インディアナポリス研究会コルツ部

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2021シーズン

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1/2/3/4/5/6/7/8/9

2021年
8月
シーズン展望  NFLの2020レギュラーシーズンのホームチームは127勝128敗1引き分けで、史上最悪の成績だったそうである。ちなみに、プレイオフは、スーパーボウルを除くと、6勝6敗。ただし、そのスーパーボウルは史上初めて本拠地開催のバッカニアーズ優勝という見事なオチである。

 その見事なオチはともかく、ホームチーム負け越し、というかホームチームの勝率5割未達の唯一の理由は、コロナによる無観客試合と少観客試合による「審判の笛」である。「ホームフィールド・アドバンテージは審判の笛」説の数多い証拠に、また新たなる一つが付け加わったという訳である。

 この説に関してのくだくだしい説明は省くが、こう考えてみると、コロナはともかくとして、観客の少ないチームはホームフィールド・アドバンテージの恩恵が少ないという事になる。

 「チームが勝てば、観客が増える。」みたいな事は、よく云われるけれども、これの因果を逆転して、「観客が増えれば、チームが勝つ。」とも云えるのかもしれない。

 この説で日本のプロ野球を考えてみると、DeNAに替わってからのベイスターズとか、新庄入団以降のファイターズとか、多少異論はあるかもしれないが、西武に替わっってからのライオンズとか、あるいは、川崎から千葉に移転してからのマリーンズとか、新球場が完成してからのホークスやカープとか、これに当てはまる事例、すなわち「観客が増えれば、チームが勝つ。」説に当てはまる事例は多い。それに、この説の最大かつ究極の事例は、なんといっても読売巨人軍であろう。「ジャンパイア」なんて言葉もあったしね。

 一方で、「チームが勝ちながらも、観客が増えなかった。」事例としては、金田第一次政権時のオリオンズとか、野村兼任監督時代のホークスとか、ビッグバン打線の頃のファイターズとか、球団消滅前のバファローズなどが挙げられるだろう。つか、20世紀のパ・リーグほとんど全てのチーム。

 こんな風に考えると、「チームが勝てば、観客が増える。」ではなく、むしろ「観客が増えれば、チームが勝つ。」の方が正しいのかもしれない。所謂、「原因と結果を取り違えている」である。

 「原因と結果を取り違えている」その他の事例としては、「ベンチが明るいから、チームが勝つ。」「ベンチが暗いから、チームが負ける。」があるが、こんなバカげた事を大マジメに主張している人も多い。まあ、正しい原因に到達できる人というのは、天才や、非常に優れた頭脳の持ち主、あるいは、その問題の研究に一心に打ち込んだ人だけで、普通以下の頭脳の人には難しい事なのかもしれない。

 それはともかく、各チームの営業担当の皆さん、チーム優勝のカギは、監督やプレイヤーではなく、あなた方が握っているのかもしれません。

 まあ、「審判の笛」が勝敗の全てではないだろうし、ここに挙げた事例も、あくまで私の印象であって、きっちり統計を採れば、また違った結果が出るのかもしれない。あと、NFLのサイトでありながら、NFLの事例を挙げられなかったのは、ゴメンナサイ。NFLは、だいたい何処も満席なんで、この説の証拠や反証が思いつかなかったッス。

 あと、Jリーグが出来た頃のサッカー日本代表にも同じ事が云えるかもね。

 という訳で、ホームチームが負け越した2020シーズンに続く2021シーズンは17試合制導入、プレシーズン3試合制となった訳である。

 プレシーズン否定論者の私としては、プレシーズン制1試合削減は大歓迎なのであるが、レギュラーシーズン1試合増加に関しては何とも言えない。まあ、オーナーと選手会が納得したのなら、それで良いであろう。

 で、その肝心の1試合増えた分であるが、今季に限ってか、来季以降も続くのかは知らないが(調べろよ。)、今季はとりあえず、「他カンファレンス・同地区・同順位」のチームと当たるらしい。らしい、ってか、当たる。

