インディアナポリス研究会コルツ部

歴史

2021シーズン

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1/2/3/4/5/6/7/8/9

Week2 9月19日
SF@PHI
17−11
 ここ数年は、某非人道的動画サイトの極道アップロードでNFLを観戦していたのであるが、ガサ入れが入ったのか、ここ最近極悪アップロードがない。単に、私の検索が下手なだけなのかもしれないが、それはともかく、第1週目はダ・ゾーンで生中継があるという事もあり、ダ・ゾーンに加入、観戦した。

 今季は、いよいよNHKBSもマンデーナイト、つかNFL放送から撤退し、日本におけるNFLのテレビ観戦がG+の週2試合のみになってしまった。テレビからインターネットへというのが、NFLや海外スポーツに限らず、この世のありとあらゆる映像コンテンツ、さらには文字コンテンツも含めて、大きな流れであるので、それはそれで致し方ないのであるが、10年ほど前は、例の3局で週10試合ほど(被るゲームもあったけど、)NFL放送があった事を思うと、寂しいものではある。

 いまや絶滅危惧種のNFLやNBAのテレビ放送の利点については、昨年どこかで書いたと思うので、ここでは繰り返さない。

 「テレビからインターネットへ」という大きな流れに関しては、無論歓迎である。というか、逆いようがない。大昔、私が子供の頃、テレビのプロ野球中継といったら、巨人戦一点張りで、他のゲームは、その巨人戦の途中経過レポートやラジオでしか知る由の無かった頃に比べれば、隔世の感がある。初めてパ・リーグのゲームをインターネットの生中継で観戦した時の感動を、今でも私ははっきりと覚えている。なにかっつうとフリーズしてたけどさ。

 また、私がNFLを見始めた頃はインターネット時代になっていたけれど、NBAを見始めた90年代中盤は、ジョーダン時代だっつうのに、衛星放送以外は何の情報も無し(私はBSは見れたけれども、CSは見れなかった。)。大学の図書館にある1か月遅れぐらい(違ったっけ)のニューヨークタイムズと洋書屋の1週遅れくらい(違ったっけ)のスポーツイラストレイテッドぐらいが、そのほかの数少ない情報源であった。私はそれらを食い入るように読んでいた。

 その後インターネットが普及して、情報量はだいぶ改善されたものの、試合そのものを見る機会は、まだまだ少なかった。NFLは、上記したように、衛星放送やケーブルテレビに加入すれば、かなりのゲームを見れたものの、もともと試合数の多いNBAの場合は、そうもいかない。プレイオフも全試合観戦は無理だったのではないだろうか。あの懐かしのポンテルは、私は利用した事が無い。

 私の若い頃、今のようなインターネット環境、スポーツ視聴環境だったらと想う。まあでも、見ないが故に分かる事もあるしね。野球なんか、テレビよりラジオの方が勉強になるとも云うし。一長一短か。そう云えば、マニングもフットボールは主にラジオ観戦だったっていうしね。あれっ。親父のゲームを記録した録音テープだったっけ。

 という訳で、「テレビからインターネットへ」という大きな流れについて、私は否定するつもりは毛頭ないのであるが、ささやかな一短として、現状「何気なく見れない」というのは、あると思う。

 今現在、NFLでもNBAでもインターネットでゲームを視聴しようとすると、冒頭に書いた某非人道的動画サイトを使わない限りは、何らかの代金、それも相当の金額が発生する。「NFLを見たい」あるいは「NBAを見たい」という強い意志を持っている人ならともかく、特に興味のない人にとっては、完全に無縁の世界である。
 ところが、これがテレビ放送だと、ザッピング中、あるいは居間で家族が見ていたから等々、様々な理由で「何気なく」NFLやNBAに触れる機会があると思う。そうしてそこからハードコアファンにという流れもあろう。まあ、ソフトタッチでも良い。20世紀終盤の巨人人気などは、完全にそれに支えられていた。

 もっとも、インターネット配信も、そのうち無料化されるであろうから、これは一時の不満に過ぎないのかもしれないが。ただ、本来ドメスティックなものであるCMを海外に向けて発信する事に広告的な価値があるのかというと微妙なところではあるが。まあ、この辺は技術的に、それこそTTで解決できる問題か。

 という訳で(どういう訳?)、ダ・ゾーン頼みの私は、今週コルツ戦の配信が無いので、代わりにサンフラン対イーグルス戦をリポートしたいと思う。ここ数年はコルツ戦のレポートばっかりで、他チームについて疎くなり、「俺オールプロ」でも困る有様なので、ここは一念発起、ダ・ゾーンの配信スケジュールに合わせて、勉強を兼ねて、というか主に私の勉強のために、コルツ戦以外をどしどしリポートしていきたい。もちろんコルツ戦が配信されれば、コルツ優先だけど。

 と、その前に、今週のコルツ戦の感想をば。

 まあ、ハイライト映像&文字ライブのみの感想なので、フルゲームで見たら、また感想が異なるかもしれないが、先週のゲームも含めて、攻守の信頼が損なわれるような負けっぷりである。なんつーか、オフェンスが得点すると直後に失点し、ディフェンスが頑張る、あるいはテイクオーバーしても、それを得点に結びつけられない。両陣営から相互に不満が出ても、仕方のない内容、つうか展開ではある。象徴的なのが、「3点を追う最終シリーズでのウェンツ不在&初登場イーサム2投目でのゲームセット・インターセプト」であろう。ディフェンス陣から不満の声が上がってもおかしくはない結末ではある。レオナルドがまとめるしかあるまい。不満の先鋒を勤めてそうでもあるが。

