インディアナポリス研究会

歴史

戦評 '08シーズン

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2010年
9月
Week3
9月26日
IND@DEN
27−13
 ローレンス・マロニーって、デンバーにいたのね。知らんかった。ダニエル・グレハムやジャバー・ギャフニーもデンバーにいるし。これって、完全に縁故採用じゃん。

 で、KC同様、着々とニセNE化の進むDENとの対戦である。

 同じニセNE化といっても、ピオーリという、謂わばNEそのもの、親方親分を導入したKCに比べ、マクダニエルズという、有能の誉れは高いものの、謂わば小僧っ子、せいぜい若頭を導入したDENとでは、NE化の様相が少々異なるようである。「取って付けた感」「有り合わせ感」はDENの方がより強い。

 この手の強力チームのコーチを他チームが雇う、つーかブッコ抜くという手法は、NFLに限らず他のスポーツ界、大袈裟に言えば、他のありとあらゆる業界にも見られるが、大概は失敗する。近年のフットボール業界ではブラウンズとジェッツ、そしてノートルダムが壮絶に討ち死にしたし、ちょい前の日本のプロ野球界でも、元西武ライオンズをブッコ抜いたロッテやオリックス、そして横浜が失敗している。森祇晶でもダメだったのである。

 強力チームというと、一見すると、有能な人間が多数集まって形成されているように思いがちであるが、実際のところは、有能な人間は一人、ないし数人で、他は単なる手足に過ぎないという場合が多い。西武ライオンズの場合で云えば、根本睦夫がそれに当たり、ギリギリ広岡達郎だろう。NEでは、それがベリチックだったのか、ピオーリだったのかは、これからハッキリする。もしかしたら、マクダニエルズだったのかもしれないが、その可能性はかなり低いだろう。ただ、それがロメオ・クレネルで無い事だけはハッキリしてると思う。NE時代、ディフェンスを仕切っていたのはベリチックだろうし、今度のKCでディフェンスを仕切っているのはトッド・ヘイリーだろう。クレネルの主な役目は選手の愚痴聴きぐらいか。

 ちょっと話は逸れるが、日本の戦国時代の所謂織田軍団なども有能な人士の集まりのように思えるが、実際はそんなことは無かったように思う。織田信長一人の天才によって形成されていたものだろう。秀吉も信長が死んだら、途端にダメになったし。外様の家康に全てを奪われるのも、当然の成り行きだったと思う。

 「船頭多くして、何とやら。」「二人の名将より、一人の何とやら。」である。人間の頭もひとつしか付いていない。

 さて、DEN戦である。戦前の私は、いくらパスディフェンスの弱いINDとはいえ、DENパスオフェンス陣に一試合30点取られるとは思えないので、互いに20点前後取り合い、あとは展開次第で勝敗の分かれるゲームかな、と予想していた。ちなみに、これまで3戦のINDの対戦相手のパスオフェンス能力を、私なりにランク付けすると、HOUが上の下、NYGが中の上、DENが下の中である。HOUは、オーエン・ダニエルズが不調なので、もう少し下かもしれない。

 で、試合を観てみたのであるが、オートンに476ヤードかあ。確かにクレイディがいるとはいえ、400ヤード越えはねえだろ。先週のNYGとは違って、同じAFCのチーム、コルツのパスディフェンスに難があるという事を知っているとはいえ、400ヤード越えはねえだろ。ロイド、ギャフニー、トーマス、ロイヤルと確かに粒よりであるはいえ、決して大粒ではないレシーバー陣に、400ヤード越えはねえだろ。

 ある程度、パスにやられるとは思ってはいたものの、せいぜい300ヤード前後だと私は予想していた。んで、300ヤード台だと、展開にもよるが、だいたい20点前後の失点になると私は予想していたのである。476ヤードも投げられたら、普通は必ず30失点間違い無しである(もっとも、今週は投げてる割は得点できていないチームが多いけれども。)。それが13失点で済んだのは、要するにデンバー側がレッドゾーン・オフェンスを2回しくじったからである。これを2回とも決められていれば27失点、2回ともギャンブルしないで、我慢のFGを選択したとしても19失点である。

