インディアナポリス研究会コルツ部

歴史

2018シーズン

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Divisional
Playoffs
雑感  リヴァース、引退しちゃいましたね〜〜。まあ。リヴァースについては、いずれ書きます。しかし、過去3年間で正QBが二人引退するって、なかなか無くね。一番安定させなきゃいけないポジションが、一番不安定という。

 プレイオフに入って、G+でNFLを観戦するようになり、久方振りに日本人の解説をたっぷり聞いた。最近は云わなくなったな、バックショルダー・スロー。5年位前は、それこそ馬鹿の一つ覚えで、バックショルダー・スロー、バックショルダー・スローを連呼していたが、最近は流行らなくなったの?。10年くらい前は、クイックリリースを連呼してたっけ。

 あと、野球の解説で、最近は、やっぱりバカの一つ覚えで、スイングスピード、スイングスピード。打てる理由も打てない理由も、みんなスイングスピード。私の子供の頃は、やっぱりバカの一つ覚えで、ダウンスイング。まあ、スイングスピードは、ダウンスイングと違って、実害は無さそうであるから、そのへんは、良しとすべきなのかもしれない。

 とまあ、軽く、スポーツ実況を揶揄してみたが、でも、よくよく考えてみると、目の前で行われているゲームに、的確な論評を加える事など、かなりの難事業なのだろう。ゲームとリーグに対する深くて広い理解が必須である。元プレーヤーに、そこまで求めるのは酷なのかもしれない。生涯を、本当に、そのリーグ、あるいはそのチームに捧げた人でないと不可能な事なのかもしれん。かもしれん。

 しかも、日本のNFLの解説者は、プロ野球の解説者と違って、取材すら出来ない。実際、私が、実況席にいても、訳分からなくなって、バックショルダー・スロー、バックショルダー・スローを連発しちゃうであろう。

 もっとも、これは、スポーツ実況に限らず、テレビ、新聞、雑誌、月刊誌はともかく、週刊誌といった、あらゆるジャーナリスティック、あるいはアクチュアルな表現にも、同様の事が云えるのかもしれない。現前で行われている、あるいは行われた事件を、ものの2,3時間程度で、正確に理解し、正確に表現するには、相当の天才が要る。そうして、そんな天才、私は知らない。

 実際、事件の当事者は、そういうジャーナリスティックな記事に対して、大概、「デタラメだ。」と口を揃える。もっとも、そういう事件の当事者たちの事件に対する認識も、やっぱり薮の中で、デタラメなのであろう。

 さて、ディビジョナル・プレイオフである。

 AFCのQBは、奇しくも、2018ドラフト組3人+マホームズという組み合わせとなった。と、今ここで、私は、「奇しくも」という言葉を使ったけれども、これは当然「奇しくも」でも何でもなく、ルーキーQBの3年目は勝負の年であり、最低スーパーボウル、カンファレンス決勝でも失敗、みたいな情勢なのである。奮起せねばならない。

 実際、マホームズ先輩は3年目でスーパーボウル制覇、ウェンツ先輩も2年目で制覇(出場してないけど、)しているので、これが当然、目安、指標となる。で、ここを過ぎると、年々厳しくなっていく。カイラー・マレーは、来季が勝負の年となる。

 イーライやロスリスバーガー、ロジャース等々も同様であったし、キャップヒット的には、イーライの頃よりも、より厳しくなっているかもしれない。ルーキー契約を終了したQBに、ホニャララ最高額を提示するのは、ホントに怖い事なのである。

 また、キャップヒット的に厳しくなるのは勿論であるが、もうひとつ、地味に、そうして、ある意味、「キャップヒット的」以上に厳しいのが、「積もるドラフト下位」である。

 ルーキー契約時に成功し、長期大型契約をゲットしたQBは当然ながら、勝つ。そうして、勝てば、当然、その分だけドラフト順位が下がる。ドラフト下位も3年連続ぐらいだったら、戦力的にそんなに響かないけれど、5年も続くと地味に響く。まして、10年も続いたら、結構痛い。QB以外のポジションが、他チームに比べると、2割減くらいの印象である。5年続いているのが、今のシーホークス、10年続いているのが、今のパッカーズであろう。