 で、「AFC・南地区・第2位」の我らがコルツの対戦相手はというと、「NFC・南地区・第2位」のバッカニアーズ、って、お前かよ。バッカニアーズっつか、またブレイディかよ〜〜〜〜。お前ら、地区一位じゃなかったのかよ〜〜〜。

 いよもう、いんだよ、ブレイディは、ライバルとか何とか、そういう感情もないんだよ。ただただ、顔を観たくないんだよ。飽き飽きしてんだよ、うんざりなんだよ。NFCに行ってくれて、やれやれという気持ちだったんだよ。酷いセックスをした女と、割に早いタイミングで再会した気持ちだよ。

 ちなみに、AFC東地区以外のチームでブレイディと最も対戦しているのは、おそらくコルツだと思うが(SDかKCかもしれんが、)、ブレイディのキャリア最初のゲームもコルツ戦だったし、今年のゲームでキャリアエンドの怪我をして、キャリア最初と最後のゲームがコルツ戦で、ともに勝利というトリビア的オチじゃねーだろーなー。

 とまあ、戯言はそれくらいにしておいて、本題の「シーズン展望」である。マンネリ感は否めんが、便利なので、例によって例の如く、ポジション別に、要チェックやぁ〜〜〜。


 【QB】

 今季も含めて、5年連続開幕戦先発QBが異なりながら、過去4年は2回プレイオフ出場という、「チーム力の安定はQBの安定から」という一般的なフットボールの基本戦略に健気かつ無駄に抵抗しているポジションではある。なんのこっちゃ。

 しかも、トレードで獲得したウェンツは早速ケガ(速っ、バカ速っ。)という事で、「ダブルE」のどっちかが先発。しかも、3者ともに、コルトとしての姿は見た事が無いので、なんとも評論のしようのないポジションではある。「不安8割・楽しみ2割」といった感じか。

 まあ、折角ドラフトしたので、「せっかくだから」使ってみるのも悪くはあるまい。プレシーズンのハイライト映像を見た限りだと、エーリンガーの方かな。フルタイムで見ると、印象は変わるのかもしれないが。

 とか書いていたら、早速エーリンガーがACLを痛めてやんの。いよいよ、ハンドリー浮上か。


 【RB】

 エースのテイラー様は安泰。しかも2年目という事で、キャリアハイも期待していたが、ネルソンの怪我でキャリアハイは厳しそう。カスタンゾも引退してしまったし、序盤は苦しむことも予想される。まあでも、テイラー様なので、最終的に1000ヤードは達成するかな。

 スキャットバックのハインズも安泰。FAイヤーなんで、頑張ってチョーダイ。コルツとの再契約は、サラリーキャップ的に厳しいかな。また、私個人的には、能力的に不満だし。

 で、問題の第2RBのマーロン・マックであるが、今季は、まさかの、というか、やっぱりというか、1年200万ドル(サインボーナス込み)で残留。昨オフはコロナ市場だったので、マックに限らず、この手の契約がNFL全体でやたらと多いが、いずれにしても、今オフ勝負という事であろう。張り切るのか、それとも、とりあえず一応1000ヤードラッシャーなので、ケガしない程度に無難にこなすのか。興味がある。いや、無い。

 まあでも、マックの市場価値については、興味あるかな。まあでも、スターター待遇は厳しいだろうなあ。「エースがリハビリ中のチームの代役スターター契約」ぐらいじゃないかなあ。なにそれ。 


 【WR】

 問題のポジション。って、何年言ってんだって話であるが。なんだかんだで、ヒルトン以来頼りになるレシーバーは皆無である。そのヒルトンだって、2011ドラフトの選手だよ。10年前の選手だよ。この10年間、何してたって、話だよ。失われた10年。

