2011年 Week3 |
9月25日 SNF PIT@IND 23−20 |
コリンズ、てめえはもう引っ込んでろ。家帰って 前回の投稿どおり、私はこの一戦の生放送をHDレコーダーに録画して、見た。見る前の気持ちは、まさしく、前回の投稿にも書いたとおり、もしかしたら勝ってっかなあ、みたいな宝くじの抽選日のような気持ちだった。このゲームのコルツの勝率など、麻雀やパチンコのようなギャンブルの勝率ではなく、宝くじ並みの勝率だと思っていたからだ。0−100は大袈裟にしても、0−50ぐらいのスコアは十分有り得ると思っていた。ロスリスバーガーのオフェンス単独では無理な数字であるけれども、インターセプト・リターンやパントリターンなどで大幅にヤードを稼がれた場合は、十分到達する数字だと思っていた。 結果は20−23。いやあ〜スポーツって分らないものですねえ。負けたけど。試合内容的にも大興奮のゲームで、ゲーム前に一部関係者で懸念されていたサンデーナイト・フットボール史上最低のゲームになるのではという不安は完全に払拭した。結果は分らないが、そこそこの数字を稼いだのではないだろうか。ある意味、マニングが普通に出場した場合よりも面白いゲームだったのではないだろうか。負けたけど。 個人的にも、さすがにNEとのチャンピオンシップには及ばないけれども、二つのスーパーボウルよりは大興奮のゲームだった。ジャマール・アンダーソンのリターン・タッチダウンの時には、同じように両手挙げちゃった。ペインターからギャルソンへのディープが失敗した時には、「それだーー。ぐわぁ。」と声挙げちゃった。アダイのタッチダウンの時にはガッツポーズ三回やっちゃった。スティーラーズのFGの時、最初の1回目は何もしなかったけど。残りの3つには「外せ念」を送ってやった。1回成功した。録画だけど。 考えてみれば、これだけのアンダードッグでコルツ戦を見るのは初めての事なので、これはこれで新鮮な感情だったかもしれない。いやあ〜、スポーツって面白いものですねえ。こんなことなら、仕事休んで生で観戦しとけば良かったかな。 では、ゲームそのものについての感想であるが、気付いた事をちょろちょろと。 コルツディフェンスが、ゲーム開始当初、昔取った杵柄、カバー2で臨んだのには、ちょっと面食らった。どのみち、ターンオーバーを獲らなきゃ活路が見出せないのだから、だったら、よりターンオーバーを奪い易いカバー2を逆ギレ気味に採用してみたという訳なんだろうけど、これはこれで有りの戦略だったと思う。あっさりディープを通されて、簡単に破綻したが、その心意気や良しである。まあ、今のコルツのCB陣はゾーン向きのプレイヤーが一人もいないので、カバー2が機能しないのは致し方なかろう。こんなことなら、ヘイデンを残しておけば良かったか。 ゲーム中盤以降は、元のように、CB陣はマンツーマンに戻して、それなりに良い仕事をしていたと思う。問題は中央のミドルパスである。この2試合は、チームがそれ以前の状態だったので、このコルツディフェンスここ数年の最大の弱点が露呈しなかったけれども、このゲームでは最大の敗因になった。この辺のパスをLB陣がインターセプトとまでは云わないまでも、あと一つ二つパスディフレクトに成功していれば、このゲームはコルツ勝利の目もあったと思う。なんつうかもう、セイフティにLBやらしてみたらどうだ。いくらなんでも、アンゲラーのパスディフェンスは酷すぎる。そういった意味では、ブラケットがいれば勝ててたかもしれぬ。 あと、第2クォーター終盤、ドレイク・ネービスを、一種のローテーションかもしれないが、フリーニーの隣に置いて、待ってましたとばかりにオフガードを喰らったのは反省材料だと思う。ネービスに対して不満は無いが、もう一枚NTタイプが欲しいところである。ここまで、あえて触れてこなかった、というか、その余裕が無かったのであるが、今オフのコルツのロースター・ムーブで一番痛かったのは、ダニエル・ムーアをセントルイスに奪われた事である。使わないのなら、返してくれんかのお。