2009年 Week15 |
12月17日 IND@JAX 35−31 |
とりあえず、12月に入ってからの木曜日のゲームは勘弁して欲しい。明らかに両チームとも動きがもっさりととしていた。よれよれしていた。何か営業上の理由があるのだろうけれども、木曜日のゲームは11月だけにしてもらいたい。でなきゃ、10月にまわして、バイ・ウェーク明けのチームにやってもらうとか。12月のこの時期の木曜日のゲームはあまりにもきつい。試合のクオリティも下がるし、怪我の遠因にもなると思う。 試合の方はというと、地味に継続してきたターンオーバー直後のドライブでタッチ・ダウン無し記録は途絶え、今シーズンことごとく止めていた3rd and 1や4th and ギャンブルも次々クリアされ、こりゃ負けペースかなあと思ってみたいたら、結局勝ってしまいました。 と言う訳で、また勝っちゃいました。レギュラーシーズン連勝記録は継続中です。23です。そのほか’00年間最多勝とか、いろいろ達成されたみたい。そういやあ、シーズン12勝以上もこれで7年連続ですし。いやあレギュラーシーズンはホント強い、言う事無しです。 嫌味はそれくらいにして、この試合の戦評をします。といっても、例によって例の如く、あまり語る事もないのであるが、とりあえずは何といっても久方振りの、実に久方振りのキックオフ・リターン・タッチダウンだろう。いつ以来?って調べてみたら、2004年以来だそうです。だしょうなあ。誰がやっていたのかまでは調べていないが、多分ドミニク・ローズだと思う。 プレイ自体は、リターン・チームの勝利というよりはカバー・チームの怠慢といった感じも無くはなかったが、まあ、それでも良しとしよう。んな訳で、プレイオフでもひとつよろしく、チャド・シンプソン君、およびリターン・チームの面々。 マカフィーのパントはまだまだばらつきがあるなあ。良い時と悪い時でずいぶんと差がある。サイファーズへの道のりはまだまだ遠く険しい。たまにSDの試合を見ていると、あのおっさんホント凄いわ。敵陣5ヤード以内でボールを留める技術を、あの男は明らかに持っている。飛距離やパントタイムだけなら、彼に匹敵、ないし凌ぐパンターはNFLにちらほらいるだろうが、あの技術を持っているのはサイファーズだけだと思う。 ほかには特筆すべき点はないかなあ。強いて挙げるとすれば、ギャラードには何となく限界を感じた。ジャクソンビルがもうひとつ上を目指すなら、新QBを探すべきかもしれない。 あと最近気が付いたのであるが、主にコルツのディフェンス時、サイドラインで興奮しているデブがいるが、あれは誰。今まで見かけない顔だが。新任のDCかとも思ったが、調べてみたらちょっと違うし。去年までは見かけない顔だとおもうのだが。興奮するデブは嫌いじゃないので別にいいけど。 ゲーム自体は、それくらいかなあ。 で、ここで触れねばならないのが、最近ファンやメディアの間でも論議を呼び始めた「残り2試合、コルツはどういう態度で試合に臨むべきか。」という問題であろう。 まず最初に私の態度を明らかにしておこうと思う。私としては「パーフェクトシーズン目指して、死ぬ気で突っ走れ。ワンプレイたりとも気を抜くな。」である。 ニック・ハーパーがロスリスバーガーにタックルされ、バンダージャットがFGを外して終わった’05シーズンの記憶が生々しい私としては(しつこい。)、ケガを恐れて変に選手を出したり引っ込めたりするよりは、一試合完全燃焼で残り試合に挑んで欲しい。’07シーズンのNEのやり方が正しいと思う。 ’05当時、私はこのサイトはまだ開いていなかったが、プレイオフのために選手を温存するダンジーのやり方に多いに不満を持っていた。HFAは確定したものの、まだ連勝中だったSD戦に、選手温存まではしてはいないが、「パーフェクトシーズンよりスーパーボウルの方が大事」みたいな気分で臨み、敗戦したあたりから私は嫌な感じがしていたのである。「考え無しに突っ込まんかい。」と。「そうしないとみんな失うで〜。」と(あらためて断っておきますが、私は関東出身関東在住です。)。結果的に私の嫌な予感は的中してしまったのであるが、あのあたりから私の中にダンジー不信が芽生え始めたのも事実である。 確かにケガを恐れて選手を温存するという考え方も分からないではないし、おそらくそちらの方が正論なのであろうが、どうもその考え方が私は好きになれない。 試合に出なければ、その分だけケガをする確率は低まるだろうが、練習だってケガはしてしまう。ましてフットボールである。ケガを恐れていたら、何も出来ない。 そしてもうひとつ、この主力温存作戦のダメなところは、どうしても試合勘が狂う、テンションが下がる、という点である。せっかく4ヶ月かけて養ってきた試合勘やテンションが、この2試合を欠場する事で全て失われてしまう。