 あと、これは、この試合に限った事では無く、ここ数年というか、ライク体制以来ずっとであり、前々から書こう書こうと思っていながら、気のせいかなとも思い、書かなかったのであるが、とにかく、ファーストダウンでもタッチダウンでも、残り1ヤード2ヤードが獲れない。「1ヤード2ヤード残し」が多過ぎる。まあ、統計を取っている訳では無いので、過去とも変わらない、あるいは他チームとも変わらないのかもしれないけど、私の印象では、ライク体制になって、この「1ヤード2ヤード残し」が多過ぎる。

 顕著というか、象徴的なのが、このゲームのファーストシリーズの残り1ヤード3連続失敗、というか、その前の3rdダウンも含めれば、4連続1ヤード残しである。

 この件の当事者はジョナサン・テイラー様だった訳であるが、テイラー様は、そうでもない。今回は、たまたま当事者だっただけである。酷いのはハインズとマックである。入団以来ずっっっと1ヤード2ヤード残している。私がこの両者に対して厳しい、真の、というか一番の理由は、実はこれである。今まで黙ってたけど。いや、喋った事あるかな。

 デザインが悪いのか、コールが悪いのか、キャリアーが悪いのか、理由は分からない。まさか、ファーストダウンの距離を自覚していないキャリアーはいないだろうから、デザインに問題があるのかなあ〜。すると、ハインズとマックは冤罪か。

 で、いよいよ本題のSF@PHIである。

 まず、注目は、一コルツファン的には、何といっても、ジェイレン・ハーツの出来というか、QBとしてのグレードであろう。

 グレードというか、スタイル的には、昨今流行りの「走るQB」のそれであろう。ラッセル・ウィルソンというか、嚆矢はアーロン・ロジャースのそれである。

 ただ、ウィルソンやロジャースに比べると、フィールドヴィジョンやコントロールは一つも二つも下のように感じた。「なんちゃってラッセル・ウィルソン」というのが、最も適したスカウティングのように思う。

 とすると、イーグルスは、昨年のドラフトで、「どうしてもハーツが欲しくて、ハーツをドラフトした。」のではなく、「どうしてもウェンツを放出したくて、ハーツをドラフトした。」という事になってしまう。あれっ、コルツ、もしかして貧乏クジ引いたの。早速ケガしとるし。

 ついでに、という訳でもないけど、対戦相手のQB、ガロッポロはというと、こちらは短中距離のパスをビシバシ決める典型的なWCOタイプのQB、つか、ベリチック・タイプのQB、つか、「なんちゃってブレイディ」ではある。スニーク多用もよく似ている。お家芸か。

 で、お家芸と云えば、シャナハンのそれは、何といっても「ゾーンブロック」であろうが、このナイナーズでは、スキームとしては使用していないようである。RBも、このゲームを見た限りでは、「ゾーンブロック・スキーム用RB」ではないみたいだし。

 ただし、時折見せるゾーンブロックの切れ味は抜群である。さすがお家芸といった感があった。正確無比なコーチングを感じた。

 このナイナーズは、プレイオフ・コンテンダーであるのは無論の事、スーパーボウル・コンテンダーであるかもしれない。ただ、一時代を作る、あるいは王朝を作るようなチームかというと、それを違うように感じた。なんつーか、時代を先取る戦略戦術が無い、というか、端的に云えば、「イカれたところ」がないように感じた。

 例えば、それこそジム・ハーボーのナイナーズにはそれがあったし、そのライバルであろうピート・キャロル就任当初のシーホークスにも、それがあった。2000年代初頭のベリチック&ブレイディ&ペイトリオッツにも、無論それがあったし、そのライバルであろう我等がマニング・コルツにも、それがあった。ロジャースが出てきた頃、最近では、マホームズが出てきた頃にも、それはあったろう。また、私はその頃、NFLを見ていなかったけれども、父親シャナハンのブロンコスにも、それがあったと思う。あと、マイク・マーツのラムズとかね。

 これらのチームに見られたような「イカれたところ」は、今のナイナーズには感じなかった。昨年のスーパーボウルでも同様である。なんつーか、それこそアンディ・リードが率いていた頃のイーグルスが、こんな感じだった。ベタな表現を使えば、「グッドではあるけれども、グレイトではない」、みたいな。

 まあ、こんな感じかなあ〜。って、それだけかいっ。まあ、なんつーか、NFLも20年近く見ていると、新発見が無くなるというか、感動が無くなるというか、私のような素人、それも日本人が、テレビ画面越しに見て、分かる事は、ほとんど全部知っちゃったって感じである。これより先に行くには、内側に入る、ミーティングに同席するしかないように思えてきた。ナマ云って、スンマセン。

 あっ、そうそう、私がこのゲームを観戦した最大にして唯一の目的、「ハリソン様の再来」ことデボンタ・スミス君は、2レシーブ16ヤードのみ。スタッツ的には7回ターゲットになっているのであるが、ドロップ過多という印象はない。どっちかというと、QBとかデザインとかコールとかディフェンスとかの責任だと思う。まあ、今回は評価保留という事で、またの機会に。

 あと、そうそう、コルツファン的には気になるリーガ―息子も、このゲームに出場していたが、2レシーブ5ヤードのみ。こっちも評価保留か。

 てな具合かなあ〜。あっ、そうそう、G+のサンデーナイトを見ていたら、実況アナウンサーがNFL全般について妙に詳しいので、感心して聞いていたら、増田さんでやんの。あのひと、まだやってたんだ。びっくりした。そりゃ詳しい訳だ。