 ポリアン時代は、ハリソン様、ウェイン、ストークリー、コリー、ギャルソン、そこにダラス・クラークも加えれば、連綿と優秀なレシーバーが、それこそ、謂わば数珠繋ぎで、コルツのストロングポイントだったのに、それも遠い昔の話。いやホント、ポリアンをドラフトしろっつの、1巡上位で。

 それが、今や、ウィークポイントっつっか、最弱ポイントな訳であるが、昨オフ補強は無し。7巡のストラチャンちゃんとFAのJ.J.ネルソンのみ。しかも、ネルソンは早速IR入りしとるし。

 いやもう、獲れよ、ビッグネーム。WR市場はザワついてたじゃん。獲れよ、A.J.グリーンとか、フリオ・ジョーンズとか。フリオは、よりによってタイタンズに獲られとるし。マーキス・リーでもいいから、取ってこーい。キキ・キューティーでも良し。

 それとも、自信持ってんの、ピットマンとかキャンベルとかパットモンとかに。化けるの期待していいの。結局、パスカル頼みになってんじゃねーだろーなー。

 あと、デマイケル・ハリス、覚醒して〜〜。


 【TE】

 残すかと思っていたトレイ・バートンは、あっさりリリース。アリー=コックス、ドイル、グランソンの3人体制であろう。アリ―=コックスは頭打ちだし、ドイルは安定的第2TEなので、期待はグランソンのみである。スカウティングによれば、「レシーブの鬼」、つか「それしか能がない」という触れ込みなので、とにかくレシーブして欲しい。ブロッキングは求めん。

 もし、グランソンが触れ込み通りだったら、コルツのレシーバー問題の全てとは云わないが、半分くらいは解決するであろうし、テイラーとの強力ワンツーパンチ完成であろう。期待、つか、頼むでホンマ。


 【OL】

 昨季までは、コルツ最大、つか唯一のストロングポイントであったが、カスタンゾ引退、ネルソン怪我という事で、とりあえず前半は不安ポイントになっとる。ネルソンとフィッシャーが無事怪我から回復しすれば、ストロングポイント復活であるが、ココがコケると、一気にタンクチーム。いや、頼むでホンマ。アメリカのスポーツ医学よ。

 で、話は変わるが、ってか、そんなに変わってはいないが、RTのブレイディン・スミスが昨オフ4年7000万ドルで再契約、ネルソンとも大型契約必至、レオナルドとは5年9850万ドルで再契約。

 RTにLGにLBと、一般的には、少なくとも一昔前だったら、キャップヒット的には安く済ませたいポジションと次々大型契約締結である。彼等が不良債権化する事はまずないと思うが、キャップ管理的あるいはキャップ戦略的には、かなり不安。大物レシーバーに手を出さないのは、これが理由じゃねーだろーなー。

 実際、ラインメン先発5人がルーキー契約一人も無しって、結構異常事態だと思うが、どうだろう。こんなチーム、他にあるんか。

 まあ、昨今のNFLは、パワーランが復活傾向なので、攻守のインサイドラインメンとLBに投資するのは、戦略的に正しいのかもしれんが。


 【DL】

 内側二人は安泰。ただし、外は不安。ヒューストンと保険的に再契約するかと思っていたら、あっさりリリース。オーツリーも抜けたし、陣容的には、かなり不安。ルーキー二人を含めた若手エッジラッシャー陣に自信持ってんのか。信じていいんだな。


 【LB】

 上二人は安泰。しかし、3人目以降は大いに不安。デプス3人目が、いきなりザイール・フランクリンだからな〜。なんか、隠し玉でもあるんか。

 まあ、4−2−5が基本だろうから、3人目のLBを重く見る必要はないであろうが、上二人のどっちかが怪我したら、デプスはペラッペラ。まあ、手当しやすいポジションではあるけれど…。


 【DB】

 質的にはともかく、量的にはうじゃうじゃいるユニット。 LBと異なり、デプスは分厚い、厚過ぎるといって良いくらいである。寝返りの打てない掛け布団みたいな感じである。

