インディアナポリス研究会コルツ部

歴史

2018シーズン

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1/2/3/4/5/6/7/8/9/10

Week10 11月12日
TNF
IND@TEN
34−17
 NFL史上最高かはともかく、どう贔屓目に見ても、史上トップ5のコーチとしての評価は確定しているビル・ベリチックであるが、その輝かしいキャリア唯一の瑕疵は、ブラウンズ時代、ではなくて、そのコーチングツリーのしょっぱさである。ピオーリに始まり、ってピオーリはコーチじゃないけど、最近のマット・パトリシアあたりまで、軒並み失敗。惨憺たる有様である。唯一の成功例は、これはコーチングツリーに入れるべきか微妙なところではあるが、ニック・セイバンぐらいであろう。でも、カレッジだし。あとまあ、最新のブライアン・フロアズやジョー・ジャッジは、まだ評価未定って事で。

 ことこの点に関する限り、華やかなコーチングツリーを誇るビル・ウォルシュやビル・パーセルズ(って、全員ビルかい。)の後塵を拝するどころか、足元にも及ばない。ウォルシュやパーセルズのコーチングツリーが樹齢3000年の大杉とするならば、ベリチックのそれは風に揺らめくススキである。
 パガーノの後任として、就任確定的であったジョシュ・マクダニエルが、そのままコルツのコーチだったらと想像するのは、コルツファン的には良い夢だったか悪い夢だったか。

 しかし、ベリチックのしょっぱいコーチングツリーの唯一の例外といってよいのが、先のセイバンを除くと、このタイタンズのヘッドコーチ、マイク・ヴラベルであろう。まあ、ベリチックの下でのコーチ経験はないけど。当時のペイトリオッツ関係者って事で。

 そのテネシー・タイタンズとのAFC貞升南地区頂上対決であるが、見事34−17のダブルスコアで快勝。AFC貞升南地区首位浮上でありまーす。パチパチパチパチ。

 「おい、お前、第9週のレイブンズ戦完敗のレビューはどうした(怒)。」って声が今聞こえた。いや、基本的に負け試合はレビューしない主義なんで。コルツ連勝主義なんで。いや、ほんとは木曜日ゲームは厳しいんすよ。無理。どっちかは落とさざる得ない。そうしたら、当然負けゲームの方でしょ。こっちだって、本職じゃないんだから。あっしの生活もありますよってからに。

 という訳で、完敗のレイブンズ戦は飛ばして、タイタンズ戦のゲームレビューであるが、34−17で快勝。勝因はディフェンスとスペシャルチーム。って、今季はこればっかだな。

 つう訳で、MVPはディフェンスとスペシャルチームのみんな、特に第3クォーターのパントブロック・リターンタッチダウンが展開的には非常に大きかった訳であるが、オモテの、というか数字上のMVPは、このひとムーンサルト男ネイハイム・ハインズな訳である。ラン70ヤード1TD・レシーブ45ヤード1TDだった訳であるが、正直MVP感はあまりない。無理矢理ヒーローインタビュー的ではある。

 実際、今のコルツのディフェンスとスペシャルチームは最高に近い状態なので、あとはオフェンスだけ、つかレシーバー陣だけなので、ココさえ良くなれば、マジでスーパーボウルだと思う。KCにも十分渡り合える。先週レイブンズに負けてっけどな。

 で、課題のレシーバー陣であるが、この日はピットマンが7レシーブ101ヤードと、ようやっと活躍した。だたまあ、活躍にケチをつける訳では無いが、ハンドやルートランニングはイマイチのように映った。むしろ、ちょっと面白いと思ったのは、第3クォーターでのエンドアラウンドだかリバースだかでのランプレイである。また、RACも良い感じだったし。やはり血統的には、むしろコッチか。RACがあるのなら、非常に面白い存在になると思う。

 あと、レシーバー陣で目を引いたのは、やっぱりコイツ、デマイケル・ハリス。あきらかに特別な動きしとった。ロースター当落線上の選手なので、微妙なところなのだろうけど、積極的に使っていって欲しい。ドラフト外の選手なので、明々白々な欠点があるのかもしれないが、その欠点を隠すような使い方をして欲しい。5−8という身長が嫌気されたのかもしれないが、ウェス・ウェルカーの例もあるし、低身長は何とかなると思う。長所は伸ばすものではなく、活かすものであり、短所は直すものではなく、隠すものである。ライクに期待したい。今シーズンは、今のところ、ターゲット8のレシーブ8、パーフェクトだ。

