2012年 | ドラフトを前に、 | 「出しきれ!、ライオンズ」って、なんかエロいな。 さて、ドラフトをおよそ10日後に控えた訳であるが、今ドラフトはGAORAで生放送をするらしい。まあ、一NFLファンとしては諸手を挙げて大歓迎、しかもコルツの将来を決めるようなドラフトが生放送されるわけであるから、コルツファンとしても見逃せない、録画必至のTV放送になる訳であるが、非NFLファン的には、どうなんすかねえ〜。 NFLファン以外にとっては、何がなにやら訳の分からん番組なんではないでしょうか。丸々3時間かけて、アメリカの若者、それも大半が黒人、それも野郎ばっかの名が呼ばれ続けるイベントを、CSとはいえ、公共の電波を使って流す意味があんのかと問われると、返答に窮するのではないだろうか。そんなの放送するくらいだったら、吉本新喜劇、再放送せえといったところだろう。 とはいえ、NFLファンにとっては、大歓迎の放送である事に違いは無い。 さて、そんな日本人にとっては記念すべき2012年ドラフト、そうしてコルツファンにとっても記念すべき2012年ドラフトであるが、その日本人であり、コルツファンでもある私の気持ちは一向に盛り上がってこない。過去最低のテンションかもしれない。 例年のコルツドラフトというと、毎年のように、当然のように、一巡下位のため、どうしても残り物的なドラフト、スーパーの閉店間際の半額弁当の中から、少しでも幾らかでも上手いものを探しているみたいなドラフトであって、上位チーム、すなわち定価のお弁当を選り取り見取りで選んでいる上位チームを羨ましく思っていたのであるが、いざその立場、つーか。まさかの全体一位になってみると、全然選り取り見取りじゃないじゃん。がちがちじゃん、窮屈じゃん、ギシギシじゃん。選択の余地ゼロじゃん。ラック以外有り得ないんじゃん。 ラックをどう見るかについては、もちろん多少の見解の相違はあろう。私個人的にも、否定派とまではいかぬが、疑問派ぐらいではある。とはいうものの、その疑問派の私が、仮にGMであったとしても、ラックを選択するしか方は無い。選択の余地まるで無し。 グリグソンは、もしかしたら、ラックの致命的な欠点に気付いているかも知れぬ。仮にそうだとしても、ラックを指名せざる得ないだろう。ここでラックを指名しないなんて事は無理すぎる。 仮にラックの指名を回避して、その後、ラックが他のチームでバスト決定になった場合は、「グリグソンは慧眼やなあ。」という事になるだろう。また、ラックを指名して、仮にバストだった場合でも、「まあ、そういう事もあるよね。」という話で済む。 しかし、ラック指名回避して、他のチームで額面どおり活躍した場合は、目も当てられぬ。グリグソンは、GMの座を追われるどころか、業界さえ追われかねないだろう。 更に、その後、NFLとは全然関係の無い会社に就職したとしても、「ねえねえ、今度入ってきた、あのグリグソンっていう人、ラックの才能に気付かなかったんだって」「だめだめ、その話は絶対しちゃ駄目よ、本人の前でも、本人のいないところでも。」と若いOLに噂される事必定である。そんな恐いギャンブル打てるか。 ラックの決定的な弱点を握っていたとしても、いくら地元のインディアナ州の為といえども、自身のキャリアを棒に振ることになりかねない、そんなおとろしいギャンブル打てるか。まあ、これでグリグソンが60代の爺さんで、キャリアの晩年に差し掛かっていたら、自身の目を信じて、ラック指名回避という剛毅な決断も有り得るだろうが、39歳初GMの初ドラフトで、そんな冒険できんわ。キャリアを賭けるようなギャンブル打てんわ。 これでもし、グリグソンが、ラック以外を指名、それがロバート・グリフィン・サード(何か偉そうだな、王族?。)であっても、ラック以外を指名したら、わしゃビビるわ。マニング放出してロバート・グリフィン・サードって、そんな恐ろしいギャンブルをグリグソンが打ってくるようなら、尊敬を通り越して、恐いわ。カイジに愛想を尽かした坂崎のおっちゃんになるわ。美心ラブになるわ。 つー訳で、今期のコルツドラフトの一巡に関しては、わたしは全く興味が無く、全然調べ物もしてません。他の有力候補もよー分かりません。 むしろ、今季のコルツドラフトで特色が出る、コルツファン注目は2巡34位の方だと思う。つか何故34位?33位でない。理由が分からん。こんなんだったっけ。 まあ、34位か33位かはともかくとして、この2巡で誰を指名するかで、グリグソンや、あるいはパガーノのフットボール観がはっきり見えてくると思う。 ラックの相棒となるWRを指名するのか、同じくラックの相棒となるセンターを指名するのか、あるいは3−4ハイブリッドの軸になるDTやLBを指名するのか、誰を指名するにせよ、彼らのフットボールの指向がはっきり出ると思う。明瞭になると思う。 どうもここまでの、FA戦線の傾向を見ていると、ディフェンス型のチームを作っていきたい感じなので、3−4ハイブリッドの軸になるILBあたりが最有力候補の様な気がするが、いかがなもんでしょう。んで、来季一巡でOLBパスラッシャーって感じか。 ディフェンス型でもオフェンス型でも勝ちさえすれば、何でも良いのだが、ただ個人的には屋内球場でディフェンス型っていうのはどうかなという疑問もなくは無い。ディフェンス型のチームというのは、PIT然り、BAL然り、NYJ然りGB然りCHI然り、みな寒冷地のチームである。SFみたいな例外もあるが。一方、オフェンス型は、NOを筆頭に、SDやARI、そうして昨季までのコルツ等、みな温暖地、あるいは屋内球場のチームである。逆に上手くいっていないチームというのは、寒冷地なのにオフェンス型にしようとするBUFや温暖地なのにディフェンス型にしようとするMIA等、ホーム・フィールドとチームのタイプが合致していないパターンが多い。コルツも、屋内球場であるのだから、オフェンス型を指向するポリアン形式の方が良いように思えるのだが、どうだろう。まあ、先にも書いたように、勝ちさえすれば、形なんてどうでも良いのだけれど。いずれにしても、今ドラフトの2巡は、コルツファンにとって、要チェックやで〜〜。 ちなみに、今ドラフト・プロスペクトの中で、私が最も注目しているのは、もちろん、デ・カストロ。名前がヤバ過ぎるでしょ。デ・カストロって。名前だけで刑務所送りだわ。刑期1000年だわ。そんな名前、推理小説で出てきたら、すぐ犯人分かってしまうわ。デ・カストロでしょ。 2012/4/17(火) |