                    私はオーマイ派。2021/9/22(水)
Week3 9月26日
ART@JAX
31−19
 前々から思っていたのであるが、野球におけるバッティングの指標のひとつ、スラッギング・パーセンテージを「長打率」と訳しているが、これって誤訳なのではないだろうか。「長打率」というと、安打数に対する長打数、すなわち2塁打以上の割合みたいなものを、多くの日本人はイメージするであろうが、「長打率」は「塁打数÷打数」で算出する。「長打数÷安打数」ではない。「強打率」と訳すべきだと思う。実際、「スラッガー」は「強打者」と訳している訳だし。不思議。

 そんな事はともかくとして、NFL第3週である。今回も、今シーズンの企画「ダ・ゾーンとともに行くNFLお礼参りの旅」をお届けする次第であるが、その前に、こちらも今季の企画もの、恒例の「今週のコルツ罵倒コーナー」である。

 今週のコルツは、余裕の開幕3連敗をビシッと決めた訳であるが、敗因はいい。観なくても分かっとる。この試合に限らず、ここ5年くらい、ず〜〜〜〜〜〜っと続く永遠の敗因「レシーバー問題」である。フリーになれないんでしょ。

 だからもう、グランソン使えよ〜〜。ブロッキング習得している場合じゃないだろ。アリー=コックスには見切り付けてくれ〜。

 あと、パリス・キャンベルはもういーよ。全然ダメじゃん。「バックフィールドからロングゲインを生み出す」という触れ込みだったけど、その片鱗が全然ないよ〜〜。典型的な、「プロに入ったら、相対的に遅くなる。」選手だよ〜〜。「相対性理論」で説明が付いちゃう選手だよ〜〜・

 ストラチャンとハリスを「贔屓起用」してくれ〜〜〜。他のレシーバー陣は底が見えているよ〜。 

 ただまあ、ピットマンは、効果はともかく、数字は残せるようになった。しばらく前に、G+の「懐かしのスーパーボウル」を見ていたら、親父ピットマンが出てきて、解説の後藤さん(多分)に「この選手はスピードはないけれど、ルート取りが上手いんですよね。」って言われてた。親子揃ってかい〜〜。お家芸かい〜〜。DNAかい〜〜。間男の子供じゃなかったんだな〜〜(プロスポーツの世界では、よくある。)。

 一方、ディフェンスは、この日は25失点と、ギリギリ及第点。まあ、止めたいところで止められなかったという「罵倒ポイント」はあるものの、この3試合でターンオーバーは6とスキーム上の目的は達している。責められない。あとは、レシーバーが…。

 ただ、ペイ―は、ここまで3試合で余裕のノーサック。シーズン0サックペース。だから、ヒューストンと、…。

 「コルツ罵倒コーナー」はこれくらいにして、本題の「ART@JAX」である。

 今更なんであるが、改めて、私のジャクソンビルのイメージはというと、「しょっちゅうドラフト上位を引いている」である。なにかつうと、5位以内に位置している。QBに限ってみても、私がNFLを見始めた頃にレフトウィッチがドラフトされ、以後、ブレイン・ギャバート、ブレイク・ボートルズと失敗続き。その他のポジションでも失敗上位指名は多く、たまに成功したラムジーやフォーネットには逃げられる始末。ちなみに、ブルネル時代は見ていない。

 ただし、全体1位は、その25年を超える歴史で初めてで、それが今年のトレバー・ローレンスである。ローレンスについての感想は後述する。

 その25年を超える歴史で、ちょろっと良い時期はあったものの、黄金期はなく、長期低迷しているチームの一つといっても良いかもしれない。

 長期低迷しているチームというのは、NFLに限らず、あらゆるプロスポーツの世界であるだろうけれども、いつかも書いたが、こういうのはGMやヘッドコーチというより、オーナーに責任があると思う。オーナーにGMやコーチを選ぶ目がないというより、そもそも自身の所有するチームに興味がないという感じの人が多い。自身の経営する数ある事業のひとつというか、道楽というか、道楽ならまだしも、地域貢献活動とか社会的名誉職みたいな気分で、オーナーになっている人もいる。で、そういうチームというのは、大概低迷する。オーナーがチームの勝敗に興味がないからだ。損益ぐらいは興味があるだろうけれども、プロスポーツチームのオーナーになるような人にとって、プロスポーツチームの損益など、計算に入れていないであろう。

 ジャガーズの、この10年くらいの低迷は、現オーナーに替わったのが大きな理由のようにも思うが、どうだろうか。私はジャガーズファンではないので、そのあたりは実感しにくいのではあるが。

 翻って、我らがコルツを考えてみても、70年代から80年代、更には90年代にかけての低迷、すなわちポスト・ユナイタス時代の低迷は、前オーナーの無関心が大きな要因だったように思う。前オーナーは、明らかにビジネス上の人間関係からオーナーになった人なので、フットボールへの関心は低かった。その挙句が、エルウェイ入団拒否とボルチモア夜逃げである。コルツが劇的に変化するのは、彼が死に、息子がオーナーになってからである。ちなみに、アーセイ親父の前のコルツのオーナー、キャロル・ローゼンブルーム、この人はNFLの歴史に名を残す名オーナーだった人である。この人の下で、50年代から60年代にかけてのコルツの栄光はある。