 と、このような書き方をすると、「私は練習して、時速130キロのボールを打てるようになった。」とか「私は練習して、カーブを投げられるようになった。」とか、「長所を伸ばし、短所を直す。」ような事例が多々報告されるかもしれないが、それはあくまで素人や初心者に限っての事だと思う。上級者やプロ、とりわけNFLのようなトッププロでは、大きな技術的改善は、なかなかに難しい。

 屁理屈になるかもしれないが、今挙げたような事例「私は練習して、時速130キロのボールを打てるようになった。」とか「私は練習して、カーブを投げられるようになった。」は、より正確に表現すると、「もともと時速130キロのボールを打てるだけの能力を持っていて、練習の結果、打てるようになった。」であり、「カーブを投げられる肉体的条件は元々備わっていて、そこでカーブを投げ方を教わって、投げられるようになった。」である。変な言い方になるが、カーブという球種を知らなかったら、いつまでたってもカーブは投げられない。カーブという変化球を自分で開発するか、コーチから学んで、それから習得できる。

 もしも、練習や教育であらゆる技術を習得できるというのなら、全ての人間が王貞治やマイケル・ジョーダンになれてしまうであろう。しかし、現実はほとんどの全ての人間が王やマイケルにはなれない。
 練習の結果、時速130キロのボールを打てるようになり、同じく練習して時速140キロのボールが打てるようになったから、同じく練習して、時速150キロや時速160キロが打てるようになるかといったら、そうはならない。いつか、頭打ちになる。王やマイケル以外の多くの人間は。

 では、なぜ頭打ちになるかというと、それがすなわち肉体的限界である。体格、筋力、頭脳等々、必ず限界がくる。人間は自分の肉体の中で生きているからだ。そこから先は、せいぜい技術的マイナーチェンジ、工夫ぐらいである。抜本的な進歩や改善は無い。ピッチャーやゴルファーだと、技術的マイナーチェンジや工夫で、大きく成績が飛躍する事もあるけれど、それ以外のスポーツではなかなか難しいと思う。

 勿論、例外はある。それは子供である。子供は肉体、体格、筋力、頭脳等々がそれこそ刻一刻と成長していくので、技術もそれに伴って日進月歩する。所謂、「一晩寝たら、強くなる。」である。朝起きたら、突然逆上がりが出来るようになる。それが子供である。
 「ドラゴンボール」等々の少年マンガの主人公が、どんどん強くなっていくのを大人は「強さのインフレ」とか言って、訝るが、子供はそれを自然に受け入れる。何故なら、自分がどんどん強くなっていくからである。それは不自然な事ではなく、リアリティがある。

 それ故、子供に対して、何かがちょっと出来ないからといって、頭ごなしに否定するのは危険な事である。肉体の成長に伴って、出来るようになる事が多いからだ。逆上がりが出来ないからといって、「根性無し」とか「意気地なし」とか責めても、詮無き事である。逆上がりが出来るだけの、背筋や腹筋が発達していないだけだからだ。それは、運動のみならず、知的な事も同様である。可能性の世界、それが子供の世界であり、不可能性の世界、それが大人の世界である。

 少年マンガに「強さのインフレ」を感じるようになる事、それがすなわち「大人になる」という事であろう。その年齢は15歳だったり20歳だったり25歳だったり、個人差はあるだろうが、いずれ必ずやって来る。王やマイケルにも来た。そうして、プロスポーツと云うのは、当然のことながら、大人の世界である。肉体的成長、すなわち技術的成長はほとんど無い世界である。10代のプレイヤーもいるにはいるが、彼等は少数派であるし、いずれ大人になる。

 したがって、プロスポーツの世界では「長所を活かし、短所を隠す。」という考え方が、本人にとっても、コーチにとっても、非常に重要になる。

 閑話休題。あとまあ、ヒルトンが1試合ぶりに出てきたけれど、やっぱ違う。5年前のヒルトンがいまいたらなあ。楽々優勝できるのに。ジンセイガニドアレバ銃があれば。

 その貧弱なレシーバー陣にパスを供給するフィリップ・リバースであるが、このゲームでパッシングヤードが61666ヤードに達し、ダン・マリーノを抜き、全体5位に浮上。コルツファン的には特に感慨は無いのだけれど、全体1位はご存じドリュー・ブリーズ。チャージャーズファン的には感慨深いものがあろう。キャリア通算でトップ5に入るQBを当時のチャージャーズは二人も抱えていたのである。リバースはともかく、ブリーズがここまでの選手になるとは、当時は思いもせんかったなあ。
 
 こうなると分かっていたのなら、全体1位で素直にロバート・ギャラリー、じゃなくてフィッツジェラルドを指名しておけばよかったよね〜。ブリーズ、トムリンソン、フィッツでサンディ・トリプレッツだったよね〜。そこにゲイツが加わる訳だし。最強オフェンス陣が構築されていたと思う。いやマジで、スゴイ顔ぶれ。マニング・コルツどころか、マイク・マーツのラムズ以上だったかも。

