い。 その選手の実力を買って、そこにたまたま肩書きがあったというのなら兎も角、単に肩書きだけを買っているのなら、私はちと不安である。それは鑑識眼の無い証左だからである。自分の目でその物や人物の価値を測れるのなら、肩書や値段は無視できる。逆に云えば、肩書きや値段を判断材料しているという事は、自身に鑑識眼が無い、あるいは自身の鑑識眼に自信のない証左だからである。まあ、肩書きや値段というのは、一種の判断の平均点、あるいは最大公約数であるから、それを信用するのは一つの方法ではあるけれども。 話をFA選手に戻すと、ここ最近のNFLでFA選手がチームの軸になるような活躍をしたのはレイブンズとナイナーズのボルディンくらいか思いつかない。あとはミネソタのジャレッド・アレンくらいか。 もうひとつ、というかふたつ、巨大な成功事例、ブリーズとマニングの事例があるけれども、これは例外中の例外であろう。ポジションがQBであるというのが非常に例外的であるし、彼等が元のチームを放出された理由も、非常に特殊な突発的な理由なので、この事例をチーム戦略に編み込むことは出来まい。 FA選手との契約という意味で、最も模範的なのは、ここでもやっぱりベリチックだと思う。古くはランディ・モス、昨年はダレル・リーヴィスと、チームの短期的な弱点を上手くFAで補うという、理想的なFA使用法であったと思う。ポイントは1,2年で素早くリリースという点である。大物FAとの契約、あるいは付き合い方はこれしかないと思う。 ベリチックといえば、ウェス・ウェルカーとのFA契約もあるけれども(トレードだったっけ、)、これは、ウェルカーが市場に出た段階では、大物では無く、せいぜい知る人ぞ知る実力者の過ぎなかったので、特例と考えるべきであろう。むしろ、スチールに近い。つか、セイバンとのインサイダー。 とまあ、色々書いてみたが、NFLの世界においては、FAというのは理論的に言っても、実際的に見ても、本質的なチーム補強には成り得ないというのが私の持論であるし、また当分変わりそうにないと思う。せいぜいパートタイム的な手当てに過ぎないであろう。NFLのチームは新卒社員でチームを作るリーグであり、NBAは中途採用でチームを作るリーグだとも云えるであろう。 つう訳で、次回はその大事なドラフトの話。 2015/4/16(木) |
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ドラフトプレビュー | さて、問題のドラフトである。29位である。つまんねー。弱いチームのファンには誠に申し訳ないが、まったく萌えない順位である。毎年、言ってけど。 件の映画「ドラフト・デー」(観てねーけど、)では主人公のチーム(ブラウンズ)の元々の指名権は7位であるそうだが、成程その位の順位がドラフトではもっとも面白い順位だと思う。6位から10位ぐらいである。 より上位の方が面白いという意見もあるであろうが、1位から5位ぐらいだと、欲しい選手は、余程奇跡的に他チームと被らない限り、まず獲れるし、逆に獲れない選手は絶対に獲れない(20012年のラックが良い例)ので、そんなに面白味は無いと思う。特に全体1位のつまらなさは、2012年のコルツファンがさんざん味わったと思う。昨年のヒューストンファンなどは、誰を指名するかでちょっと面白かったろうが、あくまで自チームで完結しているので、他チームまで巻き込んだ深い考察は要らない。 1位〜5位というのは総じて欲しい選手が獲れる順位であり、あとは誰を指名するかだけの問題であると思う。 一方で、6位〜10位ぐらいは、まあせいぜい15位くらいまでは、欲しい選手が獲れるような獲れないような順位、トレードも含めて、他チームとの兼ね合いも非常に重要になってくる順位なので、ドラフトは本当に楽しい順位だと思う。欲しい選手を取るために足掻くべきか、それとも獲れる選手を順当に指名すべきか、楽しく悩める順位だと思う。しかも、当該選手はオールプロ、プロボウルが予想される選手ばかりなのだから、なお楽しい。なおかつ、チームは弱い、すなわちチームの軸になる選手の指名なのだから、なお楽しい。