と思って、調べてみたら9/3にウェイブされていた。今何やってんの。 とはいうものの、このゲームの最大の功労者(負けたけど、)が、フリーニー&マシスを中心としたディフェンス陣であったことは論を待たない。惜しむらくは、最後のPITのドライブを何とか止めて欲しかったという事だけだ。 一方のオフェンス陣であるが、これは前回のゲームに比べると、また進歩していた。 まず最大の改善点はプリッツピックが機能し始めたという事であろう。これは、マニングがブース席に入った事が、その大きな、というか唯一の理由だろう。直接的か間接的かは分らぬが、マニングが指示を出していたのだと思う。マニングのブース席に関しては賛否両論があろうが、私はここが現状ではベストだと思う。サイドラインでモチベーターにはなれないタイプであるし、ブース席でOCのアシスタント、というかOCをするのが、今マニングに出来るチームへの最大の貢献だと思う。 また、プレイブックも随分コリンズ用のものを増やしてきたようである。マニングが通常使わないようなプレイやルートが多く、PITディフェンス陣も大分面食らっていたようである。もっとも、その当のコリンズのクォーターバッキング自体は、相変わらずしょっぱいままなのであるが。 大体ターンオーバー3つ、うちひとつはそのままリターンタッチダウンしたので、2つ奪っていて、FG2本で終わりってどういう事。素人目で見たって、「どーして、そこに投げる。」「いやいや、それはねーだろ。」ってとこにドンドン投げちゃうし。80ヤード・ドライブを貫徹しろとは云わないが、せめてターンオーバー奪った時ぐらいはタッチダウンせえ。 という訳で、このコリンズのしょっぱいクォーターバッキングに、ついに首脳陣が業を煮やしたのか、それとも単にコリンズが怪我しただけなのかは分らぬが、遂にコルツファン待望のカーティス・ペインター登場。コルツファン以外はともかく、全コルツファンにとっては、このペインター登場シーンこそ、本日のハイライトシーンであったであろう。私なんか、「コリンズ、てめえはもう引っ込んでろ。家帰って さて、そのカーティス・ペインターであるが、私は昨季、どこかでそのプレイ振りを見た記憶があり、良い印象も無いが悪い印象も無かったので、それなりに期待はしていた。ただ一方で、このコリンズに先発を奪われているので、マニングのバックアップに疲れ果て、見も心もすっかりチャラ夫になっちゃったのかと不安も感じていた。 ちなみに今ちょっと、ペインターの記録を調べてみたのであるが、昨季ではなく一昨年のシーズンにゲーム出場経験があるのね。てか、コイツ3年目だったのか。すっかり2年目だと勘違いしてた。じゃあ、マニングのバックアップも丸々2年経験してんじゃん。経験十分じゃねえか。しかもよくよく調べてみると、生まれはイリノイ州であるが、インディアナ州の高校からパデュー大という、不完全ながらも、コルツでは珍しいジモティー(表現ふるっ。)じゃねえか。 さて、話を戻すと、そのペインターの実質的なデビュー戦を期待と不安の入り混じる気持ちで見ていたのであるが、いきなりパス失敗2連発の挙句に、ファンブルロストにリターンタッチダウンと最悪のスタート。やっぱ、コリンズ以下なのかなあと私はがっかりしたのであるが、その後のドライブでは、開き直ったのか落ち着いたのかは分からぬが、80ヤードドライブを見事完遂、同点劇を演出したのであった。今季のコルツでは、初めての意味のあるタッチダウン・ドライブである。 今季のコルツオフェンスに初めて血の通った瞬間だった。良い血か、悪い血か、はたまた普通の血かは分らぬけれども。とにかく、コリンズでは血が通わん。 また、別の喩えを使うならば、今季初めて、コルツオフェンスというマジンガーZにパイルダーオンをした瞬間だった。パイロットは兜甲児でないにしても、である。だって、コリンズ、鉄人28号の操縦桿でマジンガーZを操縦しようとしてんだもの。ホバーパイルダーに乗れないのだもの。 出来るじゃん、全然出来るじゃん、全然コリンズよりマシじゃん。