 チャージャーズ話というか、コルツ話はこれくらいにして、タイタンズ、つうかデリック・ヘンリー。このゲーム、ヘンリーを103ヤードに抑え込んだのが、ひとつの勝因になった訳であるが、やっぱ、この手のパワータイプのランナーは現今のNFLでは活躍するよね〜。

 ここ10年くらい、ディフェンスのスピード化が着々と進んで、結果、全体的に軽量化した。LBは言うに及ばず、DLもアーロン・ドナルドや我らがバックナーがDTを務める時代である。NGタイプのDT、ネットスラングで謂うところの置き石系のDTは今や絶滅種である。パワータイプのランナーの活躍する下地は整えられすぎるくらいに整っている。この潮流はこれから変わるのであろうか。興味深い。

 こんなとこでレビューを終えたいのであるが、最後にひとつだけ。タイタンズのロングスナッパー、マット・オバートンだった。ちょっとビックリ。多分コルツファンのみがビックリしたのであろうが、調査してみると、先週第9週のベアーズ戦からNFL復帰していたみたい。

 コルツ退団後、ジャガーズ入りしていたまでは知っていたが、まだ生き残っていたとは。就活の天才か、オマエは。しかし、ロングスナッパー業界の就職活動って、どうなってんだ。「LSデューダ」的な雑誌でもあるんか。それとも、首から段ボールをぶら下げた成果か。相変わらず闇が深い、ロングスナッパー業界。

 で、来週はグリーンベイ戦。仕方ない、私のスタンド能力で時間を飛ばすか。不快な時間は要らんしな。

                                 2020/11/18(水)
Week11 11月22日
GB@IND
31−34(OT)
 どうせ不快な時間になると思って、飛ばしていた時間であるが、まさかの勝利で、慌てて友達のスタンド能力で時間を戻した。

 もっとも、不快を予想していた時間が快適になったかというと、そうでもなくて、モメンタムが二転三転、両チームのファンにとって、所謂「胃の痛くなるゲーム」「心臓に悪い試合」なのであった。結果はコルツの勝ち。エガッタ、エガッタ。

 そのモメンタムが二転三転するゲームを決したのは、やはりこの男「勝利を決定づける男」ジュリアン・ブラックモン様なのであった。オーバータイムで値千金のファンブルフォース。ゲームを決したのであった。

 オーバータイムでの一番楽な勝ち方は、おそらくキックオフリターン・タッチダウンであろうが、2番目が、このコイントスで守備側になり、敵陣深くでターンオーバーを奪って、FG勝ちである。今回コルツは、この2番目の方式を採用した。あと、バックナーもナイスリカバー。あっ、キックオフのファンブルリカバー・タッチダウンの方が簡単か。今回のコルツのパターンは3番目の方式に訂正。

 いやでも、ブラックモン様のこういう派手な活躍を目の当たりにしていると、完全に手放せなくなるのお。おんなじような活躍がフッカーにも出来るかと問われれば、それは出来ると思う。でも、出来ない。だって、怪我しているから。「フッカー、誰それ。タイタンズの選手?」みたいな。いやしかし、これで、フッカーが来季タイタンズ入りして、私の悲願であるダブル・フッカーがテネシーで実現したら、イヤだなあ。

 で、表のMVPがブラックモン様なら、真のMVPはやっぱりこの人たちディフェンス&スペシャルチーマーの面々なのであった。今季、何回、この言葉コピー&ペーストしてんだか。でも、事実なのだから仕方がなーい。

 ディフェンスへの称賛は書き飽きたので、今回はスペシャルチーマーについて。

 15年間、NFLを見てきて、今更こんな事を言うのも野暮であるが、やっぱり大事だね、スペシャルチーマーって。改めて考えてみれば、ディフェンス・スペシャルチーム・オフェンス・スペシャルチームっていう順で出番が回ってくるので、出場時間はともかく、出場回数はディフェンス、オフェンスのそれぞれ2倍である。一般的なイメージより、案外出場機会は多い。そうして、リターンにせよ、ターンオーバーにせよ、ワンプレイの価値が高い。得失点や勝敗に直結する。

 「優秀なコーチほど、スペシャルチームを重視する。」って、何かで読んだような記憶があるけれど、コルツファンを15年間やっていて、今季初めてそれを実感した。マニング時代のスペシャルチームなんて、なんか金魚のフンみたいなもんだったもんなあ。ノーパントゲームとまではいかないものの、準ノーパントゲームが多かったし。オフェンス型のチームはともかく、ディフェンス型のチームにとって、スペシャルチームはホント重要。

