2011年 Week8 |
10月31日 IND@TEN 10−27 |
今回、初めてティーボーのプレイをじっくり見たが、さすがにQBとしては厳しいと思う。間違いなく、今現在のNFL32人の先発QBのうち32番目のQBだと思う。テレビを見ながらビールをかっくらって、「あれなら、俺の方がマシだ。」と毒づいているストリートFAのQBも多いだろう。 パッシングの技術について、今更とやかく云う事も無いが、モバイルQBとしても、かなり厳しいと思う。思ったより、足が速くない。このゲームで、スッタフォードが「俺だって、結構速いよ。」とばかりにスクランブルしていたが、そのスピードそのものはティーボーといい勝負、つうかティーボーより速いかもしれん。ティーボーの場合は、このゲームでは封印していたようであるが、パワフルなランがあるのかもしれん。にしても、あの程度のランだと、例えば3rd&10から、敵ディフェンスがティーボーのパスを警戒しつつ、スクランブルが来たとしても、そこから止めに行けば7ヤードなり8ヤードなりで止められるレベルである。ファーストダウンは取れないだろう。同じようなシチュエーションで、ファーストダウンどころか、20ヤード、30ヤード走ってしまうヴィックとは、そこは決定的な違いである。モバイルQBとしても厳しいのではないだろうか。 勿論、純粋なパサーとしてもかなり厳しいだろう。第4クォーターにクリス・ヒューストンのエンドゾーンからのINTリターン・タッチダウンが出たが、あれなどは「いや僕、ここに居ますから。TDセレブレーション、生煮えでしたから。」的なインターセプト・リターン・タッチダウンであった。 キャム・ニュートンが、このティーボー以下だったというのも、どうしても信じられん。パスもランも、どう見てもニュートンの方が上である。この数年間でもの凄くもの凄く成長したのか。私の理解を超えとる。 そんなティーボーがアメリカで大人気な理由は前回の記事で書いたとおりであるが、一方で、本日の解説の半袖さんを始め、日本の解説者から酷評されている理由も、分かる様な気がした。アメリカ人と違って、日本のフットボールプレイヤーの多く、というかほぼ全ては、学校の部活動としてアメリカン・フットボールを始める。しかも、高校や大学といったハイティーン、しかも他のスポーツからの転向組がほとんどである。純粋に競技としてのアメリカン・フットボールしか知らない彼らの目には、ティーボーのクォーターバッキングなんていうのは、てんでお話にならない、端にも棒にもかからないものとして映るだろう。私のような、プレイ経験すらない、純粋な観戦者の目にも同様に映る。 しかし、多くのアメリカ人は、競技としてのフットボールの前に、多かれ少なかれ、遊びとしてのフットボールを経験しているであろう。また、大人になってからも、昼休みとかに、フットボールでキャッチボールをしたりするだろう。そうした経験のあるアメリカ人にとってはティーボーのスタイルというのは、非常に親しみのあるものに映ると思う。 こういう、遊びとしてのフットボールを体験しているというのは、そのゲームを理解する上では、意外に重要であるでと私は考えている。だって、スポーツというのは本来遊びなのだから。 この試合、もうひとつの注目は、カルビン・ジョンソン対チャンプ・ベイリーの現役ナンバー1WR・CB対決のマッチアップであるが、こちらはベイリーの判定勝ちといったところか。ひとつ、一発タッチダウンを喰らっているが、あれはあの時点で半ばゲームは決していたし、紛らわしいフラッグも出ていたので、参考記録といったところであろう。概ねチャンプ・ベイリーの勝ちと見る。 前回の記事にも書いたとおり、カルビン・ジョンソンのルートランにはやや甘いところがあるので、こういう結果もやむなしであろう。まあしかし、そうはいっても中年のおっさんがカルビン・ジョンソン相手にあれだけのマークを見せるのは、さすがとしか言いようが無い。 チャンプ・ベイリーの凄いところは、WRをマークしつつ、QBとも駆け引きが出来るところである。そのへんが凡百のシャットダウンコーナー(?)との決定的な違いである。普通はWRをピッタリマークすれば、QBとの駆け引きは出来ない。 おそらく彼の輝かしいキャリアの中で、完全敗北したのはマーヴィン・ハリソンのみであろう。マーヴィン・ハリソン&マニング・コンビというべきか。 何故に、ハリソンがベイリーに完勝出来たかといえば、答えは只一つ、ハリソンのルートランニングが半端無かったからである。