コルツファンも一度は味わいたいものである。とかいって、来季、6勝で終わったら、キレルけど。 さて、その29位のくそつまらないコルツのドラフトであるが、毎年恒例になりつつあるポジション別の考察をしてみようと思う。 《QB》 ないない、ギャグも思いつかないくらい無い。実際、ラック&ハッセルベックは現状リーグナンバー1のQBタンデムだと思う。意味無いけど。つか、ここ10年でもベストのQBタンデムではないだろうか。意味無いけど。2009年のセインツのブリーズ&ブルネル以来、つか大袈裟に言えば、モンタナ&ヤング以来のタンデムではないかと思う。意味無いけど。しかも、最終的にはともかく、当時のヤングはまだ実績は無かったので、実績のあるQBタンデムとしては、大袈裟に言えば、リーグ史上最高のタンデムなのではないだろうか。意味無いけど。 とまあ、意味無い意味無いと書いたけれども、ラックの数試合の欠場だったら、それが痛手にならないくらいの意味はあると思う。マニング時代だったら、マニングが3試合欠場したら、オートマチックに3敗決定だったけれども、現状なら、仮にラックが3試合欠場しても、相手にもよるが、1勝、上手くいけば2勝くらいはハッセルベックで稼げると思う。さすがにラック全休は厳しいと思うが。とかいって、ハッセルベックで優勝しちゃったら、ラックの立つ瀬がないけど。 《RB》 問題のポジションその1。FAでゴアを獲得したものの、そもそも現状どういうロースターなのか、それすら分かっていないポジションである。バラードは構想に入っているのか、ヘロンやチップトンの位置づけは、更にはブラッドショーとの再契約はあるのか等々、どういう布陣で臨むのか、さっぱり分からぬポジションである。そもそも、ゴアにしたって、エースとしてガンガン使うつもりなのか、使い勝手の良いベテラン・バックアップなのか、それすら分からぬ。 という訳で、RBの使命を予想するモックも多いのであるが、私はあまり気が進まぬ。 ガーリーやゴードンといったトップ・プロスペクト29位まで残っていそうであるので、それらを予想するモックも多いが私はあまり気が進まぬ。 まずはガーリーであるが、実力的には申し分ないが、ケガ持ちはちょっと気が引ける。ACLでRBとなると、勿論全快も考えられるけど、ちょっと手は挙げづらい。 次は、ゴードンであるが、バリー・サンダースに次ぐ、シーズン2587ヤード29TDsというとんでもない数字を叩き出したRBであるけれども、私はやはり気が進まぬ。というのも、その2587ヤードのラッシング能力はともかくとして、パスオフェンス能力、すなわちパスレシーブとパスプロが、下手という以前に未知数であるらしいからだ。プレイ参加数が全然少ないらしいのである。 また、ウィスコンシン大学というのが伝統的に非常にOLを整備しているらしく、その自慢のラッシング能力もそのまま鵜呑みには出来ないらしい。一つ間違えるとバストらしく、有名どころではロン・デインが挙げられる。 という訳で、どうせ来期(つーか、しばらくは、)のコルツはバカげたパスハッピーをする訳であるから、ゴードンはコルツ向きではないと思われる。指名したら、両者にとって不幸な結果になると思う。ゴードンに向いているのは、OLが整備されていて。ラン・オリエンテッドなチーム、例えばカウボーイズなんかが向いていると思う。 今ドラフトでパスハッピー向きのRBというと、アブドゥーラとアジャイになるだろうが、彼等を2巡61位で指名できたら、確かにおいしいと思う。ただ、需要が高そうなので、29位以前に消えている可能性も高いと思う。じゃあ、29位にアブドゥーラないしアジャイが残っていたら、どうするのかというと、私は個人的にはスルーしたい。どうせ、パスハッピーなのだから、29位を使う必要はないと思うからである。どうせ、エースでも20回以上はキャリーさせない訳であるし、61位以下で十分だと思う。 ただ、1巡を使って指名しても良いかなと思うRBは一人いる。それはテビン・フージャーズ・コールマンである。