またシーズン開幕当初に逆戻りである。プレイヤー出身の解説者に温存不要論者が多いのはこれが理由だろう。 しかもプレイオフ初戦はバイである。このバイが、また実にいやらしい。下手をすると実質1ヶ月近く真剣勝負をしてこなかったチームが、いきなり、プレイオフ・レースを勝ち残りワイルドカード・プレイオフを勝ち抜いたチームと激突しなければならないのである。戦力的、体力的には有利あっても、テンション的にはむしろ不利だろう。そうして、言わずもがな、フットボールはモメンタムが支配するスポーツである。プレイオフ初戦バイのチームがスーパーボウルまでなかなかたどり着けないのも当然である。’05コルツなどはまさにこの典型である。 あとまあ、ケガが恐いといっても、1,2試合で選手が5人も10人もケガするなんて事は、まず無いのであるから、温存する事にもあまり効果は無いと思う。QBがケガすれば一大事だろうが、一人や二人ケガしたところで、そんなに大きな戦力ダウンにはならないと思う。 と、ここまでが所謂一般論で、これからは今回のコルツの場合である。 まず主力温存といっても、今回のコルツの場合、そもそも温存するような選手がほとんどいない。今季のコルツは、開幕当初からケガ人続出&スターター降格選手続出で、ほとんど準スターターでシーズンを乗り切ってきたのである。WR陣なんてもう替える選手がいない。ウェインを下げてハンク・バスケットを入れるぐらいである。ギャルソンとコーリーは出ずっぱりだろう。ユーゴー&ポラックをチャーリー&デバンと変えてもなあ。そもそもどっちがスターターだか分からんし。 DB陣も同様だろう。ヘイデンを引っ込めてホールを入れてもなあ。主力温存と言えるのか。ブリットとシルバを替える事に何か意味があるのか。RB陣も、いったい誰が主力でないのかという問題が残るだろう。マイク・ハートやチャド・シンプソンもそれぞれ必要な選手である。 ダラス・クラークは引っ込めてもいいだろうが、彼の場合は悲願のプロボウルが掛かっていて、油断が出来ないというのがある。少しでも数字を上げとかないと。 LB陣はDT陣は、ブラケット以外は、スターターとサイドラインでほとんど差はないし。 とまあ、つらつら考えていくと、引っ込める意味がありそうなのは、ウェイン、ブラケット、サタディ、ディームぐらいか。でもまあ、彼らの誰かがいなくなったところで、そんなに大きな戦力ダウンという事にはならないだろうが。まあ、痛いことは痛いだろうけど。 マシス&フリーニーは、どうなんだろう。休ませた方が良いのか、使ったほうが良いのか、ちょっと分からん。両方怪我すると痛いが、どちらかのケガなら何とかなるような気もする。そもそも今季は彼らをエブリィダウンでは使っていなかった訳だし。今までと同じで良いんじゃないすか。 と、ここまで敢えてベシアに触れなかったのには訳がある。彼はさすがに、主力温存不要論者の私も、休ませたほうが良いと思う。今季の彼はここまでボブ・サンダースの穴を埋めるに余りある活躍である。個人的には、彼こそが今季のチームMVPだと思う。ただ、その代償として今のベシアはボロボロである。リフレッシュさせる意味も含めて、彼は休ませたほうが良いと思う。 あとは問題のマニングさんか。彼の場合は、一試合二試合出なくても、試合勘が狂うと言う事はないだろうから、休んでも良いと思うが、パーフェクト掛かっている間は出続けるでしょうな。フットボール大好きだし。 とまあ、何だか結論が良く分からなくなってきたが、私個人の主張としては、「ケガを恐れず、主力を出し続けろ。怪我した時はそん時はそん時である。」。 2009/12/21 |
2009年 Week16 |
12月27日 NYJ@IND 29−15 |
年末・年始は帰省のため、パソコンの前に座れなくなるので、TV放送は見ていませんが、今回の敗戦の感想を書いておきたいと思います。 スーパーボウル制覇よりパーフェクトシーズンの方が価値があると思うんだがなあ。 というのが率直な感想である。実際の映像は見ていないので、どういう雰囲気のもとに試合が行われたのかはよく分からないが、スタッツや各メディアの記事から想像すると、第3クォーター中盤に15−10とリードした段階でマニングを下げペインターを投入、その後ペインターがファンブルロストやら何やらをやらかして、逆転負けを喰らったらしい。 という、勝ちに行ったのか、それとも主力を温存したかったのか、何がなにやら良く分からない敗戦である。まあケガ人が出なかったから良しとしよう。とは言えない。下品な喩えで申し訳ないが、実にションベン切れの悪い試合である。残尿感たっぷりの試合である。まあ、残尿感はマニングの持ち味なので、これ以上追求はしないが、 スーパーボウル制覇よりパーフェクトシーズンの方が大事かなあ。 