そりゃそうだよ、今まで敢えて書かなかったのであるが、マニングより年齢が10歳近く下のペインターがマニング的クォーターバッキングを知らない訳無いじゃん。直接的な薫陶や指導を受けなくても、QBとして成長する課程で、無意識の内に理解している筈なんだよ、世代的に。ましてや、2年間、マニングのバックアップを務めている訳だし、知らない訳無いじゃん、出来ない訳無いじゃん。あの、ここぞという場面で、マニング的クォーターバッキング出来たじゃん。60%マニングだったじゃん。誰なんだよ、コリンズ連れてきたのは、責任者出て来い。 こんだけ出来るんだったら、このペインターを先発させておけば、先の2試合、この試合も含めて3試合の内、どれか1つくらいは取れていた筈だ。上手くいけば2つ取れていたと思う。この3試合、どれもディフェンスは頑張っていた訳だし。もう〜。 おかしいと思っていたんだよ、スティラーズやペイトリオッツに出来た事がコルツに出来ないって事が。まあ、確かにマニングはブレイディやロスリスバーガーよりは1ランクないし2ランク上のQBだけど、それでもバックアップQBでそこそこやれる筈だと思っていたんだよ。強豪からは無理でも弱小からは白星を取れると思っていたんだよ。ただ、ペインターのプレイ振りをほとんど、というか本当の勝負の場面では全く見ていなかったので、いまいち提言できなかったのだ。 という訳で、これから残り試合はカーティス・ペインターでな。それで全敗しても、全く問題なし。とりあえず、コリンズはもうコリゴリだ。って、駄洒落で終了。 2011/9/27 |
2011年 Week4 |
10月3日 MNF IND@TB 17−24 |
コリンズの採用と起用を決めた奴、その理由と反省と謝罪をレポート用紙30枚にまとめて、俺んちに送付せい。俺んちの住所は自分で調べてな。って、ホントに送られてきたらマジでビビルけど。歯、カタカタ震わすけど。 とまあ、この試合のコルツファンのテーマはただひとつ、「ペインターやれんのか。」であったが、結論から言えば、十分やれる、である。結果的にも内容的にも十二分に合格点だと思う。前回の記事で私はペインターのことを60%マニングと書いたが、云い得て妙、まさしく60%マニングの出来だった。 実を言うと、こういうものの言い方は大橋巨泉めいていて実にイヤなのであるが、実を言うと、先のPIT戦でのペインターの最初のプレイ、ギャルソンへのディープを見た瞬間に、私はある程度の確信を得ていた。 まあ確かに、このパスそのものはコントロールミスで失敗しちゃったけれども、そこにパスを放るという判断そのものは正しかったからだ。恐らくマニングでも同じところに投げたであろう。そうして、この判断こそ、コリンズのプレイに辟易していた私を快哉させるものであったのだ。 私がコリンズのプレイに最も不満だったのは、ブリッツピックの指示が出来ないとか、コントロールミスが多いとか、ファンブルしちゃうとか、そういうところではなく、まずその投げる所そのものが悪いという、その判断の悪さだった。その典型的なのは、件のPIT戦での、何クォーターだったかは忘れたが、ゴール前数ヤードで、目の前のアダイがガラ空きだったにも拘らず、その奥にいるダラス・クラーク、しかもポラマルにマークされているダラス・クラークに放ってしまったシーンである。あんなのは素人目に見ても、極端な話、私がQBをしていたとしても、目の前にいるガラ空きのアダイに投げる。トスすりゃいいだけだもん。それをわざわざ奥にいる、しかもポラマルにマークされているクラークに投げるなんていうのは、どうかしている。少なくとも、マニングのクォーターバッキングではない。このパスそのものは、幸いにも、コントロールが良く、タッチダウンは奪えぬながらもインターセプトもされずに済んだのであるが、私はこのプレイには心底がっかりした。そのほかにも、3rd&ロングのシーンでスクリーンを投げてみたり、ダブルチーム・トリプルチームに投げ込んでみたり、コントロール以前の問題として、その判断自体が悪すぎる。 