インディアナポリス研究会コルツ部

歴史

2018シーズン

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1/2/3/4/5/6/7/8/9/10

Week2
9月20日
MIN@IND
11−28
 本当は、先週の第1週のレビューを書きたかったのだけど、何やかんや忙しく、負け試合でもあったので、飛ばしちゃいました。勝ち試合だけ、レビューする男、それが私です。

 ミネソタはプレイオフ・コンテンダーの一つでもあるし、一方、我らがコルツは、先週、お家騒動中(後?)のジャクソンビルに惨めな逆転負けを喫していたので、今週は苦しいかなと思っていたら、まさかの快勝。つか、楽勝。昨シーズンは、勝っても負けても接戦ばかりだったので、こんな楽な気持ちで第4クォーターを迎えたのは、ホント久方振りである。大袈裟に云えば、マニングさん時代以来かもしれない。あの頃はホント楽勝が多かったもんなあ。レギュラーシーズンだけだったけど。第4クォーターは、久方振りに、エロサイトを、ながら見しちゃった。

 で、その勝因であるが、まずは何といっても、このひと。ジョナサン・テイラー様である。多少、ヒイキ目が入っているのは許してね。

 先週、マーロン・マック先輩が、いきなりシーズン・アウト。オートマチックに先発昇格と相成った訳であるが、当面のライバルが怪我で消えて、自動的に出番が回ってきて、そのままスター街道驀進というのは、ルー・ゲーリック以来、典型的なスターあるあるなのであるが、ジョナサン・テイラーも、このパターンにハマってもらいたいものである。

 さて、そのジョナサン・テイラー先発初戦であるが、いきなり26キャリー、101ヤード、1TDである。その走りを見た私の感想はというと、「いったい、どんだけ持たせてんだ〜。1年目で潰す気か〜。」である。第1クォーターだけで、11回キャリーしてた。さすがに、その後は、展開的にもキャリー数は減って、終わってみれば26回であるが、印象的には、コルツのRBで、こんだけキャリーしたのは、過去15年間の観戦歴で初めてのような気がする。エッジさんでも、こんなにはキャリーしていなかったと思う。なにぶん、マニングさんがパス○○○○だったもんで。頻度的に近いのはフランク・ゴアだろうけど、あんときは、如何せん3&アウト大会だったので、RBの肉体を心配するほどの酷使感はなかった。

 で、そのテイラーの走りの印象はというと、ドラフト時からの印象通り、うまくブロッカーを使うタイプのようである。また、思っていたよりも、足は速かった。まあ、飛び抜けているというほどではないけれど、上手く抜けたら、一発タッチダウンをする脚は持っているように見えた。ただし、特殊なムーブはない。過去のランナーで似ているのは、先述したフランク・ゴアとか、ちと古くなるが、トーマス・ジョーンズであろう。現役だと、ニック・チャッブとか(まあ、ゴアも現役だけど、)。OCのデザイン通りに走り、そうして、確実に4ヤード稼ぐタイプである。

 その平均4ヤードも、「1ヤード、1ヤード、−2ヤード、16ヤード」の平均4ヤードではなく、本当に「4ヤード、4ヤード、4ヤード、4ヤード」の平均4ヤードである。OCやチームが頼りにするタイプのランナーである。まあ、「−7ヤード、0ヤード、1ヤード、50ヤード」みたいなのも、別の意味で頼り、つうか期待、つかロマンにはなるが、それは非常に特殊なタイプのランナーである。

 また、この手のタイプの、もう一つの特徴というか、利点は、「ケガをしにくい」という点が挙げられると思う。ブロッカーを使い、特殊なムーブも無いので、体への負担は、純粋パワー型や純粋スピード型、あるいはアクロバチック型に比べると、少ない。トレーニングやコンディショニングをきっちりやれば、息の長い選手になれると思う。まあ、思わぬケガも有り得るので、こればっかりは、あくまで蓋然性の問題だけど。

 OLの動きを覚えていけば、ランの数字はまだまだ伸びていくと思う。楽しみ。

 また、パスレシーブは上手いような感じだったけど、パスプロはよく分からん。していなかったかもしれぬ。

 で、このゲームの表のMVPがジョナサン・テイラーなら、裏のMVPはモー・アリー=コックスであろう。評者によっては、オモテウラが逆かもしれんが。5レシーブ、111ヤードの活躍である。