それは、えげつないなんていう様なものではなく、私はかつて表現した事があるように、白鳥が舞うような、優雅なルートランニングだった。ふわっと浮いて、気が付いたら、CBを外している。それはチャンプ・ベイリーとて例外ではなかった。それも駆け引きで外すのではなく、運動能力のみで外しているのである。運動能力が一定段階を超えると、「凄味」から「優雅」に変わるという好例である。そのレベルの運動神経というのは、私の知る限り、ディマジオとかマイケル・ジョーダンぐらいしかいない。その数少ない例外の1人がマーヴィン・ハリソンだった。ハリソンに匹敵するようなルートランニングを私は見たことが無い。 しかし、カルビン・ジョンソンのニックネームが「メガトロン」というのはどうなのだろう。まあ、「ビースト」の上が「フリーク」で、その「フリーク」の上が「メガトロン」という位置付けなのだろうが、って、メガトロンて何。生物。物体。 しかし、ティーボーがしょぼいとはいえ、デンバー相手に45−10の横綱相撲で快勝とは、デトロイトも強なったもんだのう。ちょっと前まで、0−16とか云っていたくせに。ライオンズのくせに生意気だぞ。(スネ夫談) しっかし、このティーボーに負けたマイアミって何。今週もきっちりジャイアンツに負けとるし。ペイトンはイーライを説得出来なかったのか。いや、逆に説得したのか。 しっかし、マイアミが、そこまでして勝たないんだったら、こっちだって勝たねーぞ、コノヤロー。コリンズ出しちゃうぞ、コノヤロー。IR入りしたけど、ルール捻じ曲げちゃうぞ、コノヤロー。 あっ、そうそう、この記事の表題、IND@TENだった。忘れてた。しっかし、テレビ放送しないのお。元々不人気地区の不人気チームである為に、勝てなくなったら用済みとばかりに捨てられるのは致し方ないが、手のひら返しすぎじゃない。私って、都合のいい女なの。 テレビ放送はともかくとして、敗戦はある程度予想していた。理由は前回の記事にも書いたが、「積年の恨み、ここで晴らさずべからずか〜〜〜。」の気持ちで来るからだ。同地区チームには、まず勝てないだろう。確実にお礼参りされる。しかも敵地だし。 という訳で、勝てそうなカードをいろいろと考えてみたのであるが、まずNFCのチームには無理。NFCのチームだと、マニングいるいない関係無しに、コルツを普通の強豪だと勘違いしてかかって来るので、まず無理。下手すりゃ、NO戦である。あいつら全然分っていない で、AFCの弱小に対しても、上記の理由で、厳しいと見る。特に同じ南地区は無理。峯岸みなみが高橋みなみを襲うようなもんである。んません、本当の事を言うと、AKB48について、僕何も知りません。あてずっぽうで書いているだけです。中年が見栄張っているだけです。休憩室でOLに負けないぞ的なノリです。 で、勝てそうなところというと、前回の記事にも書いたが、AFCの強豪だと思う。「なんだ、マニングいないの、やる意味ないじゃん。」的なノリで来るからだ。そう考えると、当時は全く気が付かなかったが、第3週のPIT戦は今季最も勝つ可能性の高いゲームだったかもしれん。接戦になったのは、完全にそれが理由であろう。 で、多分、一番勝てそうな相手は、おそらくサンディエゴだと思う。あそこは確実にぬるい気持ちで来る。「なんだ、マニングいないの、君達ついてないね〜〜〜。」的なノリで絶対に来る。そして、「あれあれ、あれれれれええええ〜〜〜。」って感じで、13−20くらいで負けてくれる筈だ。んで、「そんな日もあるよね〜〜〜。」的なノリで帰って行くだろう。 しかし、惜しむらくは、今季、SD戦のカードは組まれていないんだよな。あとは、ベリチックが、IND戦をなんかの実験に使ってくれるのを願うだけか。 このゲームについての感想は、いつもの通りである。デローン・カーターは3ヤーダーから4ヤーダーに昇格したようであるが、今のコルツに必要なのは、確実に3ヤード、4ヤード走ってくれる選手ではなく、0ヤード、マイナス2ヤード、3ヤード、マイナス8ヤード、50ヤード一発タッチダウンみたいな、所謂ホームランランナーである。その可能性があるのは、今のコルツにはドナルド・ブラウンしかいない。今のコルツが3rd&ショートのシチュエーションを作る事にどんな意味があるのか、さっぱり分らん。ボールコントロールしても、勝てんでしょ。 あと、ペインターが一時の勢いを失っているが、これは完全にスランプだろう。最初の数試合は無我夢中でやってきたが、ここにきて、いろいろなものが見え始めて、逆にプレイ出来なくなっているのだろう。良い傾向である。中には、これを感じないプレイヤーもいるからだ。ず〜っと無我夢中って奴も多いからだ。ここを越えれば、彼も一流とは言わないが、十分に二流の仲間入りである。メカニックもそんなに悪くないので、1シーズン丸々経験させれば、ロモやカイル・オートン、マット・シャウブくらいには成れるのではないだろうか。それをコルツが必要とするか否かは、また自ずから別問題だろうが。 2011/11/1 |