では、何故そんなとこに投げちゃうのかというと、前にも書いたとおり、OCがそこに投げろと指示していたからという事になるのだろう。でも、これはもうしょうがない、だってコリンズはQBとしてそういう教育を受けてきたのだから、そうするだろう。それをして、インターセプトされれば、それはコーチやコーディネーターの責任という事になるのである。逆に、マニングのようにプレスナップリードでターゲットを勝手に変えたりしたら、却ってコーチやコーディネーターに怒られるだろう。「チームのゲームプランがあるのだから、勝手な事をするな。」という訳である。 実際、この守備リードとオーディブルに頼るマニング式のクォーターバッキングが、何処まで正しいのかというと、私自身も疑問はある。賛否両論というよりは、議論百出するところであろう。ブレイディやアーロン・ロジャースのプレスナップリードを、私はそんなに高くは評価していないのであるが、これは、もしかしたらコーチやOCからストップが掛けられているのかもしれない。少なくとも、使ってよい場面と使ってはいけない場面が分けられているようではある。「とにかく、この場面は、駄目だと分っていても、OCの指示通りやれ。」みたいな指示が出ているのかもしれない。 確かに、長いシーズンやゲーム展開上、捨てプレイや捨てシリーズといった、所謂フリや餌まきの為のプレイやシリーズは必要になってくるし、それらはQBの独断で決められるものではないだろう。完全にコーチの仕事である。コルツのゲーム、すなわちマニングのゲームが、第1クォーターから第4クォーターまでを通して、終始のっぺりとした、メリハリの無い印象があるのは、ひとつにはこれが理由なのかもしれない。マニングの勝負弱さも、それが一因なのであろう。同じ事はポリアンのゲームににも云えるかもしれない。 このプレスナップリード&オーディブル戦法の善し悪しはともかくとして、とりあえず、現時点のコルツはこの戦法を使う、というか頼りっきりなのであるから、これの出来ないQBでは話にならない。つー訳で、コリンズはもう堪忍な。これで来週ひょっこり、「脳震盪は癒えました」的な感じでコリンズを先発させたら、そん時は私は、全財産をつぎ込んで、ゴルゴ13を雇う。 さて、ではその肝心のペインターの本日のプレイ振りではあるが、私は概ね評価したいと思う。パス成功率が13/30と50%を切っている点を気にする向きもあろうが、まあこれは単純なコントロールミスも確かにあるが、そのほとんどはレシーバーとのタイミングの問題だと思う。フックやクイックスラントといったタイミングだけのプレイがほとんど使われなかったのも、まだその辺がチーム全体として自信が無かったという事だろう。時間が解決してくれると思う。 では、そのパスの判断そのものであるが、これはもう、上にも書いたとおり、コリンズとは比較の対象にもならぬ。ほとんど正解である。マニングでも、大体おんなじ様なところに投げたと思う。これは2年間サイドラインにいた効果といって良いだろう。 プレイブックもマニングと同じものを使っているようだし。QBがペインターに代わって、ギャルソンが活躍し始めたのは、この辺にも一因があると思う。これはギャルソン以外にも同じ効果を発揮するだろう。 こういった単純なパッシングそのものについては、何の問題も無いのであるが、むしろ気になったのはブリッツピックの指示の甘さである。これはほとんどコリンズと同じい。これはさすがにサイドラインでは学べぬ質のものなのかも知れぬ。長期にわたる学習とフィールドでの息遣いから判断する質のものなのだろう。 この試合では、ブリッツピック名人のアダイが右往左往していた。PIT戦ではマニングがブース席から指示を出していたようであるが、このゲームではロードという事もあってか、それは無理だったみたい。OCもサイドラインにいたし。クラウドノイズでトランシーバーが使いにくかったのかもしれない。もしかいたら、「試しに、お前ひとりでやってみ。」って事だったのかもしれないが。 アダイといえばブリッツピックが専売特許であるが、そのアダイもマニングの指示が無ければどうにもならないのね。