インディアナポリス研究会コルツ部

歴史

2025シーズン

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/2/3/4/5/6/7

Week10 11月9日
ATLvsIND
@Berlin
25−31
 前回の記事で、「インハイ」と「アウトロー」についてゴチャゴチャ書いたけれども、それらをまとめると以下のようになる。

 つまり、

 「インハイは当てやすく、その反対側アウトローに向かうにしたがって、当てにくくなる」
 「アウトローは飛びやすく、その反対側インハイに向かうにしたがって、飛びにくくなる」

 そうして、これら二つの命題から、次の命題が、ごく自然に自動的に演繹される。

 「アウトローより当てやすく、インハイより飛びやすい、すなわち、当てやすさと飛びやすさのバランスが良いのは、インハイとアウトローの中間点、ど真ん中である」。

 もっとも、同じ理屈でアウトハイとインローも当てやすく飛びやすい中間点であるが、これらは所謂「四隅」であるため、ストライクとボールの判別が難しい。したがって、ど真ん中より劣る。

 まとめると、

 「ど真ん中は、ストライクとボールの判別が不要で、当てやすさと飛びやすさのバランスが良いため、打ちやすい」となる。

 どうです。初めて読んだでしょう。私も初めて読んだ。

 幼少の折から、と言ったら大袈裟であるが、私は子供の頃から、雑誌や書籍等々で野球に関する様々な文章や論考を読み、テレビやラジオで野球に関する様々な意見や見解を聞いてきた。

 そんな私でも、「ど真ん中の打ちやすさ」について説いた文章は初めて読んだ。自分で書いて、驚いた。

 野球をした事のある人、いや見た事のある人にとっても、当たり前すぎる事実なので、誰もマジメに考えて来なかったのだろうけど、これが「ど真ん中の打ちやすさ」についての完全かつ唯一の説明である。論拠である。

 とはいえ、意外に多くの人が知らなかった訳である。考えてなかった訳である。故に、宮本は、先述したように、「外角低めは飛ばない」と発言しているし、落合は、かつて私が批判したけれども、「センター方向の打球は伸びる」なんて得意のしたり顔で語ってる。無論、間違ってる。以前説いたように、当然「引っ張った方が打球は飛ぶ」。それは経験的にも理論的にも明らかである。すなわち「科学的に証明されている」。

 理論的にはアウトローを引っ張った時が最も飛ぶであろうが、そこはほぼ当たらないので、現実的には、前回書いた通り「外アマ」を引っ張った時が最も打球は飛ぶであろう。中西、マントル、大谷等々、歴代の飛ばし屋の特大ホームランはほぼこの打球である。

 こういう、体験的現実的には自明の命題でも、理由の分からない事、論理的に説明できない事は非常に多い。いや、この世はそんな事だらけといっても良いであろう。

 例えば、「昼の次に夜が来る。夜の次に昼(朝でも良いかな)が来る。そうして、それが繰り返される。」なんていう命題は、それこそ、人類は産声を上げたその日から、は大袈裟かもしれないが、人が人がましく暮らし始めた時から、誰もが知ってる、了解している事実であろう。ちなみに、黒人をバカにする悪口に「黒人は、朝になったら、布団を売りに行く。」というのがある。この悪口は、この命題が経験的事実である事の裏からの証明といってよいであろう。

 でも、それを論理的に説明できる人はほとんどいない。というか、いなかった。神様の仕事として納得するしかなかった。そうして、ケプラーの登場を待って、初めて人類はそれを理解したのである。論理的に納得した。

 もっとも、更にその先、「では、なぜ自転するのか。公転するのか。」については、現時点でも完全に解明されてはいないのだから、結局は「神様の仕事」になってしまうのであろう。

 また、ケプラーの主張を知らなくとも、多くの人々は、いや黒人だって、朝になったからといって布団を売る人はいないのだから、「論理的に納得する」、すなわち「理解する」必要はないとも云える。「ど真ん中の打ちやすさ」を理論的に知っていなくとも、宮本はヒットを打てるし、落合はホームランを打てる。一方で、「ど真ん中の打ちやすさ」を理論的に知っている私は、ヒットもホームランも打てない。

 でも、こういう事を知っていると、いろんな事が分かってくるのである。ケプラーの理論からニュートンが万有引力を発見し、そこから古典力学が完成し、更には近代科学へと発展していったように、こういう知識理屈は思わぬ形で役に立つのだ。野村の説いた事は間違いで無い。

 例えば、今ここで「最も打ちやすいのはど真ん中」と説いたけれども、それはそれで勿論正しいのであるが、大元の二つの命題「インハイは当てやすく、その反対側アウトローに向かうにしたがって、当てにくくなる」「アウトローは飛びやすく、その反対側インハイに向かうにしたがって、飛びにくくなる」を用いれば、よりバッティングに役立つ。

 つまり、ヒット狙い打率狙いのバッターは、真ん中より当てやすいコース、すなわちストライクゾーンを四分割した際のインハイゾーンを中心に打っていくべきである。飛距離は出ない、つまり長打やホームランは減るものの、その方が単打は増え、打率は上がる。

 この手のバッター、ヒット狙いでホームランを捨てているバッター、福本とか赤星、和田、そうして、あの掛け替えのないエクスタインのようなバッターがバットを短く持つのは、これが主な理由である。「バットを短く持つ利点は、バットを扱いやすくなる事だ。」とは云われるし、確かにその通りだろうけど、そもそも打率を上げるため、ヒットを打つため、ボールに当てるためには、インハイ中心に狙っていくべきであり、その為にはバットを短く持つ、あるいは短いバットを使う方が好都合なのである。でも、上述したように、意外に分かっていない。理解していない。

 一方で、長打を狙っていくバッター、ホームランを狙っていくバッターは、それとは逆にアウトローゾーンを中心、とりわけ「外アマ」を狙っていくべきであろう。その為には、バットを長く持つ、あるいは長く持ち、遠心力を利用してスイングスピードを増す必要がある。そうして、その結果、アッパースイングにならざる得ない。

 そう、これが「アッパースイングは飛距離が出る」の理由である。そうして、「アッパースイング」が「飛距離が出る」事の原因ではない理由である。

 昨今の所謂「フライボール革命」のひとつで「アッパースイング」が大流行りである。そうして、猫も杓子もアッパースイング。アッパースイングならば、いやアッパースイングだからこそ、長打が打てる、ホームランが量産できる、みたいな風潮である。

 でも、先の説明から分かる通り、「アッパースイング」は「原因」じゃないからな。「結果」だからな。飛距離というのはアウトローゾーンのボールを打った時に出やすく、それを打てば、ごく自然に物理的にアッパースイングにならざるを得ないのだ、アウトローをダウンスイングで打てるかっつの。

 つまり、長打やホームランはアウトローのボールを狙っていくべきであり、その結果、アッパースイングにならざる得ないのだ。長打やホームランの「原因」は「アウトローのボール」であり、その「結果」、その「道具」が「アッパースイング」なのである。

 そこを勘違いして、インハイやアウトハイを「アッパースイング」で打ったってホームランにならないからな。それは「道具」を間違えている。金槌でネジを回すようなもんである。ネジにはドライバーだよ。そんなとこは「ダウンスイング」で打つしかねえ。いや、打ちゃいいんだよ。高低とスイングの関係については、今も昔もテッド・ウィリアムズの言葉が真理だよ。金言だよ。変わらぬ鉄則だよ。すなわち、「高めはダウン、真ん中はレベル、低めはアッパーで打つべきだ」。