前回の「主力を休ませるべきか、否か」議論で、この「スーパーボウルとパーフェクトシーズン、どっちが大事」という、よく考えてみれば、この手の問題の幹となる議題について論議することを忘れていたので、ここでちょっと考察してみたい。 そもそも「主力を休ませるべきか、否か」という議論が発生する源には「スーパーボウルとパーフェクトシーズン、どっちが大事」という議題がある。 で、「スーパーボウルの方が大事」論者は「休ませろ」と主張し、「パーフェクトシーズンの方が大事」論者は「出せ」と主張する訳である。 で、私は勿論後者、「パーフェクトシーズンの方が大事」論者である。 年に1チーム必ず出るスーパーボウル制覇に対し、およそ40年間で1チームしか出ていないパーフェクトシーズン、どちらの方に価値があるのか、どちらの方に挑戦すべき価値があるのかは自明だと思うのであるが、どうだろう。パーフェクトシーズンを目指してスーパーボウルを失ってしまったら元も子もないというのが「スーパーボウルの方が大事」論者の論拠だろうが、スポーツなのだから、よりデカイ目標を目指すべきなのではないだろうか。しかもパーフェクトシーズンを諦めたからといって、スーパーボウルが確定する訳でもない。卑近な喩えの連続で申し訳ないが、ロト6ではなくナンバーズ3を買うようなもんである。 しかし、これで優勝できなかったら超恥ずかしいなあ。スティーラーズあたりも、まだかろうじてプレイオフの可能性が残っているみたいだし。ヒューストンあたりに負けるのも、また恥ずかしいなあ。 実際の映像を見てから、また感想を書きまーす。んぎゃあ、良いお年を。(ロボコン風に) 2009/12/30 あけましておめでとうございます。かなり遅いけど。 んで観た。 試合結果を知っていたからかもしれないが、試合開始当初から、会場全体がげんなりとしていた。「とりあえず、チケット手に入っちゃったから来てみた。」、そんな感じのルカス・オイルだった。 試合内容自体は、イメージしていたよりずっと良かった、というか、前半ミススローやドロップなどが少なければ、21−0ぐらいで折り返して、ペインターを投入しても、そのまま僅差で逃げ切れていたのではないだろうか。ミススローやドロップが多かった原因のひとつは、おそらく試合前に言い渡されていたであろう前半で主力交代の通知だろう。そのちょっと下がり気味のテンションがこうしたミスを誘発したように思われる。もしかしたら、その通知そのものは無かったかもしれないが、そういう雰囲気はあったろう。会場全体もそういう雰囲気を察していた筈だ。 この敗戦でいろいろな連勝記録は途切れてしまった訳だが、Week17の@BUFが雪の中でのゲームであったことを考え合わせると、ここでの敗戦は結果的には正解だったかもしれない。ここで勝ってしまうと、パーフェクトシーズンを目指して雪中でのゲームを強行せざるえず、@BUFを正々堂々休めるという意味ではこの敗戦はヒットだったかもしれない。コールドウェルの悪運はまだまだ継続しているようである。 しかしこのジェッツに弾かれる形でプレイオフを失ったヒューストンやデンバーは恨み言のひとつも言いたくなるだろう。ジェッツは次のWeek17も主力温存のシンシイ戦で、完全にスケジュールに救われた格好である。何が幸いするか分からないものである。 あとまあ、今回思ったのはNFLは放棄試合を認めたらどうだろうかということである。これがあればプレイヤーは怪我のリスクから完全に解放されるし、ファンも消化試合のために無駄な時間やお金を使わずに済む。まあ営業サイドは絶対に認めないだろうけど。 このゲームでの個々のプレイヤーについて。 このゲームで、図らずも戦犯となってしまったカーティス・ペインターであるが、さすがにこれはしょうがないだろう。彼は全く責められない。ルーキーQBのデビュー戦としては、おそらくこれより下は考えられないといってもいい程に最悪な環境でのデビュー戦である。その悪環境を思いつくままに並べると、連勝記録継続中、5点リードで第3クォーター中盤、主に控えメンバー、突然の勝機到来でやる気マンマンの敵チーム、しかもクリス・ジェンキンス抜きとはいえリーグNo.1デフェンスチーム。この悪条件下で、スイスイとドライブを進め、チームを勝利に導けるようなら、それこそマニングとエースQB交代である。 ペインターの動きそのものは、私の見た限り、スローイングやフットワークはまずまずなのでそれなりに期待できるプレイヤーではないだろうか。ソージよりは上の様な気がする。ただまあ、コルトとしては厳しいだろうが。QBに困っている他チームの方、お勧めです。 あとは今噂のダレル・リーバイスであるが、さすがにリーグNo.1コーナーバックとまではいかないように思う。