これは、アダイのプレイだと思っていたが、実際はマニングのプレイだったという事か。確かに、マニングと他のQB、ブレイディやリバースといったQBの守備リードとの決定的な違いは、この正確無比なブリッツピックの指示だと私は思う。ブリーズやロスリスバーバーは割りに上手い方だと思う。 何か今シーズンは守備リードについて考える事が多い。シーズン終了後に、暇を見つけてまとめてみたいと思う。実は、昨シーズンはゾーンブロック、その前のシーズンは4th&ギャンブルについて考える事が多く、暇を見つけてまとめてみたいと思っていたのであるが、ズルズルと書かずじまい。そのうち書きたいと思う。 さて、ペインターに話を戻すと、おそらく、これからの3ヶ月は彼の人生にとって、最初で最後のといったら大袈裟かもしれないが、大金をゲットできる、人生でも数少ない大きなチャンスである事だけは間違いないと思う。顔付きも以前とは明らかに変わっているし。以前は、明らかに頭の中はセックス&パーティー(相棒はパット・マカフィー)の事しかないようであったが、ここ数週間で明らかに精悍になった。この彼の人生の岐路を、意地悪な気持ちで、見守りたいと思う。パスひとつ失敗する度に、「ああ1万ドル損した。」みたいな気持ちで。被サックひとつは5万ドルくらいかな。何だ、その相場。タッチダウンは10万ドルくらいか。 ペインターには悪いが、コルツ&コルツファン的にベストのシナリオは、ペインターが今季20TDs、3000ヤード、パス成功率6割弱のぐらいの成績を上げて、さすがに全敗だとカッコがつかないので、2勝ぐらい挙げて、ドラフト3巡ぐらいと交換、そうしてチームは全体1位でラック様獲得、来季はマニング・ラックの鉄板体制というものであろう。俺も悪人だな。 ちなみに、ペインターが2年前出場したゲームってどんなものだったかなあと思って、過去の記事を調べてみたら、出てきたのがコレである。 「このゲームで、図らずも戦犯となってしまったカーティス・ペインターであるが、さすがにこれはしょうがないだろう。彼は全く責められない。ルーキーQBのデビュー戦としては、おそらくこれより下は考えられないといってもいい程に最悪な環境でのデビュー戦である。その悪環境を思いつくままに並べると、連勝記録継続中、5点リードで第3クォーター中盤、主に控えメンバー、突然の勝機到来でやる気マンマンの敵チーム、しかもクリス・ジェンキンス抜きとはいえリーグNo.1デフェンスチーム。この悪条件下で、スイスイとドライブを進め、チームを勝利に導けるようなら、それこそマニングとエースQB交代である。 ペインターの動きそのものは、私の見た限り、スローイングやフットワークはまずまずなのでそれなりに期待できるプレイヤーではないだろうか。ソージよりは上の様な気がする。ただまあ、コルトとしては厳しいだろうが。QBに困っている他チームの方、お勧めです。」 あの開幕14連勝を自ら止めた試合ね。ほんの2年前は贅沢な事言っとたんだな。開幕14連勝のチームが2年後にはシーズン全敗に怯えているとは。スポーツって恐いのお。 んで、本題のペインターに関しては、私はそれなりに褒めとるのね。良かった、眼鏡違いじゃなくて。でも、このペインター初試合が問題の14連勝ストップゲームで、久方振りの出場がサンデーナイト、で、キャリア初先発&初タッチダウンがマンデーナイトとは、何か持ってるな、お主。全部、負けってけど。あれっ、やっぱ駄目か。 文中、「コルトとしては厳しい」という箇所があるが、それは無論、「マニングがいる以上、お鉢が回ってこない。」という意味であって、「ペインターがコルツオフェンスに向いていない。」という意味ではない。 ペインターに関しては、乞うご期待という事で、そのほかこのゲームの感想をいくつか。 まずは、アンゲラー、相変わらずパスカバー駄目だのう。いつか良くなる日が来るのか。ブラケットがいないと、途端に中央のミドルをガンガン通される。今回もそれが大きな敗因になった。