 まあ、もっとも、TEとRBというのは、常に相関関係があって、一方が活躍すれば、他方が楽になるものである。これはフットボールというゲームの古典的構造の一つといってよい。その証拠のひとつが、このゲームである。第1クォーターでテイラーのランが出た結果、第2クォーター以降、アリー=コックスが楽になった訳である。でも、最後のレシーブはゲイツに見えた。いや、見えない。まあでも、バスケットボール出身者らしく、うまくスクリーンアウトしていたかな。いや、してない。ゲイツ様のビデオ、死ぬほど見ろ。エロビデオなんか、見てんなよ。あと、ビルじゃないからな、アントニオだからな。まあ、ビルを見た方が金持ちにはなれそうではあるが。将来を考えたら、ビルか。

 で、そのゲイツ、じゃないコックスへのパスの供給者、リバースであるが、こちらは、先週のゲームも含めて、2試合見たが、まずまずの出来、さすがとまでは云わないが、十分及第点である。特に、フィールドの見え方という点では、さすがにブリセットより一枚上手といった感がある。

 ちなみに、その背番号は、当然のことながらチャージャーズ時代を引き継ぎ、17番なのであるが、この17番、私はラックに付けて欲しかった。そうすると、ユナイタス、マニング、ラックと奇麗に永久欠番が並んでいただろうからだ。しれっとカレッジ時代の12番を付けられちゃったけれど。幻の長嶋の15番みたいなもんやね。巨人の2番でもよいけど。でも、12番を付けたのがラックの不幸の始まりだったのかなあ〜。
 まあ、リバースがこれから、スーパーボウル3連覇して、コルツの17番として永久欠番になるかもしれんけど。

 話をプレイに戻すと、ヒルトンとの息があっていないような印象は受けた。ただし、これは、どっちかというと、ヒルトンの問題かもしれない。なんか、足がもつれてた。もう歳かな。

 そのヒルトンの後釜に座らなければならないピットマンであるが、4レシーブ、37ヤード。まだ、ちょっと、よく分からん。なんか、ルート間違えていたっぽいシーンもあったし。3戦目以降、要チェックや〜。

 OLは通常運転。特に左側は鬼。左のアウトサイドゾーンなどは、私がRBでも、5ヤードくらい走れそうである。ただまあ、その左に比して、という訳でもないが、相対的に右はどうしても弱く感じる。左右アンバランス。右側に焦りが見える。スミスも反則過多だし。80年代の巨人打線や広島打線のような、極左集団である。
 来オフ、カスタンゾが引退するようだったら、スミスを左に回して、1巡でトッププロスペクトのRTを指名するのも、有りかもしれない。そんな風にも思った。

 で、その左の中心、ネルソン様ののプルアウトは、あいかわらず凶悪。私が敵のCBやLBだったら、ネルソンにブロックされる前に、自分から転んじゃう。あんな凶悪ブロック喰らったら、命がいくつあっても足りんわ。
 でも、つくづく思うのは、その面構えといい、その肉体といい、その身体能力といい、ネルソンの天職はプロレスラーだなって事である。ヒール、ベイビーフェイス、どちらでもイケると思う。ビンス・マクマホンはジリジリしてんだろうな。って、まだ、あいつ、やってんのか。

 一方、ディフェンスはというと、レオ様はさすがの出来。もう実際、リーグNo.1のラインバッカーといって良いんじゃないかな。ランストップ良し、パスカバー良し、ペネトレイト良し。キークリーが引退した今現在、対抗馬が思いつかない。
 つか、オールタイムでいっても、結構いいとこ行くと思う。まあ、ラインバッカーというと、時代やチームによって、求められる仕事が大きく異なるので、一概に比較はできないけれど、少なくとも万能ラインバッカーというカテゴリーでは、結構いいとこ行くと思う。

 で、そのリーグNo.1ラインバッカーの相方、オケレーケであるが、このゲームはイマイチの印象、つか先週もイマイチの印象。まあ、なんつーか、レオナルドと同じタイプなので、動き方が難しいという側面があるのかもしれない。プレイに迷いが感じられる。レオナルドの相方はアシストタイプのLBの方が向いているのかもしれない。そう思った。