 デンバーの直接的な敗因は最初のレッドゾーンでしくじったローレンス・マロニーだろうが、真の敗因はカイル・オートンのパスの精度だったと思う。大事なところでパスの精度を欠いたオートンと、大事なところでもパスの精度を欠かないマニングの差が出たゲームだったとも云える。でも、そのオートンに476ヤード。

 どうして、こんなにパスディフェンスが悪くなっちゃったかなあ。いろいろ考えてみても、正確な理由が出てこない。見ていると、ショート、ミドル、ディープと満遍なくやられ、ゾーンで守ろうがマンツーマンで守ろうが、結局はやられている。ところどころ、良いカバーも無くは無いが、全体的にはやられている印象である。フリーニー&マシスがいるにもかかわらず、である。

 DCが悪いのか、DBコーチが悪いのか、それともそういう戦略なのか。理由がさっぱり分からん。まあ、タレントがいない、と言われてしまえばそれまでだろうが、にしてもなあ。ボブ・サンダースがいれば、いくらか違うのだろうが。
 ひとつ考えられるのは、いくらフリーニー&マシスといえども、事実上の2メンラッシュでは厳しいか、というのはある。今のDT二人は、どんなコンビでもペネトレイト能力が皆無に等しいので、ブリッツを入れない限り、万年2メンラッシュ状態である。さすがにそれじゃあ、パス通すか。でも、そのために、ジェリー・ヒューズ獲ったんじゃあねえのか。何故使わん。ヒューズをSLBに入れて、3メンラッシュを作るというのも、ひとつの手だと思うのであるが、どうであろう。
 UTを入れるという手もあるが、そうすると、今度はオフガード衝かれるし。痛し痒しである。まあ、作戦というのは、あちらを立てれば、こちらが立たぬものなので、仕方ない、我慢するか。完全な作戦というのがあったら、その時点でゲーム終了だしな。

 という訳で、パスディフェンス問題に関しては、次週に保留という形にして、個々のプレイヤーについて感想を述べてみたい。

 まずは、ウェインvsチャンプ・ベイリーについて。一昔前、このカードの最大の見物は、このチャンプ・ベイリーvsマービン・ハリソンだったのであるが、今は、それがウェインにスライドした。
 しかし老いましたな、チャンプ・ベイリーも。ひと昔前のベイリーならウェインは完封していたであろうが、この試合はそこそこやられていた(それでも4キャッチだけど。)。さすがに、年齢的な衰えがあると思う。もっとも、力が衰えてきたとはいえ、ベイリーのいる方に投げ込むのは、このマニングと、せいぜいブレイディ−モス・コンビぐらいであろうから、まだまだ2,3年は安泰だろう。キャリアというのは、晩年には大きな武器になる。
 そのチャンプ・ベイリーの華麗なキャリアにおける、おそらく唯一の敗北がマニング−ハリソン・コンビによるものだという事は、コルツファンとして、忘れず付け加えておきたい。

 そのチャンプ・ベイリーとは対照的なキャリアのブレア・ホワイトであるが、初レシーブ、初タッチダウン、おめでとう。チャンスは思わぬところに転がっているものだから、頑張ってくれたまえ。ゴンザレス、ギャルソンとなら、十分勝負できる。
 しかし、コルツのレシーバー陣は、これでTEまで含めて黒人はウェインひとり。いくら白人レシーバーがトレンドとはいえ、結構珍しい構成ではないだろうか。