タックル力などを加味すれば、まだまだフィネガンの方が上のように思う。得意のマンカバーでも、この試合ではマニング−ウェインコンビに結構パスを通されていた。確かに機敏は機敏であるが、意外にレシーバーを空けてしまうことが多い。密着マークとまではいかないようである。一流QBなら、そのほんの僅かな瞬間を突いてくるだろう。 反対側のオースティン・コリーであるが、これは元プロボウラーのリト・シェパード相手に善戦していた。完封されるかなとも思っていたのであるが、意外な善戦であった。もはやチームNo.2レシーバーの座は彼の手中に収ったものと思われる。オフェンシブ新人王に届かなかったのが実に残念。 そのWRといえば、ちょっと話は逸れるが、元コルツのアロマショドーがシカゴでプチブレイクしている模様である。契約時期がずれていれば、ギャルソンの代わりに、このアロマショドーが今年コルツで大活躍していたかもしれない。 アーロン・フランシスコが丸々一試合セイフティとして登場していたが、彼に使える目処が立てば今ドラフトの戦略も変わってくるので、頑張ってもらいたい。私の目にはメルビン・ブリットよりは良いように映ったが、チーム関係者はどう見ているのだろう。 次の@BUFはレポートする予定が無いので、AFCのプレイオフについてここで軽く展望してみたい。 さすがにSDが大本命である事は疑いの余地が無いであろうが、残りの4チームについてはそれぞれ不安を抱えているので、コルツとしては十分勝機はあるだろう。つーかまあ、第1シードはコルツなんすけどネ。何でこんなに弱気なんだろう。何でこんなに評判悪いんだろう。実際試合を見ていると、評判よりは遥に強いチームのように見えるのだが、いかんせんプレイオフでの実績がなあ。スーパーを獲ったシーズン以外は無きに等しいもんなあ。 実際、コルツの不安材料はここ1ヶ月真剣勝負をしていない事ぐらいだろう。ここ1ヶ月というか、今季は1シーズン丸々、真剣勝負とまでは言わないまでも、Must Winのゲームをしていない。今季に限って言えば、何が何でも勝たなければいけない試合というのは、はっきり言ってひとつも無かった。それがいきなり、マスト・ウィンのゲームを1ヶ月ぐらい続け、なおかつ勝ち残ってきたチームと戦わなければならないのである。モメンタムでは完全に負けている。’05のスティーラーズ戦がまさにこれだった。 う〜ん、やっぱダメかなあ。 しかしワイルドカードの4戦のうち3つが第17週と同じカードつうのも面白いね。 2010/1/8 |
2010年 Week17 |
ダラス・クラーク やった。 |
これをここに書くのもどうかと思われるが、ついにダラス・クラークが悲願のプロ・ボウルを決定したので記事にして見ます。 毎年タイト・エンドとしては水準以上の成績を収めながらも、AFCタイト・エンド界の厚くて高い壁に阻まれ、なかなかプロボウル出場がかなわず、あげくにはベシアにまでハワイ行きで先を越されたダラス・クラークであったが、遂にプロ・ボウル決定、しかもスターター。万歳ばんざーい。 いっそWR登録にした方が早いんじゃないかという意見もあったぐらいであるが、なんにしても良かった。しかし100キャッチしなきゃ選ばれないのか。しかも獲得ヤーデージではまだゲイツの方が上だし。ゲイツに投げすぎ。 ただし今年は何故か知らぬが、そのプロボウルがスーパーボウルの前週に開催である。コルツがスーパー進出決定の場合には顔見せ程度の可能性もある。 まあ、あれだ。その時はプロボウル優先しろや。スーパーには一度出ているし。どっちかというとプロボウルの方が大事だろ。下手すっと二度と選ばれない可能性もあるし。なんならプレイオフ全休してプロボウルに専念でもいいくらいだ。こっちはロビンソンとターメで何とかするわ。 しかしタイト・エンドは層が厚い。NFCなんかゴンザレスとウィンスローが落選しているんだもんなあ。しかも成績は残している。ちょっと前、つーか昨年まではAFCがタイト・エンド地獄、つーか天国、つーか地獄だった訳であるが、これからはNFCがタイト・エンド地獄ということか。カールソンやオルセン、セレック、ぺティグルーといった若手有望タイト・エンドもことごとくNFCだし。ショッキーあたりは、もう2度と選ばれないのかもしれん。 AFCはとりあえず、クラーク、ゲイツ、ダニエルズ、ヒープでタライ回しか。って油断していると凶悪なのが出てくるんだよなあ。WRの方がよほど選ばれやすいかもしれん。 そのWRはウェインが盟友アンドレ・ジョンソンと仲良く先発。The U コンビで先発するのはこれが初めてではないだろうか。まあ、張り切ってください、思い出作り。 そのほか両エンドはフリーニーとマシスのコルツコンビがそのままAFCの先発。これってなかなか凄い事ではないだろうか。 んで、AFCのパンターはまたもやレッヒラー。そんなに凄いのか、レッヒラーって。私の目には、どう見てもサイファーズなんだが。まあパンターはどうしても攻撃力の弱いチームが有利になる、スタッツを残しやすくなるので致し方ないだろうけど。 パンターといえばハンター・スミスは選ばれていなかった。リアル・スペシャル・チーマーという枠があれば、文句なしに選ばれていただろうけど。今季のNFLのスペシャル・プレイで一番輝いていたのは間違いなく彼、ハンター・スミスである。 ゲーリー・ブラケットも、選んでやりたかったなあ。 2010/1/8 |
