インディアナポリス研究会コルツ部

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2018シーズン

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SuperBowl 2月7日
KCTB
9-31
 最近、つう訳でもないけど、ここの所、たまにアーロン・ロジャースがパット・マカフィー・ショーに出演して、いろいろと発言している。その発言内容について、どうこう言うつもりは全く無いのだけれども、コルツファン以外の人、パット・マカフィーって、知ってる?。コルツファン以外の方々に御教授しておくと、パット・マカフィーとは、元コルツの芸人パンターです。ロジャースと、年齢が近い事もあるのか、そのコネで出演が多いみたい。ピース綾部がパット・マカフィー・ショーに出演する日はあるのか。無い。

 ピース綾部の労働事情はともかく、スーパーボウルである。9-31でバッカニアーズの完勝である。このゲーム、私はBSとG+をザッピングしながら見ていたのであるが、両放送局の解説者が皆一様にチーフス有利を予想していたのは意外だった。これら解説者が云うには、世間一般もそういう予想だったみたい。

 私自身は、先述したとおり、素人臭く、MADDEN数値的な単純な戦力分析でバッカニアーズ有利と見ていたし、世間一般も同じ見方だと思っていたので、この発言には少々驚いた。戦術的な相性とか、そういう玄人的な理由があったのであろうか。

 ちなみに、「去年、勝ったから。」なんていうのは、そんなのは全く理由にならない。それが理由になるのなら、あらゆるスポーツ、勝負事は連覇連勝だらけになってしまうであろう。でも、現実には連覇連勝はほとんど無い。

 連覇連勝の多いのは囲碁、将棋、テニス、格闘技といった個人的スポーツであるけれども、それは「去年、勝ったから。」が理由なのでは全然なく、飛び抜けた力のある個人は、戦略や戦術等々で逆転、アップセットする事がなかなかに難しいという理由からである。

 逆転・アップセットの戦略や戦術というのは多種多様に色々あるだろうけども、もっとも単純かつ効果的なのは無論物量作戦である。ダブルチーム、トリプルチーム等々で、個人の技量の差を埋めるという作戦である。スポーツではないけれども、人間にとっての究極の勝負事である「戦争」においても、最もポピュラーかつ重要な戦術である。

 この「物量作戦」という最も単純かつ効果的な作戦が使えないというのが、個人スポーツにアップセットの少ない最大にして、ほぼ唯一の理由である。個人の力量の差が、どうしても、そのまま結果につながってしまう。したがって、強者に勝ち星が集まる、あるいは強者は勝ち続ける。すなわち連覇が多い。連勝記録なんていうのは、大概個人スポーツの方が桁違いである。

 また、同じチームスポーツでも、野球やバスケットボールのような個人競技的色彩の強いスポーツの方が連覇が多いも、同じ理由であろう。最もチームスポーツ的であるサッカーやラグビー、アメリカンフットボールといった、所謂フットボール系のスポーツに連覇が少ないのも、全く同じ理由である。戦争はまあ、元々定数が決まっていないので、強者が勝ち続けるというか、逆転は、非常に限定された状況じゃないと、起こりにくい。
 
 また、ゴルフという個人競技もあるにはあるが、このスポーツは他の多くのスポーツとは違って、その競技方法が特殊(多人数が一斉に争う、すなわち1対1ではない。自然環境に左右されやすい。審判がいない。等々。)なので、他のスポーツとは比較しにくいため、ここでは考察から除外する。陸上競技や水泳なども同様である。また、体操系の競技などは更に独特なので、ここでは勿論考察から除外する。つかまあ、チームスポーツの方が特殊独特なのかもしれないが。故に面白い、プロが隆盛する、のかもしれん。

 また、「野球はともかく、バスケットボールは完全なチームスポーツではないか。」と反論される向きもあろうが、確かにバスケットボールはチームスポーツであるけれど、何しろコート上に5人しかいない。ダブルチーム、トリプルチームをしたら、残りは3対4、2対4のシチュエーションになってしまう。この時点で、相当不利である。先述の「物量作戦」が通用しにくいのである。
 実際、NBAの歴史をさかのぼってみても、レブロン、コービー、ダンカン、オラジュワン、ジョーダン、バード、マジックと、結局、優勝はその時々のナンバー1プレイヤーのいるチームの手中に収まってしまう。所謂「NBAはスーパースターがいないと勝てない」である。