 また、オーナーが替わった事で、チームが劇的に変化した最近の事例は、NBAになるけれども、マーク・キューバンのダラス・マーベリックスがある。

 また、現今のペイトリオッツ王朝を築いたのは、ベリチックやブレイディの力も無論大きいであろうが、なんといっても、ロバート・クラフト・オーナーの力が最も大であろう。

 また、スティーラーズが、長年に亘って、安定した成績を収め続けているのも、ルーニー一族の力によるものであろう。

 翻って、日本のプロ野球を見た時、現今のホークスの繁栄は、中内元オーナー抜きには語れないであろう。同じ時期に、ブレーブスを買収した宮内オーナーとは雲泥の差である。

 「金も出すけど、口も出す。」という言葉は悪い意味で使われているが、「金は出すけど、口は出さない。」オーナーよりマシだと思う。せめて、「顔ぐらいは出し」て欲しいものである。
 「金も出すけど、口も出す。」のオーナーとしては、ジェリー・ジョーンズとか、アル・デービスとかがいるであろうが、アル・デービスの晩年はともかく、やはりプラスの方が多いと思う。ここ10年くらいのヤンキースの低迷は、スタインブレナー前オーナーの死去が一因になっていると考えるのは不自然な事ではあるまい。それも、かなり大きな。

 そうして、オーナー職の一番厄介な点は、「成績不振を理由に解任できない」である。GMやヘッドコーチだったら、成績不振を理由に解任することは容易い。また、オーナーにその気はなくとも、ファンやマスコミの声に従わざる得なくもなる。
 ところが、オーナーの場合、「成績不振を理由に解任できない」。当人に売る気があり、買い手が見つかって、初めて「オーナー職を解く」事が出来る。そこに、ファンやマスコミの声は、余程の事、犯罪レベルの事でもない限り、介在出来ない。長期低迷するチームのファンの辛いところではある。まあ、オーナーが無関心でも、うまく、あるいは、たまたま、勝つ事はあるだろうけど…。

 さて、一方、アリゾナであるが、こちらのチームの印象はというと、なんつーか、優秀なディフェンス選手、それもオールプロやディフェンシブプレイヤー・オブ・ザ・イヤー級の選手を連綿と輩出してきたというイメージが私にはある。
 現今だと、純正品では無いけど、チャンドラー・ジョーンズ。ちょっと前だと、タイラン・マシュー、カライス・キャンベル、パトリック・ピーターソン。もうちょい前だと、カルロス・ダンスビー、エイドリアン・ウィルソン。更に前だと、エーニアス・ウィリアムスとか。連綿と優秀なディフェンスプレイヤーを輩出してきたというイメージが私にはある。だが、不思議なことに、チームのディフェンスが良かったというイメージは皆無である。どっちかというと、いつの時代もオフェンス型のチームという印象が私にはある。フィッツジェラルドのイメージが強すぎるのか。ここも、QBには苦しんでいるチームなんだがなあ。不思議。

 さて、いよいよゲームの感想であるが、まず注目は何といっても、このひとトレヴァー・ローレンスであろう。

 で、そのローレンスの第一印象であるが、それは、フィールドに響き渡る、その「ダミ声」である。これには意表を突かれた。ロン毛になんかしちゃったりして、ビジュアル系で売り出す気マンマンなのであろうが、「ダミ声」は致命傷でしょう。ジャニーズだったら、書類選考で通っても、面接で落ちるパターンだよ。
 あと、顔も意外にイカツイ。あれだったら、タネヒルの方がまだカワイイと思う。ビジュアル系不発。

 まっ、そんな事はともかくとして、肝心のQBとしての実力であるが、まあまあ一試合だけでは何とも言えないものあるが、一番印象に残ったのは、「パスラッシャーへの見切りの良さ」である。遠すぎず近すぎず、絶妙のところで、パスを投げるなり、走るなりする。これには好感した。最近ではいないタイプだと思う。それこそマニング以来か。ブレイディやロジャースでも、この能力はない。

 ちなみに、パスラッシャーが遠い段階で、パスしたり走ったりするのが、ちょうど対戦相手のカイラー・マレーであり、逆に、パスラッシャーを引き寄せるだけ引き寄せて、パスしたり走ったりするのが、我らがウェンツさんである。このへんの判断がローレンスは絶妙だと思うし、大変貴重な能力だし、掛け替えのない財産になると思う。同地区ライバルとしては、ちょっと不気味かな。

 不安点というか、これはローレンスの欠点ではないけれど、心配なのはTEも含めてレシーバー陣が、やや力不足といった点であろう。我らがコルツほどの惨状ではないにせよ、ちょうど対戦相手のアリゾナの絢爛豪華なレシーバー陣に比すと、どうしても見劣りしてしまうし、実際、力不足でもある。

 新人QBに、なにより必要なのは、強力ラインマンでも有能なQBコーチでもなく、強力レシーバー陣だと私は思う。これで大失敗したのが、サム・ブラッドフォードだしサム・ダーノルドであったと思う。我らがラックも同様であったが、彼はそこでバカ力を発揮して、チームを勝利に導き、結果、大きな代償を払った。新人QBに強力レシーバー陣は必須である。これがローレンスの未来を分かつだろう。

 そうして、ジャガーズもうひとりの注目の人、アーバン・メイヤーであるが、さすがにこの1試合だけで何とも言えん。ただ、何も感じなかったとは云えるが。

 ただまあ、メイヤーの是非はともかくとして、過去、カレッジからの転身組、あるいはNFLからの転身組、様々なコーチの悲喜こもごもがあったろうが、一般的にいって、NFLとカレッジのヘッドコーチでは、要求される能力に決定的な違いがあると思う。

 カレッジのHCで最もかはともかく、かなり重要なのは「リクルート能力」であると思う。「リクルート能力」といっても、所謂「スカウティング能力」ではなくて、もっと単純に、「人当たりの良さ」、つうか「選手に好かれる」あるいは「選手の家族に好かれる」、もっと実も蓋もない言い方をすれば、「オバチャン人気の高さ」である。日本のプロ野球でいうと、与田とか栗山、古くは別当なんかが、カレッジ向きの監督であると思う。
 逆に、ベリチックなんかは、現時点ではNFLの実績十分なので、そんなに苦労しないと思うが、ペイトリオッツ就任以前にカレッジ転向していたら、かなり苦労していただろう。あんなムサイおっさんとファーリンラブしたいママはいない。