ゴードンの2587ヤードの陰に隠れてはいるが、こちらも2036ヤード走っている。スタイル的には典型的なコテコテのRBらしいけれど、フージャーズで2000ヤード走って、コルツから鼻水もひっかけられないんじゃ、あまりに悲しすぎるので、ジモティ−枠で指名しても良いと思う。あくまで、最後の手段だけどな。 もっとも、ガーリーとゴートンには、上述したように、致命的な不安材料があるので、案外、RBで最初に指名されるのは、このコールマンかもしれない。29位までは残っていないかな。 《WR》 FAでジョンソンを獲得したことを考慮すれば、普通は指名の予想は低いポジションである。 実際、ジョンソン、ヒルトン、モンクリーフと並ぶ先発陣は理想的夫人、もとい布陣であり、ジョンソンの衰えをどう見るかによって意見は分かれるであろうが、全盛期の70%と考えてみても、リーグナンバー1とまではいかなくともリーグ有数の布陣であろう。 また、バックアップ陣もビンセント・ブラウンにデュロン・カーター(クリス・カーターの息子でCFL上がりという、謂わば血統証付きの苦労人という、凄いんだか凄くないんだか、訳の分からない設定を背負う男)という、開けてみなくちゃ分からないところなくはないが、まずまずの布陣ではある。 という訳で、WRを予想するモックは当然少ない、つか多分皆無であろうが、私はちょっと指名してみたい。というのも、今ドラフトは昨年に続いて、WRがなかなか豊富だからである。昨年はエース級がゴロゴロといった印象であったが、今年は2番手3番手クラスがゴロゴロといった印象である。しかも、ハンドとルートランに長けたプレイヤーが多い。まさしくポリアン好みのWRが多い。年々複雑化するNFLのパスオフェンス業界において、この手のタイプは何人抱えていても、損は無いと思われるので、状況次第では指名したい、つか指名して欲しいポジションである。 個人的な好みは、ネルソン・アゴラ−とラシャード・グリーンであるが、ここにきてアゴラーの株は急上昇なので、おそらく29位までは残っていないと思う。下手すりゃ20位以内に消える可能性もある。まあ、USCの先輩であるウッズやリーの状態を見れば、非常にプロ向きであるのは安易に予想できるので、ここにきて人気急上昇も頷ける。 29位にアゴラーが残っていたら、もし私がGMだったらニーズ無視で飛びついちゃうだろうなあ。 一方ラシャード・グリーンは、こちらは全然人気が無いので、61位で指名できたらおいしいと思う。あと、グリーン=ベッカムは堪忍な。 とか書いて、ネットをふらふらしていたら、ここにきてラシャード・グリーンも人気急上昇らしい。61位まで残っていなさそう。 《TE》 ないない、ギャグも思いつかないくらい無い。フリーナー、アレンのタンデムは、リーグナンバー1とまではいかなくとも、リーグ有数のコンビである事は間違いないし、ドイルまで含めたTEトリオという意味では、リーグナンバー1だと思う。そこに練習生のスウープまで含めれば、どう考えても補強の必要はないポジション。 また、今ドラフトはTEの層が歴史的に薄いらしいので、下位まで含めても指名は考えにくい。唯一のタレントといわれるマックスス・ウィリアムズが残っていても、仮に61位で残っていても指名は見送るんじゃないかなあ。 かつてのジミー・グラハムのように掘り出し物的なのはいないかなとちょっと調べてきたが、それも無し。コルツに限らず、各チームともに今ドラフトはTEの使命は控えると思う。歴史的にTEの使命の少ないドラフトになるのじゃないだろうか。もっとも、そういう年に限って、歴史的タイトエンドがひょっこり隠れていたりするんだけどな。 《OL》 問題のポジションその2。コルツといえばOLが弱いというのがNFL界隈全体のコンセンサスらしく、あちこちでOL指名のモックを見かけるけれど、一コルツファンとして言わせてもらえば、OLが弱いという印象は無い。少なくとも数が足りていないという印象は無い。むしろ、数は多すぎるぐらいである。ただ、スターターが誰なのかが全く分からないのである。デプスの序列が分からないのである。 