 で、今オフ、コルツの補強の目玉、2020ドラフト1巡のデフォレスト・バックナー様であるが、この日は、さすがの1セイフティ。って、それより何より、周囲のプレイヤーへの波及効果が表れてきているのが、流石。特に、隣のオーツリーはキャリアベストのシーズンになるかもしれない。ならないかもしれない。

 でも、バックナーの、あの体を見ると、やっぱりエンドをやらしてみたい欲求には駆られる。来年の1巡はDTを指名して、エンド転向もありかなとは、ちょいと思った。

 DB陣は通常運転。インターセプトも3つ奪って、いよいよカバー2っぽくなってきた。

 特に、カリー・ウィルスは、先週のサックといい、今週のインターセプト・リターンといい、ボブ・サンダースっぽくなってきた。いや、なっていない。すみません、今このレトリックに凝ってるんです。

 一方、その相方、マリック・フッカーは前半で退場。元気無し。

 まあ、この試合に限らず、フッカーのゲームは、ここ数年観てきた訳だけど、ドラフト時はインターセプト・マシンみたいな触れ込みであったが、実際見ると、もっと堅実、あるいは篤実な感じのプレイヤーといった印象である。特に、この試合でも見せたけど、オープンフィールド・タックルが物凄く上手い。破綻しない。フリーセイフティにとっては最も重要な技術だと思うけれども、それが物凄く上手い。フッカーがいなければ、あるいはミスしたら、一発タッチダウンというシーンは非常に多い。でも、ミスしない。

 ドラフト時は、非常に派手なプレイヤーという印象だったけれども、実際は、もっと地味というか、玄人受けするタイプのプレイヤーだと思う。懸念されていたフットボールIQも高いし、同じく懸念されていたタックルも上手い。まあ、チームから、そういうプレイを求められているだけで、派手なプレイもやろうとすれば、出来るのかもしれないけれど。

 一方、そのフッカーの代役で出てきたブラックモンは派手なプレイを連発。ただまあ、私の好みはフッカーかなあ。特にウィルスと組ませるとしたら、ブラックモンは怖い。このゲームは、その積極性が偶々良い方向に出ただけで、悪い方向に出る場合も十分有り得る。

 とかなんとか書いていたら、アキレス腱断絶かなんかで、フッカーがシーズンアウトの模様。このまま退団かなあ。でも、このケガが原因で市場価値が下落しているのなら、安く再契約したいところではある。今、私、すごく悪い顔してます。

 で、最後はスペシャルチーマー。このゲーム、全てのキックを成功し、先週も含めて、無難なスタートを切ったブランケンシップであるが、そんなキックどうこう以前に、こいつメガネかけとる。いやまあ、大学時代の映像から知ってはいたけれども、こいつ、試合中もメガネかけるのね。キッカーとはいえ、まったくコンタクトが無い(いや、駄洒落じゃないよ、ホントウに。駄洒落扱いしたら、名誉棄損で訴えるよ、ホント。)訳では無いだろうから、どうすんのかなと思っていたら、NFLでもメガネで通すのね。

 でも、私の過去15年間の観戦歴では、初めてのメガネプレイヤーだと思う。記憶に全く無い。フィールド外だと、ボン・ミラーとかいるけれども、フィールド内のメガネって。それ以前のゲームも、たまに某凶暴動画サイトで見るけれども、メガネプレイヤーは一人もいなかったと思う。さすがに安全性に問題あんじゃねーかな〜。

 とか思って見ていたら、キックオフはしないのね。まあ、キックオフが無ければ、コンタクトの(いや、駄洒落じゃないよ、ホントウに。駄洒落扱いしたら、名誉棄損で訴えるよ、ホント。)危険性はグッと下がるだろうけど、まあ、それどもまったくのゼロっていう訳でもないからなあ。FGでブロックされたボールが自分の方に向かってくることもあるだろうし。あとスペシャルプレイは?。その時だけ、メガネをしていなかったら、バレバレでしょ。