 まあ、「ルックス」と言ってしまえば、実も蓋もないが、「ルックス」である。

 一方で、NFLのヘッドコーチには、「ルックス」もとい「リクルート能力」はさほど必要とされない、というか、全然いらない。コーチを慕ってチームを選ぶ選手もいなくはないであろうが、多くの選手、特に全盛期のFAプレイヤーのチームを選ぶ最大の基準は、「自身が最も活躍できそうなチーム」、実も蓋もない言い方をすれば、「最もゼニの稼げそうなチーム」であろう。つか、「提示額の最も多いチーム」。
 また、ロースター当落線上の選手にチームを選んでいる余裕はない。オファーのあるチームに行くしかない。本質的に、「買い手市場」がNFLであり、「売り手市場」がカレッジである。

 また、NFLのヘッドコーチには必須の「戦略戦術能力」であるが、こちらは、カレッジでは、あまり重視されないと思う。というのも、カレッジでは、2,3年、というか1年ごとにチームは変わってしまうからだ。したがって、戦略戦術の徹底・熟成よりは、アレンジ能力の方が強く要求されると思う。また、そういう戦術、アレンジしやすい戦術を用いるべきであろう。スプリットオフェンスなどは、その典型である。
 一方で、徹底・熟成の必須なWCOやカバー2が採用されにくいのは、それが理由である。

 また、コーチの能力としては、他に、「技術指導」とか「道徳教育」なんていうのもあるかもしれないが、こちらは、カレッジ・NFL両者のヘッドコーチともに、さほど重視する必要はないであろう。なんつーか、差が付きにくいジャンルであるからだ。
 「技術指導」というのは、よほど特殊な技能以外は、差が付きにくいというか、千差万別で甲乙つけがたいジャンルであるし、「道徳教育」に関しては、それこそ差が付きにくい、誰がやっても同じジャンルであろう。「ガンガン人を殺せ」とか「ガンガン物を盗め」なんて、そんな道徳はない。

 まあ、「技術指導」とか「道徳教育」に魅かれて、コーチを選ぶ人もいるかもしれないが、それは少数派であろう。

 で、アリゾナに話を移す。

 QBのカイラー・マレーについては、どっかで書いた気がするので今回は割愛する。要するに、「なんちゃってウィルソン」である。それ以下でもそれ以上でもない。

 ただ、先にも書いたが、レシーバー陣があまりに絢爛豪華なので、数字は残すであろう。てか、これで残せなかったら、本格的なバストである。

 つか、A.J.グリーン取れよ〜〜。って、グリーンに言っているんじゃないよ。バラードに行ってんだよ〜〜。こんだけ出来んなら十分じゃん。何故、取らねんだよ〜〜〜。キャップスペースだって、ガラガラだろう。フリオとかさあ。もう、レシーバーを見る目が無いのだから、実績頼りで取りゃいんだよ〜。数字はウソつかないよ〜〜。以上、コルツファンの恨み節でした。

 あと、気になった選手はアイザイア・シモンズ。この試合2タックル1ファンブルフォース。ぶっちゃけ、目立ってなかった。ポジションはILB。

 まあ、なんつーか、「もてあまし感」がハンパ無い。あの運動能力を3−4のインサイドで使ってもなあ、というのはある。1巡8位の選手だし。ILBの順位じゃない。私だったら、多少我慢してでもエッジラッシャーやらせるけどなあ。か、タイトエンド。つか、バスケットボール。つか、10種競技。なんか、「場違い感」がハンパ無い。どういうキャリアを残すのだろう。ちょっと興味はある。まさか、優秀なスペシャルチーマーつうオチじゃねーだろーな〜。

 あと、J.J.ワット。なんつーか、随分丸くなったように感じた。アーロン・ドナルドも同じように感じたが、インサイドラッシャーは三十路を過ぎると苦しくなるのかも。エッジラッシャーは割に三十路を過ぎても数字を残すが、インサイドラッシャーは体力的な衰えが、そのまま数字に直結するのかも。

 また、このゲームのハイライトは、なんといっても、前半最後のフィールド・ゴール・リターン・タッチダウンであろう。

 そもそも68ヤードのFGアテンプトなので、私は「入るんかいな。」と思っていたし、「この距離が入ったら、NFLの戦略戦術が大きく変わってしまうな。」とも思っていた。というより、「これ届かなかったら、リターンされちゃうんじゃないの。」と心配していたら、ホントにリターン・タッチダウン。

 まあ、FGミスのリターンってカバーチームがいないので(多少カバー要員がいるかもしれないけど、ほとんどプロテクト要員っしょ。)、ビッグリターンになりがちではあるけれど、まさかタッチダウンとは。やっぱ無理があるよね〜〜。

 とか思っていたら、BAL@DETで、タッカーが66ヤードの逆転サヨナラFG決めてやんの。

 66ヤードが決まるんだったら、フットボールの戦略戦術が変わっちゃうよ。自陣25ヤードスタートだとしたら、25ヤードぐらい進めばいいだけじゃん。そんなの、ちょっとしたランでも出ちゃう距離だよ。ゾーンブロック3回で届く距離だよ。タッカー畏るべし。