たとえば、FA加入したハーマンズはスターターを予定しているのか、貴重なベテランバックアップなのか、それが分からない。昨季のスターだった、ソーントンはケガが癒えれば、またスターターに戻るのか、それが分からない。ドナルド・トーマスはコルトと云えるのか否か、それが分からない。 という訳で、巷間コルツのOL指名が獲り立たされているが、一ファン的にはあまり必要性は感じていない。全ポジション・オッケーOL(なんか、やらしく響くな。)キャム・アービングなんか指名したら、むしろ混乱が深まるだけのように思われる。むしろ、かつてのハワード・ムードのような優れたOLコーチを指名したいぐらいである。 ここで、ちょっと話が逸れるが、今ドラフトナンバー1と評されてきたアンドレアス・ピートが29位まで残っているというモックもちらほらある。私が各スカウティング・レポートを読んだ限りでは、LTとしてはパーフェクトみたいな評価だったので、かなり意外である。一部にヤワという評価もあるけれど、RTならヤワはちょっと懸念材料かもしれないが、LTなら、むしろそれは柔らかい、あるいはしなやかという事でむしろ美点のように思う。そういう選手が29位まで残っているというのは意外なモックである。 これは、ピート本人の能力の問題というよりは、むしろLTというポジション自体の価値の低下が主因のように思う。5年前だったら5位以内で間違い選手だったと思う。彼のようなパスプロ型のLTは特に評価というか、価値が下がってしまっているのだと思う。2007年に3位で指名されたジョー・トーマスが今年エントリーしていた、何位で指名されるだろうかなんていうのは面白い議論だと思う。 で、その問題のピートであるが、29位まで残っていたら、大いに悩むだろうなあ。指名してカスタンゾ・リリースという手もあるし、どっちかをRTという手もある。悩ましい。私がGMだったら、悩みに悩んで、結果スルーかなあ。でも、スタンフォード枠だしなあ。 ちなみに、ラインマンを物色していたら、面白そうなのを発見したのでちょっと紹介しておこう。それはアリ・マーペットである。ホーバート大というディビジョン3出身の頑張り屋さんである。シニアボウルとコンバインで頭角を現し、ドラフト圏内までのし上がってきた頑張り屋さんである。特に40ヤードは4.98というとんでもない数字を叩き出している。まあ、それがラインマンにとって、どういう意味のある数字なのかはよく分からないが。 まあ、その数字の価値はともかくとして、そのヤル気を私は買う。3巡あたりでリーチ気味に指名しても、面白いんじゃないだろうか。単なるワークアウト・ウォリアーという説も無くはないが。 《DL》 レディングが抜けたとはいえ、頭数が足りていない訳ではないので、火急を要している訳ではないが、ローテーションが基本のポジションなので、常に補強は考えておきたい。 しかも、29位というのは、DTを指名するには手頃なポジションである。勿論、今回で云えば、レオナルド・ウィリアムズのようなトッププロスペクトがこの順位まで落ちてくることはまずないけrども、この順位あたりで意外な、というかおいしい指名の多いのが、このDTというポジションなのである。 というのも、このDTというポジションは、QBと同等、というか、ある意味QB以上にドラフト時の見極めが難しいだからである。どうしても、このポジションは周囲(味方DL、敵OL)の能力にスタッツが左右されやすいので、真価が測りづらい。結果、1巡上位では指名しづらくなり、ズルズルと降下してしまう。ところが、1巡下位ならスコーンと外しても痛くも痒くもないので、とりあえず指名、まんまとスターター、上手くいけばプロボウル級をゲットという結果になりやすい。 ちなみに、同じタックルでも、この順位まで落ちてくるLTは結構危険だと思う。22位でスターターだったカスタンゾは上手くいった部類だろう。 また、同じOLでも、この順位まで落ちてくるREは結構危険だと思う。REやLTというのは、基本というか、かつては1on1が主体だったので、スカウティングがしやすかったのだと思う。