10月31日 CLE@SF 10−20 |
来週のゲームが数時間後に近づいているのに今週のことを書くシリーズ第3弾という訳でもないが、CLE@SFの観戦レポートです。実際、今季のハーボーの采配は、相田彦一ではないが、要チェックなのである。 この対戦カードを目にした時の私の第一感は「こりゃ、ミスマッチだ。」である。CLEはSFに捻られるだろうと思っていた。で、実際、ゲームを見た感想はというと、「ひねられる」というよりはむしろ「玩ばれる」に近いゲーム内容だった。ゲーム終了後のハーボーの表情が、ライオンズ戦とは打って変わって、「日曜日に洗車を終えたお父さん」のような顔をしていたのは、私には印象的だった。SF的には、むしろ課題の多かったゲームなのではないだろうか。 まず、このゲームの圧巻は、何と云っても、第1クォーターでSFが見せた自陣2ヤード地点からのスウィーププレイであろう。私も、なんだかんだでフットボールのゲームは500試合ぐらい見ている筈であるが、こんなのは初めて見た。出た瞬間、私は「ぐわっ。」と意味不明に叫んでしまったぐらいだ。 自陣1ヤード2ヤードくらいからだと、特殊な状況でない限り、普通は中央に2回ランして、それからサイドライン際へのパス、敵の上がりが早いないし多いようならディープ、といったあたりが一般的のコールであるし、事実このゲームの第2クォーターでもクリーブランドが同じような状況で同じような事をしていた。 ところが、サンフラン、というかハーボーは、まさかのスウィープでファーストダウン・ゲット、ゲット〜〜〜である。スウィープというのは、解説の有馬さんも言っていたように、自陣1ヤード2ヤードの状況で使うプレイではない。ブロッカーが1人ズッコケれば、たちまちセイフティ、ひとつ間違えればファンブルリカバー・タッチダウンを奪われてしまうからだ。序盤というのもあるだろうが、それを差っ引いても、普通は出さないプレイである。このプレイをコールしたひとつの根拠はブラウンズのLB陣が猛烈に遅いという点だろうが、それを差っ引いても、普通は出さないプレイである。 しかし、このプレイを出した事で、ブラウンズのみならず、他の31チームも非常に混乱するであろう。ワンプレイでスタッツ以上の効果を狙う、いかにもハーボーらしいプレイコールである。 ちなみに、このプレイが出たシリーズは、LTのジョー・ステイリーのパスキャッチなども出てFGにつなげている。そのステイリー、そのレシーブでファーストダウンを獲得したのであるが、あの、右手を突き出す、空手チョップのような、ファーストダウン獲得のアクションを、思いっきりごっつやっとった。私のフットボール観戦暦500試合で、間違いなく最も激しいファーストダウン獲得アクションだった。「だって、初めてだったんだもん。」といったところか。まあ、生まれて初めてかはともかく、NFLのキャリアでは初めてだろう。 さて、そして、この次のサンフランの攻撃シリーズもまた圧巻、というか通好みのプレイコールが続く。シリーズの中盤でおもむろにゴアにアウトサイドを走らせ、26ヤードを奪ってしまうのである。根本的にインサイドランナーであるゴアに、先の自陣前も含めて、二つのアウトサイドを走らせたことにより、ただでさえ遅いブラウンズのLB陣の足は完全に止まってしまうのである。その直後、アレックス・スミス(SFの方)に2連発で中央のアンダーニースを通され連続ファーストダウン更新、トドメはゴア得意のインサイドで7ヤード走られタッチダウンである。 このタッチダウンは、結果的にはレビューにより覆るのであるが、このシリーズもうひとつの見せ場は、これだけ縦横無尽のコールをしてきたサンフランが、ゴール前1ヤードから、4th&ギャンブルまで含めて、インサイドのパワーラン3連発をコールするのである。しかも、上記のジョー・ステイリー同様、エリジブル・プレイヤーとしてDTのソポアーガをFBに入れているにも拘らずである。 ゴール前からのパワーラン3連発でタッチダウンを獲れないなんていうのは、本来ならば無能・無策として批判されて然るべきコールであるが、ハーボーは批判されない。