 いや、「打つべきだ」じゃねーよ。それで「打たざる得ない」だろ。高めをアッパー、低めをダウンでどうやって打つんだよ。それはかつての「ダウンスイング信仰」と全く同じだよ。ダウンスイングが、あたかも魔法の杖のように、どんなボールでも打てる万能スイングだと勘違いしてた「ダウンスイング信仰」と全く同じだよ。ネジも釘も同じ道具で差し込もうとしているようなもんだよ。いや、ドライバーでも釘は打てるけどな。それが「アッパースイング信仰」に変わっただけ。どちらも、バッターを打てなくしているのは同じ。あらゆる「信仰」と同じく、百害あって一利なしだよ。

 そうして、これはニーチェの指摘した「結果を原因と取り違える」って奴である。アッパースイングやダウンスイングはあくまで「結果」、あるいは「道具」でしかないのに、それを恰も「原因」と勘違いした悲劇、あるいは喜劇である。

 この手の事象は世の中には山ほどある。それこそ、腐るほどある。とりわけ医療関係には多いであろう。

 勿論、スポーツの世界にも多い。例えば、「シーズン30本塁打したから、良いバッターだ。」。セイバーメトリクス信者、とりわけ聞きかじりセイバーメトリキシアンの諸君は、一事が万事この調子であるが、違うだろ、「良いバッターだから、シーズン30本塁打した。」んだろ。「良いバッター」が原因であり、「シーズン30本塁打」は結果だよ。「シーズン30本塁打」が原因じゃないし、「良いバッター」が結果でもない。

 「良いバッター」の原因としては「パワーがある」とか「体重がある」とか「スイングスピードが速い」とか「狙い球を確実にとらえる」とか、色々原因があるだろうが、その結果「良いバッター」であり、その結果「シーズン30本塁打」打てるんだよ。まあ、認識根拠と原因を勘違い、混同してんだけどさ。

 で、こんな調子で、選手を品定めしては、ドラフトやFA、トレードで失敗しまくっている訳である。

 また、「インハイ」と「アウトロー」の関係から、先に書いた通り、打率型あるいは単打型のバッターと長打型あるいはホームラン型のバッターは、全く以って性質が異なる。あるいは対照的であることも分かる。

 この「単打とホームランの対称性、相違性、相対立性」というのは、野球というスポーツにおける最大の誤解、多くの悲喜劇を生んだ誤解誤認だったと思う。

 上記した通り、いや、そのほか多くの理由からも、単打とホームランというのは全く異なる目的であり、それゆえ全く異なる技術なのである。そこを誤解しながらも、その相違性については誰もが皆うすうす勘付いているので、「ヒットはホームランの延長」とか「ホームランはヒットの打ち損ない」とか言われてきて、今も言われ続けているのである。

 単打とホームランは全くの別物、全く異なる技術である。それを一つの技術で賄おうとするのは、バスケットボールでパスとシュートを同じフォームで打とうとするようなものである。サッカーのシュートとパスとは違うのだ。

 単打とホームランに関しては、いずれ詳述するつもりなので、ここでは省く。

 ここでは、「インハイ」と「アウトロー」の話を続ける。

 キャリアの浅いホームランバッターは「インハイが苦手」と言われがちである。田淵や落合、原や清原等々である。

 そんなの当たり前の話なのである。ホームランバッターつうのは、先述した通り、「アウトロー」を中心に打っていくバッターである。そもそも、「インハイ」なんていうのは苦手以前に手を出さないものなのである。そのへんを中心に打っていたら、ホームランバッターにはなれない。「インハイ」を中心に打ってホームランを量産したバッターなんて、私は知らない。

 それゆえ、田淵や落合、原や清原等々はアマチュア時代、あるいはプロ入り後のキャリア初期には「アウトロー」を中心に打って、ホームランを量産した訳である。

 ただまあ、そこはプロである。「インハイ」を打たない、あるいは打ち損じているのに気づかれれば、そこを攻め続けられるであろう。結果、「インハイが苦手」と言われがちになってしまうのである。

 批判されるだけならまだしも、現実問題としても、「インハイ」の対処法、ホームランに出来ればベストであろうが、ヒットにするとかファウルにするとかしないと、キャリアに傷がつくだろうし、ホームランバッターとしても大成しない。田淵や落合は克服したし、原や清原は克服できなかった。

 ちなみに、「インハイ」を中心に打ってホームランを量産したバッターは、もしかしたら野村かもしれない。本人も「インハイは得意」と公言しているし、その数少ない映像の中にはインハイを大根切りみたいに打ってレフトスタンドに叩き込んでいるものもある。
 ただまあ、上述の理由から、「インハイ」を中心に打ってホームランを量産したバッターがいるとは思えないので、野村も基本的には「アウトロー」を中心に打ってホームランを量産したのだと思う。でも、打撃フォームの分解写真を見ると、「インハイ」が得意そうな打ち方なんだよなあ。

 また、ここに挙げたバッター、田淵や落合、原や清原等々、そうして野村が、いずれも右バッターである事に気付いた方もおられよう。

 そう、左のホームランバッターは右バッターほど「インハイ」を苦手にしていない。松井や村上、大谷等々、皆「インハイ」をホームランに出来る。ブライアントはアレが最初で最後だけどな。

 ちなみに、ブライアントが「インハイ」を苦手にしていたのはアッパースイングしかスイングが無かったからだろう。中西コーチと相性が良かったのも当然である。でも、アレはアッパー気味に打っちゃったんだよなあ。人間の恐ろしいところではある。

 ブライアントはともかくとして、何故に多くの左のホームランバッターが「インハイ」を苦手にしていないかといえば、理由はただ一つ、多くのピッチャーが「右」だからである。

 右ピッチャーの投げる「インハイ」のボールをホームランにしようとする、すなわち出来る限り前でボールを捉えようとすれば、その分だけ、ボールは物理的、というか幾何学的に「真ん中寄り」、すなわち「真ん中高め」になる。そこでボールを捉えれば、ごく自然に長打、あるいはホームランになるだろう。そうはさせじと、ピッチャーはインハイに速い球を投げ込む、すなわちミートポイントをインサイド寄りにする訳である。

 これが左ピッチャーとなると話は異なる。ホームランにするためにボールを前で捉えようとすれば、左ピッチャーの場合、逆によりインコースとなる。時には、体の外側になるだろう。そこでボールを捉えれば、右ピッチャーの投げる右バッターへのインコース同様、ファウルになる。
 で、それをホームランにしようとすれば、山内や落合、古田のように詰まり気味の打ち方、内角打ちをマスターしなければならない。

 でも、そんな技術を習得する左バッターはいない。なぜなら、左ピッチャーはほとんどいないからである。各チーム、ロースターに2,3人程度、先発に1人くらいであろう。先発ローテーションに左を2人用意できるチームなど数える程しかいない。それもほんの一時期である。10年間、先発に左ピッチャーを2人以上揃える事が出来たチームは、日米問わず、台韓を問わず、無いのではないだろうか。ましてや、ロースターのピッチャー全員左なんてことは、メジャーリーグの歴史にも、日本のプロ野球の歴史にも無い。先発全員左も無いであろう。極左投手陣はない。極右投手陣は、ごく稀にあるけどね。