もっとも、最近は、上述したように、LTをめぐる状況が変わったので、同じことは言えないかもしれないが。ピートが落ちてきたら、どーすっかなあ。 閑話休題。そのDTであるが、今ドラフトでは、そういう1巡上位で指名するにはちと怖いが、1巡下位ならというのが、数名いる。で、コルツのモックに多いのが2名、エディー・ゴールドマンとジョーダン・フィリップスである。実際、私も目を付けていた。 両者ともに、所謂動けるデブで、特にフィリップスはバルクアップされた大きさというよりは、本格的にフレームからデカいらしい。 今ドラフトでは、この手の動けるデブが多く、エントリーしていて、ダニー・シェルトンとマルコム・ブラウンも同様であるが、こちらは、ゴールドマンとフィリップスに比べるとより完成度が高いと評価されていて、上位で消えると予想されている。また、カール・デービスも同様に動けるデブであるが、私の見たところ、上述4者に比べると、やや小粒な印象である。 ゴールドマンとフィリップス、甲乙付けがたいのであるが、個人的にはフィリップスを推したい。典型的なブルームorバストのプレイヤーであり、名前的にもバスト臭が濃厚に漂っているが、逆に底知れぬスケールも感じる。その妖しげな感じに賭けてみたい。スコーンと外しても、痛くもかゆくもないし、はまれば、オールプロっぽい感じもするし、面白い存在だと思う。 《LB》 ここは無いんじゃないかな。まず、ILBであるが、とりあえず、ジャクソン、フリーマンとスターターはいるし、どこかで書いたように、このポジションはストリートでもゴロゴロしているから、わざわざ1巡を使ってまで指名する価値は無いと思う。パトリック・ウィルス級でない限り、1巡は使いたくないポジションである。しかも、今年のトッププロスペクトはマッキニ−やヘンドリクスである。いかにもスケール感が無い。彼らを予想するモックもちらほらあるが、私は1巡どころか2巡でも反対である。 一方、OLB。そりゃ欲しいよ。欲しいさ。エッジラッシャー、プレミアパスラッシャー欲しいさ。でも、この順位まで残っていない。絶対に残っていない。ルームorバスト・クラスも残っていない。上記のDLの項目でDEを割愛したのも同じ理由である。 下位候補で面白そうなのがいないかと、ドラフトガイド誌をペラペラしていたら、目に付いたのはカイル・エマニュエル。FCSだけど、19.5サック。各誌ともに、「腕が短すぎて、パスラッシャーとしては、どうにもなんねえ。」みたいな評価だが、宝くじ的に指名してみっか。多分、ダメだけど。 《CB》 ボンタというオールプロ級がいて、トーラー、バトラーとそこそこのスターターもいる。そういった意味ではニーズではないが、数がいても全然困らないポジションである。ニッケルでもダイムでも、いくらでも使い道はあるし、ノーバック当たり前の現今のNFLでは5人目のCBがいても全然困らない。 そういった意味では、面白そうなのがいたら、一巡で指名しても全然オッケーなポジションである。出来れば、Sも兼ねられるトィーナーが欲しいのであるが、私はリストアップできなかった。グリグソン以下、担当者には是非とも見つけて欲しいものである。 と思って、ちと振り返ってみたのであるが、グリグソン体制になって以来、CB、更にはSまで含めたDBをあまり指名していない。過去3年、グリグソンの指名したポジションと順位をまとめると、以下の通りになる。
こうやって改めて調べてみると、オフェンス過多である事、中でもOLの指名の多い事、下位ピック、特に7巡の多い事等々、いろいろ気付かされる。3巡以上のディフェンス・プレイヤーはワーナーだけなのな。確かに、冷静に考えると、ディフェンスはFAばっかだもんな。 で、CBはやっぱり指名しておらず、DBはSのただ一人だけである。それも7巡、しかも、もはやロースターにいない。毎年のようにCBを指名していたポリアン時代とは非常に対照的である。これが戦略的なものなのか偶々なのかはさっぱり分からぬ。 《S》 んで、S。問題のポジションその3である。