 今季のコルツの文字ライブとか見ていても、スピードやオドム、グラスゴーの名はよく見るし。なんつーか、スペシャルチーマーつうと、「控えの集まり」みたいなイメージであるが、今季のコルツを見ていると、契約面でも重用したいと思う。スペシャルチーマーはスペシャルチーマーで立派なレギュラーだよね。「スペシャルチームに専念したいので、ディフェンスの練習には参加しません。」みたいな。

 そのスペシャルチームの主役の一人、リゴベルト・サンチェスであるが、この日もナイスパントを連発。つうかナイスパントを通常運転。
 あと、これは今回初めて気が付いたのであるが、この人キックオフもコントロールしているよね。状況に応じて、高さや距離、落とす場所、ボールの回転を明らかに変えている。ビナティエリ退団後も、何故にサンチェスにキックオフを蹴らしているのかと疑問だったけど、そういう事だったのね。ついにキックオフもコントロールする時代か。フットボールはどんどん進歩している。

 コルツの隠れた武器である。

 相方のローズやブランケンシップについては、また別の機会に。

 ディフェンスについては、今更褒めるまでも無いので、割愛するが、ひとつバックナー様について。この日も勝利を決定づけるリカバーを決めた訳であるが、それはともかくとして、やっぱ重要だね、カバー2のUTって。

 こちらは、スペシャルチームと違って、10年前くらいからはっきり認識していたのであるが、カバー2の肝だよね、UTって。今季のコルツを、ここまで見てきて、それをはっきり実感した。今のコルツでいなくなって困る選手、何が何でもキープしなければいけない選手は、はっきりデフォレスト・バックナー様である。縁起でもないけど、バックナー様を失ったら、ディフェンス力、つうかチーム力全体が半減すると思う。年間3勝ぐらいは失うであろう。つまり、シーズン3勝分の価値のある選手という事になる。

 ダンジー時代は、ここに人材を欠いて難儀してきたからなあ〜。感慨もひとしお。別に、ポリアンやダンジーを責めるつもりはない。そもそも、カバー2のUTは希少種なのである。当時のNFLにはいなかったんじゃないかな〜、調べてはいないけど。現在のNFLでも、それをこなせるのは、私の知る限り、バックナーとアーロン・ドナルドぐらいである。かろうじてJ.J.ワットか。タンパ2の成功は、勿論サップ抜きには考えられまい。

 とか書いてたら、バックナーがコロナリスト入りの一報。今季最大のピーーンチ。せめて、オーツリーは帰ってきて。お願い。つか、DL全員感染してんじゃねーだろーな。

 で、その優秀なディフェンスとスペシャルチームの足を毎度引っ張る、と言っては言い過ぎかもしれないが、オフェンス陣は、このゲームもやっぱり微妙な出来。

 永遠の課題のレシーバー陣はベストがピットマンの3回・66ヤード・1タッチダウン。なんつーか、なかなかベストが10レシーブを超えん。たしか、ヒルトンがどっかのゲームで1度超えただけだと思う。10人のレシーバーに平等に3レシーブづつみたいなスタッツが異常に多い。RB陣の使い回しっぷりも含めて、機会均等オフェンスかっつの。バックアップQBだったライクの志向か。性癖か。まあ、別にいいけどさ、勝てば。

 で、期待のルーキー、ピットマン君であるが、この日は上手くRACを決めて、キャリア初タッチダウン。えがった、えがった。記念のボールはお父さんにあげて下さい。

 でも、このピットマン、あきらかにRACがある。ドラフト時のスカウティングレポートで、「体格寄り」みたいな事を私は書いたけれども、体格はともかくとして、その走りは明らかに強い。最近流行りの言葉で云うと、「体幹が強い」である。
 そして、なによりルート取りが上手い。明らかにデイライト能力がある。ハインズなんかは見習ってほしいぐらいである。
 
 このへんは、子供の頃から父親のゲームを見てきて自然に身に付けたのか、それともあからさまに父親から指導を受けているのかは知らんが、ピットマンのはっきり武器だと思う。活かしてもらいたい。

 でも、ゲーム最終盤では、コルツ反則地獄の発端を切るホールディングを取られる。このゲームに限らず、ピットマンはホールディングが多いのだけれど、これはもしかしたら、これはあくまで仮説だけれども、上記のRACの上手さ、デイライト能力を考え合わせると、ダウンフィールド・ブロックが上手いのかもしれん。かもしれん。で、その上手いダウンフィールド・ブロックがギリギリのところでファールを取られているのかもしれん。かもしれん。効果的なブロックを知っているのかもしれん。かもしれん。