 勿論、ドラフトだから、下位でも当たる時は当たるし、上位でも外す時は外す。ただ、それも5年10年と続くと、やっぱり均されて、なんとなーく戦力的、あるいはMADDEN数値的に弱体化してしまう。それでも、ある程度勝つのが長期大型契約中のQBの務めであるし、仮りに負ければ、今のウェンツのように自身の首が危うくなる。

 まあ、要するに、サラリーキャップとドラフトが正しく、あるいは目論見通りに機能しているという事であり、それはそれで慶賀すべき事ではあろう。実際、この勝ち続けるチームの裏側、すなわち負け続けるチームは、5年も続く、すなわち5年連続でドラフト上位を得続ければ、自然に戦力はアップする。最近のブラウンズとか、ちょっと前のジャガーズがその好例であろう。まあ、それでも、ン10年間負け続けたブラウンズやビルズのような例もあるにはあるけれど。

 という訳で、この15年くらいのスーパーボウル出場チームはほとんど全て、つか多分すべて、ルーキー契約下のQBかベリチックである。例外はマニングとブリーズ、あとカート・ワーナーであろうが、彼等も制覇は一度目のFA契約時なので、金額はともかく、ルーキー契約QBと事情は近い。また、彼等と契約する以前、チームは負けていたので、ドラフト的には高順位のプレイヤーでロースターは構成されていた。

 そういう状況下で、ブレイディを擁して、あの手この手で、スーパーボウル出場や制覇をしてきたベリチックには感服するより他は無い。つか、あきれる。

 一方、ルーキー契約下にあるQBを擁するチームが順当に勝ち上がってきたAFCとは対照的に、NFCは、ブレイディにブリーズ、ロジャースのおっさん3人+ゴフという、ちょっと異例の事態である。まあ、ここ最近、ドラフト上位QBがAFCに偏ったという側面も無くは無いが、おっさん3人は流石と云うべきであろう。

 とりわけ、ブレイディ、つうかバッカニアーズは、加齢臭がハンパ無い。これだけ、加齢臭の漂うロースター構成はちょっと異常だと思う。
 ブレイディ御大にグロンコウスキー、アントニオ・ブラウン、ンダマコン・スーにジェイソン・ピエール=ポール、リーション・マッコイ。マイク・エバンスが若手だからね〜。なんつーか、「昔の名前で出ています感」がハンパ無い。

 この手のロースター構成というのは、レイダースやスキンズの十八番で、なおかつ、ことごとく失敗してきたけれども、同じような事をして、ここまで来たというのは、ブレイディが偉いのかエイリアンズが偉いのか。

 基本的に、NFLというかフットボールは若い人のスポーツである。若者とおっさんが戦えば、大概若者が勝つ。軽くなったとはいえ、フットボールギアを付けて運動するだけでも、おっさんには酷である。NFLは若者のリーグである。

 ちなみに、バスケットボール、つかNBAは、逆におっさんのリーグである。若者とおっさんが戦えば、大概おっさんが勝つ。理由はよく分からないが、体力よりは経験や技術がモノを言うスポーツなのであろう。あと、体力は年齢とともに衰えるが、体格は衰えないという側面もあろう。経験・技術・身長、これがバスケットボールの3大要素である。

 ドラフト権とプレイヤーのトレードで、一般的には、ドラフト権の方が価値が高いのがNFLで、プレイヤーの価値の高いのがNBAであるのは、この事のひとつの証明であろう。
 まあ、バックナー様みたいな例外もあるけどね〜。もっとも、1巡13位とオールプロ級のUT、どっちの方が価値が高いかという議論になれば、意見は割れるであろうが。でも、1巡13位があれば、ジャスティン・ジェファソンが、いや、それは言うまい。