 って、キックオフはサンチェスが蹴るんか〜〜〜い。
 そもそも、このキックオフをパンターが蹴る方式というか作戦というか、なんつーか、この方法の発端は、ビナティエリが、年齢的な衰えか、それとも単にメンドクサイだけだからか知らんが、キックオフを芸人パンターを押し付けたのが事の始まりで、芸人パンターが芸の世界に戻っていった時に、後任のパンターがそれを引き継いだだけなので、ヴィナティエリが退団してしまったのだから、普通にキッカーがキックオフすれば良いと思うのだが、それとも、これはチームの方針なのか。それとも、ブランケンシップのメガネキャラを守る為なのか。今度はキッカーが芸人枠かい〜〜〜。

 メガネキャラはともかく、ホント繊細だな、キックの世界って。かつて、パントは出来るが、プレイスキックは出来ないつうパンターもいたし。訳分からん。

 で、スペシャルチーマーで忘れちゃいけないのが、ロングスナッパーのルーク・ローズ。ナイススナップを連発してた、じゃなくて(いや、してたろうけど、)、第2クォーター中盤に敵陣2ヤード地点でのナイス・パントカバー。その直後にセイフティがあって、そこからコルツペースになったのであるから、結果的には、試合を決めたカバーだったと言えなくもない。ある意味、このゲームの真のMVPだったとも云える。

 でも、パンターのカバーって結構珍しいっしょ。人間、真面目にやってりゃ良いことあるって事だよね。

 最後に、ミネソタについて、ひとつだけ。ジャスティン・ジェファーソンを、もっと見たかった〜〜。

                              2020/9/24(木) 涼しい。
Week3 9月27日
NYJ@IND
7−36
 第3週は、なんだか、やたら元コルツの多い、多過ぎるジェッツのとの対戦。ロースターを見ると、ダンテ・モンクリーフなんて、懐かしい名前も。帰ってこーい、モンクリーフ。また、現在、ビルズのPSだが、開幕前までは、ジョナッタン・ハリソンもいた。おいっ、「センターなのにフォルススタート癖」は治ったか。

 まあ、特定のチームと人的交流が多いというのは、NFLではよくある事で、例えばコルツだと、古くからイーグルスやチャージャーズと人的交流が多いのであるが、ジェッツとは、ここ数年突然である。しかも、ジェッツから来る事は無く、一方的に行くだけである。というか、コルツが捨てた選手をことごとく拾う。いまや、フッカーの来季所属先候補No.1チームである。

 なんや、闇の人事でも行われているのか。それとも、ブッチ・デービス人事か。まあ、調べれば、何らかの事が分かるだろうけど、メンドクサイので調べん。興味のある方は、ご自身で。

 で、その元コルツ勢であるが、活躍した、ちゅうか画面に出ていたのはゴアのみ。あと、たまにデシール。さみしい、つうか、よく分からん、元コルツをかき集める意味が。なんか、ブラックマーケットでもあるのか。

 さて、試合の方は、インターセプト3つ、しかも、うち2つがピック6、ひとつがエンドゾーンと、インターセプトの中でも価値の高いインターセプトが出て快勝。先週に引き続き楽勝のゲームでござった。さらに、2週連続のセイフティのおまけ付きである。

 まあ、2週連続セイフティはともかく、ピック6は結構久しぶりという気がする。あんま記憶にない。喫した記憶は多いけど。でもまあ、調べると、近場であるのかも。でも、1試合ピック6ふたつは、ホント記憶にない。

 で、その殊勲者はクサヴィエ・ローズ(すんません、この日本語表記、許してください。好きなんです。)とT.J.カリーなのであるが、これにバックナーも含めて、オフの補強選手が、シーズンに入って、そのまま活躍するというのは、ディフェンスの責任者が誰かは知らないが、その責任者が、自分たちの使っているディフェンスのスキームの構造を正しく理解している証拠である。
 当たり前ちゃあ当たり前の話であるが、前任者のパガーノのタコ助は、それが全然分っていなかった。的外れな人事を繰り返し、当のプレイヤーに、そうしてチームに多大な迷惑をかけていた。ホンット、有害なコーチであった。二度と帰ってくんな。