 そんなたまにしか対戦しない左ピッチャーのために、左バッターはわざわざややこしい内角打ちなんかマスターする必要がないのである。左バッターは右バッターに比べ、打率にして3分くらい有利とは云われているが、これもその左バッターの利点のひとつである。

 そうして、それがそのまま左のワンポイントの存在理由にもなる。永射や清川、遠山といった左キラー、左のワンポイントという職種の成立はこれが理由である。多少力が落ちても、対左の強打者用なら、十分戦力になる訳である。球速不足はサイドスローにして補えるのだ。松井に対する遠山の内角攻め、シュート攻め、そこから一転しての外のスライダーを覚えているファンも多いだろう。いやもう、だいぶ減ったか。あるいは篠塚のファウル。

 そうして、これはそっくりそのまま右のワンポイントが存在しない理由にもなる。右バッター、とりわけ右の強打者は、そもそも何らかの内角攻めへの対策を有しているから、それは無意味無価値なのである。サイドスローにしたくらいじゃ、右バッターは苦にしない。特別球が速ければ話は別だが、特別球が速ければ、そんな右ピッチャーは先発なり抑えなりをやっているだろう。右のワンポイントなんてやらない。

 世の中には、野球に限らず、需要と供給の間隙を突いたニッチな職業というのが色々あるが、左のワンポイントはそのひとつである。

 そうして、これがそのまま、「どうしてもプロ野球選手になりたければ、左ピッチャーになるべきだ」という命題の唯一にして絶対的な証明にもなる。

 そもそも、日米を問わず、いや台韓も問わず、プロ野球のロースターの半分はピッチャーである。まず門戸がもっとも広い。最も狭いのは、申す迄も無くキャッチャー、レギュラーは1人(最近はちょっと変わってきたかな。)で、ロースターもせいぜい5,6人だろう。

 そうして、ピッチャー全体の門戸は広いにも拘らず、左ピッチャーは少ない。つまり、需要は大きく供給は少ないのだから、それだけプロ野球選手になりやすいと云えるであろう。

 しかも、左ピッチャーには左のワンポイントのように左ピッチャー独特の職種まである。工藤や山本、石川、海の向こうだとモイヤーのように、左ピッチャーで球速も無いのに(工藤は「遅くなった」だけどな。)、長く現役を続けられる左ピッチャーが多いのも、専らこの需要と供給のバランスの関係のためである。右ピッチャーは球が遅ければ、その時点でお払い箱である。替わりはいくらでもいる。星野伸之のようなピッチャーが成立するのも、左ピッチャーだからこそであろう。江夏がケガ持ちでありながらも、しばらく現役を続けられたのは、その天性の投球術もあるが、左というのも大きかったろう。左でなければ、ケガをした時点で、自動的に引退、ないし解雇だったろう。

 以前もどっかに書いたけど、かつて野村監督は石井がドラフトされた時、「左で球速140キロの選手は、それだけでドラフト1位なんじゃ。」と語っていたが、それはこのあたりの消息を物語っている。
 また、同じく野村監督は、角盈男が引退を申し出た際に、「代わりを連れてこい」といったそうであるが、これもこのあたりの消息を物語るものである

 また、西武の森監督の「左だからといって、力の無いものは使わない。」という発言は、この消息の裏からの証明である。

 特別な運動能力が無いにもかかわらず、どうしてもプロ野球選手になりたい人は、左ピッチャーを志すべきであろう。だいじょーぶ、だいじょーぶ、右利きでも左で投げられるようになるから。吾郎君のようにマンガだけの話ではないから。右利き左投げみたいなピッチャーはたまにいる。左投げ右打ちとかね。今中がそうだったと思う。あと、ウィキ情報であるが、江夏はもともと右利きだったらしい。兄貴が買ってきたグラブが左利き用だったので、左で投げるようになったそうである。たまにいるよね、グラブに従う奴。道具に従う奴。

  さて、ここまで私が主張してきた事の大きな根拠である「低めが打ちづらいのは見えにくいから」について、ちょいと疑問を持った方もおられよう。

 それはつまり、「低めが遠くて見えづらいというのなら、同じ理由で外角も見えにくいのではないか。でも、外角の打率は低くない。」といった反論である。

 でも、これにはちゃんと理由がある。「人間の目は左右より高低の方が錯覚しやすいから」である。

 左右、すなわちヨコ方向に関しては、人の目はあまり錯覚しない。例えば、何でもいい、ちょっとした棒でもいい、それが30センチであるか50センチであるか、はたまた1メートルであるか、人の目はあまり錯覚しない。4センチか5センチかを判別するのは難しかろうが、10センチ単位だったら人の目はおおよそ見当が付く。

 また、奥行きもさほど錯覚しない。1キロ先は遠くて見えないだろうが、100メートル先50メートル先30メートル先は錯覚しないだろうし、5メートル3メートル1メートルもおおよそ見当がつくであろう。

 ところがこれがタテ方向、すなわち高さだと、いきなり錯覚する。住宅や電柱の高さの高さの見当付く人はいるだろうか。ほとんど外れるだろう。まあ、人間の身長が2メートル弱、故に天井は3メートル前後、天井裏が50センチほど、屋根が1メートルみたいに計算して見当をつける人はいても、目分量で高さを当てることは難しい。

 また、こうした経験をした人は少ないだろうが、木を切り倒すと、その木をヨコにした時、思ったよりも長く、あるいは思ったよりも短く感じる人は多い。まあ、「思ったよりも長く」の方が多いかな。

 また、そんなに高いものでなくても、例えば鉛筆を倒して見るのと、立てて見るのでは、長さが異なって感じるであろう。手元にあるであろう(ないかな?)鉛筆で試して貰いたい。

 バッティングの選球眼でも同じ事が云える。かつて、野村はこう論じていた。「王は左右の選球眼は完璧だった。1ミリは大袈裟にしても、1センチの狂いも無かった。ただし、高低には甘さがあった。」。

 更にこう続けている。「一般に、人間の目はヨコよりタテの方が錯覚しやすい。」。

 私はそれを読んで、「へ〜、知ってんだ。」と感心した。こうした点から見ても、野村克也という人がプロ野球選手の中では傑出した知能や知識を有していた事が分かる。

 ちなみに、この文章は更にこう続く。「その点、榎本は高低も完璧だった。1センチどころか1ミリの狂いも無かった。」。数ある榎本伝説のひとつである。

 榎本伝説はさておき、「人間の目は左右より高低の方が錯覚しやすい」という一般論はともかくとして、「選球眼はタテよりヨコの方が甘い。」という事を経験的に知っているキャッチャーや審判は、野村に限らず、多かったと思う。特に審判は「高低のジャッジは難しい」と感じていたんじゃないかな。

 では、何故に「人間の目は左右より高低の方が錯覚しやすい」のか。まあ、これに理由はあるんだけど、説明はメンドクサイので、興味のある方は各自で調べてちょ。

 で、この後はメジャーリーグやワールドシリーズ、ひいてはアメリカ社会の悪口を書くつもりだったのであるが、なんだかメンドクサクなってきたのでパス。次回に回したいと思います。つか、次回も書かんかも。まあ、来年のワールドシリーズにも同様、全く同様の感想を抱くと思うので、そん時書くかもしれません。「打順論」でも似たような事書くしね。