 閑話休題。バッカニアーズに話を戻すと、ブレイディも勿論偉いのだろうけど、やっぱりエイリアンズも偉いのであろう。エイリアンズは最も過小評価されているコーチだと思う。まあ、最近はそうでも無いか。ドラフト上位QBと組むエイリアンズが見てみたかった。カーソン・パーマーは、全体1位指名だけど、FA入団なので、オリジナルのドラフト上位QBとは、ちょいと事情が異なる。
 はい、そーです、ラックさんです。あの時、パガーノを馘にして、エイリアンズをヘッドコーチにしていれば、今でもラックは引退をせず、王朝を築いていたのに〜〜〜〜。いや、実際、かなり高い確率でそうなっていたと思う。エイリアンズにとってもラックにとっても不幸だった。

 ラックさんに、思わず涙してしまったところで、先週予告したバッカニアーズ戦の戦評をすべきなのであるが、試合見ていたら、ウトウトしちゃった。やっぱ、コルツ戦じゃないと、気合入んね〜。バッカニアーズの戦評は次週って事で。で、今週の教訓は、「やっぱ、ターンオーバーは怖い」。チャンチャン。

                                   2021/1/24(日)
Conference
Championships
NFC
1月24日
TB@GB
31−26
 ブレイディvsロジャースという、それぞれ10年代を代表するQBでありながら、カンファレンスが異なっていたために、ありそでなかったガチンコ対決。勿論、他カンファレンスとも4年に一度は戦う訳だけれども、重要度でいえば、同地区、同カンファレンス、他カンファレンスの順になるので、両者マスト・ウィン・ゲームとしては、おそらく初めて、そうして最後になるかもしれない、ある意味、貴重な一戦ではある。

 解説の森さんはグリーンベイ有利みたいな事を言っていたけれど、私は戦力的にはタンパベイの方が上だと思っていたので、予想通りちゃあ大袈裟であるが、まあまあ予想した結果だった。スコアは31−26で5点差だったけれど、エイリアンズとブレイディ的には余裕あるゲームだったと思う。仮に、グリーンベイが逆転しても、再逆転するぐらいの自信はあったんじゃないかな。マイク・エバンスの2つの落球が無ければ、楽勝だったろう。

 印象的なプレイは、森さんも触れていたけれど、やっぱりゲーム終盤のブレイディの投げ捨てである。ああいう場面で、サクッと、あるいはキッチリと投げ捨てが出来るQBはブレイディだけだろう。マニングでも難しいかもしれない。あとはモンタナぐらいか。

 なんて事をどっかで書いたような記憶があったので、ようやっと思い出したのが2017年のスーパーボウル、アトランタ対ニューイングランドである。4年前の事を思い出すのに、そこそこ時間が掛かるって、私も結構ヤバくね。

 あのスーパーボウルでは、ブレイディではなく、マット・ライアンが、同じような場面で「投げ捨て」が出来ず、被サック、FGも蹴れず、最終的には逆転負けしてしまった訳だけれど、ああいう場面でサクッと「投げ捨て」が出来るのはブレイディぐらいだみたいな事を書いた記憶が有るような無いようなだったので、過去の記事を読み返していたが、書いていない模様。書いてねー。

 2016年末から2017年明けまでは、私の人生で、間違いなく第1位のクソ忙しい時期だったので、スーパーボウルの記事自体を書いていなかった。ただ、ゲームは観ていて、上記したような事を思ったのは確かだと思う。もしかしたら、ブレイディではなく、他のQBの名前を挙げていたのかもしれないが、忘れてしまった。

 まあまあ、私のウ○コみたいな記憶はともかくとして、ああいう場面で「投げ捨て」が出来る、そうして実際実行したのはブレイディである。

 QBのプレイで第一番目かつ一番重要な事は何かというと、それはパスの正確性でもポケットムーブでもランでもプレスナップリードでも全然無くて、それは「プレイのプライオリティを明確にする」という事である。

 5ヤードが必要なのか、10ヤードが必要なのか、30ヤードが必要なのか、時間を潰す事なのか、ボールセキュリティなのか、ファーストダウンなのか、その目的はシチュエーションによって千差万別であろうが、その時々のプレイのプライオリティを明確に理解しておくというのは、QBにとって第一番目かつ一番重要な事なのであるが、それが完全に近く徹底できるQBは非常に少ない。マニングでも怪しいだろうし、ロジャースでも怪しいだろう。