なぜなら、ここまで縦横無尽のコールをしてきているからである。この「ぼんやりとした」平凡なコールには逆に凄味すら感じる。 この辺が、ハーボーのコールの最も恐ろしいところだと思う。奇抜なコールばかりではないのである。これが例えばマニングだったら、成功するコールを続けるだろう。しかしハーボーは、そこにわざと薄ぼんやりとしたコールを混ぜる。野村克也のいうところの、所謂「セオリーに則った奇策」である。セオリーに奇策を織り交ぜる事によって、元々成功率の高いセオリーの成功率が更に高まるのである。これが奇策の真の効果、価値といってよいだろう。実際、このゴール前パワーラン3連発では何の役にも立たなかったソポアーガは、ゲーム終盤、やはり同じくエリジブル・レシーバーとして登場してきて、試合を決めるFGへとつながるレシーブを決めている。 解説の有馬さんも、このゴール前パワーラン3連発のシーンでは、同じような事を言っていたが、やはり同じQBとしてハーボーと感覚的に一致するものがあるのだと思う。 こうしたコールの凄みというのは、オフェンスのみならず、ディフェンスにもある。第3クォーターのインターセプトなどはその好例だろう。このインターセプトなどは、あんなガチガチのダブルカバーのところにコルト・マッコイが投げているところから考えても、プレイそのものが「読まれいる」感じもするが、それ以上に「嵌められている」感じがした。得点差、フォーメーション、フィールドポジション等々から算出されたある特定の状況でマッコイに両サイドからプレッシャーをかけると、やや前方にステップアップして、苦し紛れに誰それに放るというデータがナイナーズ側にあったのではないだろうか。そんな感じの、型に嵌ったようなインターセプトだった。 実際それ以後、マッコイはまるでパスが投げられなくなってしまう。ちょうど、ライオンズ戦のスタッフォードと同じような機能不全といった感じである。OCともども何処に投げればよいのか、まるで分らなくなってしまったといった感じである。特に第4クォーターの3rd&インチからのQBスニークなんていうのは、WCO系統のHC・OCにとっては屈辱的なコールだろう。3rd&インチからショットガンで3〜5ヤードのパスを、スラントなりアウトなりで通してしまうのがWCOの真骨頂、謂わば見せ場だからである。キャンドルスティックでのホルムグレンにとっては屈辱以外の何者でもないコールだったと思う。壁に描かれたビル・ウォルシュに顔向けできないだろう。 事ほど左様に、ハーボーというのは、オフェンスのみならず、ディフェンスでも、相手を混乱させるようなコールやプレイをしてくる。そういった意味では、元来駆け引きを好まないWCO系統のHC・OCとは非常に対照的とも云える。壁に描かれたビル・ウォルシュは、どんな顔でハーボーを見ていることだろう。 突っ込まれる前に、あらかじめ言っておくが、第4クォーターにでたブラウンズのタッチダウンは、これは完全にDB陣の油断の産物なので、ハーボーに、統率者としてはともかく、戦術的な責任は無い。まあ、あのゲーム内容でナイナーズ側が油断しないのは、なかなか難しかろう。それくらい、ゲーム内容に開きがあった。 しかし、その開きというのは、選手の能力的な開きではなく、HCのプレイコールによるものなのだから、誠に恐れ入る。 実際、両チームの個々の選手の違いというのは、ポジション的に凸凹はあるだろうが、全体としてはそんなに差は無いだろう。オールプロ級、プロボウル級の数を比べても、そんなに差は無いだろうと思う。ややナイナーズの方が上かもしれないが、それはナイナーズが10だとすれば、ブラウンズが9とか9.5であって、10:6とか10:7の差は無い。NFLなので、当たり前といえば当たり前であるが。 例えば、QBで比べてみても、アレックス・スミスとコルト・マッコイに大きな差は無い。仮にマッコイとスミスを入れ替えたら、マッコイはスミスと似た様な結果を残すと思う。というか、ハーボーがブラウンズに行けば、今の49sと似たような結果を残すだろう。それくらい、ハーボーの采配は出色である。 ちなみに、このゲーム、第3クォーター以降、ナイナーズのオフェンスは全く冴えを失ってしまうが、これはハーボーが、上記の理由で、わざと「ぼんやりした」コールしたというのもあるが、ひとつには平凡なコール、すなわちQBの力が如実に出るコールでスミスを試したのだと思う。私は、結論を云えば、不合格だと思うが、ハーボーの目にはどう映っただろう。