 さて、一方、ディフェンスの華やかな活躍に比して、オフェンスは、少なくとも数字的には低調。まあ、ディフェンスで17点(XP込み)取れれば、オフェンスは、本気じゃないと云ったら語弊があるけれども、ムキになる必要はないので、この数字的な低調は致し方ないであろう。ケガしない事が最優先事項みたいな一日、つうか後半戦ではあった。

 コルツ話はこれくらいにして、ジェッツ話というか、ダーノルド話をしてみたい。

 ダーノルドがドラフトされた年、2018年はQB豊作の年と云われて、四天王+1みたいな感じになっていて、当時、私も調子に乗って、以下のような格付け、といったら大袈裟だが、ランク付けをした。って、同じ意味か。

 1.ジョシュ・ローゼン (10位)
 2.ベイカー・メイフィールド (1位)
 3.ラマ―・ジャクソン (32位)
 4.サム・ダーノルド (3位)
 5.ジョシュ・アレン (7位)

 カッコ内は実際の指名順位ね。

 で、それから2年経って、結果というか、もう2年経っているので、結論といって良いと思うが、とりあえず、現時点でのNFL界隈での評価は、以下の通りになるかと思われる。

 1.ラマ―・ジャクソン
 2.ジョシュ・アレン
 3.ベイカー・メイフィールド
 4.サム・ダーノルド
 論外.ジョシュ・ローゼン

 ジョシュ・アレンとメイフィールドの位置付けに関しては、異論はあるかもしれないが、プレイオフ進出済みという事で、アレンを上位にした。

 で、それぞれの所感を述べてみたい。ただし、彼等のプレイを1試合がっつり見たのは、今回のダーノルドが初めてなので(ゴメンナサイ)、あくまで、メディア上の評判とスタッツによる感想である。ピントがずれていても、許してね。

 まずは、第1位のラマ―・ジャクソンであるが、まあまあ、このタイプは所謂実戦派なので、ケガさえしなければ、順当といえば順当な出来である。あとは、どこまで上位に食い込めるか、そうして、致命的な負傷をしないかだけの問題であろう。

 次は、第2位のジョシュ・アレンであるが、これは本当に、私的には意外な結果である。2018年のドラフト時、「何故、上位候補なのか、スカウティングレポートからだけでは分からない」みたいな事を書いて、第5位にランク付け、つうか、残り4名どころか、この「四天王+1」以外の方がまだマシみたいな書き方をしたのであるが、結果的には完全なハズレである。

 まあ、スタッツ的には、ちと厳しいものもあるが、まがりなりにもビルズをプレイオフに導いているので、大成功と云ってよいだろう。酷評してゴメンナサイ。QBはタッチダウン数ではなく、勝ち数である。

 ただまあ、それでもケチをつけると、やはり気になるにのはラッシング・タッチダウンの多さである。私は、QBの最も大事な仕事はレッドゾーン、もっと云えばゴール前10ヤードでパスでタッチダウンを獲る事だと思っているので、そこを安易にラッシングでタッチダウンを獲ってしまうというのは、やはり気になる。

 ちなみに、現在のNFLでのレッドゾーンでのタッチダウン・パスが最もうまいのは、やはりアーロン・ロジャースである。嫌いでも、そこは認めざる得ない。まあ、マニングさんみたいに、ゴール前1ヤードで余裕のノーバックというのもどうかと思うが、ゴール前10ヤードというのは、QBの腕の見せ所、真価を量る場所ではある。ここでパスの無いQBに対してはランだけケアすればよいので、DC的にはラクチンチンである。

 話をアレンに戻すと、意外だったというか、初耳だったというか、こんなに走るタイプのQBだったとは、スカウティングレポートからは私は読み取れなかった。もっと古典的な、というか大時代の強肩鈍足のポケットパサーだと思っていた。ブレッドソーとかテスタバーディみたいなイメージである。こんなに走ると分かっていたら、ドラフト時の評価は変わっていたと思う。かなりの言い訳。