 時間が惜しいのにサックされちゃったり、時間を潰したいのに投げ捨てたり、ディープが欲しいのにチェックダウンしたり、マイナスヤードを避けたいのにサックされちゃったり、そんなQBが大半である。

 この「プレイのプライオリティを明確にする」を現在、というか私の今まで見てきたQBの中で、最も完全に近く遂行できるのがトム・ブレイディであるし、それがブレイディの何よりの美点である。スニークではない。スニークはブリセット様。

 勿論、それは本人の資質もあろうが、森さんも指摘していたように、それは何よりベリチックの指導の賜物であろうと思う。所謂「状況判断」である。

 昔、ベリチックについてのドキュメント番組か何かで、練習中、ベリチックが、盛んに「状況判断だ、状況判断。状況判断が一番大事なんだ。」と叫んでいた。ちなみに、先年物故した野村克也も、「野球で一番大事なのは、状況判断なんだ。」と力説していた。期せずして、洋の東西の名将が、同じ事を口にしていた訳である。

 まあ、もっとも「状況判断が大事」なんていうのは、スポーツに限らず、人間の活動全般に云える事ではある。そうして、やっぱり、スポーツと同じように、それを完全に遂行できる人間は非常に少ない。

 AというシチュエーションでA´という方法が有効だったとする。すると、多くの人間は、Bという状況でも、Cという状況でも、A´という方法を使ってしまう。頼ってしまう。Bの時にはB´、Cの時にはC´という方法が必要であるにもかかわらず、である。

 しかし、それでは機械と同じである。時速100キロで走れる機械はニンジンを切る事が出来ない。気温を温めたり冷やしたりできる機械は空を飛ぶことは出来ない。時速100キロで走ったり、空を飛んだりは出来ないけれど、ニンジンを切ったり、自動車を作ったり、団扇で仰いだり、火を灯したりできるのが人間である。ひとつの事しか出来なかったら、機械と同じである。

 もっとも、最近は、コンピューターが発明されて、ひとつの機械に色々な事をさせるようになったけれども、それはまた別の話。

 閑話休題。ゲームの話に戻すと、他は、あんまり語るところが無いんだよね〜。NFCの事は詳しくないし。AFCもか!。あとは、やっぱりロジャースの処遇かなあ。

 これで、カンファレンス・チャンピオンシップ4連敗だそうであるが、まあまあ、その評価はともかくとして、キャリア16年でスーパーボウル出場1回制覇1回というのは、やはり物足りないと云わざる得ないであろう。イーライが2回出場2回制覇(どちらも対ペイトリオッツ。ここ重要。)、ロスリスバーガーが3回出場2回制覇、ラッセル・ウィルソンが2回出場1.99回制覇、プレイオフに弱い弱いと叩かれ続けた(私も叩いた、テヘ。)マニングですら4回出場2回制覇なのであるから、ロジャースの1回出場1回制覇は微妙と云わざるを得ない。1回出場1回制覇組は他にブリーズやフラッコーがいる。

 もちろん、未出場のリヴァースもいるのだから、1回出場1回制覇でも十分と言えなくもないが、チーム最高給料、あるいはリーグ最高給料を得ていた選手としては、物足りないとも云えるであろう。

 あと、カンファレンス・チャンピオンシップ敗退って、何気に痛いよね。スーパーボウルは出れないし、ドラフトは下から3番目4番目だし、チーム状況によって、成否の判断は微妙だけれども、もともとスーパーボウル・コンテンダーだと、究極の失敗かもしれない。

 まあまあ、このへんの判断はパッカーズファンに委ねよう。

 ところで、私が、ロジャースデビュー以来、比較的ロジャースに辛い態度をとっているのは、その顔付きが嫌いという側面も無くは無いが、一番の理由は、なんつーか、世間つうか、NFL界隈つうか、そのあたりのパッカーズ贔屓に反発したいという気持ちが強いがためである。ロジャースが、例えば、ジャガーズあたりのQBだったら、別の意味で反感を持つかもしれないが、今のような反感は持たなかったろう。

