2010年 10月 |
Week6 10月17日 SNF IND@WAS 27−24 |
やっぱ結果知らないで、見る方が楽しいわな。この試合は生放送だったので、それを録画して、情報を遮断して、その夜見ました。結果やスタッツを知って見るのも、それなりに面白いし、何より勉強になるのだけれど、やっぱスポーツ観戦は生が一番やね。生ビール片手に。 親父ギャグも炸裂してところで、本題に入ります。試合は良く分からない内容ながら、ある意味両チームのらしさが出たような展開で、何とかコルツが勝利しました。今季のコルツのゲームでは、面白さという点では一番の試合だったかもしれない。単に私が結果を知らずに見ただけだ、というのもあるが。 前前回の記事で、ここ数年のワシントンは訳が分からない事になっていると書いたので、その分からなさをココでまとめてみたい。「分からなさ」なので、分かりづらいだろうけど。 まず、そもそも、その「分からなさ」は今から6年前に、夢をもう一度で、ジョー・ギブスを雇った時に始まる。ギブス自体は、そこそこの成績は残したものの、さすがに寄る年波には勝てず、4シーズンで退任。しかし、その4年間は、もちろんギブスのチームであるからランランランの所謂ホグスのチームスタイルである。重いOLに、典型的なディープスレッドのサンタナ・モスとランドル=エル、QBは確かマーク・ブリュネルが務めていたと思う。 そして、ギブスの後任が、なんと意表を衝いて、ジム・ゾーン。典型的なWCO畑の人である。ホグスからWCOというのは、おそらく最も転換に時間の掛かるスキーム変更である。事実上、オフェンスメンバー総とっかえであるから、丸5年は掛かると思う。で、当然の如く、思うような結果は出ず、ゾーンとQBのキャンベルは放出。そして、ゾーンの代わりに連れて来たのが、ある意味、WCOの総本家マイク・シャナハンなのは、まだ良いが、QBは何故か、ドノバン・マクナブ。イーグルス伝統の典型的な”逃げまくってドッカーン”タイプ、ある意味、このタイプの最高峰のQB、マクナブである。 そもそもマクナブがイーグルスを放出された最大の原因は、要するに、アンディ・リードお得意のWCOが出来なかったという事に尽きると思う。業を煮やしての放出と見て、まず間違いない。で、代わりに、待望久しいWCOQBのコーブを据えたのである。逆に言えば、よくアンディ・リードは10年以上も我慢したなと言えなくもない。 話をワシントンに戻すと、そのWCO拒否のマクナブにシャナハンは何をやらせるつもりなのだろうか。ただまあ、シャナハンはWCOの総本家であるといっても、実際今までのQBはスティーブ・ヤングとかジョン・エルウェイ、ジェイク・プラマーといった、どっちかつうと、典型的なWCOタイプのQBというよりは”逃げまくってドッカーン”タイプのQBが多いので、本来はそういうタイプのQBが好みなのかもしれない。上記の3名にマクナブを加えた4名の共通項は、”逃げまくってドッカーン”かつ、酸いも甘いも味わい尽くしたベテランである。じゃあ、ブライアン・グリーシーはどうなんだと問われると、返答に窮するのであるが。 シャナハンの好みはマクナブなのかもしれないが、じゃあ今のワシントンにマクナブがフィットするかというと、なかなか難しいと思う。ゾーン時代の2年間で、チームはWCO寄りの構成になってきて、逆にマクナブには苦手なチーム構成だと思う。ある意味、フィラディルフィアと同じ状況なので、慣れているといえば慣れているのかもしれないが。しかしディープスレッドはモスの他にもう一人欲しいだろう。ランドル=エルが、今季に限っていないというのはなんともチグハグである。 このチグハグ感の真因は何かといえば、それは要するに、オーナーがお金持ちという事に尽きるだろう。金を持っているから、吟味しないで、何でも買っちゃうのである。大人買いという奴か。実際今のワシントンのスターターの顔ぶれを見ても、ほとんどが家出経験有りである。行かず後家ばかり、生娘ばかりのインディとは好対照である。つーか、ワシントンのロースター表を見ていると、「これ、ドラフトに参加する意味あんのか。」とすら思えてくる。「富すれば鈍す」という事か。 しかし、それだけ派手なFA補強を続けているにもかかわらず、先発RBはライアン・トレイン。って誰。確か昨オフ、ラリー・ジョンソンやウィリー・パーカーと契約していた筈だが。調べてみると彼等二人は開幕前後にカット。この両名にクリントン・ポーティスを加えると、大型FA選手かつプロボウラーの3名を差し置いて、2008年のデンバー5巡の選手がスターターとは。ある意味、FA選手ではあるが。贅沢といえば、この上なく贅沢な選手起用かもしれん。ビフテキと鰻と寿司をゴミ箱に捨てて、お茶漬けをすするようなもんだもんな。 ちなみに、このライアン・トレインという選手、今回はじめて見たが、デカイのに軽快という、ちょっとジェローム・ベティスを思い起こさせて、なかなか面白い。名前もカッコいいし、「目指せ、第2のテレル・デービス」といったところか。第2のドローンズでも良しとするか。 なんかワシントンの話ばかりになってしまったので、ちょっとコルツの話をしよう。 まあ、試合内容そのものは、あまり特筆すべきところの無い、良くも悪くも、お互いのらしさ、特徴が出たゲームだったと思う。そういった意味では、好ゲームだったと思う。 ただ、ここでひとつ触れておきたいのは、NFCのチームはやはりマニングのノーハドル&オーディブルに慣れていないということである。