冒頭に書いた試合後の表情から察すると、不合格っぽく、私の目には映ったのであるが。 このアレックス・スミスでスーパーボウルまで勝ち抜けるとハーボーが考えているのだとしたら、前回の記事にも書いたように、ハーボーは自分の手腕に相当な自信を持っているという事になる。それこそ、ウォルシュやベリチック級に自分を考えているという事になるだろう。 とすると、コルツファン垂涎のアンドリュー・ラックにも一抹の不安が生まれてしまうのであるが。ちなみに、もう一人のハーボー門下生QBジョシュ・ジョンソンは只今タンパでフリーマンの控えQBである。ちなみに、このジョンソン、サンディエゴ大の2007年シーズンでは年間43TDs−1Intという、T−AAとはいえ、とんでもない数字を叩き出している。これはジョンソンの力によるものなのか、ハーボーの力によるものなのか。このシーズン、ハーボーが直接指揮を執った訳ではないが。う〜む。 最後にひとつ、ブレイロン・エドワーズって、49sにいたのね。クリーブランド戦にあわせて復帰してくるとは。相変わらず、難しい球は獲れるが、正面が獲れないけれど。でも、自分より年長のバレスにロースターを奪われるって、全体3位指名のプレイヤーとしては結構屈辱的じゃない。 柿ピー喰って、酒飲んで、寝よっと。 2011/11/7 |
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2011年 Week9 |
11月6日 ATL@IND 31−7 |
ついにマイアミ勝ったな。今季、PIT戦以外では、コルツ絡みで初めてガッツポーズしちゃった。しかし、KCもあのマイアミに負けるかねえ。私の見た限り、マット・ムーアなんて、箸にも棒にもかからないQBなのに。KCNE化計画はまだまだ道半ばと見た。つーか無理か。 デンバー、つーかティーボー、勝ったな。これで先発3試合で2勝1敗。この3試合に関する限り、日本の通振っている解説者達の見識よりも、アメリカの一般大衆の趣向の方が正しかった訳である。フットボールの原風景を持たない私も注意しよう。この感覚は意外に一番大事なのである。 さて、ATL@INDであるが、インディの試合、もっと放送して欲しいなあとか言っている私であるが、さすがにこの試合は辛かった。アトランタのファン以外は誰も楽しめない試合であろう。ごめんなさい、GAORAさん、僕達が悪かったです。残りのゲームも、多分こんな感じなんで、他のカード放送してください。他のチームのファン、NFLのファンに申し訳が立たないッス。 辛いとは書いたが、これは一NFLファン、というか営業的な視点に立っての話で、一コルツファンとしては、実を言うとそれなりに楽しめた。こんな発言は他のコルツファンの神経を逆撫でするかもしれないが、弱きゃ弱いなりに、駄目なら駄目なりに、楽しめるのがスポーツの良いところである。ルーカス・オイルに来ていたお客さんも、それなりに楽しんでいたんじゃないかな。この10年間、勝ってばかりいたのだから、これくらいの連敗は良しとしよう。4月には、お楽しみも待っているし。 選手も、主力クラスは、完全にオーバーオールを決め込んでいるようである。ブラケットの姿が何度か画面に映し出されていたが、完全に合コン話してたもんな。「ヘイデン誘ってみっか。」みたいな。フリーニーは完全に手ェ抜いているし。サタディーも途中で引っ込んじゃったし。「娘のPTAがあるので」みたいな。マニングは、面倒くさいのか、ブース席まで上がらねーし。ちなみに、マニングの着ていた、あのグレーのブルゾン、なかなかカッコいい。千円で売ってたら、買う。 で、ゲーム内容であるが、例によって例の如くの、ファンブルロストで決まるパターンである。ブラウンズ戦以外、今季は全部ファンブルロストで試合決まっているのではないだろうか。 前にも書いたが、ファンブルはともかく、ロストなんていうのは完全に運なので、今季は異常である。STL戦なんて、エクスチェンジミスしたのが、ダウンフィールドに転がっていたし。ファンブルしたのをリカバーした記憶が無い。 ここ5年くらい、特にエッジさんが退団して以降は、ファンブルロスト以前に、ファンブルすらほとんど記憶に無いので、大袈裟でなく、隔世の感がある。マニングとアダイのボールセキュリティが如何に素晴らしかったかというのを再認識するシーズンである。もちろん、ウェインやクラーク等々もである。ましてや、手痛いファンブルロストなどというのは、ほとんど記憶に無い。