2012ドラフト | さて、2012ドラフトが開幕した訳であるが、全体1位を保持する我等がコルツの指名は、アの付く人、スの付く大学の人、Qのポジションの人である。 てか、何、この敗北感、諦めムードに似た指名って何。あれほど憧れた全体1位の気分って、こんなもんなの。晴れがましい気持ちが全然無いんですけど。コルツの向こう15年を背負うQBの指名なのに、 例のGAORAの生放送でも冒頭で、「え〜、今回の1位と2位の指名は、もう既に公表されちゃっているので、実質3位からのドラフトになりま〜す。」って、この近藤さんに言われちゃっているの。何、そのぶっちゃけ振り。 会場の雰囲気も、「もう1位と2位はいいから、さっさと3位から始めんかい。」みたいな空気になっているし。この妙な疎外感は何。 はっきり言って、儂がグッデル・コミッショナーだったら、インディアナポリス・コルツ セレクト ダディ・竹千代とかかまして、会場ドン引きさせてやったわ。アンドリュー・ラック以外の名前を猛烈に言いたかったわ。 コルツファン及びNFLファンが、どうしてこんな気持ちに陥ったかというと、つらつら考えてみるに、一番大きな要因は、やっぱりラックの強烈なライバルがいなかったということに尽きると思う。マニングが指名された時は、当時は私はコルツファンではなかったので、当時の気分は良く分からないが、ライアン・リーフという強烈極まるライバルがいたので、当時のファンは固唾を呑んでテレビに噛り付けたのだと思う。でも、今回はどう考えてもラックしかいないのだから、どうにもならんわ。 今回のドラフトでよおく分かった、つうか再確認したのは、ドラフトで最も大事なのは、的確な戦力補強では全然なく、胸の高揚感だってことだ。胸のときめきだって事である。ときめきメモリアルだって事である。結婚相手を決めているのではなく、デート相手を決めているって事である。まあ、実際はもちろん結婚相手を決めているんだけど。 このラック・ドラフトで、私が一番胸がときめいたのは何時かと、改まって考えてみると、それは今季の開幕直前、マニングの首の手術が決定して開幕数試合離脱の方が流れた時だったと思う。「おっ、これはラック様獲得じゃん。」と、胸がときめいたのが、今から思うと最高到達点だった様な気がする。あとは、ずり落ちる一方。 とまあ、随分ラックを腐してしまったが、もちろんラック当人を腐している訳ではさらさら無く、あくまでラック指名を腐しているだけある。実際、ラックの一位指名に関しては疑いようはなく、今ドラフトの上位指名候補選手の顔ぶれを眺めてみても、対抗馬は無く、全く以って順当な指名である。あとはもう、ラックが額面どおり活躍してもらう事を願うばかりである。 さて、そのラックのプレイヤーとしての実力であるが、私個人の見解としては、問うサイトのあちこちにも書き散らかしている通り、疑問派であることに、今以って変わりは無い。この生中継でも、そのハイライトシーンがいくつか放映されていたが、やっぱり、私がQBを量る第一のポイントである「フットワークとそこから生まれるリズム」の無さがやはり気になる。全く無いという訳ではないのだけれど、なんて言うかこう、全体的にぎこちない感じ、ギッタンバッコンしている感じがもの凄く気になる。また、そのメカニックから推察して地肩そのものが強いタイプでもなさそうである。 こういう見解は、ひとり私のみではなく、ドラフトガイド誌や各種のモックドラフト等の記事を見ると、「ラックはグッドではあるが、グレートではない、スペシャルではない。同じ全体一位でもマニングやエルウェイとは異なる。」という見解が散見する。 とまあ、コルツファンには不安になるような事を書いてしまったが、それ以外の要素、例えばコントロールや、特に精神面、私が最終的にQBの価値を決定づけると考えている精神面、リーダーシップやフットボールへの理解については、どの記事を見ても絶賛の嵐なので、そういう点の不安は全く無い。 まあ別にエルウェイやマニングがQBとしての絶対的な理想という訳でもないので、ラックはラックなりの理想のQB像を形成して欲しい。タイプ的にはロジャースに良く似ているという評価が多いし、私もそう思うが、マニングを味わい尽くした一コルツファンとしては、ロジャースではちょっと物足りないので、その上のランク、例えばエイクマンみたいなタイプを目指して欲しいと思う。 で、ラックのキャリア第一歩目となる2012シーズンであるが、マニングがルーキーイヤーに13敗した事を考え合わせても、勝ち星的な要望は全く無い。全敗しても良いくらいである。GAORAの実況席で有馬さんは、「ラックは苦しむ。」みたいな発言をしていたけれど、私はそうは思わない。ウェイン、コーリー、ドナルド・ブラウン、そうして後述するが2巡3巡で獲得したフリーナー、アレン等々、決して武器がない訳では無いので、もしもラックが額面通りの力を発揮すれば、いきなり7,8勝しても不思議は無いと思う。ディフェンスは、人材不足つうか人材不適合故に苦しむだろうが、ディフェンス畑のパガーノが、それなりに工夫するだろうし、10勝は無理でも、7,8勝は決して不可能な数字ではないと思う。ただまあ、長い目で見れば、来季もダメ押しでもう一回惨敗して、もう一発ドラフト上位を獲得、ディフェンスなりオフェンスなりでプレイメイカーを獲得するというのがベストのシナリオだろう。 