この試合でも「人数違うよ反則」(正確には、イリーガル・サブシチュエーション、長っ。)をWASは犯していた、というか犯させられていたが、あれはここ数年対戦しているNFCのチームのほとんどが犯していると思う。犯していないのはNOぐらいか、むう。 この1週間、WASはかなりこの練習に時間を割いてきたらしいが、いくら練習しても、あれはなかなか厳しいだろう。時間的物理的に無理だと思う。対策としてはメンバーを代えずに戦うしかないと思うが、そうするとスキームそのものを変えねばならなくなる。コルツ戦が重要な意味を持つAFC南のチームならともかく、コルツとは4年に一度しか対戦しないNFCのチームが、わざわざそのためにスキームまで変えるというのは、馬鹿げた話であるから、「人数違うよ反則」には我慢するしかないと思う。ゲームプランに織り込むしかないと思う。 ゲームプランといえば、WASはジャイアンツ同様、「DL薄め&カバー厚め」の作戦を採ってきて、結果的には、アダイの久方振りのラン124ヤードを誘発したくれたので、コルツファンとしては有り難い限りなのであるが、あれは何なのだろう。この作戦はジャイアンツ敗因のひとつだと思うが、それをまた採用してくるとは。NFC東で流行っている作戦なのだろうか。 上記のノーハドル&オーディブルもそうだが、同じNFLといっても、AFCとNFC、さらには地区ごとに、フットボールのスタイルが微妙に異なるので、カンファレンスを越えての対戦というのは、なかなか興味深い。 個々の選手評としては、まずは何といっても、ジャラウド・パワーズ。前の試合に引き続き、この試合でも、INTに加え、パスカバーにタックルにと大活躍、」この試合のMVPといってよいと思う。このまま、デカいアントワン・ウィンフィールドになってくれれば、コルツファンとしては、願ったり叶ったりである。 次は、パット・アンゲラー。開幕6戦目にして、その動く姿をはじめて見たが、正直イマイチという印象である。プレシーズンで評判が良かったので、WLBにでも使えばと思っていたが、現時点では厳しいと感じた。特に、カバー2風味の残る今のコルツのMLBは厳しいだろう。ブラケットだったら通さなかったであろうパスが3,4本はあったと思う。ランストップでも、ブロックに四苦八苦していたし。ブラケット、あと1,2年は安泰だ。 ただ、フリーニー&マシスでも苦労したマクナブからサクッとサックを決めたところから推すると、ブリッツは得意なのかもしれん。パスシチュエーションで、ブリッツ要員として使うのが、現時点ではベストの用法か。 この試合では、WASの最後の一つ前のドライブで3rdダウンからのパスのカットに成功したので、とりあえずは殊勲賞といったところか。で、ジェリー・ヒューズは何処に。 次は、ピエール・ギャルソン。実況席好みの派手はワンハンドキャッチも決めていたが、一方でイージーな正面のパスも落とすという相変わらずの内容。私は個人的にはレシーバーは堅実派が好みなので、ブレア・ホワイトの方が好みなのであるが、まあ使うとしたら、こちらギャルソンになるだろう。このギャルソンを4番手として使えるようになるのなら、コルツオフェンスは、いにしえの一試合平均30得点が復活する事になると思う。 ワンハンドキャッチといえば、アーロン・フランシスコの試合を決めるインターセプト。まあ、これはこれでチーム的にもフランシスコ個人的にも喜ばしい限りであるが、ただまあ獲れなかったりカット出来なかったりしたら、一発逆転(そして、おそらく決勝)タッチダウンなので、セイフティのプレイとしてはどうかなとも思う。まあ、獲れると思ったから(つっても、ワンハンドキャッチだけど。)、カット出来ると思ったから、前に入ったのだろうけど、基本は後ろから手を出す事だと思う。ボブ・サンダースの後釜としては厳しいか。ランストップもイマイチだし。 コルツサイドはそんなもんか。WAS側としてはトレント・ウィリアムズ。フリーニー相手に良くやった方だと思われるが、ただまあ今季の豊作と言われたOT一番手としては物足りないかな。他のOTも軒並み苦労しているし。OT豊作は誤報だったのかもしれん。 しかし、フリーニー&マシスにあれだけ突破されながらも、ほとんどサックされないマクナブはさすがとしか言いようが無い。逃げるの上手すぎ。そう云えば、マクナブもシラキュースやね。シラキューズ好きのコルツとしては、マニングが獲れなかったら、もしかしたら、このマグナブがコルツのユニフォームを着ていたのかもしれない。 あとハンター・スミス。開幕時はいなかったが(なんか契約でもめていたらしい。)、コルツ戦を前に復活してきたか。なんか飛距離が伸びたような気もするが、お注射したか。 一方で、現コルツパンター、パット・マカフィーは敵陣42ヤードからのパントで余裕のタッチバック、いつになった5ヤード以内に落とせるようになるのだろう。このパントの直前に時間潰しのためにデレイを1回やっていたけれど、あれ5回連続でやったらいけないのか。それくらいやらないと、敵陣40ヤードくらいからのパントは悉くタッチバックになると思う。パンターの一番の見せ場なのに。困ったもんだ、パット君には。 つう訳で、新旧コルツ・パンター対決はハンター・スミスに軍配。惜しむらくは、得意のスペシャルプレイを見せてくれなかったことだろう。 こんなところかなあ。最後にひとつ。試合後のインタビューで、珍しくサタディがインタビューを受けていた。なんでも、この試合でマニングとのQB/Cコンビが160試合に達し、ミネソタのターケントン/ティンゲルホフ・コンビの歴代1位に並んだそうである。 