 パッカーズに所属しているが故にチヤホヤされていて、当人もそれに満足しきっているという状況が、なんか狭量な私には気に食わないのである。なんつーか、ちょっと、80年代から90年代にかけての巨人軍に似た匂いを感じるのである。

 あの頃の巨人軍で何が嫌いだといって、「巨人が勝てば、景気が良くなる。」みたいな事を言う巨人ファンが心の底から大嫌いだった。自身の快不快を社会正義に還元してしまう人間を、私は心の底から軽蔑しているけれども、その代表というか、その醜い典型が当時の巨人ファンだった。私はアンチ巨人ではなく、アンチ巨人ファンだった。もっとも、最近の巨人ファンには、そんな当時の勢いは完全に消滅してしまったけれども。今こそ雄叫びを挙げればいいのに、「巨人が勝てば、景気が良くなる。」とか、「巨人が勝てば、コロナが無くなる。」とか。

 まあ、巨人ファンというか、巨人をめぐる状況ほど酷くはないけれど、パッカーズをめぐる状況にも近いものを感じなくもない。市民球団を誇る人たちとかね。あと、NFLの公式ページのパワーランキングが、パッカーズ贔屓過ぎると感じるのは、私だけだろうか。勝ち星が低くても、しぶとく上位にいるよね。

 という訳で、ロジャース本人に対しては、そんなに嫌悪感はないのであるが、そのロジャースに、早速コルツ入りの噂が流れてる〜〜〜〜。つか、コルツファンが流しているだけという説も無くは無いが。

 まあ、ロジャースのコルツ入りはともかく、いまや完全に、コルツはベテランQBブラックホールだぜ〜〜。あるいはベテランQB悪徳老人ホーム。どんどん吸い込んじゃう。

 QBなんて、手を変え、品を変えじゃ〜〜。いいよね、今までマニングやラックに操を立ててきたんだから。ここらでいろんな女(男?)に手を出しても。しかも、それらがオールプロとまでは云わなくとも、みんなプロボウル級。芸能人ソープランドじゃ〜〜。女優ソープランドじゃ〜。デルモ・ソープランドじゃ〜。アイドル・ソープランドじゃ〜。いや、そんな夢のような場所が実在するかは知らんよ。問い合わせないよーに。

 1年ごとにQBを変えるつうのは、フットボールの本道に沿っているかどうかは知らんが、つか逸れているだろうけど、厭きちゃうんだよね、ずっと同じQBが続くと。まあ、ラックはともかくとして、マニング晩期は正直厭きてた。マンネリ感は否めなかった。仮面夫婦だった。嫁は毎年変えるに限るんじゃ〜。はいっ、日本女性協会に怒られた。

 という訳で、今のコルツのQB状況、決して嫌いじゃありません。むしろ大歓迎。

 と、無理矢理コルツネタをぶっこんで、NFCチャンピオンシップ・レビュー終了。チャンチャン。

                          鏡餅を食べた。2021/1/27(水)
AFC
1月24日
BUF@KC
24−38
 はいっ、本日2本目。でも、結構久しぶりだな、カンファレンス決勝をがっつり2試合見るのは。正直言うと、ここ数年は見たり見なかったりでした。スミマセン。って、誰に謝っている。

 時間的には、上記のNFC決勝が先に行われ、当然先に終了しているので、バッカニアーズ、つかブレイディのスーパーボウル進出決定後のゲームである。これで、ビルズが勝ったら、あの人とスーパーボウルで再会という事になる。ようやっと転校していったイジメっ子と一か月後に隣町で再開するみたいなもんである。ビルズの勝利を期待したが、

 結果は、24−38でチーフスの勝ち。最終スコアは11点差であるけれども、内容的には、NFC決勝同様、チーフスの楽勝ゲームでした。楽勝は言い過ぎかもしれないが、バッカニアーズ同様、余裕ある試合運びだったと思う。