 こんくらいかな〜。

 で、先週同様、G+でサンデーナイトを観ていたのだが、今週の実況は酷かった。先週の増田さんとは雲泥の差。ビックリしているだけだった。で、たまに、選手名鑑を読む。それだけの実況。ダメ実況の典型である。あれなら、AIにやらせた方が面白いと思う。少なくとも、選手の名前と成績は間違えない。

                        私はコイケヤ派。2021/9/29(水)
Week4 10月3日
CAR@DAL
28−36
 目下、ホームランダービー・トップのヤクルト村上であるが、「村上」と云えば、何といっても「貫禄」、「貫禄」と云えば「村上」である。実際、三省堂の国語辞典にも、「貫禄」の項目には「村上のこと」と書いてあるし、「村上」の項目には「貫禄のこと」と書いてある。ウソウソ、全然「実際」じゃない。

 三省堂の国語辞典の話は大ウソであるが、それはともかくとして、村上ほど、貫禄のあるプロ野球選手を私は他に知らない。私も、なんだかんだで、ン10年以上プロ野球を見てきているが、村上のように、若い頃から、つうか高卒のルーキーイヤーから貫禄のあった選手は、ちょっと他に思い浮かばない。対抗馬がいない。

 強いて挙げれば、江夏であろうが、江夏の場合は、私もさすがに晩年しか知らないし、「貫禄」というよりは、どっちかつうと、「ヤクザ的な何か」みたいな感じなので、村上のような「貫禄」とはちょっと違うと思う。

 ルーキーイヤーから「貫禄的」なものがあったと云えば、他に野茂や松坂が挙げられるだろうが、彼等の場合は、「貫禄」というよりは「秘めたる自信」みたいな感じなので、これもやっぱり、村上のような「貫禄」とは違うと思う。

 他に、「貫禄的」なものがあった選手といえば、晩年の落合であろうが、落合の場合は、ひとつの技術を極めた者独特の風格的なもので、「貫禄」というよりは「名人」とか「達人」に近いものであったと思う。村上のような「貫禄」とは違う。むしろ、晩年の王に近い感じか。

 という訳で、日本のプロ野球では、「貫禄」部門における村上の対抗馬は思いつかないのであるが、アメリカのスポーツ界まで視野を広げてみても、ちょっと対抗馬が思いつかない。コルツのネルソンも、若い頃から、それこそルーキーイヤーから「貫禄」に近いものはあったと思うが、どっちかというと、ネルソンの場合は、「貫禄」よりも「フリーク」といった感じである。その「圧倒的な運動能力から滲む何か」といった感じである。村上的な「貫禄」とは違う。

 と思っていたら、いたいた、村上的な「貫禄」を持っていた選手。ブラウンズのジョー・トーマスである。彼は、若い頃、それこそルーキーイヤーから、そうしてキャリアを通して「貫禄」があった。今現在もある。「訳の分からん説得力」という意味では、それこそ、彼と並ぶのは村上ぐらいであろう。

 ジョー・トーマスも村上の、大相撲の世界なら、入門した瞬間、横綱を締めているだろう。

 と、こうして見てみると、一般に「貫禄」というのは、「年齢や実績を重ねるにつれて、自然に身に付いていくもの」と考えられているけれど、実際は、「生まれつき」、それこそ「先天的に」備わっているものなのかもしれん。かもしれん。まあ、顔付きだけの問題という説もあるが。そう云えば、ナンシー関も、学生時代から「貫禄」があったらしい。

 で、今週の「ダ・ゾーンとともに行くNFLお礼参りの旅」は、そのジョー・トーマスが現役時代に全然在籍しなかったキャロパン対ダラスである。

 と、その前に、これも恒例「今週のコルツ罵倒コーナー」である。

 今週は、ブリセット先発のマイアミに27−17で勝利。今季初勝利!!!。パチパチパチパチ。って、バカ。

 いつもの通り、文字ライブ&ハイライトシーンのみでの感想だけど、なんつーか、しょっぱいゲームだった模様。不調なコルツより、マイアミの方が、より不調だったというゲーム。

 んな中で、トレード絶賛希望中のマーロン・マックは10回22ヤード。しかも、ゲーム最後の10ヤードランがあるから、それを除いたら、9回12ヤード。売れねーよ。誰が買うんだよ。しかも、同じゲーム、テイラー様は16回103ヤードだし。買いたい気持ちにさせるような数字を出してくれ〜〜〜。

 んな中で、グランソンは1レシーブ3ヤード。プロ初レシーブ、パチパチパチパチ〜〜。シーズン4レシーブ12ヤード・ぺ〜〜ス〜〜。って、バカ。

 んで、来週はダ・ゾーンでボルチモア戦の放送があるみたいなので、レビューしようと思います。苦行だな。10時間正座の方がマシかも。3日間断食とか。ヒューストンに3サックとか、されんだろうな。

 で、本題のキャロパン@ダラスである。

 このゲームを見ながら、私がしみじみ思ったのは、何といっても、「強力オフェンスラインの儚さ」である。このダラスは5年前くらい、イーグルスはスーパーボウル制覇時、そうして我らがコルツは2年前くらいかな、強力オフェンスラインで、リーグ内をブイブイ言わせていたものであるが、それも今や昔。哀れなものである。ダラスは、ザック・マーティンが復調気配っぽいので多少回復するかな。

 まあ、要するに、強力オフェンスラインの整備・維持が如何に難しいかという事である。それこそ、アルファロメオの整備・維持くらい難しい。ケガや年齢的な衰え、契約問題等々で、いとも簡単に崩壊する。