 昨季のスターター陣、ブラックモンやウィリス、ヤ=シンあたりも、うかうかしてられない。ひとつ間違えばスターター落ちである。ムーアだって、油断してるとリリースだろう。コロナ休暇していたマーベル・テルも、気合い入れ直さないと開幕前カットであろう。LBだけど、同じくコロナ休暇していたスカイ・ムーアは早速ウェイブされとるし。あと、二人いるショーン・デービスの処遇はどうするのかという問題もある。SEとSHみたいな表記で良いのか。

 で、ちょっと話は逸れるが、って、そんなに話は逸れていないが、昨季までの先発FSフッカーについて。コルツからリリースされても、なかなか移籍先は見つからず、7月27日にようやっと、ダラスと1年92万ドルで契約。2017ドラフトの目玉の一人であったが、4年でこうなるとはねえ。

 パフォーマンス的には問題ない、ドラフト時のスカウティング通りだと思うのだが、「ケガの多さ」が嫌気されたか。4年間で出場36試合か。1シーズンフル出場は無し。
 同じDBでも、SSやCBだと、大事な試合だけガツーンと働いてくれれば良いみたいなところもあるだろうが、FSはどうしても「司令官」的な役割を求められるから、ケガの多い選手は嫌気されるよね。保険で安く再契約しても良いかなと思っていたけれど、上記の通り、コルツのDB枠はうじゃうじゃしているので、キャップ枠というより、単純に座席が無い。


 【ST】

 安泰。つか、シーズン開幕前に、ここが不安なチームは無いだろう。シーズン中でも、いくらでも手当てできるし。他チームと、リターナーはともかく、それ以外は差の付けようがないポジションではある。


 っと、軽く俯瞰してみたが、こうやって見てみると、なんか全然戦力アップしてないな〜。良くて、昨季とイーブン、下手すりゃダウンかも。

 例えば、昨シーズン開幕時点と比べてみても、昨シーズン開幕時は、バックナー様とリバースという明々白々な戦力アップがあった。バックナー様はオールプロ級だし、リバースは老いたとはいえ、殿堂入り級のQBである。どれだけ悲観的なバイアスをかけても、ブリセットよりは上であろう。この両者がコケるというのは、余程戦略的相性の悪さ、人間関係的相性の悪さの無い限り、考えにくかった。で、実際活躍し、チームはプレイオフ。

 今季はというと、彼ら二人のような明々白々な戦力アップはない。カスタンゾの引退を考慮すれば、むしろダウンであろう。エリック・フィッシャーがケガから回復、戦列に加わったとしても、カスタンゾから大幅にレベルアップするとは考えにくい。イーブンか、ややアップぐらいか。

 で、他に戦力アップは無し。ウェンツが加入しているけど、ここ数年スランプだった選手だし、ケガも懸念されるし、で、実際早速ケガしてるし、安易に計算は出来まい。

 あとまあ、ルーキーもいるが、ルーキーを新戦力として計算するのは、如何なる大物ルーキーでも、禁忌である。

 で、コーチ陣はほぼ残留。マワエが新コーチとして加入しているが、彼は確かに「大物プレイヤー」であったけれども、「大物コーチ」ではない。コーチとしては、まだ駆け出しである。

 つう訳で、昨季と比較して、全然戦力アップしていない。「個々の実力を数%アップして云々」という考え方も無くはないが、少なくともタレント的戦術的なアップはない。ウェンツとフィッシャーの動向を懸念すれば、ダウンも有り得る。

 「まあ、昨季は11勝して、プレイオフ進出しているチームなのだから、ウェンツとフィッシャーが順調なら、同じくらいの数字は出るだろう。」という甘い見積もりも出来なくはないが、「ウェンツとフィッシャーが順調じゃない」という目も、同じ程度に予想できる。