 んで、今週のコルツ〜〜〜。ベルリンでファルコンズに大勝利〜〜。

 ぺニックスは今季どっかのゲームで見ており、あんまり良い印象も無かったので「勝つかな〜。」と思っていたのではあるが、キッチリ勝利。でも、よく見たらオーバータイムでの勝ち。う〜〜ん、やっぱ今季は運良く勝ってるだけか。

 テイラー様は32キャリー、244ヤード、3タッチダウンの通常運転。余裕の週間MVP。いや、シーズンMVPに向けて驀進中。

 つか、それを先週やってくれ〜〜〜〜。何故にスティーラーズ相手には沈黙する。謎の沈黙。

 ちなみに、ダニエル・ジョーンズ君も2659ヤードで何気にリーディングパッサー。2位のハーバートに49ヤード差だけどな。

 また、会場はルーカスオイル・スタジアムなら超大盛り上がったんだろうけど、残念ながらベルリンのオリンピックスタジアム。

 ヒトラー、つかナチスが主催した1936年のオリンピックのために建設されたスタジアムでやんす。

 あと、あのサッカーワールドカップの1974年西ドイツ大会において伝説的な決勝戦の舞台になったスタジアムでもやんす。

 そういうスポーツ史、ちゅうか一般の20世紀史にもその名を留める会場での一戦でやんした。まあ、さすがにこの試合が一般の歴史やスポーツ史、NFL史に名を留める事は無いだろうが。テイラー史ぐらいには名を留めるかな。

 なお、試合開始時は霧雨で、「パープルレイン」を思い出した私であった。

 てなことを書いて、お茶を濁そうと思っていたのであるが、なんとYouTubeにてこの試合が配信。早速、今季のコルツ、初観戦と洒落こんだのであった。いや〜〜、良かった。ゲームパス入らないで。入ってたら、狂い死にしてるところだった。いや、そんなこたぁない。そこまで悔しくはない。

 で、まず試合全体の感想はというと、結果を知ってからの観戦だった訳ではあるけれど、なんかとても勝ちそうな雰囲気では無かった。「いや、こっから勝つの。」「これで勝つの。」なんて思いながら見てた。序盤でエクストラポイントを失敗、そうして接戦、終盤では2ポイントコンバージョン失敗、んで延長突入、ファルコンズボールから、って、これ完全に負けパターンのゲームだと思うんだけど、それでも勝ち。やっぱ、今季ツイてんな。勝ちが転がり込んでくる。ペイサーズとインディアンスに続いとる。宝くじを当てたければ、インディアナに引っ越しじゃ〜〜〜〜。

 内容的にもあまり良い所は無し。ぺニックス相手にあんな感じじゃ、とてもプレイオフを勝ち上がれるとは思えん。今季のコルツの豪運と実力不足を確認した今季コルツ初観戦であんした。

 あと、ちょっと気になったのは、オーバータイム終盤、敵陣30ヤード以内に攻め込んでいるのに、何故かそこから連続してランをコール。「キックしちゃえばいいのに、」とは思った。まして、テイラー様にはファンブル癖があるんだから。アトランタ陣26ヤードくらいはともかくとして、8ヤードくらいはキックでしょう。このへんでファンブルロスト、悲劇的な敗北を喫したチームは、NFLに限らず、フットボールでは数多いつうのに。「何してんの。」とは思った。

 キッカーに不安があるとは思えんし、それともルール変更?。アトランタのオフェンスを1回凌いでいるから、ここでFGでゲームセットじゃないの。もう一度アトランタに攻撃権があるの?。

 不可解なコールではあった。

 では、個人評をば。

 今季初観戦、私の最大の注目ポイントはセンターのボルトリーニ。「どんな調子かな。」と思って見てた。

 そしたら、早速、最初のオフェンスシリーズでテイラー様のファンブルをナイスリカバー。グッジョブ。

 あとは目立たず。まあ、「便りの無いのは良い便り」的なポジションなので良しとしましょう。1試合だけじゃ、何とも言えんしな。でも、テイラー様のファンブルをリカバーしたって事は、足が着いていってる証拠。ケリーにはこんなシーン無かったような、とひと腐り。

 でもまあ、この試合観てて、しみじみ思ったのは、「やっぱ1巡でセンターは無いな。」って事である。センターなんて下位でいくらでもおるわ。あん時は浮かれてた。どうかしてた。いや、追いつめられてた。バカのジョナッタン・ハリソンがセンターだったもんな。そりゃ追いつめられるわ。狂気の淵に立たされるわ。正常な判断力を失うわ。

 で、今、軽くボルトリーニを調べてみたら、人相悪いな、コイツ。目つきが怖い。顔見ただけで、300円渡しちゃいそうだよ。自動カツアゲマシーン。

 名前の発音は、プロフットボール・レファレンス情報によると、「ボルトーリーニー」みたいな感じらしい。でも、めんどくさいので、ここでは「ボルトリーニ」と表記します。

 当サイトの昨年のドラフト時の記事を見たら、当時の私は「ボルトーニ」と表記してた。意味が分からん。「リ」は何処に行った。「リ」はいずこへ。めんどくさいから直さんけど。

 そうして、安心のウィスコンシン・ブランド。

 生まれもウィスコンシンみたい。パッカーズに逃げられないか、心配。今から囲っとかんと。

 次の注目は、もちソース。

 第一印象はというと、「いや、デカいな。」である。

 他のDBやLBと比較しても、頭一つくらい抜けとる。公式スタッツ的には6−3となっているけど、6−4とか6−5ぐらいの印象。

 カルヴィン・ジョンソンとかA.J.グリーンとかハリソンJr.様とかデカいWR、「頭一つデカいWR」っていうのは見た事あるけど、「頭一つデカいCB」っていうのは初めて見た。

 ただまあ、私個人的には大型CBは否定派なのである。どうしても動きがもっさりしてるというか、CBにとって必須の俊敏性すばっしっこさに欠ける恨みがある。この試合でも、第4クォーター終盤のアトランタの2ポイントコンバージョンでマークを外されてた。勝ったからいいようなものの、負けてたら戦犯扱いだったかもしれないプレイではある。

 つう訳で、私は「大型CB」はあまり好みではない。6−2でアウト、6−1ならギリ許容範囲みたいな印象である。6−0以下、理想的には5−10である。いや、むしろ、5−9みたいなチビッコCBの方が大好物である。ケニー・ムーアはその典型。

 そうして、こうした見解は、私のみならず、一昔前まではNFLやフットボール業界の全体の見解、意向だったと思う。一昔前までは大型CBというのはあまりいなかった。少数派ですらなかった。NFL全体でも数人程度だったと思う。アントニオ・クロマティとかが、数少ない例外だったろう。

 こうした傾向が大きく変わったのがレジオン・オブ・ブーンの登場からである。レジオン・オブ・ブーン、つうかピート・キャロルがリチャード・シャーマンとかブランドン・ブラウナーとかカム・キャンセラーとかデカいDBをかき集め、のみならず勝ち出し、あまつさえペイトン・マニングを完封してしまったのである。

 そこから、流れは大きく変わった。「大きくあらずんばCBにあらず」ぐらいの風潮になった。

 理屈は分からない。それまでの比較的単純なマンマークから、レジオン・オブ・ブーンの登場以降、DB、つうかバック7がゾーンとマンツーマンのハイブリッドみたいな守り方に変わってきたので、かつてほどマンツーマン能力、すなわち俊敏性がCBに求められなくなったのかもしれない。ならば、大型WR対策、ランサポート等々、大きければ大きいほど良い訳である。つう事なのかな。