2010年 Divisinal Playoffs |
1月17日 NYJ@SD 17−14 |
本来なら、日程的にも立場的にも、BAL@IND戦からレポートを書くべきなのであるが、このNYJ@SDが、今季私が見た中では、ベストの試合、「This
is Foot Ball」とでもいうべき試合だったので、その興奮を利用して、こちらからリポートします。 まずその前に、「さようならキーディング、いい仕事見つけろよ。」 今アメリカで確実に失業者がひとり増えた。 3本目を外した時には、この世のものとは思えない顔をしていたもの。まあ、これはこれで永久保存版だけど。こういうのを見たいから私はスポーツを見ているというのも、確かにある。日常生活では、まずお目にかかれない顔だと思う。まさしくリアル・ドラマ。ロモの三角座りとか。 でも、こういうシーンを見ると、キッカーというのはつくづく精神力、というか精神力だけだと思う。50ヤードといえども、ある程度の運動能力を持った人がそれなりの訓練をつめば、プレスキックを決める事自体はさほど難しくない事だと思う。中学生でも決める子は決めてしまうだろう。ただそれを、ここぞという場面で大観衆が注視する中、決められるかというと、まずほとんどの人は不可能だろう。特殊な精神構造の持ち主で無い限り、まず不可能だと思う。それがこのポジションに専門家を置く唯一の理由であろう。オフェンスした後のFGや、FGを失敗した後のディフェンスというのはまず不可能だと思われる。 そういった意味ではバスケットボールのフリースローに良く似ていると思う。よりえげつない、より凶悪なフリースローである。 でもキーディングはオールプロなんだよなあ。契約状況がどうなっているのかはよく知らないが、カットなりリリースなりは難しいか。 こういうのを見ると、オールプロなんていうのはホントいい加減なものだと思う。キッカーというのは、パンターとは逆に、オフェンス力のあるチームの方がスタッツを残しやすい。その結果選ばれたオールプロがキーディングということだろう。そういった意味では、故バンダージャット(もちろん死んでいません。)と全く同じである。 で、選ばれなかったのが、この試合も素晴らしいパントを連発したサイファーズ。 オフェンス力のあるチームの方がスタッツを残し易いキッカーと、オフェンス力のないチームの方がスタッツを残し易いパンター。 精神力のみが重要なキッカーと、体力と技術が重要なパンター。 キッカーとパンターというのは、同じ蹴る事を仕事としながら、まったく真逆の性質である。これもまたフットボールの面白さのひとつであろう。 さて試合の方は、全体的には不利ながらも、たった一つのストロング・ポイントを衝けば勝利を呼び込めるという、これもまたフットボールの面白さのひとつである特性が色濃く出たゲームだったと思う。 この試合のジェッツのストロング・ポイントというのは、言うまでも無くジャマール・ウィリアムズの抜けたインサイドへのランである。しかもSDはセイフティにやや難があるので、ここを衝けばそれなりに点は取れると思っていた。そして実際にそうなった。 ただまあ、それ以上に点を獲ればサンディエゴは勝ちだった訳で、ランが出なかったトムリンソンやスプロールズへの非難もあるようだが、それなりにパスは通りオフェンスは進んでいたので、その非難は的外れだと思う。ただまあ、巷間囁かれている通り、トムリンソンが衰えているのは確かだと思う。もっとも、ここ十年間に於けるチーム最大の功労者、つーかチームの中心を、力が衰えたからといって簡単に「はい、さようなら。」とする訳にはいかないだろうし、してもいけない。舵取りの難しいところではある。 話をゲームに戻すと、もう少しスクリーンを使っても良いような気もしたが、昨今はニュー・イングランド対策の意味もあって、ブリッツへのスクリーンに対してはかなり対策や意識が進んでいるので、あまり使わなかったのは、これはこれで正解だったと思う。実際、オフェンスはそれなりに進んでいたので、あとはキーディングが…、さようなら、Mr.童顔。Mr.Children、さようなら。 