 まあ、この手の走るタイプのQBというのはラマ―・ジャクソンも同様だが、何やかんや言って、やっぱり強力な武器である。パスが駄目ならラン、ランが駄目ならパスというのは、古典的というか、クォーターバックの起源的なプレイスタイルではあろう。他のフットボールにおける似たようなポジション、サッカーにおけるトップ下とか、ラグビーのスタンドオフとか、まあ要するに、そういうプレイスタイルというか、スタイル以前の基本的プレイ方法である。また、フットボールにおいても、学生などアマチュアの世界では、多数派のプレイスタイルであろう。

 ではなぜ、プロでは否定されがちなのかというと、それは言うまでもなく、ケガの問題である。チーム成績的にも、そうして何より興行的に、QBには5年10年とプレイしてもらいたいプロの世界においては、どうしても否定されがちではある。

 ただまあ、そういう謂わば起源的なプレイスタイルであるだけに、純粋にフィールド上においては、やっぱり強力である。彼ら二人の成功は、それを物語っているであろう。

 次は、3番目のメイフィールドであるが、この成績がメイフィールドの真価なのか、それとも、これがブラウンズ・クオリティというものなのか、意見の分かれるところであろう。私も分からない。メイフィールドの未来も、ブラウンズの未来も。

 4番目のダーノルドであるが、この試合、私は丸々見た訳であるが、そんなに悪い印象は無かった。今時のQBでカバ―2相手に1試合3インターセプト、それも皆QBに責任のあるインターセプトを喰らうのは、問題ちゃあ問題かもしれないが、それより何より気になったのは、サポートメンバーのしょっぱさである。まあ、私もジェッツには詳しくないので、個々の選手の真の実力は測りかねるけれども、少なくともビックネームはいない。スタッツもしょっぱい。

 そこで思い出されるのは、サム・ブラッドフォードである。全体1位で指名され、実力もありながらも、当時のラムズが、サポートメンバー、とりわけレシーバーを用意できなかったがために、結果つぶれてしまった。一方、同時期にファルコンズに指名されたマット・ライアンは、これでもかこれでもかとレシーバーやらなんやらをチームから補充され、スーパーボウルまで登りつめた。

 オフェンスといえば、QBを上位指名すれば、それで終了みたいな雰囲気もあるけれども、QBというのは確かに最重要ポジションかもしれないけれど、あくまでオフェンスの1パーツである。最重要かもしれないけれど、部分に過ぎない。全体ではない。ここを見誤ると、失敗してしまう。
 そういった意味では、ジョシュ・アレンにディグスを与えたり、カイラー・マレーにホプキンスを与えたりするのは正しい。まあ、ラックも、同じような理由でつぶれていった訳だけど。トホホ………、じゃ済まんわ。

 で、5番目、つか論外のジョシュ・ローゼン君であるが、私は期待のQB、栄光の第1位の座を与えたのに、この体たらく。つか、チャンスが少ねーよ。1年目はカージナルスのコーチ人事的に追い出されてしまったのは不幸であったが、それまで、この2年間で20試合16先発。1巡上位指名のQBであったら、丸2年30試合程度、様子を見て、それでも結果が出なかったら、クビでも仕方がないが、16先発程度じゃ、答えが出せない。しかも、その16試合も特別悪い訳じゃない。新人としては平均的な数字である。しかも、当時のカージナルスは、OLにケガ人続出だった訳だし。

 でも、これだけ見切りが早いって事は、ドラフト時懸念されていた性格の問題が、やっぱりあるのか。練習態度が悪いとか、人望が全く無いとか。う〜む、分からん。

 という訳で、2018ドラフトの反省会をした訳であるが、この年というか、この時期のQBのドラフトの真の勝者は、無論、前年2017ドラフト10位のパトリック・マホームズ君だったりする。チャンチャン。

                                    2020/10/4(日)
Week4 10月4日
IND@CHI
19−11
 ベアーズ戦である。パガーノがDCをしているという事で、それに触れた記事もあったが、私に特別な感慨はない。でも、ちょっと触れると、パガーノがコルツを去って丸2シーズン、そうして現在3シーズン目に突入している訳だが、パガーノ時代にコルツ入りした選手はほとんどいない。