 ちなみに、ゾーンディフェンスだったら、CBは大きくて良い。いや、大きい方が良い。分かり易いのが「カバー2」で、コルツもダンジー時代(20年前!!!!。涙。)はジャクソン、ヘイデンともに大型CBだった。っつても共に6−0だけどな。当時は、それでも大型だった。6−3のCBなんて考えられない時代だった。

 「カバー2」というのは、CBのみならず、LBも含めてバック7全員がSみたいなディフェンスなので、CBにも体格が求められた。ヒトに付くのではなく、ボールを見るディフェンスなので俊敏性は重視されない。

 もっとも、いや当時でも、この手のゾーンディオフェンスはNFLのQBに対しては無力なので、あまり効果的でないディフェンススキームだと思う。このスキームを採用するためには、当時のコルツのような強力オフェンスが必須。ダンジーがタンパベイも解任されたのも、それが理由。後任はオフェンスマインドのグルーデンが就任し、スーパーボウルを制する事となる。ピットマン父の時代。

 次は、もちタイラー。

 こちらはさすがの出来。

 この試合、スタッツやハイライト映像だけだと、テイラー様がMVPのように思うであろうが、実際のゲームを見ると、この試合のMVPはウォーレンだという事がはっきり分かる。それくらい、あの第4クォーター最終版4th&2からのレシーブは大きかった。敗戦を救った。

 ここ数年、コルツはああいう3rd&ショートや4th&ショートが獲れなくて、ずっと苦しんできた。オフェンスが進まない大きな要因であった。ハンドの良い選手、つまり、まともにルートランニング出来る選手が皆無だったからである。ポロポロしてた。

 で、テイラー様にディフェンスが集中。あっさり止められる。

 大昔、どっかで書いたと思うが、「ランはラン止めに集中すれば止めらる。パスはパス止めに集中しても、良いQBと良いレシーバーがいれば、止められない。」。故に、こういう3rd&ショートや4th&ショートの場面では、優秀なパッシングオフェンス、とりわけまともにルートランニング出来る選手が必須なのである。ところが、それがここ数年、正確に言えばヒルトンの抜けた2022年以降のコルツには、皆無だった。それがようやっと解消された。

 ちなみに、第11週のジェッツ対ペイトリオッツを見てたら、同じような場面でアドナイ・ミッチェルがポロリしてた。2024ドラフトの2巡52位。ソースの正確な対価は2026の1巡と2027の1巡と2024の2巡52位だからな。

 あと、オーバータイムでの23ヤードレシーブも大きかった。あれで勝利がほぼ確定した。まさしく、MVPの活躍。コルツを敗戦から救い、勝利を確定させた。

 テイラー様については、先述した通りの通常運転なので、特に感想批評は無し。

 むしろ、アトランタに苦言。

 全体的にオーバーパシュート気味じゃねーの。「一歩前で止めろ」つう指導なり指示なりが入っているのかもしれんけど、もうちっと上手くタックルしていたら、違う結果になっていたと思う。まあ、そういうタックルが出来そうで出来ないところを走るのがテイラー様なんだけど。テイラー様の極上のテクニック、奥義なんだけど。武論尊先生が巧い名前を付けそう。ヒドイとも云うが。

 その他は、まっ、いっかな。ダニエル君はまた次回にでも。さすがにプレイオフは確定だろ。

 あっ、そうそう、ザイール・フランクリンな。この試合全然目立ってなかった。最後のオールアウトブリッツで姿を見せた程度。そんなもんだよ、タックリングマシーンなんて。ちなみに、今季はここまで60タックル。1試合6タックルペース。

 コルツの選手はこんくらいにして、次はファルコンズ。

 まずはぺニックス。あまり良い印象は無かったが、細かい言及はここでは避ける。ここでは一つだけ、「左利き」について。

 ぺニックスは、昨今のNFLでは大変な希少種であろう左利き。

 一昔前は、同じファルコンズの大先輩、ヴィック様をはじめ、ブルネルがいたし、もうちっと前だと、無論スティーブ・ヤングなど、左利きのQBはそこそこいた。

 ところが、この10年くらいはほぼ皆無である。あのティーボウぐらいである。誰か重大な人を忘れていたら、ゴメンナサイ。

 ちなみに、何故デンバー、つかエルウェイがティーボウを見切ったのかは、今以って謎。確かに、クォーターバッキングはメチャクチャだったけど、チームを勝たせていたのは事実だったんだから、もう少し我慢しても良かったと思う。まあ、マニングに我慢できなかったんだけどさ。

 でも、ティーボウのアノ試合は、私の過去20年のNFL観戦歴で2番目に興奮したゲーム。1番目はナイナーズ時代のハーボーのアノ試合。 

 「左利き」に話を戻す。私は以前どっかで書いたけど、そうして何回か書いているけど、私のキライなQB三大要素は、「走るQB」「チビ」「左利き」である。この3つのうちどれか一つでも当てはまれば、私はそのQBを弾く。ちなみに、ヴィック様は全部備えている。コンプリートパッケージ。

 前二者はともかく、「左利き」が何故嫌いかというと、まずはオフェンスライン、とりわけタックルの問題がある。ブラインドサイドが左右逆になるから、タックルも逆にしたいとこだけど、右から左、右から左への転向は意外に難しい。手袋同様、左右は意外に違うものなのである。野球のセカンドとショートのコンバート、あるいはライトとレフトのコンバートも意外にうまくいかない事があるしね。

 あと、もうひとつ、意外に盲点なのがボールの回転だと思う。ボールの回転が右とは逆になるので、レシーバーが捕りずらそうにしている。私にはそう見える。

 「プロなんだから、捕れや。」って話かもしれないが、「プロだからこそ、捕りにくい。」とも云える。また、大昔みたいに、メンツがほとんど変わらない、QBとレシーバー陣がずっとコンビを組み続けれるのなら、話は別だが、数年で移籍してしまうのが現在のNFLである。エース級はともかく、それ以外の選手は慣れる前にチームを去ってしまう。

 これらが共通認識になっているのか、昨今では左利きQBは皆無である。その左利きQB最後の希望、あるいは救世主がぺニックスさんなのである。がんばって欲しい。

 次はビジャン・ロビンソン。

 まあ、悪くはないんだが、何回か前に書いたマカフリー同様、良いところもよく分からん。特長が無いのが特徴みたいな選手か。いや、特徴の無いのが特長。

 んで、何週か前の公式ページのモーリス・ジョーンズ=ドリュー(15年振りくらいにタイプした!!!。)の例のコラムで、このマカフリーとロビンソンをテイラー様の上位にランクしてた。あのチビ、ぶっ殺す。

 最後にオールギア。この試合、最大の収穫。オールギアって。綴りは「ALLGEIRE」。日本人が苦手な「L」が二つに「R」が一つ入ってる。現地放送(英語の方な。)も私の耳では聞き取りづらかったのであるが、現地発音準拠型で日本語表記すると、「アルギール」あるいは「アルギアー」みたいな感じ。日本語版のウィキペディアでは「アルジアー」、プロフットボール・レファレンスだと、「アルジール」みたいな感じ。