 「今年のコルツは11勝から6勝まで、いろいろ有り得る。」みたいな記事を読んだ記憶があるけれども、まあまあその通りだろう。

 6勝に終わって、ウェンツのドラフト権をプロテクトするというイーグルスに意地悪な戦略も無くはないが、レオナルドが大型契約を締結、ネルソンの大型契約も必至というキャップ状況なので、「来季が勝負だ〜〜。」と、軽々に言いにくいのが、今のコルツの現状ではある。

 今季は生温い気持ちで応援したいと思う。


 って、死んでも勝て〜〜〜〜。


 結局、それかい。


 あと、コルツ以外のNFL全般のシーズン展望としては、やっぱり「ブレイディ・ベリチック問題」、通称「ダブルB問題」かな。誰も通称していない。

 ブレイディは、昨シーズン、満点回答を提出したけれども、ベリチックに関しては追試、というか試験順延だと思う。あれだけコロナ休暇が多かったら、正当な判定は出来まい。

 そのほかだと、サム・ダーノルドもちょっと注目かな。こちらは完全な追試だけど、ジェッツ以外だったら、どういう結果になるのかは、ちょっと楽しみ。パンサーズは良いチームだし。

 そう云えば、ジェッツの元コルツ勢は一掃されましたね。政変でもあったのか。


 開幕をおよそ10日後に控えて、なんだかんだで、 テンション上がってきた〜〜。あげあげ〜〜(古い)。


                                   2021/8/29(日)

 訂正とお詫びと補足です。

 上の記事で、TEのグランソンの事を、何故か「スワンソン」と表記していました。

 また、NFL開幕は9月9日であるのも関わらず、何故か「開幕を1週間後に控えて、」と書いていました。

 以上2点、理由は分かりません。混乱した方がいたら、ゴメンナサイ。お詫び申し上げます。一応、訂正済みです。

 んで、補足。

 マーベル・テルがPS入りしちゃいましたね。これで、昨シーズン、コロナ休暇した3名、マーベル・テル、スカイ・ムーア、ローラン・ミリガンは全滅。他のチームはどうだか知らないが、コロナ休暇取っちゃうと、なかなか復帰は難しいっぽい。

 それなりにトレーニングはしていたと思うが、所詮自主トレだし、コロナを言い訳に練習はサボりがちだろう。同じ1年振りでも、ケガ明けだったら、大目には見てもらえるだろうが、コロナの場合は、そうもいくまい。動きが悪いと取られても仕方ないだろう。休むって怖いよね。

 んで、もうひとつ。これが一番大事。

 キキ・キューティー、キターーー

 っても、PSだけど。でも、嬉しい事に変わりはなーーい。

 バックナー様といい、テイラー様といい、自分が欲しい選手がホントに来ると、やっぱ嬉しいね。

 っても、PSなので、先の2名と違って、危うい立場ではあるが、層の厚いDB陣と違って、デプスの薄っぺらいWR陣なので、試合出場の可能性は高いと思う。ヒューストン時代も、他のカードはともかく、コルツ戦では結構活躍していたので、コルツ首脳陣の印象も良いだろうし。なにより、私が見た――い。

 っても、その名前が大好きというだけであって、能力を買っている訳では無いので、活躍しなかったからといって、私を責めないよーに。
 でも、その名、キキ・キューティーは、現実架空を問わず、というか、命名に現実架空を問う意味は無いが、私の今まで目にした、あるいは耳にした名前の中で一番好き。しかも、男ってのが良い。キキ・キューティーになりたい。


                  いきなり涼しくなった。2021/9/5(日)
Week1 9月12日
SEA@IND
28−16
 てな訳で開幕である。

 っと、その前に、開幕直前に締結されたハインズの契約について。

 コルツは、開幕直前に、ハインズと3年1860万ドル(うち1200万ドル保証)で契約延長した。

 んで、上の記事にもある通り、私はハインズとの契約延長に反対であった。理由は二つ、キャップヒット的なものと能力的なものの二つである。

 キャップヒット的なものについては、年平均600万ドル程度なので、そんなに大きいわけではない、だが、小さい訳でもない。ここ数年のキャップゆるゆる状況とは違って、ネルソンやレオナルドの大型契約があるので、これからのキャップ管理は徐々にきつくなっていく。そうした状況下で、年平均600万ドルとはいえ、決して少なくない額なので、それなりには響くであろう。