 んで、今週の週刊パット・マカフィー。やはり50ヤード付近からだと、余裕のタッチバックか。まあ、マイルハイだから仕方ないか。いや、仕方なくねーよ。50ヤード付近の場合は、いっそデレイ・オブ・ザ・ゲームを2回ぐらいやらかして、自陣40ヤード付近まで下がるつうのも、ひとつの手だな。パンターにとっては屈辱以外の何者でもないけど。でも、いまNFLで全体35位にランクされるパンター、パット・マカフィーだから仕方が無い。

 あと、コルツ側のサイドラインで、ベンチで休むマニングやコリーに大きな板で日陰を作っている係りの人がいたが、あんな仕事は時給2000円でもやりたくない。3000円なら、やるけど。5000円なら、超ーやる。

 この試合、つーかこの試合も大活躍のオースティン・コリーであるが、彼についての論評は、怪我でもしない限り、今後の試合でも似たような活躍をするであろうから、また時宜を見て書いてみたい。ただ、ここでひとつ言っておきたいのは、彼は既にマニングにタメ口をきいているだろうという事である。既に「ペイさん」とか言っていると思う。そのうち「ペイちゃん」になるだろう。ウェインなんか、いまだに「マニングさん」なのに。

 いつにも増して、グダグダな内容のレポートになってしまったが、ゲームもそんな調子だったので仕方あるまい。そういうところは意外にリンクするのである。こんな調子がBYEウィーク明けまで続くと思う(KC戦は除く。)。

                         最近はチャック全開が多い。疲れているのか。2010/9/30
2010年
10月
Week4
10月3日
IND@JAX
28−31
 う〜む、負けるかあ。ジャガーズ・ファンの皆さんには申し訳ないが、正直、この試合の敗戦は全く予想していなかった。勝つどころか、楽勝だと思っていた。最終的な得点差はともかく、内容的には楽勝だと思っていた。それが負けるかあ。

 今季のコルツは敵チームのパスオフェンス力にしたがって苦戦度合が増すと考えていたので、このジャガーズ戦は、さすがに楽勝だと思っていた。開幕4戦のうち、どう考えても、このJAXのパスオフェンス力が最も劣る。前の記事のランク法で云えば、下の中、ないし下の下である。開幕4戦というか、今季のレギュラーシーズン16戦の内、パスオフェンスの弱さではOAKの次にランクされるくらいのチームが、このジャガーズである。

 映像は観ていないので、何とも云えないが、スタッツを見る限りは、負ける内容のゲームだとは思われない。ガラードに2TDsを許しているとはいえ、163ヤードである。ジョーンズ=ドリューに105ヤード走られているが、これはむしろ抑えた部類である。ガラードの25ヤード・タッチダウンランというのが、痛い感じも無くはないが、ガラードにある程度走られるのも、織り込み済みちゃあ、織り込み済みである。ターンオーバーとか、時間の残り具合とか、フィールドポジションとかの、所謂ゲーム展開的に負けたんだろうが、にしても負けるかねえ。NYGと違って、同じAFCで、しかも同地区なので、それなりにコルツ対策を知っているとはいえ、負けるかねえ。ショッキングな敗北という意味では、サイファーズ戦以来である。

 TV放送は木曜日にあるので、あとはそれを観て感想を書きまーす。

 で、話は全然変わるが、ボイジー・ステイトの、あのフィールドはねえだろ。フィールドをチームカラーの青で塗るというのは構わないと思うが、ユニフォームと同じ色にしちゃあマズイだろ。どっちかというと、自軍に不利な気がするぞ、慣れているとはいえ。敵QBがボイジー・ステイトのディフェンス陣を見にくくなるという効果もあるかもしれないが、それ以上にボイジー・ステイトのQBやRBがWRやブロッカーを見にくくなると思う。つーか、一番見にくいのは視聴者なんだけど。目がパチパチするわ。