個々のプレイヤーを観ていくと、まずリバーズであるが、私の個人的見解になるが、今現時点におけるNFLナンバー2QBは、彼、フィリップ・リバースだと思う。もちろんナンバー1はマニング。またあくまで、現時点ということなので、ファーブは外れた。勿論ブルネルも。 リバースの良さは、まず何といっても、そのインターセプトのしづらさであろう。カッコ悪いといえば確かにカッコ悪いが、そのロブボールのようなディープへの球道はもっともインターセプトしづらいボールだろう。そしてパスラッシュにも強い。ステップワークとスティッフアームで巧みにパスラッシュをかわす事が出来る。今最もターンオーバーの無いQBといって良いのではないだろうか。ブレイディよりははるかに安定したQBだと思う。また、相変わらずのキレキャラも良い。この試合でもリーヴィスにインターセプトされた直後イイ感じで切れていた。 ただマニングまでは、ナンバー2とはいえ、ずいぶん距離があることもまた事実である。実際、今のマニングは他のQBとは次元の違う境地にいるように思われる。過去のQBと比べても最高なのではないだろうか。詳しくは省略するが、何というかNFL全体、フットボール全体をその掌中に収めたといった感じである。 一方、そのリバースからインターセプトを決めたダレル・リーヴィスであるが、まだまだシャットダウン・コーナーとまではいかない様に思われる。チャンプ・ベイリーと違って、まだまだテレビに出てしまう。ほんの一瞬ではあるが、レシーバーを空けてしまう。優秀なQBならその一瞬を狙うだろうし、また狙うべきだろう。タックルはそんなに良くないので、そのままロングゲインも有り得る。もっとも、空いた後のリカバーは尋常ではないので、コントロールミスをするとインターセプトになるが。 そのリーヴィスから第4クォーター終盤、良いところでスーパーキャッチを見せたヴィンセント・ジャクソンであるが、そのプレイに出されたレッドフラッグをチョイ蹴りして15ヤード罰退。ダメ元のチャレンジは大概タイムアウトを失うのみで終わるものであるが、こういう形で15ヤードを獲得できるとは。出してみるものである。レックス・ライアンの心中は「おいおい、これで15ヤードかよ。」。 このヴィンセント・ジャクソンは、デンバーのブランドン・マーシャル同様、もっと高く評価されても良いように思う。長身レシーバーは、どうしても過小評価されがちである。 ルーキーQB、マーク・サンチェスは慣れれば、もっと良くなるだろう。ただ舐めないようには気を付けるべきである。慣れると舐めるは似て非なるものである。 あと、優秀なレシービング・タイト・エンドが欲しいところであるが、それがダスティン・ケラーの成長であるのか、それとも新タイト・エンドであるのかは不明ではある。とりあえず、それがハートソックではない事だけは確かだと思う。 サンテェスの成長次第で、ジェッツはこれからしばらくNFLのエリート・チームになると思う。その条件は揃っている。 さて、こういう訳でコルツのAFC決勝の相手はジェッツと相成った訳であるが、さすがにこれは勝てると思う。SDが出てきたら3:7ぐらいでインディ不利と予想していたのであるが、ジェッツならば8:2ぐらいでコルツ有利と見る。Week16の様子から考えても、負けるとはちょっと考えにくい。 ジェッツのランにいいように走られるとはちょっと考えにくいし、サンチェスにいいようにパスを決められるとは、更に考えにくい。ジェッツの複雑なパスラッシュもマニングならそれなりに対応するだろう。リバースがそれなりに進めているのだから、マニングならもっと進む筈である。 てか勝て。 しかし、ギャランティ宣言すんじゃねえだろうなあ。HCもバディ・ライアンの息子だし。その点だけが、不安材料ではある。 2010/1/19 |
1月16日 BAL@IND 3−20 |
先日のハイチ大震災の報道でポルトーフランスなる言葉が出てくるので、「ハイチは旧フランス領なんか。つうと北アフリカにあるのかなあ。」などと思い、いい機会だったので、Googleマップで調べてみると、なんとびっくり、ハイチは中米の島国だった。 細かく説明すると、まずマイアミの南方にご存知キューバがある。そのキューバの右側、東方にまた別の島があり、その島の西側およそ2/5がハイチなのである。その残り3/5がドミニカ共和国であり、更にその右側にある小さな島全土がプエルトリコであり、キューバの南にある小島がジャマイカである。この辺一体が野球が盛ん、つーかアメリカ文化の影響下にある訳ね。災害を機にひとつ勉強しちゃって、ハイチの皆さん、ごめんなさい。 なんで、NFLの話にこんなハイチの配置の話から入ったかというと、そのハイチ出身の数少ないNFLプレイヤーが、我がコルツのピエール・ギャルソン君だったからである。