 もっとも、キャップ管理なんて、いざとなれば、どうにでもなる、とりわけ年600万ドルぐらいは、どうにでもなるので、それはそれで良い。

 ちなみに、ハインズとの3年1860万ドルが高いか安いかについては意見が分かれるところではあろう。私には、オーバーペイド気味に感ずるが、まあ、NFLに限らず、労働者雇用はオーバーペイド気味にしておくというのが鉄則だと思うので、それはそれで良い。

 で、私がハインズとの契約延長に反対なのは、キャップ管理はともかく、その能力に不満を持っているからである。ハインズのようなスキャットバックの最大の醍醐味と云うか、見せ場というか、特長というのは、「相手に嫌われてナンボ」という点にあると思う。まあ、スキャットバックに限らず、ありとあらゆるスポーツマンは「敵に嫌われてナンボ」であろうが、その色彩がより強いのが、スキャットバックというポジションだと思う。敵、あるいは敵のファンをイライラさせてナンボのポジションである。

 スキャットバックの最大の見せ場は、いろんな意見があろうが、私の思うには、なんといっても、「3rd&10くらいで、チェックダウン気味のパスをスルスルと上がって、1stダウンにしてしまう」アレである。これが、敵のファン的には一番イラつく。

 史上最高のスキャットバックというと、マーシャル・フォークとかトムリンソンの名前が上がろうが、彼等は単なるスキャットバックではないので、ここ最近だと、なんといってもスプロールズであろう。そうして、スプロールズのアレに私は何度も泣かされた。いや、別にスプロールズの反対側にチームをいつも応援してた訳じゃないけどさ。

 でも、このアレがハインズには無いんだよね。アジリティの問題なのか、クイックネスの問題なのか、フィールドヴィジョンの問題なのか、3rd&10でチェックダウンを貰っても、あと1ヤード2ヤード足りないっていうのを私は何度も見てきた。この開幕戦でも、似たようなシーンがあったと思う。

 そういうスキャットバックと契約延長すんのは何かな〜と思うし、このくらいの選手ならドラフト3日目にいくらでもいるように思う。まあでも、契約延長したなら、仕方ない。頑張ってちょーだい。

 つう訳で、開幕戦の対戦相手はシアトルである。いきなり他カンファレンスである。他カンファレンスというのは、実力差が出にくい、あるいは、思わぬ結果の出やすいカードである。同じく、実力差が出にくい、あるいは、思わぬ結果の出やすいカードとしては、同カンファレンス同地区がある。

 一方、実力差が、そのまま結果に出やすいのは同カンファレンス他地区であろう。昨季のプレイオフのコルツ対ビルズなどは、その典型である。

 「他カンファレンス」と「同カンファレンス同地区」が、思わぬ結果が出やすい理由は、要するにスカウティング、それもプレイヤーの肌感覚のスカウティングであろう。
 「他カンファレンス」は、肌感覚が分からないが故に、思わぬ結果が出やすく、「同カンファレンス同地区」は、肌感覚が分かり過ぎているが故に、思わぬ結果が出やすいのである。これは、理由は正反対ながら、結果は同じという、なかなかに面白い現象である。

 さて、その「他カンファレンス」のシアトル戦であるが、メディアやサイトによっては、「コルツ有利」なんて予想もあったようだが、結果はコルツ敗戦、それも完敗。これを、「予想通り」と見るか、「思わぬ結果」と見るかは君次第だ。なんちって。