まあ、パスカバーというのは、ある程度経験がモノを言うと思うので、しばらく様子見るか。 ただまあ、このアンゲラーのプレイは去年からずっと見ているが、どうもスクリメージラインを超えるようなプレイの方が得意なようである。ヨコの動きよりタテの動きの方が得意なタイプと見る。ロスタックルが多いし。プレシーズンでもサックを量産していたので、どっちかというとパスカバーよりもパスラッシュをさせた方が良い様な気がする。ウェアやサッグスのような圧倒的な破壊力はないけれども、穴を見つけてスッとペネトレイトするのが得意なようである。クレイ・マシューズに近いタイプか。ディレイ・ブリッツなんか得意そうである。 ただ惜しむらくは、そういうプレイヤーを活かすスキームが今のコルツには無いという事だ。SLBに入れてブリッツさせた方が彼の為にもチームの為にもなる様な気がするなあ。しかし、ドラフト時の、典型的なカバー2LBという評価は一体なんだったんだ。全然違うぞ。 で、そのアンゲラーの同期のジェリー・ヒューズ君であるが、この日、キャリア初サック。早くもバストじゃねえかと噂の立っている彼であるが、とりあえずスタッツは作った。おめでとう。なんじゃ、そりゃ。 この日は、ちょろちょろ結構ゲームに登場していたのであるが、確かに見ていると、相手OTにコントロールされているシーンが多い。もう少し重心を低くして、あとは何か特殊なムーブ、カニ歩きでもスピンでも良いので、なにかしら、そういうOT対策をひとつ作っておかないと、現状では先発DEはちょっと厳しいかも知れぬ。この日、彼のプレイは初めてじっくり見たのであるが、なかなかローテーションが回ってこないというのも頷けた。SLBにいれて、OTと距離を置くというのもひとつの手かもしれない。加速してぶっちぎるという方法である。でも、惜しむらくは、そのようなスキームが今のコルツには無い。 さて、そのヒューズと同じく、バストではないかと噂の立つドナルド・ブラウンであるが、この日ようやく登場。3rdダウンでブリッツピックやらされてた。って、使い方違うだろう。1stダウン2ndダウンで一発のあるブラウンを使って、3rdダウンでブリッツピックの上手いアダイだろう。なんかもう、よー分からん、コーチ陣のブラウン評が、よー分からん。このゲームに限らず、この4試合で、コレがブラウンだったらなあというシーンが何度もあった。 さて、そのブラウンに代わって、結構使われる事の多いデローン・カーターであるが、ちょっと印象が変わった。私はドラフト時の評価からマイク・ハートみたいなプレイヤーかと思っていたのであるが、むしろアダイに近いタイプと見た。ブリッツピックやパスレシーブの能力はまだ良く分からないのであるが、走りのタイプそのものはアダイに近い。穴を見つけてスパッと切れ込んでいくタイプである。確実に3〜5ヤードくらいは稼いでくれるが、特に馬力やステップワークは無いのでエクストラヤードは稼げないというタイプである。ハートも、同じく穴にスパッと入っていくタイプであるが、彼には馬力があったので、そこから先があった。でも、カーターにはそれは無いようである。したがって、アダイのようにブリッツピックやパスレシーブが無いと使う意味がなくなってしまうのであるが、そのへんは良く分からない。いずれにしても、ハートの後継者というよりはアダイの後継者と考えているのだと思う。 で、彼らのランを支えるOL陣であるが、このゲームではカスタンゾが欠場していたが、この4試合通じて、まずまずの出来だったと思う。若返りとレベルアップには成功したのではないだろうか。ギャルソンの二つめのタッチダウンで見せたリンケンバック等々のダウンフィールドブロックなどは昨季には見られなかったものである。ディームなら絶対ズッコケていた筈だ。また、マニングの首の手術の遠因になったといわれる、、みるみるポケットが収縮するというような現象もなくなった。さすがに、アイジャラーナが引っ込んだ後はあったけど。アイジャラーナは上半身の肉をもう少し削った方が良いと思う。あの体型ではまた怪我するだろう。 