 いや「オールギア」でしょう。超カッコイイ。スポーツ用品メーカーのブランド名みたい。当サイトでは「オールギア」で押しまくります。押〜してダメでも、押しま〜〜くる。

 プレイスタイルは「一点突破型」。「突破型」といってもロボコンのような力押しタイプではなく、ボールを貰った瞬間トップギアに入って、そのままホールに突っ込むみたいな感じのスタイル。「爆発的な加速力」とも言えなくもないが、単純に「爆発型」、あるいは「暴発型」とも云える。「ゼロヨン型」「ドラッグレース型」とでもいった感じか。

 NFLでは、ありそでなさそなタイプ。比較対象が思いつかない。個人的にはロビンソンよりタイプ。使っていきたい。名前もかっちょいいし。人気でそうなタイプ。

 こんなとこか。あっ、そうそう。ライアツ・ラツ。

 一試合丸々見たけど、全然目立たんな。全然出てこんな。フットボールには「便りの無いのは良い便り」的なポジションもあるが、エッジラッシャーはそうじゃないじゃろが〜〜〜い。目立ってナンボのポジションだろが〜〜〜。便りの無いのは悪い便りのポジションだろが〜〜〜〜。

 この日はノーサック。ここまで5サック。良し、キャリアベスト。残り7試合、5サックノルマな。

 来週はバイウィーク。

                                     2025/11/16(日)
Week12 今週のコルツ  前回の記事で「ヒットとホームラン」について軽く触れたけれども、その続き、あるいは完結編。

 まずは、「ヒットとホームラン」の定義から。こういうことは当たり前すぎるので、前回の「ど真ん中は何故打ちやすい」同様、今の今まで誰もやって来なかったのであるが(多分)、ここを定義すると、「ど真ん中は何故打ちやすい」同様、ここから演繹して色々な事が分かってくる。定義は大事。

 まずは、「ヒット」の定義。それは二つある。

 一つ目は、当たり前すぎる事であるが、「打球がワンバウンド以上すること」。

 当たり前ちゃあ当たり前であるが、ワンバウンド以上をしない、すなわちノーバウンドで捕られたボールは、ひとつの例外も無く、アウトである。ヒットではない。子供の頃、私や私の父に付き合わされて、プロ野球を嫌々見ていた私の母が、バッターが打ち上げるたびに、まさしくバカの一つ覚えで「あ〜、打ち上げちゃった。」と独り言ちていた。野球に全然興味のない私の母でも、「打ち上げたら、アウト」、すなわち「ノーバウンドはアウト」は知っていた。

 二つ目は、こちらは一つ目と違って、意外と盲点、忘れがちなのであるが、「ワンバウンド以上したボールを野手(投手も含む)が捕り、一塁に送球到着するより前に、バッターランナーが一塁に到着すること」である。

 以上、二項を備えて、初めて「ヒット」となる。どちらか一項のみではダメである。「ヒット」にはならない。

 故に、第一項「打球がワンバウンド以上すること」の非常に巧みな打者、100%ゴロの打球を打てるバッターがいたとしても、そのバッターの体重が1トンくらいあって、走れない、いや歩けないでは絶対に「ヒット」は打てない。

 故に、「ヒットを打つのが上手いバッター」とは、「高確率でゴロを打ち、足が速いバッター」となる。まあ、イチローなんかはその典型であろう。実際、誰よりも数多くヒットを打った。

 次に「ホームラン」の定義。

 こちらは単純で、一つしかない。「ヒット」は二つの条件をクリアしなければならないのに対し、「ホームラン」の条件はたった一つしかない。

 すなわち、「ノーバウンドの打球がフェアゾーンのフェンスを越えること」である。

 これをクリアすれば、例外なく「ホームラン」である。まあ、ランニングホームランちゅうのもあるにはあるけれども、これは特殊な例外である。むしろ、二塁打や三塁打同様、「ヒット」の範疇であろう。まさしく「ヒットの延長がホームラン」である。

 以上が「ヒット」と「ホームラン」のそれぞれの定義である。どうだろう、この両者が全く毛色の違う、まるで異なる、あるいは正反対のプレイ、技術であることが分かるであろう。

 まず単純に、ヒットは「ワンバウンド以上しなければならない」のに対し、ホームランは「ノーバウンドでなければならない」である。

 また、意外に見落としがちなのが、「走力」である。ヒットは「走力」があるほど、すなわち足が速ければ速いほど、打ちやすい。一方で、ホームランに「走力」は不要である、打球がノーバウンドでフェア地域のフェンスさえ超えれば、走らなくても良い。いや歩かなくても良い。ホームランには代走が許されている。先に例に挙げた体重1トンのバッターもホームランなら打てる。いや、ホームランこそ打つべきバッターであろう。

 かくして、この両者は全く別のプレイ、技術なのであるが、野球の世界においては長らく、いや今以ってさえも混同されている。「ヒットはホームランの延長」「ホームランの打ち損ないがヒット」等々である。

 実際、こういう一つの動きで全く別の結果を求めるプレイや技術は他にあまりないと思う。例えば、サッカーにおけるパスとシュートは全く同一の動き、技術である。なぜなら、「ゴールに向かってパスするのがシュート」だからである。
 また、バスケットボールにおけるパスとシュートはそれぞれ全く異なる動きをする。目的が異なるからだ。パスが一般に平行運動であるのに対し、シュートは上下運動、というか高所に向かっての運動である。よって、技術、すなわちフォームが異なる。「左手は添えるだけ」である。まあ、ダブルハンドの3Pもあるけどな。

 というように、スポーツに限らず、一般に技術というのは、目的が変われば技術は異なり、目的が同じならば技術も同じである。ところが、バッティングは全く異なる、もっといえば正反対の目的に対し、ひとつの技術で対応しようとしていた、いや現時点でもしている事に大きな無理があるのだ。ダウンスイングやアッパースイングといった不毛な論争も全てここから生まれている。

 「ヒット」を狙うなら、「ヒット」を目的とするなら、インハイのボールを的を絞ってダウンスイングで打つべきであり、「ホームラン」を狙うならアウトローのボールを狙ってアッパースイングで打ちべきであろう。というか、そのへんのボールを狙えば、それぞれごく自然に、物理的にダウンスイング、アッパースイングにならざる得ない。というのは、前回書いた通りである。

 また、「ヒット」を狙うのであれば、「走力」は重要であるから、体をある程度軽くすべきであろうし(軽い方がより早く動き出せるからである。自転車が自動車より早く動き出せるのとまったく同じ理屈である。)、「ホームラン」を狙うのであれば、「走力」は不要であり、重いほど飛距離は増すのであるから、体は出来るだけ重くすべきであろう。これが、野球における「ウェイト論争」の結論である。イチローは痩せるべきだし、デーブ大久保は太るべきだろう。

 全ては、ヒットメーカーとホームランバッターを混同する事から始まっている。

 したがって、ヒットメーカーとホーランバッターはコーチングも変えるべきであろう。ところがこれも混同してるんだよなあ。ヒットメーカーにアッパースイングを教えたり、ホームランバッターにダウンスイングを教えたりしてる。

 ちなみに、これは守備も同様で、かつて駒田が嘆いていた。「守備コーチってさあ、大概、ちゅうか全てセカンドかショートの人がやるでしょ。だから、あの人達、ファーストの守り方、知らないんだよね。ファーストにはファーストの守備コーチを置いて欲しいんだよ。」。