まあ一応、昨季、PHI戦でのコリーのファンブルロストがあるにはあるが、あれは、どっちかというと、脳震盪なので、ファンブルロストつう感じは無い。それが今季はほぼ毎試合だもんなあ。今から思えば、開幕戦でのコリンズのファンブルロストが今季の総てだったとも云える。コリンズを連れてきた奴、以下同文。 さて、そのファンブルロストにより、首脳陣愛しのデローン・カーターは、ゲーム開始早々いきなり干されていたが、ああいう懲罰的な人事は止めた方がよい。モラル的な問題、ゲームに遅刻したとか、悪質な犯したとかいうのなら、このような懲罰的な人事も意味があるが、純粋にプレイ上のミスで、こういう懲罰的な人事をしていたら、選手は何も出来なくなる。カーターにファンブル癖があるというのならともかく、この人事は無意味であるし、禍根を残す。私は、かつて王監督が、河埜和正をエラー一発で2軍に落とし、結局そのまま引退に追い込んでしまったのを思い出した。 で、そのカーターが干された事により、わたくし愛惜のブラウンがこき使われることになるのであるが、なんでブラウンに両タックル間を走らせてるんだか。オープン走らせえ。せめてオフタックルだろう。典型的なオープンランナーのブラウンにインサイド走らせても意味無いだろう。それでも、カーターよりは出るんだけど。 更にもっと云えば、マニングがいないのにインサイドのランを強調しても何の意味も無いと思う。今のコルツが最も得点しやすいのは、ブラウンに外を走らせ、いつか一発が出るのを待つ方法だと思う。いつまで、マニングのプレイブック使ってんだか。 で、そのマニングのプレイブックを与えられ四苦八苦しているペインターであるが、前回の記事にも書いたように、典型的な2年目のジンクスである。2年目じゃないけど。最初の数試合は無我夢中でやって、それなりの結果を出した。そこで、更に良い結果を出そうとして、かえって失敗している、そうして、そこに敵の研究も加わっているから、ますます上手くいかぬというのが今の状態である。前回にも書いたが、良い兆候である。ミスの内容は決して悪くない。ここを抜ければ、彼も一人前の二流QBになれるであろう。そのころ、コルツのスターターの座が彼の元にあるかは、おのずから別問題であるが。とりあえず長髪は止めた方が良いと思う。 次は2年越しの恋人(ウソ)ケビン・トーマス。このゲームでそのプレイを初めてじっくり見たが、まあ確かにドラフト時の評価にあるとおり、良くも悪くもレイシーと瓜二つである。唯一の違いは、レイシーがただWRにピタリと張り付いているだけなのに対して、トーマスは時折インターセプトに向かう積極性があるというだけである。それも良し悪しであるが。タックル力が皆無なのも瓜二つである。このレイシーとトーマスのどちらを残すのかは、来年再来年あたりのオフシーズンのちょっとした注目ではある。あくまで、「ちょっとした」だけど。 コルツに関してはこれくらいにして、次はアトランタ。 私は開幕前、このゲームはTB戦と同じくらい楽しみにしていた。ネクスト・マニングとも云われるマット・ライアンとカレント・マニングとも云われるマニング(当たり前だ。)との対戦を見たかったからである。しかし、ご存知の通り、マニングがポシャってしまった為に、その計画はオジャンになってしまった。仕方が無いので、ライアン評だけすることにする。 正直に言って、ルーキー時代の期待からすると、イマイチ感は強い。で、その元凶は何かというと、これはこの試合に限った事ではないが、それはOCのマイク・ムラーキーの変則的なプレイコールにあると思う。このゲームでも見せていたが、ターンアラウンドとかリバースとかオプションとか、そういう変則的なコールは、典型的な正統派ポケットパサーのライアンには合わないと思う。もっと単純な、それこそマニング式のノーハドル&オーディブルだけでも、オフェンス陣の陣容を考えれば、毎試合のように30点は取れると思う。それが更にはディフェンスにも良い影響を与えると思う。いつまで、コーデル/スチュワートのプレイブックを使ってんだか。それがライアンの大成を阻んでいる元凶、更にはいまいちアトランタが飛躍できない元凶だと思う。OCとQBの相性というのは大事である。ムラーキーのプレイブックに最も合うのは、それこそ今のデンバー、ティーボーだろう。 んで、最後は、この試合のMVP、フリオ・ジョーンズの野郎である。フリオ・ジョーンズに関しては、この試合に限らず、何度か見ているが、ドラフト時に評価が割れたというのは分かる様な気がする。落球癖が指摘されているが、というより、典型的な運動能力バカといった感じである。