 ダウンフィールド・ブロックというのは、テレビ観戦だけだとなかなか分かりにくい技術なので断定はできかねるが、上記の状況証拠から推理すると、「ピットマン、ダウンフィールド・ブロック名手説」も成立すると思う。単に下手なだけかもしれんが。

 でも、ピットマンがダウンフィールド・ブロックの名手のだとすると、ジョナサン・テイラーと合わせて、コルツの強力な武器になると思う。

 で、わたくし期待のデマイケル・ハリスであるが、この日はエンドアラウンドを一発決めてた。
 ただ、現状、なんかエンドアラウンド要員でしかないみたいなので、もっと積極的に使っていって欲しいと思う。ウェス・ウェルカー張りのクイックスラントも面白そうだし、単純にディープに走らせても面白いと思う。

 今から、プレイブックを改めるのも難しいと思うので、来季は、このダブル・マイケルを活用するプレイブックを是非とも作って欲しい。そうすれば、パスカルのシェアハンドも活きてくるだろうし。

 あっ、そうだ、ヒルトン忘れてた。ヒルトンは、もう半分コーチって事で。晩年のウェインみたいに、色々コーチして欲しい。技術は豊富なんだし。でも、ウェイン軍曹と違って、軍人色が無いんだよなあ、ヒルトンは。どっちつうと、ラッパー系だし。永遠のBボーイ。

 あと、この日もドイルとバートンの二人が仲良く1タッチダウンづつ決めてた。って、キャラが被っとるんじゃー。見分けがつかん。体格的にはドイルの方が一回り大きくて、プレイの幅はバートンの方が多彩なのだけれど、雰囲気がクリソツだわ。動きが似てるわ。区別がつかん。どっちが80番でどっちが84番だか分からなくなる。どちらかにショッカー行きを命ずる。そうして、改造されてこい。

 こんなとこかな。パッカーズについても一言二言。

 パッカーズをインディアナポリスに迎えるのは、多分8年振りだと思うが、あれは確かラックの初逆転劇のゲーム。そのラックももういない。涙。

 と、そんな感傷はともかく、久方振りのパッカーズ戦なのであるが、なんつーか、誰も知らん。知っているのは、ロジャースとクロスビーぐらい。8年前と比べるはともかく、数年前と比べても、大きく陣容は変わっていると思う。NFCなので、あんまり馴染みがないし、最近はNFL観戦もサボリ気味だったので致し方ない面もあるが、同じNFCでもシーホークスやカージナルスだと、「おっ、お前まだやってたんだ。」みたいな選手も散見するのであるが、パッカーズでは上記二者以外皆無。

 まあ、それだけ、キャップコントロールに苦しんできたって事だよね。いつの間にかヘッドコーチも変わっているし。チームサイド的にもロジャース放出のタイミングを計っている頃かな。
 パッカーズファンとロジャースファン双方に冷たい言い方の様にも聞こえるかもしれないが、それがベストの選択だと思う。ロジャースがもうひとつチャンピオンリングを獲るなら、それが一番の近道だと思う。なんだかんだ言って、出場も一度きりだしね。

 って、来季ジャガーズ入りしてたら、キレるけどな。移籍してもいいけど、NFCに行ってね。ファーブ・パターンでミネソタもいいよね〜、カズンズ追い出して。はっ、そうだ、コルツ入りだ。リバースは一年契約だし、イケる。今のコルツのディフェンスとスペシャルチームにロジャースを加えたら、楽々優勝じゃあ〜。そこまでして、勝ちたいんか。勝ちたいんです。板東英二級に勝ちたいんです。

 で、最後は年末恒例の星勘定。

 「BAL、GB、PITのどこかでひとつは勝ちたい。」と私は書いたけれども、このGB戦で上手く勝ちを拾えた。で、今7勝3敗。10勝のスチーラーズと9勝のチーフスはさすがに決まりであろうが、7勝6勝チームはうじゃうじゃ、4勝のブロンコスとペイトリオッツも展開次第ではプレイオフはまだあり得ると思う。

 という訳で、最低でも9勝、理想的には11勝はしたい。さすがに11勝すれば、プレイオフは確定だろうし、9勝でも、展開次第では可能性があると思う。

 で、残り6戦であるが、TEN、HOU、LV、HOU、PIT、JAX。
 先週対戦したテネシーと1週挟んで来週。その後、ヒューストンと、同じく1週挟んでの準連戦と、双子の素数のような並びになっとる。開幕戦と最終戦にスケジューリングされたジャクソンビル戦も加えて、何か数学的な意図でもあるのかと勘繰りたくなるが、それはともかく、来週はテネシー戦である。