 過去30年でスーパースター抜きで勝ったチームはピストンズくらいであろう。あと、ステファン・カリー&ウォリアーズをどう見るかという問題はあるにはあるけれど、最近、私はNBAはご無沙汰なので何とも言えない。まあでも、カリーもやっぱりスーパースターでしょう。

 つう訳で、「去年、勝ったから。」なんていうのは理由にはならない。もっとも、当事者が「去年、勝ったから。」を理由に挙げる場合もあるが、そんなのは当てにならない。当事者の挙げる勝因敗因なんていうのは、ほとんど当てにならないものである。自分の姿は自分には見えない。

 しかも、チーフスが昨年勝った相手はナイナーズである。ナイナーズファンには大変申し訳ないが、シャナハン&ギャロッポロとエイリアンズ&ブレイディでは役者が一枚どころか、二枚も三枚も違う。しかも、そのナイナーズとの一戦も内容的にはどっちが勝ってもおかしくないゲームであり、結果チーフスが勝ったというゲームである。参考にもならない。

 さて、そのスーパーボウルであるが、結果は31-9でバッカニアーズ勝利。スコア的にも内容的にも私の予想通り(自慢している訳では無いけど、そう取って貰っても良いよ~。)だったので、そこに驚きはない。もうちっと、チーフスは得点するかなあと思っていたけれど、このへんはマホームズのケガの影響かな。でも、ノータッチダウンは意外だった。

 もっとも、チーフスが得点したら得点したで、バッカニアーズはもっと得点していたであろう。スコア的にも内容的にも終始余裕のある試合運びだったと思う。解説の河口さんが、ハーフタイムあたりで「チーフスは、思い切った事をしていかないと、このまま負けちゃう。」みたいな事を言っていたけれど、全くその通りだったと思う。
 前半終了時の2ポッゼッション差なんていうのは同点みたいなもんだと私は思っているけれど、この試合に関しては、この2ポッゼッションは、そのまま内容の差だったと思う。

 こういう力の差を戦術なり戦略なりで、何とか逆転するのは、アンディ・リードの最も苦手とする事なので(そうして、ベリチックの最も得意とするところ。)、こういう結果は致し方あるまい。ターンオーバー祭りとかバッカニアーズの主力にケガとか、怪しげなフラッグとかいうような所謂事件の無い限り、チーフスに勝機の少ないゲームだったと思う。

 ブレイディにとっても、その全10回(!!!!!)のスーパーボウルで最も楽勝、少なくとも余裕のあるゲームだったと思う。もっとも、そんな事は口が裂けても口外しないであろうが、あの経済ヤクザは。

 また、ここ15年のスーパーボウルでも、DEN対CARの次くらいにイージーなゲームだったと思う。

 このゲームのキーパーソンだったケルシーも10レシーブ、133ヤードと数字は残したけれども、抑えられちゃった印象は強い。10レシーブではあるけれど、ターゲットは15。10/15だと、落とした印象の方が強くなる。
 NFLの他のチーム、とりわけAFCのチームはアスレチックなLBの重要性を再認識したんじゃかな。コルツには二人いるけどね~。オコリーキをあげても良いですよ~。1巡と交換だけどね~。

 オコリーキの値段はともかく、今プレイオフでチーフスの勝ち上がった要因の一つは、ブラウンズ、ビルズと、ここに難のあるチームと上手い具合に当たった事にもあると思う。

 ケルシーの負担の軽減という意味では、強力なRBという事になろうが、「カリーム・ハントがいればなあ~。」とリードは思わん事もなかったんじゃないかな。エドワーズ=エレーレひとりではちょっと厳しかったと思う。

 で、主役の一人、マホームズであるが、このゲームを見ていて思ったのは、このゲームの出来不出来はともかくとして、やっぱ「走るQB」のスタイル的な限界は感じた。いくら両タックル不在とはいえ、あれだけ逃げて逃げて後ろに下がっちゃたら、そらパス通らんよ。3rd&10が3rd&20とか3rd&30になっちゃってんだもの。そりゃ、サイドラインしか通らんよ。ディフェンダーが守ろうとしたら、フィールドの外に出るしかないからね。

 逃げて逃げて密集地帯に投げてのインターセプトという最後のプレイが、マホームズ的クォーターバッキングの終焉に見えたのは、私だけだろうか。「なんだかんだ言って、ポケット内が一番安全。」と大昔、ラックがデビューした頃かな、私は書いた。昨今の「走るQB」の隆盛で、私はこの言葉に多少の揺らぎを感じていたが、この一戦を見て、堅さが戻った。