という訳で、ラックに関して、来季の数字的な要望は全くない、0勝でもよいくらいであるが、ひとつだけ要望したいことがある。それはOLとの関係を高めて欲しいという事である。OLを自分仕様bにカスタマイズするというのは、QBにとって結構重要な仕事であるからだ。幸い、カスタンゾ、アイジャラーナといった、これからOLの軸になる選手はマニングと組んでいない為、変な癖も付いていない。ラックが自分仕様にどんどんカスタマイズしていって欲しいと思う。それが、ラックの2012年の大きな仕事である。 あと、背番号は12で決まりらしいが、GAORAの実況席が、「ソージの背番号を受け継ぐようです。」とか、超マニアックなコルツ情報を流していたが、そんな情報いらんから。別にソージの背番号を受け継ぐ訳じゃないから。 とまあ、これから、ラックとは長い付き合いになるので、今回はこれくらいにしておこうと思う。ユナイタス、マニングに続く、コルツ第3のレジェンドQBになって欲しいと思う。間違っても、ジェフ・ジョージにはなるなよ。 最後といっておいて、もひとつラックについて付け加えると、ラックについて私のひとつの不満は、その顔である。別に悪い訳ではないのだけれど、いまいち信用できない顔をしている。近所の電器屋の2代目みたいな顔である。仕事ぶりもマジメで悪くないのだが、叩き上げの先代に比べると、いまいち信用に乏しいといった感じの顔である。ギリギリ最後に、仕事を捨ててデートを選んじゃうみたいな顔である。ちょっとした修理や1万円以下の買い物なら彼の電器屋を利用するが、一万円以上の買い物となると都心の量販店を選んじゃう、みたいな顔である。まあ、数年経てばプロらしい顔になるだろうけど。なってもらわなきゃ困るし。 さて、次は問題の2巡である。前回の記事で私はこの2巡34位こそ、今後のコルツを占う大事な指名になると熱く語っておったが、結果は、ラックのスタンフォード時代の同僚TE、コービー・フリーナー。 まあまあ、そりゃ分かるけど、当面のニーズだし、一巡指名の声もあったナンバー1レシービングTE、しかもラックのお友らちともなれば、そりゃ指名するでしょう。TEつうのはバスト率も低いし。 まあ、そりゃ分かりますけど、でも正直言って、この指名にはがっかりした。だって、TEなんてどんなに優秀でもチームの軸にはならんもの。今のコルツが欲しいのは、オフェンスなりディフェンスなりのチームの中心選手でしょ。TEなんて、本格的にどうにでもなるポジションだもの。今のコルツが2巡34位を使ってまで採るポジションじゃない。 そりゃ、今のコルツが数年前のように安定期に入っていて、TEがニーズだっつんなら、この指名は大歓迎だけど、今、TEを指名している場合か。はっきり言って、グリグソンは温いと思った。何、MADDEN初心者みたいなドラフトしてんだと思った。フリーニーを敢然と指名したポリアンみたいな事をしろっつの。そういう、はっきりとした意図を示すべき順位だったと思う。一本釣り的な指名をして欲しかった。 そういう選手がいなかったら、直後の35位でBALが指名したコートニー・アップショーを指名しても良かったと思う。アップショーというのは、各種スカウティング・レポートによると、運動能力・体格的にはイマイチだが気合と根性と努力で史上最強(は言い過ぎか。)アラバマ。ディフェンスの一翼を担ったプレイヤーである。OLBとすると、何より絶対的に運動能力が要求されるので、まあそれが上位指名が予想されながら、2巡までずり落ちてきた最大の要因だろうが、3−4ハイブリッドの老舗、ニック・セイバンの下でプレイしてきたというのは、同様のディフェンスを敷く予定の今のコルツにとって、何より魅力的だったと思う。OLBが駄目なら、最悪ILBにしても良かったろうし。チームのハート&ソウルになりえた選手だったと思う。それとも、指名を考えていたがパガーノがオジー・ニューサムに脅されたか。「おめーら、分かってんだろうな。」的に。 とか何とか思っていたら、3巡64位でもまさかのTE指名。同じく上位候補だったドウェイン・アレンである。あれ、何お前ら、TE2枚使った革新的なオフェンスでも用意してんの。何そのTE馬鹿振り。 しかも同じく3巡92位ではT.Y.ヒルトンというWRを指名。って、何お前ら、ディフェンス中心のチームを作るんじゃなかったの。俺の完全な勘違い。ここらで有力選手指名しておかないと、3−4ハイブリッドの完成なんて5年先になっちゃうんだけど。来オフのFA戦線でけりをつける心算なのか。ハロティ・ナータとか獲っちゃうの。 コルツ・ドラフトについては全巡目が出揃う次回の記事で、また感想を書きたいと思います。 で、ここから、2012ドラフト全体、主に1巡目の感想をば。 まずは15位でシーホークスが指名したブルース・アービンから。この選手の指名が発表された時、GAORAの実況席を中心に、会場の雰囲気は「誰、それ。」みたいなムードであったが、私個人的には「やられた。」であった。というのも、このブルース・アーヴィンという選手は、今ドラフトで私がいっちゃん狙っていた選手だったからである。2巡3巡、それこそ2巡34位を使っても、一本釣り的に獲ってもいいなあいいなあと思っていた選手だったからである。 といっても、このアービンに注目し始めたのは、ここ最近、この1週間ぐらいで、ちょっととした時間の合間にドラフトガイド誌を捲っていて、その顔と経歴に魅かれたのである。 まず、この選手、2006年と2007年は学校そのものに行っていなかったらしい。それから2年間マウント・サン・アントニオ・カレッジという大学に行き、それからウェスト・バージニア大に転向して、ドラフト・プロスペクトになったらしい。しかも、その2010年のスタッツというのが凄くて、21タックル14サック、すなわちタックルの大半がサックなのである。純正パスラッシャーとはいえ、ここまで極端な数字は珍しいと思う。 