 同様の事はバッターにも云えるであろう。ヒットメーカー、すなわち1,2番タイプには1,2番タイプのバッティングコーチを置くべきだし、ホームランバッターバッター、すなわちスラッガータイプにはスラッガータイプのコーチを置くべきであろう。

 勿論、理想的には、どんなバッターでも、状況に応じて、ヒット狙いやホームラン狙いのバッティングをすべきではあろう。ただ、それはあくまで理想論である。まあ、スラッガータイプであったら、状況に応じてヒット、ホームランも出来るだろうけど、それも程度問題である。ヒット狙いの状況だからといって、短いバットを短く持つという訳にもいかないし、仮にそれが出来たとしても、状況によって体型は変えられないし、右打席を左打席に、という訳にもいくまい。

 そうして、スラッガータイプならまだしも、1,2番タイプのバッターが、ホームランが欲しい状況だからホームラン狙いという訳にはいかないだろう。そもそも、1,2番タイプというのは、ホームランが打てないから、あるいはホームランを量産できないから、1,2番タイプになった訳である。状況に応じてホームランなんて、出来る訳がない。

 宮本が、フライボール革命にほだされたのか知らないが、「アッパースイングをすれば、フライを打つようにすれば、ライナー性の打球を打つようにすれば、打率が上がる」みたいな事を唱えているけど、そんな事はねーーーーー。

 先の私の母の嘆きじゃないけど、フライを上げたら、ほぼ完全にアウトだよ。そんなの統計も出てるわ。つうか、統計を採るまでも無いだろう。野球のレベルにもよるが、一定の高さ、20メートルとか30メートルとかまで打球が上がれば、大概、つか全てアウトだよ。誰かしら捕るよ。プロ野球なら尚更だよ。そんなの考えるまでも無い。ただ、唯一の例外があって、それはフェンスを越える事、フェア地域で越えればホームラン、ファウル地域で越えればファウル、すなわちストライクだよ。それが唯一の例外だよ。

 ちなみに、フェンスの無い球場であったら、それは外野の頭を超えた時がホームラン、すなわちランニングホームランって事だよ。まあ、ワンバウンド以上して外野の間を抜けても、同じくランニングホームランだけどな。

 でも、それは唯一の例外で、多くのバッターにとっては非常に難しい。ホームランというのはなかなか打てないものなのだ。

 昨年、「大谷がドジャースのフランチャイズ史上初の50本塁打超えである事に私は驚いた」みたいな記事を書いたけれども、150年近い歴史を誇るドジャースでさえ、シーズン50本塁打を超えるのは大谷が初めてだっていうのだから、それくらいホームランを打つ事は難しい。実際、メジャーの他のチームでも、まだシーズン50本塁打以上を出していないチームはあると思う。

 また、試合数が異なるので単純比較は出来ないけれども、日本のプロ野球でシーズン50本塁打を達成した日本人選手は、小鶴、野村、王、落合、松井、村上の6人のみ、私が空で云えるくらいの数しかいない。

 ホームランというのは、それくらい打つのは難しいのだ。しかも、それは先天的である。後天的な努力で身に付くものではない。

 例えば、宮本が、そのキャリアの全盛期、30歳前後に、もう一つ下のレベル、2軍だとか、極端な話をすれば、大学リーグとかで野球をし、スラッガータイプの打撃をしたら、ホームランを量産できるだろうか。私は出来ないと思う。まあ、そりゃ勿論、プロの1軍よりは増えるであろうけど、微増にとどまるであろう。プロ野球のシーズン換算で15本程度ではないだろうか。

 また、蓑田や高橋慶彦、松井稼頭央のように、1,2番タイプでありながらホームランを量産するバッターもいるけれど、彼らはもともとホームランを打つ力を持っていたと考えるべきだろう。足が速いので、当初1,2番を任されていたのだ。山田や柳田も同様だろう。

 また、門田のように、人生の全てを捧げて、チームの勝利も家族の幸せも全て犠牲にしても、王には遠く及ばず、野村にすら及ばないのだから、「ホームランを打つ」というのは、やはり先天的な能力なのである。「飛距離は生まれつき」。

 山崎武司が、「僕たちホームランバッターっていうのは、どう打ってもホームランになっちゃうんですよ。打ち損ないがホームランになる、それがホームランバッターなんですよ。」みたいな事を云っていたが、まさしくその通りであろう。

 また、王がある若手選手に「ホームランなんて3試合に1本打てばいいんだよ。それくらい気楽にいこう。」みたいなアドバイスをしたらしいけど、3試合に1本なんて、打てねーよ。3試合に1本、すなわち10打席に1本ペース、私が「王ペース」と呼んでいるものだけど、そんなのは野村や田淵といった、典型的なホームランバッターですら、キャリアの全盛期でのペースだよ。そのペースでキャリアを全うしたのが、王の偉大なところであり、恐ろしいところである。

 そういう王ですら3試合に1本しか打てないのがホームランなのである。一方ヒットは、大概の選手が1試合に1本は打てる。それが打率2割5分って事である。3試合もヒットが出なければ、不調を疑われるし、10試合ノーヒットならスタメン剥奪の恐怖に怯える事になるだろう。一方、10試合で1本のホームランは、シーズン15本ペース。悪くない数字である。

 ホームランを戦略の基本に据えるのがいかにバカバカしいっかって話である。ところが、現今フライボール革命まっさかりのアメリカはそれを実行しているのである。愚の骨頂である。

 宮本、大谷の連続ホームランで2点取る事を期待する戦略を取っているのが、現今のメジャーリーグであり、日本のプロ野球もそれに追随しようとしている。

 宮本がヒットを打ち、大谷がホームランを打っても同じ2点であり、こちらの方が高確率である事に、何故に気付かないのだろう。現今のアメリカはバカが支配してる国という事なのだろう。この手のアメリカ文明、ひいては文明批判は、次回のワールドシリーズの悪口、あるいは「打順論」で書きたいと思います。ここでは、スイッチヒッターについて。

 先に、高橋慶彦や松井稼頭央の事をちょいと触れたけど、彼らはいずれもスイッチヒッターである。そうして、最終的にはともかく、デビュー当初は1,2番タイプとして活躍していた選手である。

 日本のプロ野球では、柴田の影響からか、ほぼ全て、というか全員1,2番タイプである。誰か重大な人を忘れていたら、ゴメンナサイ。

 一方、メジャーリーグのスイッチヒッターは、ミッキー・マントルを筆頭に、エディ・マレー等々、多くはスラッガータイプである。日本に来たレジー・スミス、デストラーデ、ホージー、皆スラッガータイプである。ホージーがスラッガーかに関しては、数多くの異論があるだろうが、とりあえずな。

 でも、本来、スイッチヒッターはスラッガータイプであるべきだよね。日本のプロ野球のように、1,2番タイプのスイッチヒッターはおかしいよね。意味ないよね。

 なぜなら、1,2番タイプで左で打てるのなら、ずっと左で打ちゃいいからである。右打席に入る理由がない。1塁に遠くなるだけである。

 一方で、スラッガータイプがスイッチにする理由は、これはハッキリしている。逃げる球対策である。スラッガータイプというのは、ここまで書いてきた通り、基本的にはアウトローを打つタイプである。故に、必然的に「逃げる球対策」が必須となる。永遠の課題、宿敵といっても良いであろう。