 しかも、他のユニット、例えばレシーバー陣やラインバッカー陣なら、一人欠けても、4人の強力レシーバー陣が一人欠けても3/4の戦力ダウン、3人の強力ラインバッカー陣が一人欠けても2/3の戦力ダウンで済むのであるが、強力オフェンスラインの場合、一人欠けたら、4/5になるのではなく、いきなり1/2とか1/3ぐらいになってしまう。単純な四則演算ではない。高等数学になってしまう。

 ほんっと、整備・維持が難しい。

 もっとも、強力オフェンスラインっていうのは、フットボールにおける最強かつ簡明な武器ではあるけれども、その強力オフェンスラインの整備・維持が容易だったら、どのチームも強力オフェンスラインを用意して、ひたすらサウス・ノースのフットボールになってしまうので、それはそれでつまらんかもしれないけど。フットボールにおいては、両刃の剣的なユニットではある。

 そのほか、目に付いたとこはというと、とりあえず、QBにツッコんどくか。

 ダラスのQBは、ご存じダク・プレスコット君であるが、正直言って、このプレスコットとテキサンズのショーン・ワトソン、彼等の良さが私には全然分らない。コントロールや判断力が良いって訳でもないし、足が速い訳でもない。ブリセットと何が違うのか問われても、私には答えが見つからない。
 もっとも、QBに関しては、このブレスコットに限らず、年々分からなくなっているのであるが。年を取ると、分からなくなっていく事が増えるなあ。

 もっとも、プレスコットは、ブリセットと違って、ジェリー・ジョーンズが潤沢にサポーティングキャストを支給してくれるだろうから、それが彼のクォーターバッキングの源泉とも云えるかもしれない。あるいは、命綱か。

 一方、パンサーズのQBはサム・ダーノルドである。ダーノルドをじっくり見るのは、今回で2,3回目であるが、今回見ていて思ったのは、なんつーか、「ダーノルドつうのは、古臭い、あるいは一昔前のQBだな。」つう事である。

 肩が強くて、そこそこ走れて、結構厳しいところにも投げ込む、そうして何より、そのクォーターバッキングに戦略や戦術といったものを感じさせない。一昔前、それこそ私がNFLを見始めた頃のQB、ブラッド・ジョンソンとかテスタバーディとかを思い起こさせるものがある。

 最近のQBというのは、アーロン・ロジャースあたりから、どんなQBでも、その戦略や戦術が透けて見えるものであるが、ダーノルドは、それを感じさえない。良し悪しはともかく、そういった意味では、最近珍しいタイプのQBではある。ファーブ以来か。

 ちなみに、戦略戦術を感じさせるQBの元祖にして究極は、申す迄も無く、ジョー・モンタナである。

 もっとも、ダーノルドは、ジェッツ時代と違って、今度はサポーティングキャストがいる。もともと、プロ入りは時期尚早と言われていたような選手でもあるので、ジェッツ大学に行ったと思って、キャリアをリスタートさせて欲しい。

 そのほか、このゲームで目に付いたのは、やっぱりシャック・トンプソンかな。「スピードとパワーがブレンドされた」とはスカウティングレポートでよく見かける表現だけど、その典型みたいな選手。ただまあ、LBとしては張り切りすぎ、オーバーパシュート気味のようにも感じた。まあ、「スピードとパワーがブレンドされた」選手にはありがちなプレイスタイルではある。

 一口にLBといっても、いろんなプレイスタイルがあるが、この手のタイプの選手、古典的というかランストップ中心の選手の最高峰は、私の見た中では、パトリック・ウィルスであるが、ウィルスのプレイスタイルは案外に地味だった。派手さがないというか、ボールキャリアにすっと近づきスパッとタックルする、そんなイメージである。トンプソンの先輩、キークリーもそんな感じだった。彼等に比べると、トンプソンは派手ではあるが、それ故に、1ランク下の選手のように私には映った。

 もっとも、トンプソンは、ドラフト時はエッジラッシャーとしての評価だった筈なので、本来比較対象はボン・ミラーとかT.J.ワットなのだろう。そう考えると、全然物足りない。実際、キャリア7年で10.5サックだしね。まあ、このへんはスキームもあるので、一概に批判は出来ないけど。

 そのほか、目に付いたというか、見たかった選手は、やっぱりクリスチャン・マキャフリーかな。ところが、このゲームは欠場。サイドラインで私服着ていた。残念。

 こういう人種的な事は、あまり言わない方が良いのかもしtれないけれど、私の20年近いNFL観戦歴では、初めての白人ランニングバックである。フルバック寄りのランニングバックは、ペイトン・ヒリスとかチラホラいたけれども、ハーフバック寄りの白人ランニングバックはマキャフリーが初めてである。控えを含めても、そんなにいなかったと思う。

 そういう訳で、政治的には正しくないのかもしれないが、観戦を楽しみにはしていた。ケガなら仕方がない。残念。

 そんなとこかな〜。あと、フッカーがちらほらしてたね〜。スターター、獲りぃ〜。力は間違いないんだから。

                               2021/10/6(水)
10月3日
SNF
TB@NE
19−17
 今週は2本立て。上の記事と一緒にしちゃおうかとも思ったけど、別項目にしました。ベリチック対ブレイディである。

 ペイトリオッツ被害者の会員、それも古参の会員としては捨て置けないゲームである。それを抜きにしても、ここ10年くらいでは、おそらく最も注目のレギュラーシーズンのゲームではあろう。それこそ、スーパーボウル44.5以来かも。

 ブレイディ里帰り、しかも雨のフォックスボローとなれば、否応なく期待は高まるが、結果は19−17でバッカニアーズ勝利。まあ、最終ドライブでの決着というのは、私は一種の運だと思っているので、結果には頓着しない。痛み分けといったところか。ブレイディ率いるバッカニアーズの強力オフェンスを、雨天とはいえ、19点で凌いだという意味では、ベリチックの判定勝ちといってもよいかもしれない。