と、この数字からも分かるとおり、このブルース・アービンというのは完全無欠の純粋パスラッシャーで、それしか能が無いといっても良いくらいである。しかも、パスラッシュに必須の能力であるスピード、40ヤード走4.5秒である。DEやOLBで4.5秒を切るというのは、なかなか珍しい。もちろん今ドラフトではザック・ブラウンと並んで最速である。ちなみに、上記したアップショーは4.8秒であり、それがズリ落ちた要因のひとつであろう。 では、何故そんな馬鹿っ速な選手が3巡前後の候補だったかというと、上記した2年間の浪人からも分かるとおり。オフ・フィールドの問題であるらしい。その問題というのが、具体的に何なのかというの調査不足でよく分からない。それが純正犯罪者的な魔人ブウ的なものなのか、それとも青春の苦悩的な尾崎豊的なものなのかは不明である。それが前者的なものであると、もう手の打ち様が無いだろうが、後者的なものであるならば、コーチング次第で十二分に解決するであろう。また、それが出来ると踏んだから、シーホークス、つうかピート・キャロルは一巡指名というギャンブルに出たのだろう。 で、もうひとつ、私がこのプレイヤーに惹かれたのは、そのアフリカ系アメリカ人離れした顔である。多分、そうした血が混じっているのかもしれないが、アメリカ原住民、インディアン的な相貌である。 こうした経歴や相貌はちょっとデニス・ロッドマンを思わせるものがある。また、その名前ブルース・アービンもいい。ローレンス・テイラー、レジー・ホワイト、ブルース・スミス、ジェイソン・テイラー、ジェイソン・アレンといった歴代のサック王を思わせるような単純かつカッコイイ名前である。まあ、ペッパーズやフリーニーみたいな変わった名前のサック王もいるけれど。 その名前といい、経歴といい、運動能力といい、大スターになるような匂いを漂わせている。まあ、仮に大スターにならなくとも、コーチング次第では、ここぞという時値千金のサックを決めてくれる選手にはなってくれそうである。ウィリー・マッギネストみたいな感じである。 つう訳で、来季要注目である。しかし、1巡15位は予想だにしなかったな。全パスラッシャー中最高位だもんな。みんな考える事は同じなのね。 さて、そのドラフトガイド誌をめくる中で、私が、このブルース・アービンの他に、もうひとり注目した選手がいて、それはボンターゼ・バーフェクトである。とにかく、この選手、悪評がハンパない。パネーである。もちろん、ドラフト候補選手になるくらいであるから、体格的運動能力的には申し分ないのであるが、とにかくそれ以外の評価がハンパない。頭が悪い、コーチの言う事を聞かない、戦術を理解しない、フットボールを知らない、そもそもフットボールのルールを覚えていない、ケンカの延長でグラウンドで暴れているだけ等々悪評がハンパない。もちろん、今ドラフトのナンバー1バスト候補であり、つーか、バストじゃなかったらバストぐらいの勢いで書かれている。逆に、何でそんな選手がプロスペクトになってんだつうくらいである。で、実際2日目の終了した時点でも指名は無し。逆に、ちょっと見てみたい気さえする。 バスト確定男のバーフェクトの感想はそれくらいにして、今ドラフトのトピックスについてちょっと。 今ドラフトの特徴として、毎年恒例のLTの上位指名が少なかったことが挙げられるが、それは勿論単純にタレント不足が大きな要因であろうが、それとは別に、ディフェンス戦術の大きな変化、すなわちブリッツハッピー・ディフェンスの終焉、オワコン化が、もうひとつの大きな要因になっていると思う。 ローレンス・テイラーの登場以来、猖獗を極めたブリッツハッピーというディフェンススキームが終了した理由はふたつある。 ひとつは完璧なプレスナップリードによりブリッツを見切り、正確にブリッツピックしてしまうというやり方である。すなわち、マニングの方法である。 もうひとつは、徹底したスクリーンパスである。すなわち、ブレイディ、つうかベリチックの方法である。 この二つの方法により、単純なブリッツハッピーというスキームは完全に消え、その代わり、というか後継者として現れたのが昨今流行している複雑なブリックスキーム、3−4ハイブリッドである。 このスキームの登場により、かつてのような単純なOLB、あるいはDEとOTとの1対1という図式は消え、フロント7対TEやRBまで含めたOL陣という図式に変わった。結果的に、LTに求められるものも、かつてのオーランド・ペイスやオグデンに代表される圧倒的な体格と運動能力ではなく、機動力と知性、とりわけ相手のブリッツを読み切り、自軍のOLやRB陣と連携し、それに対応できる知性が必須能力となった。 となると、運動能力や体格といった1巡プレイヤーに求められるものは無くなった訳で、2巡以降でもスターターLTは十分に確保できる事になり、それが今回のドラフトに如実に表れたのだと思う。ちなみに、数年前にコルツが事実上の1巡扱いで指名したLTウーゴーは、まさしくこの前者のタイプ、運動能力と体格タイプで、知性と機動力は欠いていた。それがバストに終わった大きな要因だったと思う。マイケル・オーアーがLTで苦戦しているのも同様の理由ではないだろうか。 こうした傾向は当分は続くと思う。私はかつて全体5位以内で指名すべきポジションは、QB、LT、DE(OLB)だけだと書いたが、これは修正する必要がある。LTはもはや全体5位以内で指名すべきポジションでは無いだろう。ローレンス・テイラーの登場により始まったLTバブルは終焉したと思う。まあ、フットボールの戦術なんていうものは刻一刻と変わっていくものだから、5年後どうなっているかは皆目不明であるが、これからしばらくはLTの上位指名は減るだろう。また、指名されるにしても、今までとは違ったタイプになるだろう。 ちなみに、私が予想するこれから価値の上がりそうなポジションとしては、3−4ハイブリットのDEがあると思う。かつて、3−4の主役はNTだったけれども、3−4ハイブリットの主役はDEだと思う。