 あと、もうひとつ、このゲームの私の個人的注目点である「NFLは若者のリーグ」問題であるが、この持論は覆らなかったと思う。QBのブレイディはともかく、その他のおっさん連中はやっぱり厳しかったと思う。グロンコウスキーやアントニオ・ブラウンは、勿論要所で活躍したけれども、1試合通じてとなると微妙な感じはした。ましてや、1シーズンとなると厳しいと思う。
 ディフェンスのスーさんも1.5サック挙げってけど、目立ってなかったし、ピエール=ポールも、NFC決勝では活躍していたが、このゲームでは音無し。やっぱ、三十路には厳しいスポーツかもしれん。

 また、このスーパーボウルのちょっとした特徴としては、チーフスの反則の多さが挙げられると思う。スーパーボウルちゅうか、プレイオフのゲームは、審判が自身のフラッグで勝敗が決する事を意識的無意識的に嫌うため、反則は少なくなりがちだけど、このゲームのチーフスは多かった。実に11回120ヤード。

 これも敗因の一つではあろうが、これはリードの個性かな。
 昔、「NFL倶楽部」で各チームのロッカールーム紹介みたいなレポートがあったのだけれど、ペイトリオッツが進学塾みたいだと報告されていたのに対し、イーグルスが中学の部室とか報告されていたのを思い出した。紙を丸めてボールにして、箒をバットに野球していた。しかもレポーターは(名前、忘れちった。)イーグルスファンなので、えらくガッカリしていた。

 まあ、この辺は良し悪しだと思う。ペイトリオッツのそういう進学塾みたいな雰囲気を嫌う選手も多いであろう。実際、アメンドーラはそういう雰囲気を批判していたらしいし、グロンコウスキーのペイトリオッツ離脱も、それが理由の一つであったと思う。まあ、もともと、スポーツマンなんていうのは進学塾が大嫌いな野郎ばっかりだろうしね。

 で、いよいよ今スーパーボウル最大の課題であるブレイディ問題であるが、これでスーパーボウル10回出場うち7回制覇。いや、もう完全に結論出たでしょう。私もかつてはブレイディvsマニング論争で、反ブレイディで論陣を張ったものであるが、いやもう完全に結論出たよ。シャッポ脱がざる得ないよ。チームを勝たせるという事がQBの唯一にして絶対的な責務であるとするならば、つか責務であるけれど、ブレイディが史上最高のQBだよ。言っちゃった。もう文句の付けようがないよ。

 だいたい、NFLで10シーズン先発QBを務めた事のある人間だって、全米、つか、すなわち全世界で現存するのは50人くらいしかいないと思うけど(数はテキトー)、10回スーパーボウル出場って。んで7回優勝。もっとも、優勝確率は7割なので、特別高い訳では無いけれど、単純勝率5割よりは高い。

 もうグウの音も出ないよ。あんたが大将。今後どうなるかはともかく、現時点では間違いなく史上最高のQBだよ。マニングどころかモンタナも凌駕したよ。モンタナもチーフス(!!!)の時はAFC決勝で散った訳だし。
 そういえば、当時のチーフスのヘッドコーチ、ショッテンハイマー翁が、過日(2021年2月8日)冥途に旅立たれました。ご冥福をお祈りいたします。しかも、そのモンタナのチーフス・デビューはバッカニアーズ戦だったりする。歴史は絡むね~。

 話をブレイディに戻すが、勿論エイリアンズ&バッカニアーズも戦力的には充実している。ブレイディの力だけで優勝した訳ではあるまい。ただし、数年前のカージナルスと比べて、今のバッカニアーズと何が違うのかといったら、ほとんど違いはあるまい。年齢を考慮すれば、むしろ当時のカージナルスの方が力は上かもしれない。でも、カージナルスはNFC決勝止まり。バッカニアーズは優勝。カーソン・パーマーには大変申し訳ないけれど、それはやっぱりQBの差であると結論付けざるを得ない。

