インディアナポリス研究会コルツ部

歴史

2025シーズン

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Week13 11月30日
SNF
DEN@WAS
27−26
 世間的にはドラフト同期QB対決という事で煽られていたが、私的には「大学時代試合に出場し過ぎだろ(61試合vs55試合)」対決で盛り上がっていたこの試合、当然というかやっぱりというか、ダニエルズは欠場。この試合も負けて、ワシントンは9敗。ダニエルズは、今季残りは全休でいいんじゃないかな。ムリする必要全くねーし、フットボールはサイドラインからでも学べるし。

 つう感じで、私的には肩透かしを食らった感も否めない試合であったが、試合自体はなかなかに楽しめた。9勝2敗と3勝8敗のマッチアップ、それも8連勝中と6連敗中のマッチアップなので勢い的に一方的になるかなと思っていたのであるが、意外や意外、実力的にも内容的にも好ゲームであった。この内容実力で3勝8敗のワシントンは本当に意外な感じがした。8勝3敗でもおかしくない内容実力である。

 まあ、それだけ戦力均衡が徹底してきたという事ではある。QBのケガとか、ちょっとした運不運で勝敗が決してしまうのが今のNFLだとも云える。なかなか戦略や戦術だけは勝っていけない。勝ちを独占できない。昨季の勝者のイーグルスが現時点で4敗、チーフスが6敗、スットコチームのコルツが4敗。そういうリーグではある。良し悪しはともかく。

 さて、このゲーム、私の最大の注目、要チェックポイントはダニエルズ被サック禍ケガ禍の元凶、コマンダーズのOL陣である。

 で、1試合丸々拝見した感想はというと、「意外に悪くない」である。開幕戦みたいにグダグダなのかと思いきや、意外にまとまってた。ランもしっかり出ているし、パスプロも破綻してはいない。顔ぶれ的にはそれなりのメンツを揃えているから、当然ちゃあ当然なんだけどな。昨オフの最大補強ポイントだったしな。

 でも、コンリーJr.はダメ。オーバータイム、最後の最後で破綻してた。足が全然ついてってない。で、今軽くウィキで調べてみたら、大学時代はLTだったみたい。どっかの記事で書いたが、タックルに限らず、スポーツの世界では右と左って意外に違う。単なる「鏡写し」の関係ではない。利き手のみならず、人間には利き足や利き目もあるらしいので、右で出来る事が左だと出来ない、あるいはその逆、左で出来る事が右だと出来ないって事はままある。コンリーJr.もこのパターンかな。LTにコンバートも有りかもしれん。

 大昔、ラックのルーキー時代の記事で書いたけど、新人QBの最初かつ最大の仕事は「OLの調教」である。これを怠ると、それこそラックコースになってしまう。まあ、怠ったのはラックの責任ではなく、パガーノのバカだけどな。
 
 コンリーJr.の命運は、そのままダニエルズの命運だし、それはそのままワシントンの命運である。

 で、そのダニエルズの代わりに出て来たのが、懐かしの、って程でもないがAFC南地区のファンにはお馴染みマリオッタ君である。いや、お前、ここにいたんだな。

 つう訳で、久方ぶりにマリオッタのクォーターバッキングを堪能した訳であるが、まあなんつーか、全体的に悪くはないんだけど、どうしても「えいやっ」で投げちゃうんだよね。それが良い目に出れば、この日のバークスのワンハンドキャッチ・タッチダウンになるし、悪い目に出ればインターセプトとなる。良し悪しちゃあ良し悪しだろうけど、そのへんを嫌われてタイタンズを放出された訳である。んで、ジャーニーマン。

 今季、というかここ数年のタイタンズの低迷、つか惨状を鑑みると、マリオッタを残しておいた方が良かったんじゃないかという気もしなくはないが、私がGMでも、やっぱり放出してたかな。

 そのほか、ワシントンで気になったところはというと、やっぱりボンちゃん、ボン・ミラー。

 いや、お前、まだやってたんかい〜〜〜〜〜〜〜。

 まあ、確かにエッジラッシャーは意外に息の長いポジションではあるけれど、さすがにちょいと驚いた。15年目、御年36歳。プロフィールの写真もメガネじゃ無くなっとる。イメチェンしたんか。