 敗戦つうか完敗の理由は、はっきりしていて、要するにダベンポートとフランクリンである。特にダペンポート。基本的に、控え要員なので、過度の期待はしていなかったけれど、ランパスともにグダグダ。いないようなもんだった。この感じ、久方振りに味わった。いかに、カスタンゾが休まなかったかという事であろう。「フットボールはLTが重要」という、アホみたいな原則を、久方振りに再確認した。

 一方、フランクリンは、こちらもランパスともにグダグダで、首脳陣も業を煮やしたか、最初の数シリーズ以降、それっきり出てこなくなった。特に二つ目のシアトルのタッチダウンは、ゴール前のクロスルートだったと思うけど、確かに守備範囲的にはレオナルドの担当であろうが、隣のゾーンを守ってたフランクリンのヘルプが早ければ、多少違った結果にはなっていたと思う。これが無ければ勝ってた、とまでは云わないけどさ。

 ダベンポート、フランクリン両者に云えるのは、要するに、これは技術や慣れの問題ではなくて、両者ともに、NFLのスターターレベルの運動能力がないという事である。こればっかりは、コーチングやトレーニングでどうにかなるものではない。人を替えるしかないであろう。逆に云えば、人を替えれば解決する問題とも云えるが。

 ダベンポートに関しては、フィッシャー待ちという事になるのであろうが、フランクリンはどうするのだろう。いくら4−2−5がベースとはいえ、ムーア出ずっぱりという訳にはいかないし、上二人がケガしないとも限らんし、ちと不安。隠し玉でもあるのか。FAで補強したいところではある。

 そのほか、思いつくままに。

 まずは、全人類注目の「ダブルE問題」であるが、結果はまさかの「ダブル」が正解という、近年稀にみる強烈なひっかけ。これ、大学入試問題だったら、親御さん激怒だよ。教育ママが黙っちゃいないよ。文部省、爆破しちゃうよ。

 最悪12週アウトとか言われていたように記憶するが、いきなり1週目から出場って。同じように報道されていたネルソンも、しれっと出場していたけれども、1週と12週って、3ヶ月違うよ。それだけアメリカのスポーツ医学が凄いって事、それとも、アメリカのスポーツ医学の術後予想がグダグダって事。分からん。まっ、いいや。二人揃って、良い方の目が出たから。

 で、肝心のウェンツの出来であるが、まずまずかな。これだけ出来れば、充分でしょう。ただ、ちょっと気になったのは、投げ捨てが遅い、あるいは、投げ捨てをしないって事。
 これは、ウェンツに限らず、最近のQB全般に云える事であるが、一昔前に比べると、めっきり投げ捨てなくなった。戦術上戦略上の理由があるのか、それとも個人スタッツ的な理由があるのか、よく分からんが、めっきり投げ捨てなくなった。昨年のプレイオフでブレイディが見せたように、「投げ捨て」って、QBにとって、大事な技術だと思うけどねえ。

 その他はというと、私がこのゲームでウェンツ以上に注目していたスワンソン改めグランソンであるが、多分初登場のシーンで、まさかのランプレイ、しかもお漏らししてノーゲインという見事なオチ。

 いや、そりゃ、確かに「レシーブしか能のない男」をラインナップさせて、パスはコールしづらいだろうけど、それじゃ本末転倒支離滅裂でしょう。しかも、このお粗末なブロッキングに懲りたか、その後ほとんど出番なし。今後のコルツのパスオフェンスの成否のカギを握る男のデビューはダイドーブレンドのブラックよりも苦いものとなったのであった。あった。いや、レシーブさせろよ。ダウンフィールドに出せよ。

 同じく新人のペイ―は余裕のノーサック。プレシーズンでは評判が良かったようであるが、現実は厳しい。張り切っているのは、テレビ画面を通しても、充分伝わってきたけれども、その「張り切り」があっさりコントロールされている模様。
 まあ、このポジションは、意外に技術とかIQ重視のポジションなので、それらを身に着けていかないと厳しいかな。コントロールされないレベルの「張り切り」でもないし。