SNF放送の試合前の煽り情報に1998年入団のプレイヤーでルーキーイヤーから全試合出場しているのはマニングとロンドン・フレッチャーの二人だけ(マニングは全試合先発。)というものがあったが、このフレッチャーといいサタディといい、ドラフトだけが全てではないという事を改めて教えてくれる。つーか、サタディのまつ毛は長い。 あっそうそう、ケニー・ムーアよ、さようなら。そう云えば、チャド・シンプソンがワシントンにいる。 とりあえず、これでByeWeekまでに何とか勝ち越しに成功した(地区内0−2だけど。)。ByeWeek明けのヒューストン戦に必勝体制で臨む。パスプロもそこそこ良くなってきたし。今度は勝つ。 しかし、AFC南はここまで最下位のJAXですら3−3、他3チームは4−2、ほんっと地味ながら強い地区である。手前味噌になるが、NFL一地味でNFL一強い地区かもしれない。ヒューストンファンの人がNFC西とかAFC西とかに行きたいとか言っていたが、まことにその通りだと思う。 2010/10/19 |
2010年 11月 |
Week8 11月1日 MNF HOU@IND 17−30 |
敗色濃厚と見られていた試合でしたが、見事勝利、ちょっと面白くなってきました。例によって、ハイライト映像しか見ていませんが、GAME CENTERでリアルタイムに観戦していたので、その感想をば。 上の記事にあるように、Week6が終わった段階ではオフェンス勝負に持ち込んで勝利をもぎ取る気がマンマンであったのであるが、その直後、クラーク、コリー、アダイといったオフェンス陣の主力の怪我による不出場が発覚、、いっそディフェンス合戦に持ち込むしかないかなあと私は思っていたのであるが、どうもそれに近い展開になったようである。 ディフェンス陣も、今季のエースCB、パワーズを欠いて苦しかったのであるが、その代わりといっては何だが、今季ここまでコルツファンをガッカリさせ続けてきたヘイデンが、これぞカバー2CBというようなインターセプト・リターン・タッチダウンをゲーム序盤に決めて、このゲームのモメンタムを引き寄せたようである。 ハイライト映像しか見ていないので、断言しかねるが、ケガ人続出が、かえってチームの団結を生んだような典型的なゲームだったようである。マニング、フリーニーといった攻守の中心も、それにふさわしい活躍をしたようであるし、内容的にも、結果的にも、ここ数年のコルツでは、それこそプレイオフでのNE戦以来と言ってよいような、ベストの試合だったのではないだろうか。なんか最近、「ここ数年のコルツでは」みたいな表現が妙に多いな。コルツがチーム的に転換期に来ている証か。 惜しむらくは、この試合、日本での放送が予定されていない、もしくは未定という事である。あ・の・な、NHK、マンデー・ナイト・フットボールの独占放送権を持っているのなら、必ず、絶対、放送しろ、バカ。それもちゃんとフルタイムでだ。1時間40分番組とかで、お茶を濁すなよ。放送しなかったら、半井小絵を誘拐する。 半井小絵の誘拐はともかく、この勝利でプレイオフレースが有利、とまではいかないもの、参戦する資格は出てきたようである。シーズン終盤に2試合組まれているテネシー戦が実に不気味ではあるけれども。しかし、順位表をじっくり見るのも、コルツファンになって、今季が初めてかも。他のチームのファンには申し訳ないが、そんなもの今迄、まともに見たこと無かったもの。 話は全然変わるが、ワールドシリーズを見ていたら、ジャイアンツのベンチに、90年代、ロッテ、ヤクルトに在籍していたミューレンを発見、かなり驚いた。かつて阪神に在籍していたブロワーズもシアトルの専属解説者になっているし。海外でプレーしたことがある、というのは就職活動に有利に働くのだろうか。 2010/11/3 まさかの予約録画失敗。「まさかの」っつても、NHK・BSの放送は私のHDDレコーダーとは相性が悪く、年に1試合くらいはこういうことが必ず起こる。ちょこちょこ放送内容や時間を変更するNHK・BSと番組タイトルや時間に敏感なHDDレコーダーは齟齬が合わないらしい。詳細は不明だが、おそらく日本シリーズに影響されたのだろう。 しかし、それがよりによって、コルツのゲームの中ではここ数年で最も見たかったゲームで起こるとは。とほほ。やはり、NHK唯一の財産といわれる半井小絵の誘拐で脅迫したのがいけなかったのか。みなさん、犯罪は慎みましょう。 まあ、もっとも、今これを書いている現在、Week9が始まってしまっているので、あんまり試合のレポートを書く気も無かったのではあるが。ゲームを見たら、こんなことを書こうと予定していた事を書いておきます。 ダラス・クラークの代役としてTEのターミが、そこそこ活躍したらしいが、これはやるとは思っていた。ここ数年、たまにちょろっとレシーブしていたその姿を見る限りでは、今IRにいるサンティともども、試合に出せば、そこそこ活躍するだろうと思っていた。正直に言って、2TE体型の時、何故、ギジェ・ロビンソンやエルドリッジの方を優先的に使うのか、未だによく分からない。ブロック力が違うといっても、今まで何度か書いているが、パスプロさせるのだったら、第6のOLを使えば良いだけの話だし、ランブロックさせたいのなら、TEより効果的なFBを使うべきだろう(いないけど)。二人目のTEもレシーブ力重視で使っていくべきだと思う。このターミはスペシャルチームで張り切っている様子をよく見かけるが、むしろエルドリッジの方がスペシャルチーム向きだと思う。