昨年ビルズが指名したマーセル・ダレウスなどはその典型である。また、その3−4ハイブリッドの流行とともに、ブリッツピックの上手いRBやFBの価値は上がっていくだろう。今ドラフトでトレント・リチャードソンが3位指名された大きな要因のひとつがそれだと思う。両者ともにアラバマ大出身というのが、さすがニック・セイバンといったところであろう。そういえば、アダイも典型的なセイバン上がりのプレイヤーであった。 3−4ハイブリッドに関しては、来季の観戦リポートで数多く触れる事になるだろうと思うので、今回はこの辺で止めときます。 あと、今回のドラフト、最後の感想としては、ラムズ。今ドラフトでも、ブラックモン、マイケル・フロイドを見逃し。昨年のA.J.グリーンはともかくとして、フリオ・ジョーンズから数えると3人連続エース級WRを見逃し。わしがブラッドフォードだったらグレるわ。チーム出るとか言い出すわ。 2012/4/28(土) 日の丸弁当ないし日の丸弁当的なものに梅干は付き物であるが、私はその梅干を、今の今まで、弁当の最後に食べていた。そうして、口に酸っぱさが残り、なんとなく後味の悪いものを感じていたのであるが、あれって、もしかして、一番最初に食べるの。一番最初に食べて、その酸味で食欲増進させるものなの。梅干を弁当に入れる理由の半分は衛生的なものであろうが、残り半分は、この食欲増進的なものなのかもしれない。ン十年生きてきて、日の丸弁当的なものは、うんざりするほど食べてきたが、初めて気が付いた。そういう事って、あるよね。 とまあ、フットボール、ましてやドラフトとは全然関係ない話柄から入ってみたが、元より何の意味も無い。後の文章の前フリって事でもない。最近、今更ながら、東海林さだおのエッセイにハマっていて、似たようなことを書いてみたくなっただけの事である。そういう事って、あるよね。 さて、フットボール、ドラフトの話題に入ろう。先週4/28を以って、NFL2012ドラフトはめでたく終了した訳であるが、前回の記事でちょっと触れたバーフェクトは結局、つうか当然というか、指名されず。なんでプロスペクトだったの。 しかしながら、ドラフト終了後、CINと契約。って、マービン・ルイスはNFLのHC職っていうのを、何か根本的に勘違いしているとしか思えない。他の31チームのHCはスーパーボウルを目指しているのに、マービン・ルイスだけは全然違うところを目指している。つうかもう、その手の施設の先生になった方が良いと思うんだけど。そりゃ、カーソン・パーマーも逃げ出すわ。 さて、コルツドラフトの総評に行く前に、カーク・・カズンズについて。コルツに指名された選手のスカウティングリポートを調べる為に、各種ドラフトガイド等をめくっているうちに気が付いたのであるが、このカズンズというQBのリポートに「考えすぎ」とか「自分の考えにこだわり過ぎ」というような、ドラフト・プロスペクトの選手評としては結構珍しい文字が並んでいた。なんというか、マニングチックなQBなのかもしれない。ちょっと、見てみたい気がする。 ドラフトでは、結局ロバート・グリフィン・サードを指名したWASが4巡7位指名している。サードとの競争に勝てるか。ミシガン・ステイト大がミシガン大に3年連続勝利した立役者のひとりでもあるので、ちょっと期待してみたい。 さて、いよいよ本題の2012コルツドラフトである。 個々の評に入る前に、まず全体の感想。それは何つっても、シラキュースを中心としたビッグ・イースト勢がいないという事である。ほんと、コルツは変わった、マジ変わった。やっぱり、あれはポリアンのバッファロー時代のコネだったのね。モハメッド・サヌーあたりをしれっと指名していたら、どうしようかとビビッていたわ(いや、別に指名してもいんだけど。)。上の記事で触れたブルース・アービンを指名したら、どうしようかとビビッていたわ(いや、むしろ指名して欲しかったんだけど。)。 では、いよいよ個々の評に。 1巡1位 アンドリュー・ラック QB スタンフォード大学 まあ、ラックに関しては、上の記事でも散々書いたし、これからも散々書いていくだろうから、ここでは割愛する。 ただ、ここでひとつだけ言っておきたいことがある。私は、これまで散々書いてきている通り、ラックに関しては疑問派なのであるが、その理由のひとつに最近気が付いた。 ラックに対する私の最大の不満はそのスローイングメカニックにあることは先にも書いたとおりであるが、それ以外にもいまいち我等がコルツのQBとして全幅の信頼を寄せ切れられぬものを感じていた。そうしてそれは何であるか、最近気が付いた。それは顔である。額である。額が狭いという訳ではないが、広くは無い。前任者、そうして前任のディフェンスのリーダーが共にデコッパチであったことに比較すると、私は大いに不満である、不安である。おでこというのは一般に知性の象徴である。また、医学的にも前頭葉は思考を司っている箇所らしい。そう考えると、ラックの知性面にもやや不安が残る。 2巡34位 コービー・フリーナー TE スタンフォード大 ![]() ラックのお友らちである。以上。んで、横の写真はフリーナーのアナウンスの為に会場にやって来た我等がハリソン様である。引退後、公式の場にはあまり姿を現さない印象があるので、珍しい。 3巡64位 ドウェイン・アレン TE クリムゾン大学 まさかのTE連打である。上のフリーナーがレシーブ専門のリベロであるのに対し、こちらはブロックもいけるそうである。両面という点では、今ドラフトにエントリーしたTEの中ではナンバー1という評価もある。 にしても、TE連打とは。ブロック専門のエルドリッジも抱えているのに。TEを常時2枚投入つっても、今のところNFLにそういう戦術は無い。最近のNEが似たような事をしているものの、ヘルナンデスは、どっちかつうとHバック的な使われ方をしているので、純然たるTE2枚制とは言い難い。