 ブレイディ、あんたが大将だよ。

 でも、199位かあ。この年の全体1位はコートニー・ブラウン。QBのファーストピックは全体18位でチャド・ぺニントン。ペイトリオッツのファーストピックは全体46位でエイドリアン・クラム。ちなみに、コルツのファーストピックは全体28位でロブ・モリス。
 ペイトリオッツ自身も含めて、延べ198回スルーしたって事だよなあ。この史上最高のクォーターバックを獲得するチャンスを198回もスルーしたのか。恐いなあ、ドラフトって。サム・ブーイを指名したブレイザーズの愚なんて比較にならんよ。

 と、マイケル・ジョーダンの名が出たところで、現地の放送でも触れられていたけれど、所謂G・O・A・T論争について私見を述べてみたい。

 このアメリカ人、つか昨今のアメリカのメディアの大好きな所謂G・O・A・T論争であるが、はっきり云って、不毛な論争なので、参戦する気はさらさらないのであるが、行きがかり上、参戦する。

 一般的に「G・O・A・T」というと、この3人、すなわちマイケル・ジョーダン、ベイブ・ルース、モハメド・アリの3人になるであろうが、はっきり云って、この3人とレブロンやブレイディを比較すること自体がナンセンスなのである。なぜなら、この3者は、それぞれの競技のベストプレイヤーだから、「G・O・A・T」と称されている訳では無いからである。したがって、この3者に対し、優勝回数とか得点記録とかで比較しても意味が無い。

 まあ、もっとも、マイケル・ジョーダンがバスケットボールのベストプレイヤーである事は論を俟たない。とはいえ、数字的にはチェンバレンやジャバ―、コービー、レブロンなども比較対象になり得るであろう。でも、そんな数字上の比較などはジョーダンのプレイを一発見れば、すべて吹っ飛んでしまう。それの分からない人は、はっきり云って、スポーツを見る資格、意味がないと思う。映画やプロレスでも見ていた方が良かろう。

 また、ベイブ・ルースが史上最高のベースボール・プレイヤーかと問われれば、私には異論はある。普通に考えれば、ウィリー・メイズであろうし、ケン・グリフィーJr.あたりにもその資格はあるだろうし、薬の件が無ければバリー・ボンズにもその資格はあったろう。また、単純にホームラン数だけならハンク・アーロンという事になる。

 また、モハメド・アリが史上最高のボクサー、あるいはヘビー級ボクサーかと問われれば、これは大いに意見が分かれるところであろう。私は、ボクシングには不明なので、意見を言う資格は無いのであるが、ロッキー・マルシアノとかジョージ・フォアマンとかマイク・タイソンといった名前が挙がっても不思議ではあるまい。

 では、何故、この3者、マイケル・ジョーダン、ベイブ・ルース、モハメド・アリが「G・O・A・T」、あるいは「G・O・A・T候補者」であるかといえば、それは彼等が、「その優れたスポーツの技量を基礎に、何らかの社会的仕事を為した。」からである。

 まず、マイケル・ジョーダンが何故に「G・O・A・T」がというと、それは申す迄もなく、世界中全ての人、といったら大袈裟かもしれないが、世界中の津々浦々で、靴を売った、人類史上唯一の人間だからである。

 同じく、ベイブ・ルースは、プロスポーツマンが社会的価値を有する事を証明した、人類史上初めての人間だからである。ルース以前にも、職業的にスポーツをしている人たちはいたであろうが、彼等に社会的価値は無かった。社会的には虫ケラ同然だった。乞食芸人のようなものだった。あるいは、最近だったら、ユーチューバーみたいなものかな。大金は得ているけれども、法的には無職みたいな。そうした空気の中、初めて社会の認めたプロスポーツマンがベーブ・ルースだったのである。

 モハメド・アリは、プロスポーツマンの言動が社会的意味を有する事を証明した、人類史上初めて、そうして現時点では唯一の人間だからである。

 ここで大事なのは「その優れたスポーツの技量を基礎に、」という点である。

 マイケル・ジョーダンが世界中に靴を売ったといっても、世界中の靴屋さんに営業して、頭を下げて、靴を売った訳では無論ない。そのダンク一発で売ってしまった訳である。

 ベイブ・ルースは「俺は大統領よりも良い仕事をしている」と嘘ぶいたけれども、政治的会合にこまめに出席し、発言し、根回しをしていた訳では決して無い(いや、してたのかもしれんけど、)。ルースは、そのホームラン一発で、アメリカ人を、大統領の施す政治以上に幸せにしたのである。