 それがスイッチヒッターになる事によって、解消とまでは云わないが、大きく改善される。入ってくるアウトローのボールを思いっきり引っ張れば良いだけの話になる。

 一方で、1,2番タイプはインハイ中心に打っていくのだから、そもそも「逃げる球対策」は必要が無い。インハイの逃げる球は、すなわち真ん中高めである。絶好球である。引っ張るなり流すなり自由にすればよいであろう。故に、スイッチにする理由は何もない。1塁から遠ざかる分だけ損しているといっても良いであろう。

 つか、あらゆるバッターは左で打つべきだよね。右で打つ理由は、ほぼ無い。理由は、前回書いた通り、「ほとんどのピッチャーが右だから」である。あらゆるバッターは、まずは左バッターを試み、どうしてもダメな選手だけが右で打つべきであろう。実際、今の野球はそうなってきてるしね。


 ここで唐突に今週のコルツコーナー〜〜〜〜〜。

 チーフス相手に20−23で負けちゃいました。

 ちゃんとしたチーム相手にはなかなかに厳しいですなあ。と書くと、今までコルツに負けたチームは「ちゃんとしてない」みたいだけど、あくまでイメージなんで深く考えないよーに。

 チーフスもこの時点で、5勝5敗。崖っぷちとまでは云わないが、なかなかに追い込まれてはいる。崖っぷち一歩手前みたいな印象である。「あと1,2敗は出来るかな〜〜。」ぐらいである。ただ気持ち的には、「残り試合全勝」ではあろう。

 ちなみに、その後の第13週は木曜日ゲームで、この時点で結果が出ており、ダラスに28−31で手痛い敗戦。6勝6敗。いや、もう崖っぷちですなあ。

 そのチーフスに我らがコルツは第12週に20−23で敗戦した訳である。オーバータイムでの敗戦という事で、不運と言えなくも無いのであるが、第4クォーター開始時は20−9とリードしながら、第4クォーターで0−11、オーバータイムは先にボールを得るものの3rd&1が取れず、3&アウト。で、その後キッチリFGを奪われての敗戦なので、実力といえば言えなくもない負け方ではある。プレイオフ常連チームとの力の差がはっきり出たとも言えなくはない。

 まあ、スタッツとハイライト映像だけのの判断だから、断言はしかねるけどさ。

 頼みの我らがテイラー様は16キャリー、58ヤード、0タッチダウン。

 スティーラーズ戦といい、ちゃんとしたチーム相手にはキッチリ止められますなあ。

 ここからはあくまで私の妄想であるが(「今まで全部だろ。」とかツッコまないよーに。)、スティーラーズとかチーフスは、ファルコンズのように、「一歩でも前で」止めようとしてなかったんじゃないかな。

 ファンの私が云うのもなんだが、テイラー対策の基本は、「タックルしに行かない事」である。それよりも「走路を塞ぐ事」が肝要である。第一義である。走路をきっちり塞げば、テイラーは立ち往生し、ディフェンダーをかわす、あるいは振り切るような、カットバックやクイックネスはテイラーには無いから、ごく自然にその場でダウンすることになるだろう。まさしくコンテイン、包み込むように守る事が肝要である。

 そうして、それは同時にゾーン気味に守る事になるから、ごく自然にウォーレン対策にもなる。これで、テイラー&タイラーは封じられる。ついでに平均10ヤード男ピットマンもな。

 で、こういう時こそ、プレイアクションからのディープなのであるが、ダウンズとピアースには、悲しい哉、ハンドが無い。私がDCなら「ほっとけ、ほっとけ」となるだろう。捕られる事もあるかもしれないけど、落とす事もある。まずは、テイラー&タイラー、それが対コルツには肝要。第一義。

 また、ジョーンズもプレイアクションがヘタッピなんだよなあ。かてて加えて、ディープに放る時は、テレビの前の私でも丸わかりである。露骨に大股になる、スタンスが広くなる。ジェイレン・ダニエルズのように、ショートもミドルもディープも同じフォームで投げないと。バレバレだよ。

 んで、今週のライアツ・ラツさん〜〜〜。1インターセプト決めとる。あと0.5サックも。

 つう訳で、ここまでのシーズンスタッツが5.5サック、3インターセプト。セイフティなら、MVP候補の数字である。でも、エッジラッシャー〜〜〜。どーすんの、これ。カバーが得意なエッジラッシャーって、意味わからんでしょ。譬えが思いつかないくらい、意味わからんでしょ。スライダーが外角低めに鋭く決まるキャッチャー、みたいな感じか。いや、違うだろ、それ。アシストの上手いストライカーみたいな感じか。いや、それ只のパサーだろ。フィニッシャーじゃねーだろ。

 ラツさんのポジション問題(?)はともかく、これで8勝3敗。ちょっと前までは「ぶっちぎり〜〜」とか言って、余裕ぶっこいていたけど、完全に混沌としてきましたな。

 残り6試合はテキサンズとジャガーズが2試合づつ、残り2試合がシーホークスとナイナーズ。シーホークスとナイナーズは他カンファレンスだけど、プレイオフ争い中のチームである。容易には勝てないだろう。でも、他カンファレンス。そこは慰み。

 問題はとにかく同地区の4つである。現在、ジャガーズが7勝、テキサンズは6勝、完全に優勝圏内である。ムキになってくる状態である。

 ここを2勝2敗で乗り切れたら、優勝に大きく前進じゃないかなあ。ただ、同じ2勝2敗でも、両チームに1勝1敗づつの2勝2敗が条件だと思う。どっちかに2勝の2勝2敗だと厳しくなるような気がする。

 あと、ワイルドカード、これはもう分からん。最後の最後でデンバー戦のバカづき1勝が効いてきたら嬉しいところではある。

 いや〜、キナ臭くなってきましたな〜〜。あるな、6戦全敗。あるな、プレイオフ逃し。前オーナーが御存命なら、ブチ切れジョーンズ解雇。あるな、この展開。とりあえず、来週の、っつても今日だけど、テキサンズ戦、

 死んでも勝て〜〜〜〜〜。


 てなぐらいで今週は終わらそうと思ったんだけど、何気なくペイサーズのホームページを見たら、今季のペイサーズ、ここまで3勝16敗。ぶっちぎりの最下位ではなくて、2勝16敗のウィザーズを辛うじて凌ぐイースト14位。

 いや、こんな事ってあんの?。昨季のファイナル進出チームだよ、第7戦でエースの欠場でギリギリ優勝を逃したチーム、云わばギリ準優勝のチームだよ。それがほぼ最下位って。ちなみに、優勝したサンダーは現在19勝1敗でぶっちぎりの首位。ウェストのみならず、リーグでぶっちぎりの首位。どうして、ここまで差が付く。

 そりゃ、確かに主力二人が抜けたけどさ、確かに、バスケットボールというゲームはともかく、NBAちゅうリーグは、結局は個人スポーツのリーグだけどさ。でも、準最下位は無くね。ジョーダンが抜けたブルズだって、プレイオフには進出してたぞ。ジョーダンとピッペンの抜けたブルズは最下位に沈んだけどな。他にも色々抜けたけど。

 ハリバートンとターナーって、そのレベルの選手なんかいーーー。

 いや、来たな、昨季の反動が。昨季のバカづきの反動が。来季はヤバいよ、インディアンスとコルツも。インディアン州民よ。今すぐインディアナ州から、引っ越せ〜〜〜〜。

                                        2025/11/30(日)

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