 敗因は色々あるだろうけど、一つ目は、やっぱりケルシーを止められなかった事であろう。究極のセイフティバルブと言ってもいいケルシーを止めて、マホームズとアンディ・リードのリズムを狂わすというのが、対チーフスにおける戦略の第一歩目だろうけど、13レシーブ、118ヤード、2TDsじゃ、勝負にならない。これで勝つとしたら、それ以上に得点するより他は無いけど、その力はビルズ、つかジョシュ・アレンには無かったという事である。
 まあ、もっとも、今のチーフスをシュートアウト出来るのは全盛期のマニング・コルツぐらい(40点取られたら、50点取るからね、この人達は。)であろうから、ケルシーを止められなかった段階で、勝敗は決していたと思う。もっとも、これは、LBやSのタレントの問題なので、今更どうにもならなかったろうけれど。

 あと、ボールコントロール・オフェンスという、いわば奥の手もあっただろうが、それを実行できるRBがビルズにはいないし、ジョシュ・アレンに、そんな我慢が出来るとも思えない。

 つう訳で、ジョシュ・アレン一人に敗因を負わせるのは、あまりに酷だけど、そうはいっても先週のレイブンズ戦も含めて、プアなクォーターバッキングだったと思う。

 特に最終ドライブでのパスラッシュから逃げて逃げて被サック、ついでに一悶着というのは、NFC決勝での同じような場面でのブレイディとは、あまりに対照的だった。
 あれだけ逃げて逃げて被サックなのだから、ギャンブルするのかと思いきや、FGを蹴っているのだから、そもそもプレイのプライオリティは何だったのかという事になる。FGでも良しというプランだったら、ブレイディ同様、サクッと投げ捨て無ければいけない場面である。ブレイディと違って、時間も惜しい訳だし。

 まあ、この状況判断はともかくとしても、ブリッツに対して、あまりにお粗末だったと思う。こんだけブリッツが決まるのだったら、コルツももっとブリッツしておけば良かったと思ったぐらいである。

 ブリッツに対する解答として最も一般的なのはスクリーンだろうけど、真の解答は正確無比なプレスナップリードである。正確にプレスナップリードをすれば、ブリッツしている分だけ当然カバーは薄くなっているのだから、パスは通りやすくなる。この方法で、ブリッツを無力化したのが、他ならぬペイトン・マニングである。
 正確無比なプレスナップリードとブリッツピックの超兵器ジョセフ・アダイを擁して、マニングはブリッツを無力化した。

 ちなみに、ここ15年くらいのNFLのブリッツ変遷史をざっくり紹介すると、私がNFLを見始めた15年前くらいは、バディ・ライアン流のブリッツハッピーが大流行で、息子のライアン兄弟、特にレックス・ライアンがブイブイ言わしてた。
 それをマニングが、上記の方法で徐々に無力化していき、ディフェンス側が、それにブリッツの複雑化で対抗した。

 ただ、複雑化といっても、所詮人数に上限はあるので、ちょうどWCOに限界があるように、ブリッツの複雑化にも限界が来た。
 で、マニング天下になるかと思いきや、ピート・キャロルがレジオン・オブ・ブーンを創出し、今度はカバーを複雑化した。
 で、マニングは、それを解読する前に引退。レジオン・オブ・ブーンの天下がくるかと思いきや、オフェンス側は、ランオフェンス、特にパワーラン・オフェンスの復活とラン・パス・オプションで対抗し、それに対抗する形で、ここ最近はブリッツハッピー復活の機運である。そうして、プレイアクションの復活。

 つう訳で、ブリッツかカバーか、パスかランかというのはイタチの追いかけっこみたいなものなのであるが、それはともかくとして、ここ最近出てきたQB、とりわけ「走るQB」はブリッツ対策が下手である。
 まあ、走る走らないに限らず、若手のQBは総じてブリッツ対策は苦手で、ブレイディも若い頃は下手だったし、マホームズも2年前はブリッツに脆さを見せていた。