 モハメド・アリは、現役世界チャンピオン、それも無敗の時に、兵役拒否をして、キャリアの全盛期すべてを失った。これも、ただの黒人プロボクサーが、兵役拒否をしたところで、何ら社会的意味は有さないであろう。世界チャンピオンのベルトを捨てたからこそ、史上最高のボクサーになる可能性を秘めたキャリアを捨てたからこそ、アリの政治的言動は意味を持ったのである。

 ここで比較対象になるのは、ジャッキー・ロビンソンである。ロビンソンも、社会的仕事をしたプロスポーツマンであるけれども、ロビンソンのその仕事は「その優れたスポーツの技量を基礎に、」はしてはいない。ロビンソンの社会的功績とそのスポーツマンとしての成績は全く別物であろう。

 実際、私はジャッキー・ロビンソンが、どんな野球選手だったのかは全然知らない。右打ちなのか左打ちなのか、ホームランバッターなのかアベレージヒッターなのか、ポジションはどこなのか、タイトル争いに名を連ねるような選手なのか、全然知らない。そういうスポーツマンとしての技量とは別のところに彼の功績はあるからである。したがって、「G・O・A・T」資格者にはならない。

 ジョーダン、ルース、アリの3者が、ジョーダンは現時点ではともかくとして、スポーツマンの枠を超えた「歴史上の人物」扱いなのは、「その優れたスポーツの技量を基礎に、何らかの社会的仕事を為した。」事が、その理由なのである。だからこそ、グレイテスト、偉大なのである。

 20世紀というのは、人類史上初めて、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞等々マスメディアを基調とした大衆文化の時代であったけれども、その象徴として、ビートルズ、ブルース・リー等々と並んで、ジョーダンやルース、アリは記憶されているのである。日本だと、長嶋茂雄だけが、プロスポーツマンでは、その唯一の資格者であろう。

 長嶋茂雄の「その優れたスポーツの技量を基礎に、何らかの社会的仕事を為した。」は、勿論、天覧試合でのサヨナラホームランである。10数年前戦争をしたアメリカのスポーツを、国技相撲の大好きな天皇陛下が御覧になり、それがサヨナラホームランという形で終わった。当時の人々は、意識的無意識的に「太平洋戦争の終わり」を感じ取ったであろう。その立役者が、他ならぬ長嶋茂雄だったのである。

 私が子供の頃は、この天覧試合のサヨナラホームランはよくテレビで放映されていた。しかし、平成以降は、ほどんど見た事が無い。太平洋戦争を体験した人でなければ、このゲームの真意は捉えにくいのであろう。

 さて、レブロンやブレイディについて考えてみた場合、確かにスポーツマンとしての技量や成績では、彼等に比肩、あるいは凌駕しているかもしれないけれど、社会的仕事は何一つしていない。皆無である。レブロンは多くの企業と様々な契約を結んでいるけれど、実際は、ジョーダンの如くには、Tシャツ一枚売ってはいない。ジョーダンのように売った事は無い。

 また、昨年、「ブラック・ライヴズ・マター」で多くのプロスポーツマンが政治的言動をしたけれども、アリのようにキャリアを捨てたものは、私の知る限り、一人もいない。せいぜい出場拒否レベルである。引退すらない。ましてや、白人の主宰するスポーツ・オーガニゼーションから得た報酬や栄誉を捨てた者など、同じく私の知る限り、一人もいない。金メダルを捨てた者はいない。

 したがって、私はレブロンやブレイディのG・O・A・T論争はまったく以って無意味不毛だと思うのである。

 ここらで話をスーパーボウルに戻す。

 このスーパーボウルで私が一番驚いたのは、バッカニアーズのサイドラインにトム・ムーアがいたって事である。私は確認していないけど、森さんが指摘してた。あの爺さん、まだ、やってたんかい。コルツ引退の時に、既に高齢を理由にしていたと思うが、いくつだよ。って、調べたら御年82歳。故ショッテンハイマー翁より5歳も年上。それもう、老人虐待だろ。エイリアンズを罰っしろっつの。しかも、バッカニアーズの公式ページにトム・ムーアの遺影、おっと失礼、写真ねーし。

 あと、もうひとつ驚いたって訳でもないが、コルツファン的に注目したのは、ジョー・ハーグ。ここにいたのね。エンドゾーンで落球して、ブレイディに睨まれてた。あいつ殺されるな、経済ヤクザに。南無~。