パンサーズがショッキー、オルセンのTE2枚制を敷いていたが、機能していたとは言い難い。何か新しい戦術を用意しているのだろうか。単純に控えTEを3巡64位で指名したのだとしたら、悲しすぎる。芸が無さ過ぎる。今ドラフト、層が薄すぎる。 話はちょっと変わるが、私がTEというポジションに対して厳し目のコメントが多い事を訝しがる向きも多いと思う。アメリカではどうか知らぬが、日本では人気のポジションであるし。私も単純な好き嫌いなら、好きなポジションではある。 ただし、TEがオフェンスの主役にはなりえないと思っている。あくまで味付け程度である。軸になるポジションではない。 それは何故かというと、TEというのは、天丼で例えるならば、結局のところ、竹であるからだ。松ほど高く豪華でもないが、梅ほどみすぼらしくも無い。梅より豪華な気分が味わえ、松よりは安いお買い得感の高い竹の天丼が、すなわちTEというポジションなのである。 すなわち、WRほどヤードは稼げないが確実で、RBにボールを預けるほど確実ではないがヤードは稼げる、それがTEというポジションなのである。 確かに一見、お得ではある。しかしながら、実際のところは、竹の天丼同様、やっぱり損しているポジションなのである。豪華な天丼を食べたいのなら、松を注文すべきだし、安く天丼を食べたいのなら、梅を注文すべきだろう。 同じく、ヤードが欲しいのだったらWRに放るべきだろうし、確実にボールを進めたいのなら、RBにボールを預けるべきだろう。イメージよりも生産性の無いポジション、それがTEなのである。イメージよりもお買い得ではない天丼、それが竹の天丼なのである。 競馬でいう所の中穴派に似ているかもしれない。大穴派ほどのギャンブルは出来ないし、本命派では詰まらない、そういうギャンブルの仕方である。何を隠そう、私もその一人であるし、数的に多いのも、この中穴派かもしれない。そういった意味では、TE人気と似ている。 しかし、実際のところ、最も損をしているのは、この中穴派であろう。本命派ほど確実ではないし、大穴派ほど大きなリターンがある訳でもない。それでいて、時折ちょぼちょぼ勝つから、そこそこの満足感もある。しかしながら、集計を出してみれば、結局は損をしている。それが中穴派であろう。競馬に限らず、あらゆる賭場は、この中穴派で儲けを出して、その内のいくらかを大穴派と本命派に配分しているというような経営をしている筈である。 例えば、宝くじなども、毎週千円買うよりは、10年に一度、50万円を投入した方が当選する確率は高まるはずである。 ちなみに私は、先に中穴派であると書いたが、そういう賭場のからくりを知っているので、原則的にはギャンブルはしない。また、性格的にも、大穴派や本命派になれない事は分かっている。 以上は、あくまで一般的なTE論なので、アレンの評価はまた別である。素直に頑張って欲しい。 3巡92位 T.Y.ヒルトン WR フロリダ国際大学 ちょいとトレードアップしてのWR指名である。スピードとクイックネスを兼ね備えたタイプであるが、5−10、183パウンドという体格からも察せられるとおり、非常に華奢であり、バンプにも滅法弱いらしい。そういった意味では、ちょいと、あの懐かしのマービン・ハリソン様を思わせるところがある。ハリソン様か否かは兎も角、典型的なディープ・スレッドっぽいことだけは確からしい。 身長が低い事を気にする向きもあるが、その点に関しては、私はあまり気にしていない。背が低くても好成績を残しているWRはいくらでもいるからだ。むしろ、背は高すぎる、長身だけのWRの方が使い物にならぬ事の方が多い。また、背が高ければ、それだけ腕も長くなるので、結果的にハンドが怪しくなる。6−3以上のWRは、私には却って不安である。 TE2枚、そうして、このヒルトンの他に、6巡でも似たようなタイプのWRを指名している事、そうして5巡でパワーバックっぽいのを指名している事からから察すると、どうも首脳陣はパーセルズっぽいパワーラン・オフェンスを指向しているようである。それに強力3−4ハイブリッド・ディフェンスを組み合わせるという戦略なのだろう。 あと、このヒルトン、リターンも出来るらしい。そういう点を考慮しても、どうもやっぱり、パーセルズっぽいパワーラン・オフェンスを指向しているようである。それに強力3−4ハイブリッド・ディフェンスを組み合わせるという戦略なのだろう。 5巡136位 ジョシュ・チャップマン DT アラバマ大学 ここにきて、ようやっとディフェンス・プレイヤーの指名である。6−1、310パウンドのDTである。典型的なNTに比較すると、やや小振りな感はあるが、3−4ハイブリッドなのでこれで良いのである。 3−4ハイブリッドと古典的な3−4との決定的な違いは、どのポジションの選手も隣のポジションがこなせるという点である。NTならばDE、DEならばOLB、OLBならILBといった具合に隣のポジションがこなせる事が絶対的な条件になる。理想的にはフロント7の全ポジションを全てこなせるのが望ましいが、さすがにそこまでは厳しいので、とりあえず隣のポジションはこなして欲しい。また、NTといえども、時にはパスカバーもするのが3−4ハイブリッドの特徴である。 このチャップマンのスカウティングレポートを読むと、理想的な体格・運動能力はないものの、機動力と知性で勝負するタイプとある。前回の記事に書いたアップショーと同じような事が書かれているが、これが3−4ハイブリッドの一大特徴、ひいてはニック・セイバン上がりのプレイヤーの最大の特徴なのである。 そういった意味では、このチャップマンを生かすも殺すもコーチング次第というセイバン上がりのプレイヤー共通の特徴を持っている。それも、道徳的な教導とか技術的な指導というような、謂わば低レベルなコーチングではなく、戦術的戦略的指示という、もっとも本来プロ的な意味でのコーチングが問われる事になる。ちょうど、アダイを活かしきったマニングのような指示がパガーノを始め、ディフェンスのコーチ陣に問われる事になる。 