 ここまで7勝3敗で南夕子地区同率首位であるが、先週はコルツが勝利しているので、来週も勝利すると、直接対決2戦2勝。これはデカい。タイタンズの残りゲームのスケジュール強度はコルツと似たような感じなので、直接対決2戦2勝は大きい。ここで、コルツが勝てば、地区優勝に大きく前進であろうし、負ければカオス逆戻りである。

 したがって、タイタンズは「マスト・ウィン」ゲームであろうが、コルツは「キャン・ウィン」あるいは「メイ・ウィン」ぐらいかな。でも、勝ちたい。いや、勝つ。いや、バックナー抜きでは厳しいか。敗戦覚悟。

 で、残りの同地区3ゲームであるが、この2チームはさすがに死に体、特にジャガーズは残り試合きっちり負けて、トレバー・ローレンスに一歩でも近づきたいところであろう。コルツ的には、きっちり3戦3勝したいところであるが、同地区なので油断は出来ない。何があっても、おかしくない。

 で、残り2つのうち、まずはピッツバーグ戦であるが、普通に考えれば、完敗ゲームであろうが、コルツ的には上手い具合に第16週にスケジューリングされている。上手く展開すれば、スティーラーズ的には何もかも決まっていて、純粋な消化ゲームになっている可能性もある。そうすれば、勝ちを譲ってくれるかも。甘い期待。でも、そういう試合で鬼になるのが、スチーラーズなんだよなあ。まあ、いやらしい。

 残りひとつが、レイダース戦なのであるが、分からん。何もかもが分からん。このチームは強いんだか弱いんだか、何もかもが分からん。巨大な謎。あっさり勝たせてくれそうな気もするし、惨敗もある。

 つう訳で、残り6戦であるが、4勝ぐらいしてもおかしくはないであろうが、2勝に終わる可能性もなくはない。さすがに全敗は無いと思うので、最終戦まで楽しめますなあ〜。
 でも、今となっては、開幕戦の一敗はコルツ的にも邪魔だし、この一勝はジャガーズ的にも邪魔であろう。この一敗のためにコルツがプレイオフを、この一勝のためにジャガーズがトレバー・ローレンスを逃したら、両チームともに泣くに泣けない。

 やっぱ、この時期の星勘定は楽しいよね〜。去年は出来なかったし。トホホ。

                                 2020/11/26(木)
Week12 11月29日
TEN@IND
45−26
 バックナー様にオーツリー、ジョナサン・テイラーをコロナで欠き、オコリーキとライアン・ケリーを、通常つったらおかしいが、通常のケガで欠き、試合途中にカスタンゾを失い、飛車角落ちとまでは云わないが、飛車金落ちぐらいの状態で戦ったタイタンズ戦は、予想通り、つうか確率そのまま、あっさり敗戦しました。ショボン。

 タイタンズが油断するか、レシーバー陣が奇跡の大爆発をするか、はたまたターンオーバー祭りでもなければ、勝てないと思っていたので、そんなショックは無い。いや、ショックだよ。

 つか、なんだよ、コロナリストって。NFLっていうのは、ある意味、ケガとの戦いなので、そのへんは諦めが付くけれど、通常のケガと違って、コロナの場合、当の本人はピンピンしているので、なんか釈然としない。
 デンバーなんか、QB全員がコロナリスト入りで、PSのWRが、学生時代に経験があるとかで、スターターQB。

 でも、有り得るよね、ってか、有り得た訳だけど、特定のポジションに罹患者が集中するって。QBなんか、特に、QBミーティングとかで、狭い部屋に缶詰めになる機会も多い訳だし。
 おんなじような事がスーパーボウルで起こったら、どうするのかな。ドッチラケだろうねえ〜。知らん選手ばっかのスーパーボウルじゃあ。MADDENでの代替開催か。スーパーボウルの場合は、普通に考えれば、順延か。

 スーパーボウルといえば、今季はコロナの影響で、入場者を1万人だか5千人だかに制限して開催されているが、あれはスーパーボウルでも同じなのかな。5千人でスーパーボウルだったら、その5千人は最高の贅沢だよねえ。でも、その分チケット代はアップするのか。そうして、選手は二軍。

 さて、肝心の試合内容であるが、まあ、なんつーか、コルツファン的には、既視感アリアリのゲームであった。オフガード割られて、シームにパスを通されまくるという、まさに「カバー2あるある」の典型的なゲーム。懐かしくって、涙が出たわ。