                 リーグ全体編のキャッシュが見つからない。書き直すのかあ。はあ。2010/10/5

 どうも、いま一番気になるタレントは止田さんです。

 つー訳で、TV放送を見ました。

 率直な感想は、思ったより悪くないなあ、という感じです。楽勝を予想していた相手に惜敗したので、もっとフルボッコ(by木下優樹菜)されたのかと勘違いしていたが、冷静に考えてみれば、スタッツどおり、どちらに勝ちが転んでもおかしくない惜敗でした。う〜ん一安心。ってバカ。楽勝を予想していたチームといい勝負をしたという事は、予想よりコルツは弱いという事ではないか。実際、ゲーム内容も結構眠たかったし。

 そこで敗因をつらつら挙げてみたいと思います。

 一つ目は、エルドリッジのターンオーバーかな。ここで、そのままタッチダウンを挙げていれば、そのまま試合は押し切れていたと思う。実際、そのターンオーバー後のJAXのドライブがTDに結びついている訳だし。
 エルドリッジに関しては、私はドラフトされた時点から、エルドリッジ個人の能力的にはともかく、その獲得を疑問視していたので、ついつい評が辛くなりがちなのであるが、この試合に限らず、ここ数試合を見ている限り、やはりレシービング能力はいまいちだと思う。スピードも無いし、ハンドもいまひとつである。もともとブロッキングTEとして入ってきたのであるから、当然といえば当然なのかもしれないが、レシービング能力の低いTEというのは、コルツオフェンスにはあまり必要ないと思う。

 そもそも私は一般的にブロッキングTEの必要性をあまり認めていない。ラン・オリエンティッドなチームならともかく、コルツのようなパス主体のチームにはあまり必要の無いポジションだと思う。OLに比べ機動力がある分、ダウンフィールドでのランブロックには幾分か有利であろうが、単純にパスプロだけをやらせるのなら、6番目のOLをそのまま入れた方が良いと思う。わざわざロースター枠を使ってまで入れるポジションではないと思う。
 実際、今ののコルツでも、エルドリッジにパスプロをやらせるだけだったら、「どんぐりの背比べ」状態のOL陣の誰かにやらせれば良いし、ある程度レシーブさせたいのであれば、ジャコブ・ターメを入れるべきだろう。件のターンオーバーもターメだったら捕れてたと思う。

 二つ目の敗因としては、同じくファンブルロストを許したウェインのターンオーバーだろうが、あれだけウェインに集中していれば、やられるのもやむを得まい。15レシーブ196ヤードの税金という事にしておこう。その直後のJAXのドライブも結果的には得点に結びつかなかった訳だし。

 三つ目の敗因としては、結果的にはこれが一番痛かったと思うが、第4クォーター中盤でのJAXが28点目を獲ったドライブでのJAX陣49ヤード3and4からのパスをカットできなかった、すばやくタックルできなかったカルビン・ヘイデンのプレイだろう。ここは止め時だったと思うし、ここを止めていれば勝ってたと思う。

 これも、エルドリッジ同様、この試合に限らず、今季のコルツのキズになっているのであるが、元来カバー2CBであるヘイデンはマンツーマンは上手くない。そこで、どうしてもクッションを大きく取ってしまい、レシーブ後にWRに大きなスペースを与えてしまう。んで、気の利いたWRだと、そのスペースを利用して、上手くステップを踏んでヘイデンを抜いてしまう。そしてヘイデンにはミスタックルが記録される。その典型が件のプレイだったと思う。

 確かにヘイデンが悪いといえば悪いのだけど、彼は元来カバー2CBなので、致し方無い所もある。ちなみに昨年は、このヘイデンと共に、このヘイデン以上にマンツーマンの苦手な、というか全く出来ないマーリン・ジャクソンが共にケガをして、シーズンのほとんどを欠場、代わりに出てきたパワーズとレイシーはマンツーマン向きという事で、この欠陥はたまたま表面化しなかった。もし、ジャクソンとヘイデンの両者が共に健康に1シーズンを送っていたら、昨季のコルツの結果はまた違ったものになっていたと思う。少なくとも開幕14連勝とかは無かったと思う。ささやかではあるが、昨シーズンのコルツの様々な幸運の内のひとつである。