スターター待遇で獲得した筈のランドリーは、なんかよく分からないままカットされ、暫定スターターだったセルジオはJAXに奪われ、マイク・アダムス34歳&輩という訳の分からぬデプス状況である。そもそも、その遠因は、上記したように、この3年間まともにDBを指名してこなかったドラフトにある。付けが回ってきたという訳である。 で、S指名を推すモックも多いのであるが、今ドラフトは、上記のTE同様とまでは言わぬが、Sもなかなかの不作であり、1巡指名相当のプレイヤーはランドン・コリンズただ一人という状況である。なんか掘り出し物的なのはいないかと私も調べてみたが、みな帯に短し襷に長し、これぞといったピリッとしたのがいない。 という訳で、29位までにコリンズが残っているか否かが全てなのであるが、多分残っていないと思う。昨今のNFLはSに若手有望株が少ないので20位以内で消えると思う。 ただまあ、仮に29位にコリンズが残っていたとして、なおかつ、ここに上記したような選手が皆残っていたら、迷うなあ。私だったら、いろいろ悩んだ挙句、スルーすると思う。やっぱ、どうしてもSは後回しになってしまう。 とはいえ、Sのデプス状況が悲惨な状態にあるのは事実なので、どこかの順位で誰か指名しろ。FSでもSSでも、どっちでもいいわ。わがまま言っていられる状況ではない。 ちなみに、個人的に気になっているのは、ジョーダン・リチャーズである。運動能力的には平凡らしいが、キャラクターが素晴らしいらしい。セルジオの後釜として、ピッタリじゃないか。何より、PFW改めPFN誌の顔写真が気に入った。スカーッと笑っとる。スタンフォード閥で指名してみんのも一興だと思う。 《K/P》 ないない、ギャグも思いつかないくらい無い。ただ、ここで私が云いたかったのは、キッカー、パンターともにオールプロって、意外に珍しくね、って事である。実感まるでないけど。こういう選出を見ると、投票者は数字しか見ていないなというのがよく分かる。投票というものが本質的に持っているマヌケさ加減がよく分かる。 以上、ポジションごとの考察を終えるが、私の今ドラフトの希望をまとめると以下のようになる。 1巡 ジョーダン・フィリップス DT 2巡 ラシャード・グリーン WR 3巡 アリ・マーペット OL 4巡 ジョーダン・リチャーズ S 5巡 カイル・エマニュエル DE/OLB う〜む、負けるな、こんな気合いだけのドラフトをしていたら。実際、つうかグリグソンはより堅実なより肉体的なドラフトをすると思う。 あとまあ、今回のドラフトで思うのは、おそらく29位の段階で、結構面白そうな選手がたくさん残っているのではないかという事である。そこで、グリグソンが誰を選択するのかに私は大いに興味がある。今回のコルツドラフトは「誰それをドラフトして欲しい」とか「誰それを指名するだろう」というようなドラフトでは無く、「グリグソンが誰を指名し、誰を指名しなかった」が焦点になるドラフトだと思う。そこに、グリグソンの嗜好や考え方が現れると思う。そこを私は楽しみたい。 あとはまあ、コルツ以外の、ドラフト全体の感想をひとつふたつ述べたいと思う。 まずは問題の全体1位であるが、ここはやっぱりウィンストンでいくべきだと思う。いろいろ不満を言い出せばキリがないだろうけど、とにかくこのポジションは、昨年も似たような事を書いたけれども、獲れる時に獲っておかないと、いつまでたってもお鉢が回ってこない。とにかく。このスポーツはこのポジションが収まらないと、一歩も前に進めないのだから、多少無理をしても獲らざる得ないと思う。レオナルド・ウィリアムズを指名しても、バックスは何も変わらないのだから。 あとまあ、WRの項でも似たような事を書いたが、WR以外のポジションでも今回のドラフトは、オールプロ、プロボウル級はほとんどいなくて、そのかわり堅実なスターター級が多いといった印象がある。2巡3巡の層が厚いといった印象である。そういった意味では、これは私はあまり好まないけれど、1巡をトレードダウンして2巡3巡のピックを増やした方が賢明なように思われる。まあ、みんなが同じ事を考えたら、どうにもならんけどな。 さて、どうなる事やら。 2015/4/28(火) |