そういった意味では、このチャップマンが、スターターとは言わぬものの、ローテーションの一員として長く、例えば10年近くコルツの一員としてあり続けられたら、それはパガーノのディフェンスの成功を意味する事になるだろう。逆に数年でコルツを去るようなら、パガーノのディフェンスの失敗を意味する事になるだろう。そういった意味では、パガーノの試金石的な選手になると思う。まあ単純に、力不足や怪我での離脱もあるだろうけどさ。 5巡170位 ビック・バラード RB ミシシッピー・ステイト大学 典型的な両タックル間に突っ込んでいくタイプのランナーとある。パワーバックという程、パワーがあるかは不明だが、とりあえず、アウトサイドのランナーで無い事は確からしい。 ブリッツピックとレシーブは上手いという説と下手という説の両論がある。これは、実際のゲームを見てみなくては分かるまい。ボールセキュリティーも同様である。 という事で、完全にデロン・カーターとキャラが被っている。まあ両方残してもいいけどさ。 つう訳で、この指名を見ても、首脳陣がパワーラン・オフェンスを指向している事はまず間違いなさそうである。 ただ、ここまで書いてきて、ふと思ったのであるが、ラックはこのオフェンス・スキームにド嵌りする可能性がある。ショート・ミドルのパスが正確で、そこそこディープに放れる肩もある。そうして機動力も兼ね備えているとなると、このパワーラン・オフェンス向きかもしれない。それこそ、サンフランやスタンフォードのオフェンスのイメージ、すなわちハーボーのやってきたオフェンスのイメージである。 6巡206位 ラ・ボン・ブラジル WR オハイオ大学 スピードとクイックネスを兼ね備えたタイプで、リターナーも出来る。ただし、小柄。つう事で、3巡のヒルトンとドド被りなのであるが、要するに、そういうタイプが欲しかったのだろう、上に書いたような理由で。FAでドニー・エイブリーを獲得しているのも、同様の理由だろう。 以上、って以上じゃない。このプレイヤーの突っ込むべき所はそこじゃないだろう。何、ラ・ボン・ブラジルって、その面白すぎる名前。この1週間、私はその名前で、どんだけ笑ったか。 ラ・ボン・ブラジルって、ブラジル人じゃねーし(いや、ブラジル人かもしれないけど。)、ラ・ボン・ブラジルって、サッカー上手くねーし(いや、上手いかもしれないけど。)。わしが芸人だったら、確実にその前でデビューするわ。いや、しねーけど。 こんな面白ネームが、今ドラフトのプロスペクトに隠れていたとわ。2年前のンダマコンはトップ・プロスペクトでもあったので、すぐ見つけたが、さすがに、このブラジルは指名されるまでは気が付かなかった。ありがとう、グリグソン。こんな面白ネーム、指名してくれて。感謝します。 という訳で、私的には俺ホール・オブ・フェイム間違い無しなのであるが、一方、ここで私は思い切った断言をしよう。ブラジルは活躍しない。 私のポジション別名前診断によると、WRは平凡な名前の活躍するポジションである。ライス、ブラウン、カーター、ハリソン、モス、ジョンソン等々、連綿と平凡な名前の活躍するポジションである。日本で言えば、佐藤さん、鈴木さん、田中さんの活躍するポジションなのであって、西神田林三郎太の活躍するポジションではない。珍名さんの活躍するポジションとしてはQBやLBなどが挙げられると思う。マニングは珍しくない方であるが、だからと言って、良くある名前でもない。日本で言えば、河村さんぐらいか。 クラブツリーが伸び悩んでいるのも、それが一因かと思われる(マジかよ。)。そういった意味では、ブラックモンには一抹の不安を感じる。 しかし、ラ・ボン・ブラジルって、ラ・ボンがファーストネームなの。それとも、まさかの芸名。ワールドピース的なものなのか。 7巡208位 ジャスティン・アンダーソン OT ジョージア大学 まあ、この辺の巡目になると完全にお試しピックなので、云々批評しても意味は無いのであるが、OLの指名である。6−4、330パウンドとOLとしては理想的な体格なので、どっかのポジションに潜りこんで来るかもしれない。パワーランを指向しているっぽいので、OGとして使っても面白いかもしれぬ。 7巡214位 ティム・フーガー DF/OLB バンダービルト大学 上のアンダーソンにも増して、情報がほとんど無いのであるが、DE/OLBのトィナーという事で、典型的な3−4ハイブリッドのプレイヤーかと思われる。 で、終わりにしようと思ったのであるが、写真を発見すると、これがなかなかの男前。しかも結構やりそうな顔をしている。意志の強そうな顔である。LBというポジションは運動能力よりもヤル気や知性が重視されるポジションなので、もしかしたら、スターターに喰い込んでくるかもしれぬ。 あと、名前のFUGGERというのが、なんかヤバイ意味らしく、現地の掲示板でからかわれている。mother fuggerという言葉があるらしい。なにやらエロそうな匂いがするが、この辺で穿鑿はやめとく。すいません、ゲスリング部出身なんで。 7巡253位 チャンドラー・ハーニッシュ QB 北イリノイ大学 ここに来て、まさかのQB指名。普通に考えれば、ラックのバックアップはベテランが務めると思われるので、第3のQBとしての指名だろう。 私は、QB3人制は無意味だと思っているので、良く分からぬ指名である。ラックのかませ犬的な指名か。どっちが長州でどっちが藤波であるかは不明だが。 で、こんな最後の指名選手の紹介は終わりにしたいのであるが、この選手は色々な特徴がある。 まず、このハーニッシュというQB、ティム・ティーボーに比較する声もあるくらい、良く走る。2011年シーズンは、何とシーズン14ゲームで1379ヤードも走っている。ちなみに、同じくモバイルQBであるサードは13ゲーム699ヤードである。 「だから、どうした。」