 つう訳で、年齢を経るごとに、ブリッツに対しては慣れていくものなのであるが、ただ「走るQB」の場合、そうならない事が多い。先々週ぐらいの記事に書いたが、「走るQB」の場合、「いざとなりゃ、自分が走ればよい。」と思っているので、プレスナップリードが疎かになりがちである。で、逃げて逃げて被サック、あるいは無理に投げてインターセプト、最悪ケガで退場っていうのがお決まりのパターンであり、先週のラマー・ジャクソンがそれである。プレイオフで進めば進むほど、相手も強くなるので、このパターンに嵌る事例はものすごく多い。今回のジョシュ・アレンも、ケガはしなかったもの、このパターンである。

 つう訳で、プレスナップリードが必須なんだけど、足があるから、しないんだよねえ〜。マニングの定番であった「サイドラインで連続写真をパラパラ」という光景は、最近すっかり見なくなった。まあ、 タブレットに変わっていたり、カメラの回っていないところで、やっているのかもしれないが、最近めっきり減った光景だと思う。このカンファレンス決勝では、よりによってブレイディがやってた。まだ、勉強するんかい〜。

 マニングみたいに、のべつ幕なしサイドラインでパラパラもチームの士気的にどうかと思うが、ブリッツ対策には必須の勉強だとは思う。

 で、話はちょっと変わるが、んでビルズファンは嫌な気分になるかもしれないが、ジョシュ・アレンの顔というか、顔付きってバカっぽくね。言っちゃった。なんつーか、シベリアンハスキーに似ている。

 顔付きと実際の知性とは何の関係も無いのかもしれないが、頭の良さそうな顔と頭の悪そうな顔というのは、あるように思う。昔、将棋棋士の先崎が、「羽生と森内は如何にも賢そうな顔をしていた。今までの将棋界にはいない顔だった。」みたいな事を、どっかで書いていたけれども、やっぱり賢そうな顔付きというのはあると思う。

 QBでいうと、マニングはいかにも賢そうであるし、ロジャースは賢く見せたいけど、あんまり頭は良くないみたいな感じだし、ブレイディは逆に、賢いのだけれども、それを人に見せたくない、バカっぽく見せたい、あるいは不良っぽく見せたいみたいな顔付きである。まあ、なんつーか、経済ヤクザみたいな感じ。って、会った事ないけど。

 ブレイディは、結果が分かっているからではないけれども、私がHCだったら、その顔付きだけで、ちょっと使ってみたい、そういう気にさせる顔付きではある。

 ちなみに、数あるQBの中で最も賢そうな顔付きはというと、それはフィッツパトリックでは全然なくて、なんと云っても、ジョー・モンタナである。「聡明」という言葉がピッタリくる顔をしていた。聡く、明い、なんかもう、この言葉そのものみたいな顔付きだった。

 「聡明」とか「賢明」とか、中国人は「賢さ」を「明るさ」と結び付けたけれども、これは正しい事だと思う。賢い人は、一見暗そうでも、最終的にはものすごく明るい。英語の「BRIGHT」にも「賢い」というような意味があるし、これは全世界共通だと思う。まあ、古代ギリシアだか古代ローマに「天才は憂鬱である。」みたいな、これとは正反対みたいな言葉もあるにあるけれど。

 また、文章は、頭の良い人が書くと、いかにも明るいし、逆に頭の悪い人が書くと、いかにも昏い。まさしく、暗愚な感じがある。明るさは優れた文章の特徴だと思う。

 で、顔付きの話に戻すが、賢げな顔付きというのは、顔の動作では無くて、ちょっとした表情や仕草に現れるものなのかもしれない。

 昔、とある人が、「頭の良い人は、朝起きてから夜寝るまで、何をやっても賢いやり方をする。靴を履こうが、歯を磨こうが、目玉焼きを作ろうが、ドアを開けようが、自転車に乗ろうが、何をやっても賢いやり方をする。一方で、頭の悪い人は、朝起きてから夜寝るまで、何をやっても愚かなやり方をする。靴を履こうが、歯を磨こうが、目玉焼きを作ろうが、ドアを開けようが、自転車に乗ろうが、何をやっても愚かなやり方をする。」と書いていたけれども、そういうものなのかもしれない。

 私が小学生の頃、「歩き方がバカっぽい」と言われて、バカにされていた人がいたが、確かにその人は勉強が出来なかった。まあ、勉強の良し悪しと頭の良し悪しは別物なのかもしれないけれど、そういう事なのかもしれない。