 マニング時代のデンバーの選手である。そう考えると、感慨深いものがあるでしょ。いや、無い?。

 また、この試合は所謂「古巣」との対決となった訳ではあるが、デンバーを去ったのが2021年、4年前なので選手にもファンにも感慨は無いかな。

 ボビー・ワグナー(まだ、やっとる)といい、ボンちゃんといい、集めるな、オッサンを、このチームは。まあ、レイダース同様、昔からオッサンの溜まり場、集積地、終着駅、流れ着く先みたいなチームではあるけどな。年金受給センターとも云うが。

 一方、デンバーの注目はやはりボー・ニックス。

 印象は、というと、とりあえず動きが小さいって事である。ショートもミドルもディープも皆同じフォーム、小さいフォームで投げられる。ディープに放る時、テレビ画面から「よっこらせ」って声が聞こえてくるダニエル・ジョーンズ君とは大違いである。どのコースどの距離もスパスパ投げてくる。

 あと、この試合をじっくり見て初めて気が付いたのであるが、「けっこう自由にやってんな。」って事である。「我儘」って程でもないが、「自由」って感じではある。放縦と自由はちが〜〜う。

 そういった意味では、昔のQB、私がNFLを見始めた20年くらい前のQB達を思い出した。ファーブはさすがに異常、自由過ぎる、放縦だったと思うけど、ファーブ以外のQBも、当時は結構自由にやってた。その頂点は、申す迄も無く、マニングであろう。ノーハドル・オーディブルというのはQBに自由なスキームである。

 そのへんの流れが変わったのは、ベリチックとブレイディの登場あたりからである。QBの自由、自由裁量権は徐々に失われていった。少しづつ、自由裁量権を奪われていった。「ひとつの事しか許さない」とまではいかないが、いくつか選択肢、すなわちオプションを与えて、そこから選ばせるというスタイル、あるいはスキームである。ロジャース、マホームズ等々、現代のQBは皆同様である。それはフットボールというゲームの自然な進歩とも云えるし、ファーブ的マニング的クォーターバッキングの反省とも云えるであろう。

 そんな中にあって、このボー・ニックス、ボーちゃんは結構自由にやっとる。オーディブルもしとる。本人の気質や意向なのか、チームの方針や戦略なのか、それは私には分からない。また、その成否も分からない。ただ、今時珍しいとは思った。時流に反している。

 んな感じかな。

 んで、今週のコルツ〜〜〜〜。

 テキサンズ相手に16−20でキッチリ敗戦。そう来たか。やっぱ、そう来たか。

 試合は見ていないので、何とも言えないけど、出すか、出すしかないか。真のエースQBを。「実は今までのは2軍の選手でした」的なスポーツ漫画あるある、やっちゃうか。佐野を出しちゃうか。


 アンソニー・リチャードソン様、御光臨じゃ〜〜〜〜い。


 来週はジャガーズとの首位攻防第一ラウンド。


 死んでも勝て〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。


                                      2025/12/7(日)
Week14 没落のコルツ  で、ジャガース戦。はい、やっちゃいました。19−36でキッチリ敗戦。やっちゃった系。古臭い表現でスミマセン。僕、ジーサンなんです。

 まあまあ、試合内容については今更触れない。スタッツしか見てねーし、ハイライト映像も観てねーし。とはいえ、大体予想は付く。アトランタ戦を見た印象から言っても、今季のコルツに実力が無い事はハッキリしているので、ちょいと風向きが変われば、10月までのインディアナ全体のバカづき、風水的な幸運を失えば、こういう結果になる事は、まずまず予想できた。だから、驚かない。

 でも、ちょっと前に「10試合で3勝の方が難しいわ。」とか言ってた自分が恥ずかしいわ。7勝1敗以降、1勝4敗。あるな、10戦1勝。10試合で3勝は高い高いハードルでした。どうもすみませんでした。調子に乗って、申し訳ございませんでした。各方面に御迷惑をお掛けした事をお詫び申し上げます。バカ付きに調子乗ってました。勘違いしてました。

 で、そういう試合内容はともかくとして、この試合最大のトピックは第2クォーター序盤のダニエル・ジョーンズの負傷退場。「おっ、これでいよいよ、アンソニー・リチャードソン大公の御光臨か。」と思いきや、出て来たのは6巡189位のルーキー、ライリー・レオナルド。

 「リチャードソン候は何処へお隠れになられた」と思ったら、随分前からIR入りしてた。知らんかった。とことん使えねーなーーー。もう要らんわ。

 で、負傷退場したダニエル・ジョーンズのその後はというと、アキレス腱断絶で即手術、シーズンアウト決定。

 いや、どーすんのこれ。コルツの今後はともかくとして、ジョーンズの来季はどーなるの。再契約すんの、これ。

 ケガの状況は私のようなド素人には全然分からないし、アメリカのスポーツ医学は異常なので、来季の開幕スターターもあるかもしれんけど、普通に考えたら、来季も全休でしょ。開幕時点で、術後9ヶ月だし。これで普通にプレイしていたら、かつてのアキレス腱接合手術経験者が泣くよ。門田とか遠藤とか前田とか。