 もともと、「折角だから」指名の選手ではあるし、過度の期待は禁物か。でも、これくらいの選手だったら、無難にLT指名でよかったんじゃないかな。まあ、フィッシャー前提のドラフトだったんだろうけどさ。

 で、同じく新人で、同じくプレシーズンで評価を挙げたストラチャンちゃん改めストラチャンは、きっちり2レシーブ。しかも、両者ともに3rdダウンの厳しいとこでの価値あるレシーブである。動きもなかなかシャープなので、ちょっと期待できる。冒頭のハインズのところで、「プレイヤーは敵に嫌がられて、ナンボ」みたいな事を書いたけれども、このストラチャン君は、そんな選手になりそうな雰囲気がある。どしどし使っていって欲しい。

 ちなみに、もう一人の「プレイヤーは敵に嫌がられて、ナンボ」の可能性を秘めたハリスは余裕のPS、出番なし。

 そのほか、気になったのはセイフティ・コンビかな。これは、昨シーズン終盤から続いているが、ブラックモンの動きに精彩がない。肉体的な動きが悪いというよりは、判断に迷っているといった感じである。この日もウィルソンにディープのタッチダウンパスを二つ喰らっている。うち一つはウィルスのサック直後というベタな奴。

 まあ、ウィルスが前に出たがる選手だけに、特有の難しさはあるのだろうけど、ブラックモンは、フリーセイフティというポジションの難しさを嫌っていう程、痛感している最中であろう。カレッジ時代は、3年生までCBだったし、精進精進、勉強勉強。

 あと、ウィルスは、パスカバーにやっぱ難あるよね〜。そのへんは、偉大なる先達ボブ・サンダース様との決定的な違い。サンダースは、そのミサイルタックルばかりがフィーチャーされるけど、パスカバーも超一流だったんだよね。だからこそ、ディフェンシブプレイヤー・オブ・ザ・イヤーを獲れた訳だし。こちらも、精進精進、勉強勉強。

 あと、ラッセル・ウィルソンは、やっぱディープパス上手いよね。ルーキーイヤーから上手かったけど。ホント名人芸。ディープの上手さはマニングと双璧かも。まあ、マニングは、ありとあらゆるパス、全部うまいけど。

 そんくらいかな。あんま、シーホークスについて触れられなくて、シーホークスファンの皆様ゴメンナサイ。なんつーか、LTの不出来というだけのゲームなので、あんま書く事ないんだよね。そこが全てだったから。

 強いて挙げると、プレイコール的にコルツの敵陣でのギャンブル二度失敗も痛かったとは思うけど、それは結果論だからなあ〜。ただ、私個人的には、あそこは二度ともFGを蹴って欲しかった。FGを成功させて、シーホークスにプレッシャーを与えたかった。まあ、結果論だけどね。ただ、二度目のギャンブル失敗で、チーム、特にディフェンス陣は切れたよね。

 あと、ピート・キャロルのトレパン姿、おじいちゃん過ぎ。むしろカッコいいわ。何故にスーツを着ないのかという疑問も無くはないが、トレパンって。股間のダブダブが超セクシー。と、無理矢理シーホークスネタをぶっこんで、シーホークスファンのご機嫌をうかがう不遜なワタクシ。

 話をコルツの戻すと、開幕戦での敗戦だし、他カンファレンスだし、星勘定的には、そんなに痛くはないのであるが、ただ内容的はちょっと痛いかな。LTのタレントの問題だから、フィッシャーが帰ってこない限り、解決しないだろうし、また帰ってきてもフィッシャーの出来次第では元の木阿弥だろうし、そういった意味では、前途多難のシーズン開幕かも。

 もっとも、AFC南の他チームも前途多難っぽいんで、8勝ぐらいでギリギリプレイオフが理想のシナリオかな。まあ、6勝ぐらいで、1巡上位でLTorWRを指名しても良いけどな。

                         私はペプシ派。2021/9/15(水)

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