 話を今季のコルツに戻すと、ヘイデンがマンツーマンが苦手だからといって、スターターを外すという訳にも行かないんだよなあ。代わりがいないし。タウンゼントとタイロンも不安が残るしなあ。ケビン・トーマスのケガはホンットに痛い。

 ただ、このままCBをマンツーマンで守らすのなら、ヘイデンは、形はどうあれ、放出してあげた方が、彼の為にもコルツの為にもなるだろう。カバー2CBというのは、マンツーマンCBに比べれば、希少価値が高いので、欲しがるチームはあると思う。ただ就職先自体も少ないだろうけど。セイフティに転向させるっていう手もあるけどネ。

 そのセイフティと云えば、メルビン・ブリットがIR入りしちゃったが、まあ彼自体は、パスカバーでもランストップでも特別優れた選手でもないので、そのこと自体は痛くは無い。でも、セイフティ、頭数足りなくなっちゃった。まーたベシアに負担が重くのしかかる。そのベシアも今シーズンは精彩を欠いているが、これだけ負担が重くなれば致し方ないところだろう。だーから、ドラフトでSを獲っとけと言っといたのに、開幕前にSを獲っとけと言っといたのに。ジェラルド・アレキサンダーとかクインティン・デンプスとかいうような、開幕前にカットされた「なんちゃってスターター」(表現、古っ。)は結構いたと思うのであるが。なに選り好みしてんだか。

 敗因はそんなとこかなあ。あとJAX最後のドライブJAX陣31ヤード地点残り36秒2and2からコルツ側がタイムアウトを取った事が問題視されているが、私は個人的には、そんなに間違った判断だったとは思ってはいない。無くは無いと思う。少なくとも、ありえないタイムアウトでは無かったと思う。この問題の焦点は、仮にここでJAXのドライブを止めたとして、IND陣20ヤード残り20秒くらいでコルツオフェンス陣がFG圏内まで進めるどうかという事になるが、これはマニングの力を持ってすれば、進めなくは無いと思う。それこそコリー2連発とかで進める事も不可能ではなかったと思う。
 また、ここでタイムアウトを取ると、JAX側にFG圏内まで進もうという色気が出て、進むとなればパスを使わざる得なくなり、そのパスもかなりの高い確率で両サイドに放られるだろうから、一発インターセプトの可能性が高まるという計算もあったと思う。で、実際、件のヘイデンがあわやインターセプトだったのであるが、獲り損ねた。まあ、ボールの回転等もあるので、一概にヘイデンは責められないが、とりあえずコルツファンの怒りを、また買った事だけは確かである。
 ヘイデン株はともかくとして、このタイムアウトは、細かく計算すればJAX側にやや有利かもしれないが、厳しく糾弾されるようなタイムアウトでもないと思う。僅かな有利だったと思う。ただひとつ確実に云えるのは、ここでタイムアウトを取ると、オーバータイムまで行く確率は結構下がるという事である。コールドウェル、見たいテレビ番組でもあったか。それとも、ジャクソンビルに愛人がいるのか。

 んなとこかなあ。ジャガーズ側への感想は何もないのであるが、次回の対戦時には何か書くことはあるかもしれない。そういえば、ジョーンズ=ドリューは宿敵ボブ・サンダースがいなくて、どこか寂しげだった。ボブ〜、ジョーンズ=ドリューの為にも、早く帰って来〜い。