 つう訳で、顔付き的にはジョシュ・アレンの将来は少々不安なのであるが、顔付きはともかくとして、プレイスタイル的にも少々不安である。同じ事はラマ―・ジャクソンにも云えるのであるが、これから締結されるであろう両者の長期大型契約には、私がGMだったら躊躇する。勿論、リリースしたらフランチャイズが崩壊するので、契約するしかないのであるが、その後のチーム運営は非常に難しい。綱渡りだと思う。言葉の本当の意味で、マネジメントしなければならない。

 まあ、レイブンズはスカウティングの鬼なので、その点の不安はないのかもしれないが、ビルズはどうだろう。この3年間のような単純な足し算ではダメである。掛け算や割り算、モジュラー計算まで含めた高等算術が必要になる。

 って、感じかなあ〜、このゲームの感想は。

 あと、そうそう、これは、このゲームとは直接関係ないけど、エクストラポイントについて。

 このゲームでも、ビルズのキッカー、タイラー・バースがエクストラポイントを外していたが、それはともかくとして、このエクストラポイント、かつてどこかで書いたように記憶するが、毎回2ポイントコンバージョンの方が、得点効率的に上なのではないだろうか。

 XPが1点で2ポイントは当然2点な訳だけど、2点という事は、XP以上の得点効率にするためには、XPの1/2以上の確率が求められる訳である。XPが100%なら2ポイントは50%、90%なら45%、80%なら40%である。
 別に統計を取った訳ではないけれど(取れよ!)、だいたい2ポイントコンバージョンなんて50%ぐらいの確率があるのではないだろうか。少なくとも、体感的にはそれくらいある。だとしたら、全部2ポイントコンバージョンの方が得点効率的には上な筈である。

 まあ、もっとも、1シーズン丸々、すなわち16試合で統計を取れば、全部2ポイントの方が得点的には上回るだろうけど、1試合換算、3回ぐらいの機会で、全部2ポイントにしてしまうと、負け試合が増えてしまうのかもしれん。どうだろう。

 あと、最後にひとつ、ブレイディの名前が出たので思い出したが、NFC決勝でもお得意の12人反則、奪ってたね。相変わらず。ノーリスクの利潤には辛いなあ。ホント、経済ヤクザ。

 これで終わりにしたいところであるが、一応スーパーボウルの予想をしておくか。縁起物だし。

 まあ、バッカニアーズだと思う。コルツファンはブレイディに全幅の信頼を置いているのだ。厚い、丸大ハムくらいに厚い。

 って、それはともかく、私はかつての記事で、フットボールは若者有利と書いたけれども、今のバッカニアーズには、それを覆すだけの戦力があると思う。特にアントニオ・ブラウンが復帰したら、相当の戦力差が出来てしまうと思う。しかも、チーフスはフィッシャー抜きな訳だし。

 また、対チーフスの最重要課題であるケルシー対策という意味でも、デヴィン・ホワイトにダヴォンテ・デービットとマークできそうな選手もいる。出来ないかもしれんが。あと、どうなるか分からんが、ウィンフィールドもいるし。

 また、仮にケルシーにボコられても、ブラウンが復帰していたら、シュートアウトの展開でも、良い勝負になると思う。先に、私は、今のチーフスをシュートアウト出来るのは全盛期のマニング・コルツだけと書いたけれども、ちょいと訂正。ブラウン付きバッカニアーズも付け加えます。

 実際、単純な戦力では、ブレイディの所属した過去のペイトリオッツのどのチームよりも上だと思う。モスのいた時よりも上かもしれない。2年前のペイトリオッツと比べたら、倍ぐらいの差はあると思う。ボールコントロール・オフェンスをする必要も無いだろう。

 エイリアンズとベリチックはともかく、エイリアンズとリードでは、コーチの力量的にも同格であろう。唯一の不安材料は、その加齢臭であるが、1週休みがあるし、ガス欠はしないと思う。

 つう訳で、バッカニアーズにショートケーキ3個。なんだそりゃ。

                                  2021/1/27(水)

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