フランス人っぽい名前をしているなあと思っていたら、そんな秘密があったのね。秘密つうほどのもんでもないが。 幸いというか、不幸中の幸いというか、ギャルソンの両親は既にアメリカに移住しているらしいので、ギャルソン家に直接の被害はないようである。ただまあ、親類縁者はハイチで被災しているかもしれないので、ギャルソン君頑張れ。もっとも、じゃあお前が何か援助するのかと問われても、何もしないけど。 さて試合は、そのギャルソン君が故郷の災害に奮起したというわけでもないだろうが、エド・リードから値千金のファンブル・フォースを決めて、コルツが快勝しました。 時間が経過すると、何故WRがFSにファンブル・フォースを決めて、それが値千金のプレイになるのか意味不明になってしまうと思うので、補足説明しておくと、第3クォーター終盤コルツ14点リードのシチュエーションで、マニングが敵陣30ヤードあたりのギャルソンに投げたパスをエド・リードがインターセプト、そのままコルツ陣30ヤードあたりまでリターンしたところで、後ろから追いついてきたギャルソンがリードにファンブル・フォース、そのボールをダラス・クラークがリカバーし、コルツは事無きを得た訳である。 ちなみにそのシリーズでエド・リードはまたしてもマニングからインターセプト、しかし今度は自チームのパス・インターフェアで取り消しという、いかにもコルツ対レイブンズらしい、相性の悪さを露呈したシーンとなったのであった。 このインターセプトのどちらかが成立していれば、まだ第3クォーターだっただけに試合はどう転がっていたか分からない。 マニングには、こういうセイフティに狙い撃ちされるようなインターセプトが稀に見られるが、これはマニングの頭とコントロールの良さの現れだろう。頭とコントロールが良いだけに、このエド・リードやポラマル、ロドニー・ハリソンといった優秀なセイフティにとっては、格好の餌食になりやすいのだと思う。読み易いということである。これがロスリスバーガーやファーブのような訳の分からんタイプだと、こうもいかない。 さて、その値千金のファンブル・フォースを決めたピエール・ギャルソンが裏のMVPならば、表のMVPはラヒーム・ブロックだと思う。パスラッシュにランストップ、そして時にはパスカバーまで、要所要所で良いプレイをしていたと思う。こういう器用さが彼の最大の長所なのかもしれない。さすがディフェンス・チーム最古参。たぶん。 ディフェンスでは、フリーニーがジャレッド・ギャイザー相手に良くやっていたと思う。終始圧倒したとまでは行かないものの、十二分に判定勝ちである。レギュラーシーズンで、1サック奪ったものの、結構やられていた印象があったので、もしかしたら研究していたのかもしれない。出来れば、フリーニー対オグデンのような関係になって欲しいものである。 一方、反対側のマシス対オーアーであるが、こちらはKO負けか。久方振りにマシスがテレビから消えていた。さすが今全米一有名なNFLプレイヤー、つうかスポーツマンだけの事はある。洋の東西を問わず、貧乏話はみんなの大好物である。貧乏話は銭になる。 それはともかくとして、将来的にはオーアーとギャイザーは入れ替える予定なのかもしれない。両者共にそちらの方がナチュラル・ポジションという感じもする。 ただこの試合に限っては、ディフェンスがどうこう言うよりも、フラッコーがデリック・メイソンに投げ過ぎ。そこにしか投げないんだもん。一時のイーライ・マニングでももう少し投げ分けていたように思う。 試合途中、フラッコーが珍しく激怒してOC(たぶん。っぽい人。あれっ、HCだったかな。)と口論して、それ以降は大分投げ分けるようになったので、これはフラッコーの嗜好というよりは、OCの指向だったのかもしれない。いずれにしても、コルツサイドとしては助かった。トッド・ヒープに集中するのが最も恐れていたシナリオである。 レイ・ライスに走られまくるみたいな説もあったが、これはあまり心配していなかった。同タイプのジョーンズ=ドリューに慣れているので、他地区のチームよりは何とかなると思っていて、事実そうなった。あの手のタイプには慣れが肝要である。ありがとう、ジョーンズ=ドリュー。 ランといえば、敵さんよりも我がコルツである。ある程度パスでオフェンスが進んだとはいえ、出なさ過ぎ。ランを重視しない私といえども、さすがにこれは苦情を出す。その責任はRB陣にはもちろん無く、専らOLにある。いくらパスプロ特化型OLとはいえ、押せなさ過ぎ。特に右側が酷い。勿論、左も酷い。押すどころか、押されてんだもの。どっちがどっちにランを出しているのか分からなくなるくらいである。QBがRBにボールを渡した段階で既にもう2ヤードくらい押されてんだもの。これじゃ、走れつう方に無理がある。しかも敵はハロティ・ナータがいるとはいえ、3−4である。