 ヒルトン、ケリー、ドイル、マック、ブリセット、クラーク、スチュアート、ウォーカー、ムーア、フッカー、あとサンチェスとローズぐらいである。カスタンゾもパガーノ時代を経ているが、ポリアン・ドラフトなので、ここでは除外する。
 しかも、この中で、来季、確実にチームに残っていそうなのはライアン・ケリーとジャック・ドイルの両名と、両スペシャルチーマーぐらいであり、他は退団必至か流動的な選手である。

 NFLは選手の入れ替わりの激しい世界である。とはいうものの、パガーノ在任6年間実質5年間で、ほとんど選手を残さなかったという事である。しかも、専門とされるディフェンスは壊滅的である。しかも、パガーノ就任時、マニング時代のプレイヤーをほとんど放出しての、この結果である。以って瞑すべし。

 ちなみに、ラックの電撃引退も、間接的にはパガーノに責があると私は思っている。

 暗い話は、このへんにして、ベアーズ戦である。コルツ対ベアーズといえば、両チームのファンがまず何より思い出すのは(ベアーズファンは、思い出したくないのかな。)、なんといっても、2006スーパーボウルであろう。あれは熱かった。

 でも私、コルツの選手はともかくとして、当時のベアーズの選手は全然覚えていない。思い出そうとして、衝撃を受けた。思い出したのは、アーラッカー様と、トーマス・ジョーンズ、レックス・グロスマン、デヴィン・へスターぐらいである。あと、ヘッドコーチのラヴィ―・スミスも憶えている。

 まあ、さすがに、コルツの選手は、我が愛しのクレッコー様をはじめとして、ほとんどの選手は覚えているが、ベアーズの選手は、この体たらくである。まあ、NFCのチームとは4年に一度とスーパーボウルぐらいしか当たる機会が無いので、そんなもんちゃあそんなもんかもしれないが、にしてもである。

 あと、今更ながら、14年の歳月にも驚いた。ベアーズの選手はほとんど覚えていないので、発言権は無いが、コルツの選手はほとんど引退している。ベシアとヴィナティエリは、引退はアナウンスしていないようであるが、現状では所属チーム無し。

 つかまあ、このコルツ・ベアーズ、両チームの選手以外でも、2006年当時現役でいまもNFLに在籍しているのは、ブレイディ、ブリーズの両巨頭にリヴァース、アーロン・ロジャース、フィッツジェラルド、フランク・ゴアぐらいじゃないだろうか。あと、ウィッテン。あと、アレックス・スミスか。そのほか、探せば、まだ何人かいるであろうが、まあ、ごく少数であろう。

 これが、野球やバスケットボールなら、14年前のプレイヤーでも結構現役を続けているものであるが、フットボールだと本当に少ない。14年前だと、プレイヤー的にも戦術的にも三世代前ぐらいの印象である。

 さて、前置きはこれくらいにして、ゲームレビューに入ろう。

 ゲームは、まさかまさかの3試合連続ディフェンス勝ち。しかも後半はレオ様抜きで、である。私も15年近く、コルツファンを続けているが、ディフェンス勝ち3戦連発はおそらく初めてだと思う。

 コールドウェル時代も、カバー2がほぼ完成して、ディフェンスで勝ったゲームをちらほらあったと思うけれども、あの時は、なんといってもマニングという最強ウェポンがあったので、敵オフェンスはコルツ・ディフェンスというより、実質的にはマニングとの戦いであったので、純粋にディフェンスで勝っているのは、今季が初めてだと思う。実際、数字的には、現在リーグナンバー1である。パチパチパチパチ。

 これはこれで当然慶賀すべき事なのだろうけど、カバー2に構造的に2つの弱点がある。すなわち「ある程度、ランを出される。」と「一流QBに通用しない。」の2つである。つまり、本質的構造的に、完封を目指すスキームでは無く、20点前後に失点を抑える事を目指すスキームなので、その分をオフェンスで補わなければならないのであるが、そのオフェンス力が今のコルツにあるかというと、多分ない。つか、絶対に無い。いや、きっと無い。いや、無くは無い。