 そうそうJAX側について、ひとつ大事なことを言い忘れていた。スコービー、お前は死ね。なんなんだよ、59ヤード・サヨナラ・フィールドゴールって。生涯ベストを、ここで出すんじゃない。59ヤード・サヨナラFGなんて、普通決まるか。そんなものはスーパーボウルにとっておけっつの。
 そもそも、コルツ側が件のタイムアウトを取ったのも、仮にここでファーストダウンを更新されても、ガラードのパッシング能力では、残り36秒でFG圏内までは進めないという計算があったと思う。で、実際IND陣41ヤードまでしか進めなかった訳だから、その計算はそんなに外れてはいなかった訳である。しかし、そこで59ヤード・サヨナラ・フィールドを決められちゃうとは。とほほ。スコービー、お前は死ね、ていうか、死ぬよ、スコービー、そんなFG決めちゃったら。

 という訳で、ここまで2勝2敗、それも地区内2敗で、今季3戦3勝Byeウィーク明けのKCと次週対戦する事になる。個人的には、ここは前半戦で最も楽しみしていたカードなのであるが、ひとつ間違えると、というか間違えなくても、コルツ惨敗KC圧勝の目も出てきたと思う。踏ん張りどころだ、COLTS。エリック・ベリーも楽しみだし。アール・トーマスに刺激されて、ここらで爆発しそうだし。いやいや、それは困る。

 話は変わるが、コルツベンチで日除け板を持っている人は今週もいたが、あれ、涼しくなるまで、ずっといるの。器具は無いのか。なぜ人手を使う。

                                                    2010/10/9
 
Week5
10月10日
KC@IND
9−19
 TV放送が木曜日で、今これを書いているのが土曜日なのだけど、さすがにテンション下がるなあ。みんな気分はWeek6だし。無理矢理気分をWeek5にして書いてみようと思います。

 前回の記事でこのKC@INDは前半戦で最も楽しみなカードで、IND惨敗もありえると書いたけれども、結果的にはIND優勢勝ちみたいな、結構微妙な結果で、予想は大外れでした。まあ、この試合に限らず、今季は意外な結果が数多くのカードで出ているので、許してください。こういう意外な結果が数多く出ているのは、今季、というかこれから数年ぐらいは、NE・IND時代(INDも入れさせてください、一応ファンなので。他のチームのファンの皆様、気分を害されたら、御免なさい。)から新時代への移行期にあるからだと思う。’10年代は何処が覇権を握るかは不明だが(ジェッツ説濃厚だけど。)、これから数年は、こういう所謂戦国時代が続くと思う。意外なチームのスーパー制覇もあるかもしれない。

 NFLの時代の流れはともかく、このKC@INDで私がIND惨敗を予想したのは、ボウ、チェンバース、モエキといった長身快速レシーバー陣にINDパスディフェンスが耐えられないと思っていたからである。このへんにパスをポンポン通されて、クレネル・ヌルヌルディフェンスにかわされると、大敗してしまうのではないだろうかと私は考えていた。

 しかし結果的には彼らへのパスは炸裂せず、クレネル・ヌルヌルディフェンスは健在だったが、所詮ヌルヌルなので、そこそこ得点は出来て、まずまず快勝できた。ヌルヌルの意味を深く問わないよーに。
 KCのパッシングが冴えなかった最大の要因は、勿論彼等レシーバー陣にあるのではなく、マット・キャッセルでもなく、KCOL陣にあったと思う。それがこの試合だけなのか、それとも恒常的に悪いのか、KCのゲームをあまり見たことがないので、何とも言えないけれど、この試合に限っては、KCOL陣は終始フリーニー&マシスのみならず、フォスターやケンヤッタ・ドーソン(ドーソンが活躍した初めての試合ではないだろうか。フォスターも。)あたりにまで圧倒されていた。サックは計上されていないけれども、このOL不振がKCパスオフェンスの不振につながったと思う。懐かしのリリージャに飛びついた理由も良く分かった。