 つうのが、「ダブルB問題」の今週の結論ではあるが、それはともかくとして、このゲームを見ていて、私が何より思ったのは、「これが、ベリチックのゲームだ。」という事である。「戦前では圧倒的不利と予想されていたゲームを、よく分からん新人とジャーニーマン的ベテランとスカウティングで凌ぐ。」というのが、本来というか、元々というか、ペイトリオッツが出てきた頃、20年くらい前のベリチックのゲームである。しかも、雨のフォックスボロー。私には懐かしいゲームだった。そうして、私はこういうゲームが大好きなのである。大好物なのである。

 私はひょんな事からコルツファンになってしまったけれど、もし20年前、NFLを観ようと思って、どのチームのファンになろうか、フラットな気持ちで選別したら、おそらく、ベリチックのペイトリオッツを選んでいたと思う。まあ、考え無しで突き進むマニング・オフェンスも大好物なんだけどね〜。

 そういえば、マニングは来てたのかね。ダンジーの姿は見えたけど。マニングの解説で、このゲームを観戦したら、最高だったろう。

 で、「ダブルB問題」に戻ると、巷間いろんな議論が喧しいが、まあ、私は結論としては、ベリチックだと思う。もし、ベリチックがブレイディに出会わなかったとしても、その時のQBがブレイディになっていたであろう。例えば、このマック・ジョーンズが20年前のペイトリオッツに在籍していたら、マック・ジョーンズが山羊さん、もといGOATになっていただろう。あるいは、ガロッポロ、あるいはブリセット、あるいはマット・キャッセルが山羊さんになっていたと思う。

 一方、ブレイディがペイトリオッツ以外のチーム、それこそコルツあたりに在籍していたら、マニングのトーク要員、あるいはナンパ要員としてキャリアを終えていたと思う。

 解説の村田さんは、「良い選手と良いコーチ、どっちも大事だ。」みたいな事を言っていたけれども、私は、そうは思わない。良いコーチに出会わず、消えていく選手は沢山いる、あるいは沢山いたと思うが、良い選手に出会わず、消えていったコーチはいない。だって、良い選手を作る、あるいは見出すのが良いコーチだから。つか、それが、究極的にはコーチの唯一の仕事である。戦略や戦術は、そのためのものである。実際、ラックという良い選手に出会いながら、足を引っ張っただけなのがパガーノであるし、似たような事例は多かろう。

 例えば、70年代前半のロッテなどは5連覇してもおかしくないくらいの陣容だったが、リーグ優勝2回日本一1回のみ。監督が金田だったからである。
 また、ダグ・コリンズ時代のブルズなども、似たような事例だろう。ジョーダン以外のメンバーが弱かったという人もいるけれど、当のジョーダンは「ルーキー時代のチームメイトが最も才能豊かだった。」と発言しているくらいだから、その指摘は当たらない。ヘッドコーチのダグ・コリンズに責任はある。

 先週の記事で、「アマチュア、特にカレッジスポーツはリクルートが重要だ。」みたいな事を私は書いたけれども、プロでは逆に、とりわけNFLやNBAにおいては、ヘッドコーチ以下コーチ陣の能力が非常に重要になる。なぜなら、選手の能力、MADDEN的な選手の能力は各チームほとんど差が無いからである。というか、差が付かぬよう、ドラフト制度やサラリーキャップ制度で、リーグが務めている。そうした状況下で、差を付けるとしたら、コーチングしかない。そうして、この20年間で最もそのコーチングに長けたヘッドコーチがベリチックなのである。

 「○○監督は選手に恵まれたから、勝てた」なんて事を言う人がいるが、そんなのはバカげた意見である。名監督は名選手を作れるかもしれないけれど、名選手は名監督を作れない。
 「○○監督は選手に恵まれたから、勝てた」が成立するのは、前任者の戦力が残っている場合のみであろう。しかし、直に馬脚を露す。

 このゲームを観戦して、その考えを私は深めた。

 まあ、もっとも、このマック・ジョーンズが第2のブレイディになるかと言われれば、それはベリチックの年齢的に厳しいと思う。現時点で69才だし、あと2,3年で勇退じゃないかなあ。

 まあ、80歳ぐらいまでコーチを続ける可能性も全くのゼロという訳でもないけれど、年を取ると、コーチの技能的な面はともかく、情熱を失うからなあ。かつて、優秀だった監督やヘッドコーチが、晩年になると、というか、おじいちゃんになると、結果が出にくいのは、これが主な理由である。所謂「おじいいちゃん監督問題」である。70歳過ぎて、勝ちたがる人は、まあ、いない。勝ち負けなんて、どうでもよくなってくる。

 年を取ると、ゲームの勝敗、勝負事の勝敗というのが、所詮幻想だという事に気づいちゃうからである。更に言えば、人生そのものが幻想だって事にも気づいてしまう。それに気づいてしまうと、勝負事は厳しい。なかなか勝てない。勝利への意志を失う。

 勝った事が無い人の場合は、また違うだろうが、そもそも勝った事のない老人に、監督やヘッドコーチは任されない。

 まあ、老ベリチックがいかなるキャリアを送るかはともかくとして、ベリチック問題で、今私が最も気になるのは、息子ベリチックである。なにあれ、全然顔付き違うし、プロレスラーみたいな髪型してるし、レックス・ライアンの種じゃないの。ベリチック嫁に詰問せねば。NTR。

 あと、デシールがうろちょろしてたね〜。粘ってんな。

                         サッポロ一番はシオ派。2021/10/6(水)

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