若手の話が続いたので、最後に大ベテランの話をひとつ、ヴィナ様、今季初外し。第4クォーターではあったが、勝負どころという感じでもいないので、あんなもんか。仮に、あのFGが決まっていても、勝っていたかどうかは微妙なところだろう。 もうひとつベテランの話を追加。ベシアは、このゲームに限らず、今季はなかなか良い動きをしている。ここ数年は、勤続疲労からか、いまいち動きに精彩を欠いていたのであるが、今季は調子が良さそうである。トレーニング方法を変えたか。ロックアウトが良い休暇になったのかもしれぬ。 とまあ、コルツについてはこれ位にして、って随分書いたけど、今度はバッカニアーズの話。 実はこのカード、私は個人的には、マニングが怪我する前は、今季一番楽しみにしていたカードであった。 というのも、昨季バックスはいきなり10勝を挙げたものの、私にはいまいちその強さが良く分からなかったからである。一応。今オフ、TBのゲームのDVDを見たりしてみたのであるが、いまいちその強さの要因が分からなかった。 フリーマンも確かに悪くは無いが、投げられなかったら走るという典型的なモバイルQBであるし(ただし、その判断そのものは素晴らしく早い。)、ブロントも悪くは無いが、毎試合のように100ヤード走るようなランナーとも思えない。ディフェンスも、それほどの支配力は無さそうである。ただ、レシーバー陣が、マイク・ウィリアムズ、ウィンスローと地力でフリーを作れるレシーバーが2人いるので、そこが強みかとも思うが、だからといって、それだけで10勝は難しいだろう。 という訳で、ゲームのDVDをいろいろ見たのであるが、同じNFC同士の対戦が多くて、いまいち力量が計れない。そこで、良く知ったコルツとのゲームで、その力量を計ろうと思った次第である。でも、マニングが怪我した事で、その計画はポシャってしまった。 でも、60%マニングのペインターが先発した事でいくらか分かった事もある。 まずは、ジョシュ・フリーマン。悪くは無い、これははっきりしている。しかし、素晴らしいかというと、そうでもない。「投げられなくなったら、走る。」ちゅう典型的なQBでもある。その走るも、ヴィックは別格にしても、ヤングや若き日のマグナブほどでもない。せいぜいファーストダウンが取れるレベルのランである。今のマグナブ程度である。 一方、パッシング能力も、まあ平均よりちょい上レベルである。ものすごく悪くも無いが、ものすごく良くも無い。ただまあ、上にも書いたが、この「投げられなくなったら、走る。」の判断が非常に早く、かつ正確である。これは地味ながら、なかなかの強みだと思う。ヴィックは走る事自体は、勿論ダントツに速いが、その判断は遅い。この辺がヴィックとフリーマンの差である。 なんか、こういうQB、どっかにいたような気もするが、いまいち思い出せん。ギャラードとはちょっと違うし、強いて言うとキトナなんだけど、勿論、クオリティはフリーマンの方が遥かに高い。 ウィンスローに関しては何も言うべきことが無いのでとばして、問題のマイク・ウィリアムズである。 その爆発的な運動能力でセパレートするタイプのWRである。こういう下位指名&ドラフト外からも、毎年とまでは言わぬが、2,3年に一人ぐらいエースを張れるWRが出てくるが、その一人である。その前はマイルズ・オースティン、その前はコルストンかな。 それはともかくとして、コルツ的に問題なのは、この選手が、あのシラキュース出身だという事である。なんで、コイツにシラキュース枠を使わなかったかなぁ。惜し過ぎる。 さて、そうして最後の一人が、このゲームにおけるコルツの敗因のひとつになったレギャレット・ブロントである。今時珍しい真性パワーバックである。私がNFLを見出した頃は、各チームに一人ぐらいこういうタイプが必ずいたが、最近ではめっきり数が減った。 まあ、昨今のRBは、ブリッツピックやパスレシーブ等、謂わばアダイ的なもの非常に重視されるので、彼のような真性パワーバックには生きづらくなっているのかもしれない。 