5対3で惨敗して、どうすんの。 デバンの代わりにポラックは出せんのか。そんなにポラックはダメなのか。チャーリー・ジョンソンをRGにしてLTにユーゴーを入れるとかは出来んのか。 AFC決勝ではクリス・ジェンキンス抜きのジェッツが相手だけにインサイドのランを捻り出したいところではあるが、これじゃ厳しいだろうな。まあパスだけでも進むだろうけど。 ちなみに得意のパスプロでは、コルツは被サック数がリーグ最小だが、この数字をそのまま鵜呑みにして、例えばチャーリー・ジョンソンを他チームがトレード・FAなどで獲得したら、そのチームは大火傷をするだろう。このサック数の少なさの功績の半分以上ははっきりマニングにある。並みのQBならば余裕でシーズン50サックであろう。マニングのパスラッシュへの対応は、もはや尋常でないレベルに達しつつある。完全にNFLのパスラッシュをコントロールしていると思う。 そのしょぼいOLのために仕事がパスプロのみになってしまった観のあるRB陣ではあるが、ドナルド・ブラウンも課題のブリッツ・ピックでは根性見せていたし、故障明けのマイク・ハートも相変わらず気合見せているし、リターナーのチャド・シンプソンも含めて、なかなかのユニットに仕上がったと思う。 ブラウンはブリッツ・ピックをおそらくアダイから学んだ、ないしは盗んだのだと思うが、これは彼のプレイヤーとしての貴重な財産になったと思う。ブリッツ・ピックができないという理由だけでロースターから外される選手もいるくらいである。ブリッツ・ピックは、これからのRBにとって必須の技術になると思う。 試合自体はコルツの完勝といってもよい出来であったが、随所に相性の悪さみたいなものは出ていたと思う。インディアナポリス・コルツ相手のこうした負け方が続くようでは、ボルチモア市民は歯軋りのし過ぎで、歯がなくなってしまう事だろう。 そういえばダンジーが会場に来ていたようだが、意外に出たがりなのね、このひと。HC時代のイメージからすると、引退後は半隠居みたいな生活を送るのかと思っていたら、意表を衝いて、メディアに出まくり。こんなにテレビ好きだったとは。NFLどころか、アメリカのご意見番みたいになりつつある。思わぬところから、バークリーのライバル出現か。 現役時代、無口でマスコミ泣かせだった人が、引退後、人が変わった様に喋り出すということはままあるが、我等がダンジーもそのひとりだったとは。ハリソンは予想通りだけど。つか、それどころじゃないか。 2010/1/20 テレビをつけたら、たまたま再放送をしていたので、暇でもないのに、つい最後まで見ちゃった。新たに、というほどでもないけど、追加&補足の感想をちょっと。 まずは何といってもOL。再放送で見直しても、当然の事ながら全く押せていない。せいぜいサタディぐらいである。ランブロックは前に進んでいいということを知らないんじゃないか、っつうぐらい進まない。それとも、パスプロのし過ぎで前に進む方法を忘れてしまったのか。とにかくバックペダル専門である。 一度、ドナルド・ブラウンが13ヤードのランを出したが、それもまさかのつうか、当然つうか、ドロープレイ。「スクリメージラインの前に出たら死んじゃう病」を患っているとしか思えない。 つーかパスプロでも押されている。たまに信じられないくらいポケットが小さくなっている時がある。あれじゃあ、金持ちの財布は収まりきれないだろう。 ベシアはぼろぼろ。今ドラフトでは、サンダースの分も含めて、セイフティを補強しないと、いよいよベシアがリアルに死んでしまう。選手寿命じゃなくて、本当の寿命が。 上の記事で、マシスがオーアーに完封されたと書いているが、あらためてよく見ると、マシスとラヒーム・ブロックがLEで半々ぐらいで使われていたようなので、完封は言い過ぎかもしれない。ごめんちゃい、マシス。テレビに映っていないのには、変わりないけれど。 このへんはボルチモアOLに対してインディサイドは、レギュラーシーズンでの対戦を下敷きに、それなりに対策を敷いていたのかもしれない。 同じく、上の記事でフラッコーがOCかHCのどちらかと激論した、と書いたが、確認したところ、OCのキャム・キャメロンと判明。フラッコーのあの表情から察すると、来年当たり一皮向けるかもしれない、ちょっち期待。 あとちょっと、試合からは逸れるが、レイ・ルイスについてひとつ。レイ・ルイスといえば、この10年間に於ける最高のラインバッカーということになっているが、私には少々異論がある。パスカバーなども考慮したらキース・バラックの方が上のように思われるが、どうだろう。やはり。同地区の贔屓目かな。 一昨年のスーパーボウル・ヒーロー、デビッド・タイリーをBALのカバーチームで発見。ちょっと感動。 2010/1/20 |