確かにハンドやルートランはいまいちである。それらを、その圧倒的な運動能力で補って成立しているのがフリオ・ジョーンズといった感じである。私がライアンだったら、大事なところでは、ホワイトやゴンザレスに投げてしまうだろう。 このゲームのようにXファクター的に使って初めて活きるタイプだろう。そういった意味では、スケールは違うが、コルツのギャルソンに良く似ている。また、今一番の私のオキニ、ビクター・クルーズとも良く似ている。まあもっとも、そういった選手をわざわざトレードアップしてまで獲る価値があるのかというと、また自ずから別問題であろうが。エースWRとしては、ちと厳しいかもしれない。 ドラフト時、彼をスルーしたホルムグレンに賛否両論があったが、私がホルムグレンの位置にいたら、やっぱりスルーしたかな。WCO系統のコーチやGMだとスルーしがちになると思う。彼を好むのは、パーセルズやスティラーズといったパワーラン・ゲームを指向するチームであろう。そういった意味では、アトランタ、というかマイク・スミスやムラーキーが彼に固執した理由も分からんではない。 いずれにせよ、ドラフト時にあった典型的なWCO向きのWRという評価は間違っていると思う。確かに、体型や落球癖といったところが、テレル・オーエンスと被らなくは無いが、T.Oはルートランニングは素晴らしかったので、そこは決定的に違う。フリオ・ジョーンズのルートラン能力だとWCO的なオフェンスは厳しいと思う。 こんなとこか。 そうそう、一人忘れてた。この試合の真のMVP、ケルビン・ヘイデンの野郎のことを。お前なあ、空気読めよ。あそこでインターセプトはねえだろ。パスカットくらいでお茶濁しとけよ。ペインターにいい思いさせてもらってただろ。女、紹介してもらったろ。それを、インターセプトは無いわ。人の道、外れてるわ。とりあえず、引退後、インディアナポリスでの仕事は無くなったから。リポーターとか、もう無くなったから。大好きなアトランタで見つけてくれ。あとで、職員室来い。2時間説教な。 2011/11/13 |
2011年 Week10 |
11月13日 JAX@IND 17−3 |
チー坊、また勝っているな。このWeek10に加えて、Week11の木曜日のゲーム、対NYJ(!)戦も勝って、これで、ここ最近の先発5試合で4勝1敗か。石立鉄男も大喜びだ。いや、ビックリかな。わかめラーメン、食べながら。 しかも、KC戦のパス成績は2/8、69ヤード、1TD、ラン成績は9回43ヤード、1TDである。ラン成績はともかく、パス2/8、69ヤードなんて、勝ちゲームのQBの成績としては、大昔ならともかく、ここ30年くらいでは記録的な低さなのではないだろうか。つうか、負けゲームのQBの成績としても低い。そして、第11週のジェッツ戦では、少し成長して、9/20、104ヤードである。念の為断っておくが、これはパス成績である。ラン成績ではない。 このティーボーの活躍、かどうかはともかく、ティーボーの成績から分かるのは、フットボールの勝ち方には、多くの日本人が考えるのとは全くの別ルートがあるという事である。そうしてそれはおそらく最も基本的な、原始的なフットボールの勝ち方だということである。私も大いに参考になった。 ああ、そうそう、インディのゲームね。またファンブルロストか。以上。 2011/11/20 |
番外編 | ラック管見 | 今週はコルツのゲームがバイウィーク、つうか今季はバイイヤーみたいなもんなのであるが、兎に角コルツのゲームは無いので、今のインディファンにとっては単にゲームと謂えば、むしろこちらを指すといわれるスタンフォードのゲーム、ちょうど日本でTV放送のあったオレゴン@スタンフォードのゲーム、つうかラックのリポートをしたい。 このゲームは11/12に行われたものなので、先週リポートしても良かったのであるが、ちょうど今週(もう先週か!)USC@オレゴンという、ラックのライバルと目されているマット・バークリーが同じオレゴンと戦うゲームが日本で放送されるので、そのバークリーと比較しつつ、ラック管見と洒落込みたい。 さて、そのコルツファン垂涎のラック様であるが、この一戦を見た正直な感想を告白すると、思った程でもないなといったところである。「10年に一人の逸材」的な触れ込みがあったので、過大な期待をしていたのかもしれないが、正直ガッカリだった。ここ数年の一巡指名のQB、マット・ライアンやスタッフォード、サム・ブラッドフォードと比べても一枚落ちるし、今季最大の大物ルーキーQB、アンディ・ダルトンと比べても、大きく落ちる。 