 つか、バックナー様は飛車じゃねーよ。王だよ、玉だよ、キングだよ。「王落ち将棋」みたいなもんだったよ。いやまあ、「王落ち将棋」だったら、絶対負けないけどさ。

 そんな戯言はともかくとして、この結果に、当のバックナー様はともかく、バックナーの代理人は大喜びだろうね〜。私が代理人だったら、アーセイに温泉旅行をせびっちゃう。「熱海いきましょ〜よ。箱根もいいなあ。芸者呼んでさあ。いいことしちゃいましょうよ。あなたのおごりで。」

 でもまあ、ほんと、今のバックナー様には1巡13位の価値が、間違いなくある。つか、1巡ふたつ分くらいの価値はある。あんま、こういう事は言いたくないが、このゲーム、バックナー様が出場していれば、勝っていたと思う。コロナが憎い。

 そのほか、気になった点はというと、まずはピットマンかなあ。ターゲット9回でレシーブ2回、すなわち2/9。まあ、全部が全部、ピットマンの責任という訳では無いけれど、スタッツ的にはイメージ悪いよねえ〜。捕ってナンボのラン・アフター・キャッチだよ〜。

 次は、ジョーダン・ウィルキンス。もう、さすがに見切り付けてもいいんじゃないかな。この試合に限った事では無いが、底も割れているし、高も知れている。私がGMだったら、今オフ、カットする。
 ハインズは、ハリスとの兼ね合いもあるが、スキャットバック枠という事で、来季も残したいところであるが、第2RBの枠はウィルキンスでは厳しいと思う。テイラーと同等とまでは云わないが、近い力を持った選手は欲しい。2巡下位だったら、RBを指名しても良いかなと思う。

 次はサンチェス。先週、私が褒めたキックオフをブランケンシップが蹴っているので、怪我なのかな、戦術変更なのかな、それとも私への当て付けなのかなと疑心していたら、なんとガン性腫瘍が発覚。試合後の火曜日に腫瘍除去手術をした。

 先に私は、コロナは釈然としないと書いたけれども、さすがにガンは釈然とする。
 
 で、このままコルツを離れちゃうのかな、寂しいなあ、貴重な戦力を失うなあ、と思っていたのだが、ロースターは外れない模様。さすがに、来週のヒューストン戦は、パートタイマー契約のライアン・アレン(元タイタンズで、第10週のコルツ戦で歴史的シャンク&パントブロックを喰らった選手ね。)が蹴るようであるが、サンチェスのリリースは無さそう。

 手術というと、ましてガンの手術となれば、私の子供の頃だと、メスでグイグイ切り裂き、包帯でグルグル巻き、そうして社会復帰不可能みたいなイメージであったが、今はそんな事ないのね。昭和は遠くなりにけり。一日も早い回復を祈っておりまーす。

 あと、これはどーでもよい事であるかもしれないが、ハリスの背番号は12番。ラックの背番号をあっさり。

 あと、背番号といえば、やっぱりセンターは63番がしっくりくるね。懐かしくて、涙が出ちゃった。ケリーに63番への変更を命ずる。

 という訳で、これで7勝4敗。カオスに突入じゃあ〜。12月はカオスが面白いんじゃあ〜。NFLは、スーパーボウルよりも、プレイオフよりも、ドラフトよりも、12月のカオスが最高に面白いんじゃあ〜。しかも、今年は、コロナという最高に不確定な要素があるしなあ〜。何が起こっても不思議じゃないぞお〜。やけくそ。

 でも、とりあえず、来週はコロナリスト入りしていた全員、バックナー様、オーツリー、ジョナサン・テイラーが返ってくるので、まずは一安心。

 とまあ、悲しい負け方のレビューで、テンションも挙がらないので、ここは気分転換として、巨人&原の悪口を書いてみたいと思う。

 と、唐突に全国43人の全巨人ファンを敵に回した訳であるが、まあ要するに先に開催された日本シリーズの結果を嗤おうという訳である。
 ちなみに、その日本シリーズではあるが、私は、第何戦だったかは忘れたが、モイネロが良いピッチングをした数打席しか見ていない。

 なんか、原が、この2年連続スイープ負けをセ・パの実力差のせいにして、その真因をDH制の有る無しにして、セ・リーグにもDH制導入を提唱しているらしい。

 セ・リーグのDH制導入の是非はともかくとして、私なんかが思うのは、パ・セの実力差を是正したいというのなら、パ・リーグのDH制廃止という主張があっても良いと思うのだ。