とはいうものの、彼のようなインサイドランでパスオフェンスに貢献するというアプローチも十分有り得ると思う。特に最近は各チームともにスクリーン対策が劇的に向上しているので、スキャットバック的な選手よりも、インサイドランナーの方がパスラッシュ対策には有効かと思う。これからは彼のようなタイプは増えていくのではないだろうか。FBのように消滅してしまうという事は無いと思う。 個人的にも、このブロントのような、穴の無いところに突っ込んでいくタイプは大好きである。ちなみに、このタイプの至高のランナーは、あのエディ・ジョージであろう。あの男こそ、穴の無いところにガンガン突っ込んでいくタイプだった。つか、それだけだった。 話をブロントに戻すと、今の彼を1on1で止められるのは、現役ではパトリック・ウィルスくらいしかいないのではないだろうか。あとは全盛期のレイ・ルイスと怪我していないボブ・サンダースくらいか。とりあえず、コルツには一人もいないことだけは確かである。最後の決勝タッチダウンでも、デビット・コールドウェルだったかな、彼に止めろと責めるのは酷な話であろう。 というのが、まあまあバッカニアーズのオフェンスの武器だろうが、これらだけで10勝というのはなかなか難しいと思う。ディフェンスもそんなに強力という程でもないし。 ただひとつ、このゲームを見て分かった事は、バックスにはひとつの必勝パターンがあるということだ。それは、ブロントをゲーム終盤まで温存するという方法である。前半は、なるべく敵ディフェンスを披露させるようなダラダラとした試合運びをし、ゲーム終盤、敵ディフェンスが疲弊したところを見計らって、おもむろにブロントを繰り出すというやり方である。この方法だと、そんなに足の速くないブロントでも一発ロングゲインが期待できる。 また、そういうダラダラしたゲーム運びをする為には、ディープの無いフリーマンのようなクォーターバッキングは最適であろう。そうしてディフェンスは一発か3andアウト的なディフェンスに徹して、なるべく敵ディフェンスをフィールドに引っ張り出す。 すなわち、このコルツ戦はバッカニアーズの必勝パターンだった訳である。異カンファレスのゲームだと、どうしてもお互い良く分からないので、どちらかのチームの必勝パターンに嵌るというのはありがちなのであるが、このゲームはその典型だったかもしれぬ。 同カンファレンスだと、さすがにそれなりに対策を打ってくるので、必勝パターンに嵌めるというのは、なかなか難しいだろうが、このバッカニアーズの必勝パターンの場合、そのキーとなるプレイがブロントの個人能力なので、なかなか対策を打ちにくいとは思う。それが昨季の10勝の秘密かな。 あと、バックスでもうひとつ付け加えると、ロンデ・バーバー(中年)をニッケルにして常時フィルードの中央に配していたが、この老いたカバー2CBをニッケルとLBの中間的な選手として使うというのは、なかなかの妙案だと思う。TEもマーク出来るし。ヘイデンもこう使えば良かったか。そうすれば、中央のパスディフェンスもいくらかは改善されていただろう。 こんなとこかな。平凡なゲームの割には長く書いちゃった。涼しくなったからか。ただ、異カンファレンス間のゲームというのは、お互いの特徴を打ち消しがちな同カンファレンス間のゲームとは対照的に、両チームの特徴がくっきりと出るので、いろいろ書きたい事が増えるというのは、ある。 NYJ@BALのゲームを見た。ボルチモアのユニフォーム、黒過ぎるわ。闇夜のカラスとか謂うレベルじゃないわ。あんな格好で闇夜を歩かれたら、数字が宙に浮いているようで、マジで恐いわ。 あと、サイドラインにニック・マンゴールドがおったが、あのファッションは正解なのか。アメリカでは、あれでモテルのか。ファッションの世界は奥深い。 そういえば、NFL公式ページのパワーランキングが31位になっとった。ちなみに、下がラムズで、上がドルフィンズ。ドルフィンズよりは強い気もするが、こんなもんか。強い時は、こんなのほとんど見なかったが、弱くなってみると、なかなか楽しいもんじゃな。 2011/10/6 |