と言われれば、それまでであるが、とにかくそういう選手である。 んで、地元インディアナ州出身。 ちなみに、大学時代の背番号は12、ラックから奪えるか。いや、奪えねーよ。 そうして、ドラフト最後の指名選手、所謂「Mr. Irrelevant」である。 アメリカ人は、この賞を良く話題にするが、これって意味あんの。歴代受賞者をみても、ものになった選手はほとんどいないし。 でも、最初と最後の指名が同じチームで同じポジションっていうのは、初めてじゃね。調べてないけど。 つうのが、ハーニッシュのプロフィールであるが、さすがにロースターには残らねーだろーな。3年後、コイツがスターターでスーパー獲って、大人気だったらビックリする。 以上が、2012コルツドラフトだった訳であるが、総評としては、どうも首脳陣はパワーラン・オフェンス&3−4ハイブリッド強力ディフェンスを指向していることは確からしいという事だ。まあ、勝てば何でもいんだけど。 あと、これはこの記事を書いていて気付いたのであるが、下位でSECのプレイヤーを多く指名しているという点である。SECは、人も知るとおり、カレッジ最強カンファレンスなので、これは単なる偶然以上のものを感じる。グリグソンの意志だと思う。訳の分からんビッグ・イースト偏重に悩まされてきた一コルツファンとしては、この現象は歓迎する。 あと、最後にもうひとつ、私はドラフト期間中にフリーニーを使ったトレードがあるかもしれぬと予想していたが、これは無かった。 ドラフト直前に、アサンテ・サミュエル、7巡とトレードという結構衝撃的なニュースがNFL界隈を駆け抜けたが、どんな名選手も三十路を過ぎると、価値が無くなるのね。勉強になりました。と考えると、数年前のシーモア、1巡とトレードつうのは何だったんだ。NEとアル・デービス特有の現象だったのか。 で、2012ドラフトの記事は終わりにしたいと思うのであるが、最後にちょっと日本プロ野球の話柄を持ち出したい。 それは先日2000本安打を達成したについてである。私は宮本はルーキーイヤーから知っているが、その当時の事を思い出すと、あの宮本が2000本安打を達成するなんて、とても想像できなかった。先輩の古田の一年目も大概打てなかったが、宮本はそれに輪を掛けて打てなかった。 その選手、しかも古田同様、大卒社会人あがり、すなわち24歳でプロ入りした選手が2000本安打に到達するとは感慨深いものがある。大卒社会人出身での到達としては、それこそ古田以来だと思う。 この2000本安打で、最近の子供の目には、宮本と云えばバッティングの良い選手の様に映るだろうが、彼の真骨頂は何と云っても、史上最高とも称されるその守備である。とにかく、宮本の守備はあまりにも上手く、素人目にはっきり分かるようなダイビングキャッチなどはほとんどしなかった為(守っている位置が極端に深いからである。)、バッティングのいい石井や松井の方が世間的には守備の上手いショートとされていたくらいである。 しかしながら、はっきり言って、石井や松井は宮本の敵ではなく、まして川相も敵ではなく、強いてライバルを挙げるとすれば、小坂や井端だろうが、軍配は当然、宮本に上げる。 守備というのは、打撃や走塁と違って、スタッツに現れにくく、リアルタイムで見ないとなかなか分からぬものであるが、私がリアルタイムで見た中では、間違いなく宮本が最も守備の上手いショートである。それこそ、オジー・スミスやジーターよりも上手い。守備範囲の広さ、エラーの少なさ、肩の強さ・正確性、どれをとっても宮本が、こと守備に関する限りナンバーワン・ショートである。 往時のヤクルトは、この宮本がショート、キャッチャーはご存知古田、そうしてセカンドには辻がいた時期があり、当時の宮本は、まだセカンド・ショートの控え・守備要員という立場であったが、稀にこの3名が同時にグランドに立つ事があった。 辻は衰えが見えていたとは言うものの、私の知る限りオールタイムでベストの守備のセカンド、ショート、キャッチャーが同時にグランドに立っていた事になる。これでセンターが秋山だったら、史上最高のセンターラインが完成していた訳であるが、秋山に次ぐ実力者である飯田がセンターを守っていたので、実質的に史上最強のセンターラインだったと思う。 先日、プロ野球ニュースで苫篠が「宮本はルーキ時、同じチームに辻がいたのが大きかった。」というような事を述べていたが、これはイマイチ良く分からない。タイプ的には両者は全く同じ、守備の達人で、キャリアの前半全く打てず、後半打てるようになったという点まで全く同じなのであるが、その関係については良く分からない。少なくとも、私は宮本の口から辻についての見解や思い出を聞いた事は無い。 辻というのは、間違いなくナンバー1の守備を誇ったセカンドだったと思うが、彼について語る声は非常に少ない。意外に人望が無いのか。 なんて事を、NFLドラフトの記事で最後に付け加えたのには訳がある。それは入団時の評価など、まったく当てにならないということを言いたかったのである。となると、このドラフト記事全否定になってしまうのであるが、仕方が無い。だって、そうなんだもん。 この宮本と同期で、ほぼ同時期に2000本安打を達成した稲葉なども、当時の野村監督以外、誰も目を付けていなかった選手である。その野村監督が直々に獲得を望んだ3名の内のもう一人、新井宏昌もきっちり2000本安打を達成している。 また、金本や小笠原の入団時、彼等がこのような選手になると予想した人がどれだけいただろう。前田と元木が同い年である事は、まさしく感慨深い。 一方で、巨人に大騒ぎで入団した高橋由伸や二岡はいまだ2000本に到達しそうも無い。ちなみに、巨人の生え抜きで2000本に到達したのは柴田以降いないと思う。松井と駒田は達成しているが、当時巨人に在籍していないし。意外にそんなもんである。 つう訳で、ハーニッシュよ、スーパーよろしく。 これにて、悪夢の2011年度は終了。 2012/5/6(日) |