 何だか分からなくなってきたが、とにかくオフェンス力向上が、現状コルツの課題なのであるが、答えが見えない。つか、レシーバーがいない。ザック・パスカルがエースじゃあ、話にならん。
 あと、今回、初めて、トレイ・バートンを見たけれども、典型的な第2タイトエンド、ジャック・ドイルのコピーである。まあまあ、ドイルがケガがちなので、そういった意味では良い補強であろうが、レシーバー問題の解決にはならん。アリー=コックス頼みかあ。いやもう、補強せえよ、今からでも遅くない。なんとかしてくれ〜。今のままじゃあ、OLとリバースの持ち腐れである。

 という訳で、ランの比重というか負担が日に日に増している訳であるが、まあ、この試合を見ていて思ったのは、「こら〜。なんでテイラーをもっと使わんのじゃあ〜〜〜。」である。いやもう、一ヶ月前とまるで反対の事を言っているが、テイラー以外、現状オフェンスの武器が無いのだから、使うしかない。実際、このゲームも、テイラーに25回ぐらいキャリーさせていたら、楽勝だったと思う。第3クォーターで勝負は決していたと思う。結果的には、ブラックモンのインターセプトで勝負ありだった訳であるが、あれが無ければ、負けの目もあったろう。

 という訳で、ここらでテイラー以外の二人のRBについて論評してみたい。

 まずは、ジョーダン・ウィルキンスであるが、私は開幕前、RBのタイプを4つに分けたけれども、このウィルキンスは、パワー型、それも非力なパワー型である。突っ込んでいったところに、上手い具合にランニングレーンがあればよいが、無ければ、そこで終了というランニングバックである。エディ・ジョージやデリック・ヘンリーのように、穴が無ければ自分で穴を作れれば良いが、それは出来ないので、一か八かのバクチ型とも云える。

 そうして、運よく穴があっても、スピードは無いのでロングゲインが無い。かといって、確実にショートヤードを獲れる訳でもないので、なんつーか、使い勝手の悪いタイプである。景品のしょぼい宝くじみたいな感じのランナーである。

 次は、ネイハイム・ハインズであるが、こちらはテクニック型なのであるが、なんつーか、そのテクニックを使うのが遅いといった感じである。ディフェンダーをかわすために何らかのムーブをする訳であるが、ハインズの場合、目の前にディフェンダーが来てから、ムーブしている。それだと、遅い。ディフェンダーが来る直前にムーブする必要がある。ディフェンスの動きが、読めていないというか、見えていないのだよなあ。「帰ってきたスプロールズ」を私とリヴァースは期待していた訳であるが、ちと厳しいかなあ。

 つう訳で、来オフには、テイラーとコンビを組むRBが欲しい。欲すい。タイプはどんなのでも良いから、テイラーと同等の力を持ったRBが欲しい。欲すい。ウィルキンスとハインズだと、あからさまに力が落ちる。格落ち感がハンパ無い。

 最後に試合内容についてであるが、MVPはブラックモンでしょう。先にも書いたが、あのインターセプトでゲームは決した。このインターセプトそのものは、ごっつぁん感は否めないが、捕球したことに価値がある。そのほか、ビデオ判定でひっくり返ったが、ファンブルフォースもあったし、スター街道驀進中である。実質的なプレイ内容はともかく、派手なプレイが多い。これで、いよいよフッカーの帰ってくるところが無くなるなあ。

 こんな感じで、レビューは閉めたいと思うが、最後にひとつ。このゲームはもともと、アメリカ東部時間午後1時の開始予定だったのだけれど、NEとKCにコロナ感染者が出た影響で、どういう訳か、このコルツ対ベアーズ戦が午後4時25分に試合開始時刻を変更されている。

 これってどうなの。不満ないの。前日に変更ならともかく、当日にいきなり変更、しかも延期では無く、遅延って。関係者から不満が出ないのかなあ。「女とデートの約束してんだよ。」とか「家族と食事して、娘のご機嫌取らなきゃいけないんだよ。」とか「アマゾンの受け取りを時間指定にしてんだよ。」とか「オンラインゲームの集合があるんだよ。チャットが荒れたら、責任取ってくれんのか。」とか、試合終了後に時間厳守の用事を入れている人は、それなりにいると思うのだが。昼のゲームだった訳だし。両チームのロッカーが、この件で荒れに荒れていたら、笑うけどな。あと、放送および報道関係者も。つか、私もちょっと荒れた。

                               暖房をつけた。2020/10/11(日)

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