 で、プレイできないとしたら、どーすんのこれ。まさかリリース。鬼のリリース。鬼畜のリリース。鬼の所業。

 まあ、確かに今季のコルツがダニエル・ジョーンズの力で勝ったとはとても思えないし、仮にこのケガが無くても、健康でも、来オフの補強状況次第ではリリースもあり得るかな、また他チームとのマネーゲームに負けるかな、とは思っていたけど、この状態でリリースは無いでしょ。あまりに非情でしょ。薄情でしょ。川で流されている人を助けないみたいなもんでしょ。

 いや、ほんと難しいだろ。フットボールの実力的には私はジョーンズ否定派なんだけど、さすがにこの状況でリリースは出来ん。目を瞑って、2年中型契約ぐらいは出したい。それでお茶を濁したい。今季の感謝料と、もしかしたら再来年の復帰に賭けて、それくらいは出しても良いと思う。まあ、俺がお金を出す訳じゃないけどな。

 でも、このパターン、すなわち1年契約でどこぞのチームと契約して、そこでまずまずの結果を残して、来オフの大型契約を目論んでたら、シーズン終盤で大ケガ、来季も危ぶまれるというこのパターン、他のポジションはともかく、QBでは結構珍しいと思う。過去に記憶がない。RBとかだと、ありそうだけど。ジョーンズ君、心中察して余りある。

 あと、ソースどーすんの。いや、ソース・ガードナー自体を否定している訳ではなくて、「ソース・トレード」はどーすんの。これでプレイオフを逃したら、あのダラス=ワシントンン以来の天下の笑いものトレードだよ。この二つでジェッツが王朝を築いたら、向こう30年、笑われ続けるトレードになるよ。

 つう訳で、コルツ陣営が「プレイオフ逃し」を恐れていると思われたのか、「コルツがフィリップ・リバースと契約」という一報が、試合翌日あたりに流れた。5年前に引退し、それも30代ならともかく御年44歳のQBにオファーなんてする訳が無いと私は思ったので、ガセネタ、飛ばし記事としてそれを扱った。

 ところが、それは事実、現実だった。なんとコルツはリバースと、とりあえずPS契約。当然、どこかのタイミングでロースター入り、先発させるのであろう。

 正気か。こんな提案をするバラード、あるいはフロント陣もどうかしているが、それにゴーサインを出すオーナーもどうかしてる。正気の沙汰じゃない。

 これでリバースが上手くやって、仮にスーパーボウルを制覇したら、それは成功って事なの。んな訳ねーだろ。チーム作りとして完全に間違ってるだろ。いや、それで「成功」って事でインディアナポリスでパレードすんの。正気の沙汰じゃない。

 いや別に、リバースやベテランQBを否定してる訳じゃない。何年か前に書いたように、ベテランQB、他チームをサラリーや若返り等々の理由でお払い箱になったQBを中心にチーム作りする事に私は否定的ではない。むしろ賛成派である。運的要素の強い1巡上位QBに賭けるよりは効率的だと持っている。その最高の成功例はデンバーのマニングであるし、タンパのブレイディであろう。また、現今、スティーラーズがロジャースで挑戦しとる。ジェッツは失敗したけどな。

 で、実際、ここ数年のコルツは、そのリバースをはじめ、マット・ライアンとかフラッコーとかを招聘してきた。でも、何が理由かは知らないが、1年で見切りをつけてサヨウナラをしてる。彼らに5年預けるという事はしなかった。フラッコーはその後も現役を続けている。ウェンツも、年齢的には彼等とは異なるが、同じ流れではあったろう。

 だから、そういうやり方には見切りをつけたのかと思いきや、今季は適当に採ったダニエル・ジョーンズが結果を出して、シーズンエンドのケガを負ったら、リバースを招聘。

 何やってんだかって話である。完全に行き当たりばったりである。チーム方針もクソも無い。ソースのトレードも同様であろう。

 私がコルツのプレイヤーだったら、そうしてコルツというチームやインディアナ州やインディアナポリスに特別な感情が無かったら、チーム辞めるわ。契約が切れると共に、いかなる再契約のオファーがあっても、チームを去るわ。こんなデタラメなGMやオーナーのために、自身のフットボール人生を無駄にする訳にはいかんわ。そりゃまあ、勝負事だから負ける事はあるだろう。敗北のフットボール人生もあるだろう。でも、こんなGMやオーナーのバカさ加減、もっといえば無定見のために負けるなんてイヤだ。真っ平御免だ。負けるにしても、納得のいく負け方をしたい。