スペシャルプレイも出来そうだし。 ターミの活躍が、そこまで予想できたのなら、コルツの得点力は減少しないのではないかという意見もあるかもしれない。しかし、私がこのゲームで、そんなに得点できないと予想した根拠は、TE不在ではなく、スロット不在である。クラークとコリーの代役が、今のコルツのロースターにはいないのである。 マニングの大好きなルートにスロットのポストパターンというのがある。これをより詳しく書くと、マニングの正面、アンダーニースあたりににTEを配置、その奥にポストパターンのスロットを配置、で、マニングは正面を同一視野に収めながら、そのどちらか空いている方にパスをぶち込む、その両方が空いていなかったら、両サイドのアウトないしフックパターンのWRのどちらかに放る、これがマニングの大好きなプレイであり、同時にコルツ・オフェンスのベースのひとつになっているプレイである。で、これをベースにおそらく十数種類、もしくはもっと多くのバリエーションが存在している。TEとスロットを逆にしたり、WRをコーナーに走らせたり、ドローしたり等々である。プレイブックを見たことが無い私が断言するのもどうかと思うが、おそらく間違いないと思う。 このプレイを支えるスロット・レシーバーに人材を欠くと、どうしてもマニングのオフェンス、コルツのオフェンスは、その力を半減してしまう。で、その力の落ちっぷりを、このゲームを見て確認したかったのであるが、まさかの録画失敗、とほほ。 パット・アンゲラーがSLBで先発したらしい。バイ・ウィーク明けというこのタイミングを考えると、シーズン前から予定していたのかもしれない。Week6のブラケット欠場によるMLB代役先発は、ちょうど良いウォーミングアップになったという訳か。 私は、ドラフト時の評価から、WLBで使うのかなあと予想していたのであるが、SLBでの起用となった。一般的なイメージとして、WLBはヨコの動きが得意・パスカバー向き、SLBはタテの動きが得意・ブリッツ向き、というのがあるが、アンゲラーの場合は、ドラフト時の「典型的なカバー2LB」というのと随分イメージが変わっているようだ。もっとも、コルツの場合、SLBもWLBもやる事は同じちゃあ同じなので、たいして拘る事も必要もないが。実際、コルツのLBのポジション表記をLLB・MLB・RLBとしているメディアもある。おそらく、そちらの方がより正しい表記法だろう。単純に、ウィーラーを抜いて、先発の座を勝ち獲ったと考えるべきか。 しかし、この手の実力で先発の座を勝ち取った選手というのは、私がコルツファンになって以来、初めてなような気がする。ダンジー時代は頑なに年功序列方式(キャリア年数とドラフト順位で先発を決める。)で先発を決めていたからなあ。この実力方式による先発決定というのは、当然といえば当然なのだが、やや感動を覚えた。 もっとも、当のパット・アンゲラーがどの程度活躍するかというと、Week6を見た限りでは、多少疑問符が付けざるを得ない。まあ、目立つことだけ確かなので、その辺は良しとしよう。LBというのは、CBやLTと違って、目立つ事が結構大切なポジションなので。ブラケットの隣で、コルツのMLBの何たるかを学んでください。 HOU側に目を向けると、フリーニー&マシスにいい様にやられていたようであるが、同じ地区のJAXやTENが彼らを上手く抑えるのに比べると対照的である。タレントの問題なのか。 また、開幕戦で炸裂したゾーンブロックも、今回は不発に終わったようである。これは、ワシントン戦のレポートを書いていた時には気付かなかったのであるが、シャナハンはエルウェイやマグナブのような”逃げまくってドッカーン”タイプのQBを好むと書いたけれども、これは、シャナハンの好みというよりは、ゾーンブロックというスキームが要求するQBという事なのかもしれない。 ゾーンブロック対策の基本は、要するに、そのゾーンロッカー以上の人数をそのゾーンにぶつけるという事である。とすると当然、カバーは薄くなる。そこで、プレイアクションやブーツレッグが炸裂するという図式になる。したがって、ゾーンブロックのQBにはプレイアクションやブーツレッグが必須という事になる。特にゾーンの反対側へのブーツレッグは、そのままQBスクランブルにもなる事も考え合わせると、必須の能力かもしれない。とすると、古典的なパケットパサーであるシャウブは、ゾーンブロックに不向きな選手のかもしれない。 話をコルツに戻すと、カポノスのパントも見てみたかったなあ。良さげだったら、マカフィー解雇で、こっちを残しても良いくらいである。結局この試合限りの、ワンタイム・パンターになっちゃったらしいけど。さすらいのパンターって、なんかカッケーな。憧れる。パントだけ蹴って、あとは「あっしには関わりのねえ事でござんす。」って事か。このゲームでは、ホルダーとキックオフも担当したみたいだけど。 アンゲラーのWLB初先発、カポノスのパント、そしておそらくゴンザレスのインディ最後の試合、う〜む、録画しておきたかった。NHKめ、やっぱり半井小絵を誘拐してやる。別にそんなに好きじゃあないんですけどね。 試合観てねーけど、たくさん書いちゃった。ピントがずれていたら、ごめんなさい。って、それはいつもの事か。 CLEがNE相手に第3クォーターで24−7でリード中。2010/11/8 |
Week9 11月7日 IND@PHI 24−26 |
G+のNFL中継の最中に、NFLグッズ販売のCMがあり、例年、小熊美香や日テレフォトジェニックなどが登場し、その心にも無い「NFL大好き」的なコメントを、私は口汚く罵ってきたのであるが、今年はそれを水卜麻美(みうら