 KCのゲームをすべて見ているわけではないので、あくまで当てズッポウだけど、このKCOLのパスプロの悪さのひとつの要因は、LTのブランドン・アルバートにあると思う。パスプロというのはLTが締まれば、残りの4人もおのずと締まるものである。
 このブランドン・アルバートという選手は大学時代はガードで、ドラフト時はOGもOTもいけるという触れ込みで、現在LTを任されている訳であるが、やはりLTとしては無理があると思う。ガードもタックルも出来るという選手は、大概の場合ガード止まりである。更に、これは私見になるが、タックルとガードというのは本質的にプレイスタイルが異なるので、タックルがダメだからガードに転向とか、ガードとして超一流だからタックルに転向というのは、少々無理があると思う。ガードはガード、タックルはタックルで別ポジションである。もちろん、両方易々とこなしちゃうスーパーアスリートもいるだろうが。まあ、このへんのポジションはスキームにも大きく左右されるので、これはあくまで一般論だけれども。
 ちなみに、このアルバートを、大学時代、ガードに追いやった選手というのは現JAXのユージン・モンローである。先週フリーニーを完封した、あの選手である。

 で、OL陣のパスプロに不安があるからかどうか知らぬが、KCは、特に前半は、ラン中心でオフェンスを組み立ててきた。ラン中心のオフェンスでロースコアの展開に持ち込むというゲームプランだったのかもしれないが、そう考えると、開始早々のオンサイドキックやファーストドライブでの4th&ギャンブルの説明が付かなくなる。FG2本分、プラスマイナスで計6点分、KCは損をしたことになる。この6点差があれば、どう転がっていたか分からないだろう。どんどんパスを放り込んでハイスコアの展開に持ち込むというゲームプランだったのなら、この采配は当然なのであるが、実際はラン中心のロースコアゲームである。チグハグ感は否めない。まあ、この手の不可解な采配というのは、NE勢はワザとやってくる場合もあるので、一概に批判は出来ないのであるが。NEに対するトラウマは酷いな、私も。

 さて、そのロースコアゲームのもうひとつの要因になったクレネル・ディフェンスであるが、コルツはクレネルを苦手にしているみたいな報道も今回は多かったようであるが、正直、今ひとつ私にはピンと来ない。確かに、クリーブランド時代の2試合は、13−6に10−6という今回と似たようなスコアに終わっているので、苦手にしているといえば苦手にしているかもしれないが、ただコルツらしからぬロースコアとはいえ、勝っているので、私自身に苦手にしているという感覚は無い。私個人の感覚として、コルツが苦手にしているのはサイファーズとかスティーラーズである。クレネルに、そんなものは無い。

 クレネルのディフェンスというのは、CLE時代に限って云えば、ほとんどパスラッシュをかけないで、ひたすらカバーに徹するという、事実上単なるプリヴェンド・ディフェンスなので、確かにマニング対策の基本といえば基本かもしれないが、それだけではマニングに勝てないのはこの3試合が証明していると思う。NE時代は、ここに絶妙のタイミングでブリッツが入り、勝敗が決していたのであるが、その絶妙のタイミングをクレネルは知らない。それはベリチックが知っていたものだろう。トッド・ヘイリーがそれを知っているかは、分かりません。
 ただまあ、クレネルを苦手にしているという先入観で見ると、プレイコールは結構読まれているのかなあという気もしなくも無かった。全員がものの見事にブロックされてのランとか、信じられない程がら空きのワイドオープンとかは、ほとんど無いので、プレイコーラーとしてのマニングの癖とか特徴だとかは、かなり掴んでいるのかもしれない。無線で盗聴していたら大笑いだけど。ただ、マニングとコルツ・レシーバー陣はスナップ後のアドリブがそこそこ利くので、それだけではインディには勝てないだろう。