 というか、それ以上に私が主張したいのは、セ・リーグがDH制を導入するのなら、いっそ「全員DH制」を導入して欲しいと思うのである。
 要するに、ピッチャー以外の全ポジションもDHを有りにしてしまうのである。そうする事で、今まで、「守備はいいけど、バッティングが、」という選手や、逆に「バッティングはいいけど、守備が、」みたいな選手が俄然使いやすくなる。具体名を出して、大変申し訳ないけれど、この制度が導入されれば、西武の森はバッティングに専念できるし、巨人の小林に躊躇なくマスクを被らせる事もできる。勿論、古田や立浪みたいな選手は、リャンメンで出場すれば良い訳である。

 間違いなく、リーグのレベルは上がる。どうだ、セントラルリーグ、パシフィックリーグどころか、メジャーリーグの先を行ってみたら。

 だがしかーし、DH制導入の賛否やセ・パの実力差はともかくとして、こと日本シリーズに関しては、そんなのは全然関係ない。「7戦中4つ勝てば良い」という規定では、いくらでもゴマカシが効くからである。言葉は悪いが、勝ち逃げしちゃえば良いのである。2年連続4連敗という事はすなわち、原以下ジャイアンツのコーチ陣に日本シリーズを戦うための戦略・戦術を作る能力が全く無いと結論付けて良いと思う。

 先に私は、この日本シリーズはモイネロのシーンしか見ていないと書いたけれども、このシーンを見て、私が思ったのは、「巨人はビデオも持っていないのか。」である。だいたいモイネロなんて、出てくるのは分かっているのだから、いくらでも研究できた筈である。なのに、出てくるバッター、出てくるバッター、みんなカーブに腰砕け。私は首をひねった。

 1983年の日本シリーズで、江川が夢にまで出てきた田淵が第1戦でホームランを打ったのとは雲泥の差である。もっとも、ビデオ研究を怠っていた西本に抑えられちゃうんだけど。

 日本シリーズ4連勝というのは、今まで何回かあったけれども、どっちというと、4連勝した側が不利と予想されていて、有利とされた側が油断もあったのか、あれよあれよで4連敗というパターンが多い。

 その極端な例が、戦前圧倒的有利とされていた大毎があれよあれよで4連敗してしまった1960年の日本シリーズであろう。大洋唯一の武器である秋山をリリーフで用い、全試合1点差で拾うという、まさしく三原マジックの頂点といって良い日本シリーズであったけれども、勿論、原にそんな芸当は出来ない。

 また、1990年の日本シリーズでは、巨人が圧倒的有利とまでは云わないけれども、例の3本柱が絶対的存在であった。シーズン最終盤で、リーグ優勝が決まった後でも、勝ちまくって、プロ野球ニュースで西本幸雄さん(1960年の大毎の監督)が、「巨人は何勝するつもりじゃ。100勝するつもりか。」と半ば本気で怒っていたのを、私ははっきり覚えている。巨人は、油断はともかく、かなり自信を持って、西武に対した筈である。結果は皆さんご存じの通り、「野球観が変わった」、である。

 その後、その日本シリーズについてのテレビ番組で、森監督が、その巨人の絶対的3本柱に対して、「確かに、彼等は素晴らしい。でも、セ・リーグには優れた左バッターがいない。正確に云えば、巨人にしかいない。」と評していたのを、私ははっきり覚えている。結果はデストラーデ大爆発である。勿論、原にそんな発言はない。

 原だって、2002年の日本シリーズに4連勝しているじゃないかという反論もあろうが、あの時は相手の監督が伊原である。日本シリーズ用の戦略・戦術は無い。両チームともに普段着野球で、結果、巨人が4連勝したのである。

 というか、そういう戦略戦術以前の問題として、「前年4連敗した同じ相手に、同じく、そのまま4連敗しちゃうって、どういう事?。」っていうのが、私の率直な感想である。少なくとも、油断は無かった筈である。「石にかじりついても、勝つ。」ぐらいの気持ちで臨んだ筈でもあったろう。それが、この結果。あんまり、この言葉は使いたくないけれども、こういうのを「ゆとり」っていうのじゃないかと思った。

 こんな負け方をしていて、エースの菅野はメジャーに挑戦したいなんて呑気な事言っているし、原も辞任話が出てこないし。こういうのを、「ゆとり」って謂うのではないだろうか。少なくとも、私が監督だったら、こんな屈辱的な負け方をしたら、辞任するしないはともかくとして、進退伺ぐらいはオーナーに提出するであろう。それが、最低限、勝負に生きる者の倫理だと思う。それを、両リーグの力の違いのせいにするって、一体。

 まあ、考えてみれば、原こそが元祖「ゆとり」、オリジナル「ゆとり」だったとも云える(田淵説もあるが、)。全体的にはまずまずな実績を、部分的な失態で台無しにしてしまうというのも、考えてみてば、いかにも原らしい。

                            2020/12/6(日)

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