あさみ と読む。)が担当している。しかし、私は悪口を言わない。性欲って、恐い。 そんな戯言はともかく、今週は、強いんだか弱いんだかさっぱり分からぬフィラデルフィア・イーグルス戦である。 しかし、この試合は何といってもオースティン・コリーの一件から触れねばなるまい。それが全てといっても良いくらいのゲームだった。 第2クォーター中盤、ちょうど前回の記事で私が触れたマニングの大好きなルート、スロットのポストパターンをコリーが走り、パスを受ける際に、PHIのディフェンス陣3名から激しくヒット、そのまま担架で運ばれるほどの重症を負った。その後の情報によると、単なる脳震盪(単なる、っつても脳震盪は恐い怪我だけど。)で、骨や神経には異常が無く、意識もはっきりしているそうである。まずは一安心。 この試合は先週の反省から生で観ていたのであるが(前半までだけど、)、このヒット直後からコリーはピクリとも動かず、球場全体が悪寒に震えた。私も震えた。Indy Star紙(電子版。表現っ古。)の記事をそのまま引用すると、The stadium grew quiet.である。 NFLではこういうシーンが年間数試合必ず現れるが、インディの選手がこうして担架で運ばれるのは、私の記憶では、数年前の開幕戦の(だったかな?)、おそらくロブ・モリス以来である。このロブ・モリスの場合は、確か足の怪我で担架で運ばれたというだけで、命の心配は無かったので、今回のは、私がインディファンになって以来、最もビビったシーンである。 スロットのポストパターンいうのは、どうしても、CB一人、S二人の三方から攻められる為、こういう事故が起こりやすい。HOUとの開幕戦でのコリーのファンブルロストも、これと全く同じプレイだったと思う。その時はボールとゲームを失うだけで済んだが、今回はゲームと共にコリーまで失う結果となってしまった。 このスロットのポストパターンというのは、前回の記事でも書いたとおり、マニングの大好きなルートでもあり、インディ・オフェンスの根幹をなすプレイでもある。これまで、こういう大きな怪我が無かったのは、今まではパスプロが良かった為に、マニングにレシーバーが怪我をしないところに放る余裕があったからである。ところが今季は、インディファンなら周知の通り、パスプロが悪い。しかもこの試合のREは、ごく一部からは現役ナンバー1のDEとも評されているトレント・コールである。今季、そこそこ頑張っているチャーリー・ジョンソンといえども、これはさすがに分が悪い。タレント負けしている。結果、ポケットは極小になり、スロットが怪我しないところに放る余裕がマニングに無くなり、インディはコリーを失う結果となってしまった。 大きな怪我は無かったと今書いたが、ダラス・クラークやストークリーが、かつて戦線離脱した時があったが、もしかしたら同じようなプレイだったかもしれない。 ゲームは、その後、ブレア・ホワイトがスロットに入っていたが、さすがに荷は重く、スロット・レシーバーを失う形となったインディ・オフェンスは機能不全に陥り、結果敗戦、である。コリーが怪我するまでは大活躍していたターミが、コリーの怪我の後、ほとんど何も出来なくなったのは、その象徴であろう。また、最終盤、残り40秒自陣26ヤード2点差で、インディボールになったけれども、もしコリーがいたら、FG圏内までボールを持っていく事がマニングには出来たと思う。このシーン、さすがのマニングといえども、武器が無さ過ぎた。 一インディファンとしては、コリーに一日も早く戻ってきて欲しいけれども、このまま今季全休、あるいは、そのまま引退でも、仕方が無いと思う。脳震盪は、それくらい恐ろしい怪我なのである。命はともかく、その後の人生や寿命に大きな影響を及ぼす事は確かだと思う。フットボールより命の方が大事なのは、当然の話である。 もちろん、命を削ってでもフットボールをするというのなら、私はそれを否定しない。ボクシングとフットボールに関しては、多かれ少なかれ、皆、そういう覚悟でゲームに臨んでいる筈である。コリーがグラウンドに倒れている間、TVカメラは各選手の表情を映していたが、それらは皆一様に、コリーの怪我を心配しているという気持ちもあるだろうが、それより何より「自分もいつかああなるかもしれない」という不安の表情だった。しかし、「生きてりゃ、あとは何でもいい。」というのは、人間として最低の状態である。 私は、開幕直後の記事で、「今季のコリーは、下手すると、ウェス・ウェルカー級の数字を残す。」と書いたのであるが、実はその時、「怪我さえしなければ、」という条件句を挿入しようかと迷ったのであるが、こういうことを書くと本当に怪我しちゃうかもしれないと思って、挿入するのを止めた。でも、裏目に出ちゃった。入れておいた方が良かったか。ごめんなさい、オースティン・コリー。 しかし、今季のコルツはこれで、ダラス・クラークに続いて、コリーまでも失い、完全にスロット不在となってしまった。ブレア・ホワイトだと、さすがに能力的にちょっと厳しい。ストリートFAにいないかあ、さすらいのスロットレシーバーみたいなの。いっそ、ストークリー。なんでシアトルはストークリーと契約するかなあ。今のシアトルには、ストークリーいらんやろ。ハッシュの一件といい、いちいち迷惑な事するなあ、あのチームは、ピート・キャロルは。本人の気付かないところで、インディに迷惑かけとる。トレード期限は過ぎてるしなあ。ウェイブしてくんねえかな。