 総評としては、そんなとこかな。個々のプレイヤー評としては、何といってもエリック・ベリーだろう。全然目立っていなかった。TV画面に映らないところで良いプレイをしているのかもしれないけれど、なんといっても全体5位である。スタッツ的にも目立っておかないと、A・J・ホークやアーロン・カリーに二の舞になるだろう。あんな特殊な役回りを与えられて、スーパー制覇までしているレジー・ブッシュでさえ、やいのやいの云われているのだから、もうそろそろ派手な活躍をしないとキツクなる。ベリーより下位で指名された同じセイフティのアール・トーマスやネイト・アレンは数字を残してきているし。正念場は、もう、すぐそこまで来ていると思う。
 ちなみに今ドラフトもう一人の注目のセイフティ、テイラー・メイズは、私の見る限り、セイフティとしてはちょっと厳しいと思う。ドラフト時にも指摘されていた小回りの利かなさが確かに散見する。これはセイフティとしては致命的だと思う。現時点では、コルツのアーロン・フランシスコといい勝負だろう。

 そのキツクなっているDBといえば、コルツのヘイデン君であるが、このゲームでも頓馬なプレイが炸裂。またもやインディファンを敵に回した。なんか、このひと今季完全にインケツやね。だんだん好きになってきた。がんばれカルビン・ヘイデン。
 そのヘイデンとは対照的に、ここにきて、ランサポートにパスカバーにと、めきめき株を上げているのがジャレッド・パワーズであるが、私の目で見ても今のコルツのベストCBは、このパワーズだと思う。スキームが変わると、評価って、これほど乱高下するのね。フットボールって、恐い。ダンジー時代だったら、パワーズは鼻水も引っ掛けられなかったろう。まあ、それ以前にドラフトされないけど。

 そして、このゲーム、陰の(表はマイク・ハートかな。)MVPは、何と言っても、このひとヴィナテェリ様だろう。ここ最近、影が薄かったが、やはり現在NFLナンバーワン・キッカーはヴィナ様だと再確認した。こういう展開の試合で、淡々と4/4、うち40ヤード台が2本のFGを決められるのがヴィナ様のヴィナ様たる所以である。ギャレッド・ハートリーはスーパーボウルだけだったようだし。スーパーボウルだけ、っつうのがコルツ・ファンにとっては大問題なのであるが。

 次戦は、今季、というかここ数年毎年のように、よく分からない事になっているワシントンとの対戦であるが、よく分からないチームなので予想は立てません。今度こそ、マクナブ−サンタナ・モス・ラインが炸裂するような気もするが、しないような気もするし。外れる予想を立てて、大恥かくのも、決して嫌いではないのであるが、ほんっとに予想が立たん。ワシントン、分からな過ぎ。

                                               2010/10/16
 ちょっち付け加え。

 前回、エリック・ベリーについて触れたが、書き忘れたことをひとつ。それはクレネルのヌルヌルディフェンス(一日たって、ようやく意味が分かった。ネルとヌルを掛けていたのだ。しょーもな。)でやっていると、どうしてもセイフティがスタッツ的に活躍できないということだ。このヌルヌルディフェンスは、DL以外は全員セイフティみたいな動きをするので、本職のセイフティの動きが目立たなくなってしまう。
 そう云えば、クリーブランド時代、クレネルは、ブロッドニー・プールとショーン・ジョーンズという二人のセイフティの金の卵を、そのまま腐らせてしまった実績がある。クレネルの将来なんてどうでも良いが、ベリーの将来のために、同じ轍を踏まぬよう切に祈る。

 なんか、今回といい前回といい、クレネルに対して妙に厳しいが、どうしてなのかとつらつら考えてみると、クレネルのような、無能なくせに偶々強いチームにいたというだけで、有能のように思われている人間が私は大嫌いなのだと思う。そう云えば、近藤昭仁も大嫌いだったし。英語が分からないので、クレネルのインタビューや発言は知らないが、それを知ったら、きっと私の胸はムカムカする事だろう。

 こんなことを書くと、私自身の人生が不遇なもののように思われるかもしれないが、そんなことは無いです。幸福ではないけれど、普通です。

                                            いや、やっぱ不遇だわ。 2010/10/17
 

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