 でも、ここでリバースと契約したって事は、「良いQBがいれば、勝てる」って思ってるのかね。「今まで勝ってきたのは、ジョーンズが良いQBだったから」って思っているのかね。「シーズン前半の7勝1敗はチームの実力、ジョーンズの力」で「その後の1勝4敗は不運だった」と思っているのかね。

 いや、逆だろ。「シーズン前半の7勝1敗は強運、それもただならぬ豪運で、その後の1勝4敗は実力、ジョーンズの力、ジョーンズの限界、チームの限界」だよ。

 それが端的に表れているのがチーフス戦の第4クォーターだよ。11点リードで第4クォーターを迎えるも、追いつかれ、結果OTでサヨナラ負け。

 これ、上手いQBなら勝てんだよね。巧く逃げ切るんだよね。それこそラックなんて天才的にうまかった。

 11点リード、すなわち2ポゼッション差でしょ。

 第4クォーター開始時が自身のポゼッションだったとする。得点出来なくとも5分消費する。そうして、相手のポゼッション、5分消費されてTDなりFGなりで1ポゼッション差となったとする。
 残り5分。ダラダラ消費すればよいだけである。しかもタイムアウトの消費具合によっては、2ミニッツの段階で勝利確定のニーダウンである。すなわち3分消費すればよいだけである。

 仮に、敵の攻撃で1分くらいで得点されたとしても、残り9分。優秀なQBなら十分コントロールできる時間である。

 一方、第4クォーター開始時が敵のポゼッションだったとする。そこで敵が5分消費して、TDなりFGなりで1ポゼッション差となったとする。残り10分。優秀なQBなら十分コントロールできる時間である。

 まさしく、「ボールコントロール・オフェンス」である。

 勿論、敵が1分くらいで得点してしまったら、残り14分となり、これは優秀なQBといえどコントロールできる時間ではない。でも、これは事実上「第4クォーター開始時で2ポゼッション差」ではないよね。「第4クォーター開始時で1ポゼッション差」である。
 これはさすがに、QBの力だけではどうにもならないので、ディフェンスも含めて、チーム全体で勝利を目指すしかない。つうか、何度もちょこちょこ書いてきた通り、私見によれば「第4クォーター開始時で1ポゼッション差」は事実上同点である。リードではない。

 つう訳で、「第4クォーター開始時で2ポゼッション差」っていうのはQBの腕の見せ所というか、QBの格が露わになるシーン、そうしてチームの実力が露わになるシーンだと私は思っているのであるが、ジョーンズとコルツの結果は為す術も無く、11点差を追いつかれている。その間の3度のオフェンスは3&OUT三つ。ただの一度もファーストダウンを更新出来なかった。

 これも昨年のチーフスだったら、ある程度仕方のない側面もあろう。スーパーボウル3連覇を目指しているチームである。そういう結果も仕方がない。だが、今季のチーフスは、ここまで5勝5敗。その後も負けが込んで、現時点で6勝7敗というチームである。まあまあ、勝敗だけがチームの実力ではないけれども、無類に強いチームではない事だけはハッキリしていると思う。そのチーム相手に、11点差リードの第4クォーターで、3&OUT三つ。これがはっきり、ジョーンズと今季のコルツの実力である。私はそう思った。

 まあ、もしかしたら、私の見立て違いなのかもしれない。もしかしたら、今季のコルツは本当に強くて、ジョーンズ級の選手がQBを務めれば、シーズン前半のように勝ち出すのかもしれない。それが5年間実戦から遠ざかっているリバースなのかは分からないけど。

 つかまあ、これでリバースで勝てるんだったら、キャンプなんて意味ないじゃん。練習なんて意味ないじゃん。

 とまあ、今後のコルツに関しては悲観的な予想しか私には出来ないけれども、はてさてどういう結果が出る事やら。

 バラード批判は、全てが終わってから、書きたいと思います。

 とりあえず、次週はシーホークス戦。調子ぶっこいてるダーノルドに一泡食わせていたい気持ちもあるが、軽くひねられるんだろうなあ、やっぱし。

                                       2025/12/14(日)

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