速攻ゲットすんのに。 ストークリーはともかく、このままスロット不在だと、この2試合で証明されたように、インディ・オフェンスの得点力半減は確実である。先週のHOU戦のように、ディフェンス陣がターンオーバーから得点、ないしはそれに近いリターンをしない限り、かなり厳しい戦いが続くのではないだろうか。 コリーとスロットの話はこれくらいにして、このゲーム評でもしますか。 直接的に痛かったのは、ここまで散々書いた、コリー退場なのは勿論なのであるが、そのほか、強いて挙げれば、第1クォーター、最初のパントで、マカフィーが珍しく敵陣1ヤードに落とし、3rd and 7のシュチエーションを作ったにもかかわらず、ヴィックに無茶投げの58ヤードパスを決められたところかなあ。しかも確か、3人でデショーン・ジャクソンをマークしていたにもかかわらず、である。でも、まあ、このシリーズも結果的にはFGの3失点のみに済んだので、痛いのはやっぱりコリー退場ということになるだろう。このゲームはディフェンス陣がレッドゾーンに入り込まれながらも、FGで凌いだシーンが何度もあったので、攻撃陣が万全の状態ならば、コリーがいたならば、多分勝てていたと思う。実際、第1クォーター終了時、13点リードされていた段階でも、私は「まだ何とかなるかなあ。」と思っていたものである。 そういえば、この3rd and 7からの58ヤードでタックルしたのがアーロン・フランシスコであるが、あのパス、カットできんかなあ。個人的に結構期待していた選手だけに、パスカバーにしてもランサポートにしてもイマイチな感がぬぐえない。現時点では、しょぼいテイラー・メイズといった感じである。そもそも、テイラー・メイズ自体がしょぼいロイ・ウィリアムズなのだから、メルビン・ブリットを実力で抜けなかったのも致し方あるまい。 このゲームでも、チームトップの7タックルの数字を残しているが、私的には完全にゲームから消えていた印象である。同じようにPHIのセレックも、幻のタッチダウン以外は、画面から消えていたので、もしかしたらそのマンマークに徹していたのかもしれないが。 数字的なスタッツは残しているものの、私的にイマイチだった印象が残った選手としては、もう一人、レジー・ウェインがいる。一応11キャッチ83ヤードの数字は残しているが、私的にはアサンテ・サミュエルに完封である。こういうの見ると、やっぱりレジー・ウェインはあくまで第2レシーバーであって、エースではないなあとつくづく思う。チームが行き詰っている時、その状況を打開するのがエースの仕事である。 アサンテ・サミュエルといえば、久々にその名を聞いたが、コルツファンにとっては、にっくき仇敵である。散々バンプでハリソン様を潰しやがって。今度はウェイン完封か。この試合でもマニングから2Intsを奪っているが、おそらくマニングから最もインターセプトを奪っている選手だと思う。調べてないけど。 なんか暗くなる話ばかりなので、明るい話もしよう。 最初は、まずターミから。今回はじめてそのスターターっぷりをじっくり見たが、やはりTEとしては十分だと思う。ダラス・クラークと比べても遜色ない。スピードやレシーブ能力ではクラークに劣るものの、単純なパワーやガタイはこちらの方が上なので、クラークとは違った意味でRACが期待できる。特にレッドゾーンやショートヤーデージではクラークよりも強力な武器になるだろう。惜しむらくは、クラークと違って、スロットに入れないという点だろう。 そういえば、ギジェ・ロビンソンがまた得意の落球をしていた。ブライアン・フレッチャーを呼び戻した方が余程マシだと思う。もうフットボールやめちゃったのか。 あと、これはこの試合に限った事ではないが、フォスターやムーア、モアーラといったローテーションDTのハッスル振りが最近とみに目立つ。理由は良く分からぬが、いい傾向なので、その調子で。 あと、エッヂさんの忘れ形見(子供じゃないけど、)ジャバリウス・ジェームズがキャリア初を含む2TDs。しかし、一つ目は件のコリー退場直後で、イーグルス・ディフェンス陣がタックルする気を完全に失っている中でのもの。もうひとつは、試合終盤9点差での、イーグルス側が、どちらかというと、時間消費を優先する中でのもの。実力はいまひとつ分からず。まあ、エッヂさんは大喜びだろうが。 もう一人のRB、ドナルド・ブラウン。なんだかんだ云って、本格的なスターターはこの試合が初めてだと思うが、まずまずの内容。使っていけば、結果を残すタイプだと思う。特にレシーブ力はアダイと比べてもなんら遜色ない。むしろ上かもしれない。アダイが復帰しても、ブラウン中心で使っていく試合があってもよいと思う。マイク・ハートも含めて、完全な併用制、ローテーション制の方がそれぞれに負担が少ないと思う。あと、ジャバリウスも(エジャリン談)。 ブラウンのランニング・スタイルは、今回初めてじっくり観察したが、アダイのような穴を見つけてスパッと切れ込んで行くというよりは、相手のタックルの芯を外しながら、ヌルヌルと進んでいくタイプと見た。ヌルヌル系。クリントン・ポーティスが似たようなタイプではないだろうか。ちっちゃいポーティスといった感じである。 あと、タウンゼントがこの試合、CB不足から、かなりプレイタイムを増やしていたが、タックルは、さすが元スティーラーといった感じで、実に頼もしい。パスカットよりもハードヒットでパス・インコンプリートにするといったプレイスタイルである。ただ、まあ、ニッケルも厳しいかなあ、年齢的に。 そして、久々週刊パット・マカフィー。