 あと、エイリアンズ、優勝おめでとう。人生の最終コーナーでチャンピオンリングを指にするのも悪くない気分だと思う。トムリンみたいに人生の中盤であっさり勝ってしまうより、はるかに味が濃い。惜しむらくは、コルツでラックと。いや、それは言うまい。

 と、最後に3つ、コルツネタを無理矢理ぶっこんでスーパーボウル・レビューを終わりにしたい。今シーズンも、皆様ご清聴ありがとうございました。謹んで、御礼申し上げます。って、いやまだ、俺オールプロが残ってるわ~~~。

                    2021/2/14(日)おっさんのバレンタインデー。
2021年
3月
俺オールプロ’20  毎年恒例「俺オールプロ」。ここ数年は観戦がコルツ戦中心なので、コルツのプレイヤーに偏るのは堪忍してネ。


 【オフェンス】

 QB:トム・ブレイディ(TB) この15年間拒みに拒み続けてきたが、遂に陥落。
 RB:ニック・チャッブ(CLE) タイプなんで、ポッ。
    ジョナサン・テイラー(IND) 選ばんでか。
 WR:デアンドレ・ホプキンス(ARI) 失って、初めて分かるものがある。その1。
    ジャスティン・ジェファソン(MIN) 選ばんでか。
 TE:ジェイソン・ウィッテン(LV) 今度こそ、ホントに引退するんだろうな。
 OT:エリック・フィッシャー(KC) 失って、初めて分かるものがある。その2。
    ミチェル・シュヲルツ(KC) 失って、初めて分かるものがある。その3。
 OG:クェントン・ネルソン(IND) 永遠に選ばれると思う。
    アリ・マーペット(TB) ザ・叩き上げ。
 C:ライアン・ケリー(IND) 「ゲタを履かせた感」アリアリだが、期待値込みという事で。


 【ディフェンス】

 エッジラッシャー:ワット兄弟(PIT&HOU) 兄弟合わせて、20サックという事で。
 DT:デフォレスト・バックナー(IND) 選ばんでか。
    アーロン・ドナルド(LAR) もはや、アーロンと云えばコッチか。
 LB:ダリアス・レオナルド(IND) 永遠に選ばれると思う。
    ダヴォンテ・デービット(TB) 最強LBデュオ。
    デヴィン・ホワイト(TB) 最強LBデュオ。
 CB:ジェイレン・ラムジー(LAR) 結局、ホプキンスと同地区。無限ライバリー。
    ケニー・ムーアⅡ(IND) 今季リーグ最高のプレイ。
 S:ジョーダン・ホワイトヘッド(TB) 石頭。  
   ブッダ・ベイカー(ARI) メトカーフに追いつかれた男。


 【スペシャルチーマー】

 K:ジャスティン・タッカー(BAL) このへんのポジションまで、こういう選手がいるのがレイブンズ。
 P:トミー・タウンゼント(KC) ロン毛。
 LS:マット・オバートン(TEN) 就活の天才&無類の南ちゃん好き。
 リターナー:DK・メトカーフ(SEA) あれこそ、真の「リターン」でしょう。


 【各賞】

 MVP:ジョナサン・テイラー(IND)&ジャスティン・ジェファソン(MIN)
 新人王:ジョナサン・テイラー(IND)&ジャスティン・ジェファソン(MIN)
 コーチ・オブ・ザ・イヤー:ブライアン・フロールズ(MIA)
 残念賞:ツア・タゴヴァイロア(MIA)
 100ヤード走:DK・メトカーフ(SEA)
 カンバック・オブ・ザ・イヤー(予約):カーソン・ウェンツ(IND)


 こんな感じかな。ここ数年は、OLはチーム単位で選んできたけれど、今季はチーム単位で。ネルソンとマーペットのエリート&雑草のガードコンビはいい味だしてっしょ。
 でも、アリ・マーペット。ディビジョンⅢからスーパーボウル、しかもライトガード。まさしく、教科書的なアメリカンドリーム。

 MVPと新人王は、どっちをどっちにしようか、さんざん悩んだあげく、両賞両者受賞という前代未聞のオチ。 
 残念賞というのは、褒めてんだか貶してんだか、よく分からんが、タゴヴァイロアに、そんな感じを抱くのは私だけか。「残念賞」っぽくね。

 それじゃあ、2020シーズン、アディオ~ス。

                               2021/3/8(月)金欠。

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