いままで、アホらしいので、なんで彼が先週1試合のサスペンデッドを喰らったのか、書いてこなかったのであるが、経緯はこうである。 10月18日の深夜、つまり17日の試合の翌日、「バイ・ウェークだ、1週間休みだ、ワー。」と浮かれたパット・マカフィーは、パントの練習もせず(したかもしれんけど、)、飲酒、そして泥酔、酔いに酔った挙句に、運河に入水、その後全裸で(半裸かな、多少誇張。)信号待ちをしている車に無理矢理乗車しようとして、その運転手の女性が当然の如く警察に通報、19日早朝、あえなく逮捕、という素敵過ぎるバイ・ウィーク・ライフを満喫した訳である。んで、その代償が一試合サスペンデッド。ってバカ、お前は大学2年生か。頭、丸めてこい、チャラチャラした髪形しやがって。 で、そのサスペンデッド明けがこのゲームとなった訳であるが、いきなり最初のパントで、敵陣1ヤードに落とし、おっ、なんだ、さすがに反省の色を見せたかと思ったら、その後は20ヤード級のパントを連発、まるで反省の色無し。まあ、この日は風が強かったらしく、敵パンターのサブ・ロッカもパントに四苦八苦していたので、一概にマカフィーを非難できないが(もっとも、敵キッカーのエイカーズは44ヤードFGをガッツリ決めているので、簡単に擁護は出来ない。)、こんな調子が続くようなら、いい加減次のパンター、探すど。まあ、最近、このスットコドッコイキャラ振りが好きになってきているのも事実ではあるが。 あと、イーグルスという事で、とりあえずヴィック様にも触れておくか。この試合のヴィックにいい様に走られて、それが敗因のひとつにもなった訳であるが、まあこれは致し方ないでしょう。これは、コルツに限らず、どこのチームも止められない訳であるし。 しかし、マクナブを放出して、コーブを使うのかと思ったら、結局ヴィック。このフランチャイズは、結局この手のQBが大好きなのね。ランドール・カニングハム、ドノバン・マクナブ、そしてマイケル・ヴィック。まあ、ヴィックはダンジーが送り込んだ訳だけれど。 んなとこかなあ。 しかし、コリーの怪我はともかく、先週の録画失敗といい、そのほかプライベートな事なので詳細は省くが、個人的に今月は災難続きである。そもそも、月の初め、10月分のカレンダーを破り捨てようと思ったら、誤って10月分と一緒に11月分のものまで破ってしまった。11月分は、仕方が無いので、セロハンテープでくっつけたが、このあたりから、なんとなく嫌な予感はしていた。今月は苦戦続きと見ていた。早く月が明けてくれ〜。みなさ〜ん、カレンダーを破り捨てる時は、慎重に。 2010/11/9 |
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Week9 11月7日 NE@CLE 14−34 |
コルツ戦のゲームレポートばかり書いていても飽きてくるので、たまにはほかのゲームを書こうかと思っていて、実はコルツ・バイウィークのWeek7、衝撃のOAK@DENのレポートを書こうと思っていたのだけれど、時間が無くて、そのまま、うっちゃってしまった。 そこで、その代わりという訳でもないが、OAKに続けとばかりに下克上宣言(私はロッテファンにあらず。)をしつつあるCLE戦のレポートを書いてみたいと思います。 そもそも、なんで、CLE戦のレポートを書こうかと思ったかというと、ハイライト映像で見るペイトン・ヒリスの走りが凄まじかったからである。スクリメージラインの前でファーストタックルを受けて、そのまま10ヤードほど走って1stダウン更新なんてシーンを見せられたら、一体どんな選手なのかと考えてしまう。ちょうど、対NE戦であるし、ヒリスも活躍したようであるし、G+の放送を見てみた。んで、その感想。 正直に言うと、思っていた程たいした事がない、というのが正直な感想である(変な文章。)。試合を見る前のイメージ的には、もっと両タックル間をガンガン衝いて、タックラーをなぎ倒していくのかと思っていたが、実際はむしろオープンランナーといった感じである。確かに強い事は強いが、エイドリアン・ピーターソンとかジョーンズ=ドリューというような、どうにも倒れないというようなRBではないと思う。彼のランを支えているのは、むしろOL陣とFBのビッカーズであろう。この試合でも見せていたが、スィープこそがヒリスのランの真骨頂であると思う。外へ外へと逃げていき、残ったタックラーは、その持ち前の強さと、意外に速いスピードでかわすというのが、彼の才能を最も活かすプレイだろう。 今、OL陣にちょっと触れたので、その話を続けると、このゲームの表のMVBは勿論ペイトン・ヒリスであろうが、真のMVPはパスプロ・ランブロックともに完璧な仕事をしたオフェンスライン陣と、ディフェンスでスクリメージを圧倒し続けたディフェンスライン陣の攻守両ライン陣だと思う。「フットボールは、結局ライン。」という古典的格言を証明した典型的なゲームだったと思う。 話をヒリスに戻すと、ゲーム前、またドラフト時の情報から、ヒリスはオルストットに近いタイプと聞いていたが、むしろ近いのはジェローム・ベティスだと思う。ベティスといえば、数週間前に書いたIND@WASの記事で、私はライアン・トレインと比較していたが、確かにシャンハンが好きそうなタイプではある。デンバーが彼をドラフトしたというのも、今回のゲームを見て、実によく納得できた。そういえば、マイク・ベルもCLEにいるが、マンジーニ、あるいはディボル、あるいはホルムグレンは、シャンハンとRBの好みが被っているのかもしれぬ。WCOのひとつのタイプなのかもしれない。 このヒリスに関して、私同様、多くのコルツファンが恐れていたのは、彼がマニングからナンバーワン・ペイトン(なんじゃ、そりゃ。)の座を奪いかねはしないかということだった。実際、ゲームの現地の放送でも The Other Peyton みたいなキャプションでヒリスを紹介していたし。また、キャラ的プレイスタイル的にも、いかにも多くのファンの心をがっちり掴みそうなヒリスに対し、ペイトン・マニングの方は、皆さん承知の通り、完全嫌われキャラである。ゲーリー・ペイトンからペイトン・マニングへと引き継がれた、栄光のナンバーワン・ペイトンの座をヒリスに奪われはしないかと、少なくとも私はビクビクしていた。しかし、この試合の映像を見る限りでは、キャラ的にはともかく、キャリア的にはまだまだの気がした。いましばらく、マニングは安泰だろう。つーか、人気的には、もう抜かれているかも。あと、恐いのはショーン・ペイトンか。 クリーブランドのコルツ絡みといえば、もうひとり、同じコルト族(なんじゃ、そりゃ。)のコルト・マッコイだろう。 こちらは、実際の映像で見ると、思っていたより良かった。見る前のイメージ的にはチャド・ぺニントン(まだ、引退していなかったのね。)みたいなもんかなあと思っていたが、それとはちょっと違った。じゃあ、誰に似ているのかと問われても、パッとは思いつかないが。ちっこいトレント・デルファーつう気もしないでもないが、やっぱ、ちょっと違うか。 私は、ルーキーQBを見る場合のチェックポイントとして、フットワークと、そこから生まれるリズムに注意するのであるが、このコルト・マッコイは、その点に関しては、あまり光るものを感じなかった。なんつーか、大学生QBそのまんま、という感じである。ナンバー1ターゲットが閉まっていたら、そのままスクランブル、みたいな感じである。将来的にエースQB、というのは、ちょっと難しいと思う。ここ2試合、NO、NE、というスーパー制覇チームを連覇して期待が高まっているが、CLEの最終的な解答にはなり得ないのではないだろうか。上記2チームは、確かにスーパー制覇チームであるけれども、今季に限っては両チームともディフェンスはいまひとつである。マッコイの真価が問われるのは次のジェッツ戦だろう。私はここでメッキが剥がれるとみている。ブラウンズファンの皆様、ごめんなさい。 そうそう、誰に似ているか、思いついた。もの凄く良いライアン・フィッツパトリックである。これがピタリとくる。 ただひとつ良いところ、というか注目すべきところは、最近のルーキーQBには珍しく、WRに結構放る、それもサイドライン際とか、アンダーニースの密集地帯というような、難しいところに、コントロールはともかく、放っている、あるいは放らされている、という点だろう。最近のルーキーQBは、昔もかもしれんけど、自信を失わせない為とか言って、チェックダウンやスクリーンばっかり、TEやRBといった簡単なターゲットばっかしに投げている、というか投げさせられているが、それではいつまで経っても成長しない、真の自信は身に付かないと思う。良い、というか、その悪い例が、フラッコーやチャド・へニーだと思う。 これがOCのディボルの方針なのか、マンジーニの方針なのか、はたまたホルムグレンの方針なのかは、よく分からないが、良い事だとおもう。元々期待していないから、自身を失っても構わんというだけなのかもしれんが。 OCのディボルといえば、勝利が確定した後、チームメイトにガンガン胸タッチ(すいません、正式名称を忘れました。)でぶっ飛ばされていたが、その丸坊主にヒゲといい、キャラ、立ちすぎ。ほとんどマンガである。この世のほとんどのマンガに、あんなキャラはいると思う。キャラ立ちで出世するタイプか。 ゲーム中はサングラスを掛けていて、ゲーム終了後にサングラスを外すと、つぶらな瞳って、奴やん。 キャラ立ちはともかく、このゲームでは、DCのロブ・ライアンともども、プレイコールが良く当たっていたと思う。最近、随所に出している奇策も当たっているし、この試合の影のMVPだったと思う。 CLE側はそれくらいかな。あと、個人的に気になったのは、TEのエバン・ムーア、捨てられたら拾いたいところだ。あと、コルト・マッコイも勿論。同じコルト族として。リアル・コルツへ一歩近づく。 ショーン・ロジャース、なんか太ったな。DLではアートイバ・ルービンの方が目立っていたと思う。 一方、対戦相手のNEであるが、そのゲームを丸々見るのは今季初めてであったが、我がコルツ同様、落日感斜陽感がもの凄い。夕陽が似合いすぎ。帰ってきたウルトラマン並みに、夕陽が似合う。 ウェス・ウェルカーで味をしめたのか、ちっこくてすばしっこい白人プレイヤーが数多くいるが、さすがに数多すぎ。TVで見ると、みんな同じに見えるので、誰が誰だかさっぱり分からん。 とはいうものの、スーパー連覇していた頃のNEも、こんな感じちゃあこんな感じだったので、意外にいい所まで行くかもしれない。今季のAFCは、本命ジェッツ、対抗スティーラーズ、ダークホースにパッツ、大穴レイダースといったところか。いや、レイダース対抗か。 まあ、いずれにしても、Week11に組まれているIND@NEは落日感のものすごい戦いになること受け合いである。ごく一部のマニアから注目される事だろう。どんな夕陽が射すのか、今から楽しみである。夕焼け番長なら、間違いなく泣く。 おっ、ヘイデンがINT・リターン・タッチダウンを決めた。その調子。2010/11/15 |