ちなみに、このアンディ・ダルトンは、ここ数年というか、私がNFLを見出してから、最高のルーキーQBだと思う。このダルトンに関しては、いずれシンシイ戦のレポートで詳述したい。とりあえず、このダルトンは1年目にして既に一流QBの仲間入りをしている。大変な逸材だと思う。 ダルトン話はひとまず措くとして、ラックに話を戻そう。ここ数年の一巡QBと比べて一枚落ちると書いたが、また、エントリーするかはともかく、同期のライバルと目されているバークリーと比べてもやや落ちるのではないかと思う。まあこの、ラックとバークリー、更にはランドリュー・ジョーンズといったところは、ほとんど横一線なので、この辺の比較は実力というよりは好みの問題かもしれない。私自身の好み、また今のコルツに会うか合わぬかという視点からすると、その理由は後述するが、ラックよりむしろバークリーだと思う。マニングからバークリーならサンズファンも喜ぶだろうし。なんじゃそりゃ。 一応念の為断っておくが、私はカレッジフットボールに関しては全くの門外漢、各チームの戦力構成やフィロソフィーといったものは全く分らないので、これから述べるラック評やバークリー評、スタンフォード評オレゴン評等々は、あくまで一NFLファンの視点としてのものと解して貰いたい。カレッジフットボールの常識的なものが欠けていたら、ご堪忍を。 さて、まずは本日の本題、アンドリュー・ラックであるが、まず一番最初に気になるのは、これはバークリーにも云える事であるが、両足のスタンスの広さである。構えていても投げている時も常にスタンスが広い。これだと高ければ高いほど良いとされるリリースポイントは当然下がるし、腰の可動域も制限される為、視野が狭くなる。このゲームで犯したインターセプトなどはそれが一因だろう。更にはフットワークも当然悪くなる。この広いスタンスは大きなマイナス点だと思う。 スタンスは理想的にはマニングのような肩幅ほどであろう。これが最もよく動けるし、視野も広がる。リリースポイントも当然最も高い。ちなみに、私が個人的に最も好きなスタンスは、コルツファンには怒られるかもしれないが、ブレイディの、あのただ突っ立ているだけのスタンス、つうかフォームである。マニングだと、同じ肩幅程度のスタンスでも両膝はやや曲がっているのであるが、ブレイディに至っては両膝も伸ばしたまま、ただ突っ立ているだけである。理想はマニングだろうが、個人的には、あのブレイディのフォームは私は大好きである。 一方、広いスタンスで思い出されるのは、あのブレディ・クインだろう。私は、あのスタンスを見た時、こりゃ駄目だと思ったものである。で、このラックやバークリーも、あのクインに近いスタンスの広さなので、この点では私には一抹の不安がある。 そして、もうひとつラックのフォームには不安な点がある。それはその、所謂アーム投げに近い投げ方である。ショートレンジはともかく、ミドルやディープになると、肩を中心にボールを投げている。野球で言うところのスナップスロー、肘を中心にした投げ方が出来ていない。ちなみにライバルのバークリーは、この点に関しては問題は無い。バークリーの方がディープのコントロールは良いと評価されているのは、これが一因だろう。 まあ別に肩で投げる、所謂アーム投げでも、そんなに大きな瑕にはならないのであるが、この投げ方だと、所謂クイックリリースは難しくなるので、プレイブックにちょっとした制約が出来てしまう。大きくは無いが、小さな損にはなると思う。 ちなみにここでまたダルトン話になるが、このクイックリリースという点では、ダルトンは抜群である。現役QBでクイックリリースといえば、まずブレイディやリバースが挙げられるだろうが、ダルトンは明らかに彼らより速い。さすがにダン・マリーノよりは遅いが、それに近いものがある。 で、またラック話に戻すが、このスタンスの広さ、アーム投げという2点から勘案するに、彼はどうも身体能力そのものがそんなに高く無いのではないかと思う。高校卒業時点ではバークリーの方が高く評価されていたというは、それが大きな要因だろう。おそらく、筋力自体がそんなに強くないので、ボールを投げる為には、肘だけではなく肩、更には全身を使わざる得ず、結果的にスタンスも広くなってしまったのだと思う。スタンスが広ければ、その分体全体の筋力を使えるからだ。で、結果的にクイックリリースや視野の広さといったものが犠牲になってしまっている。 とまあ、コルツファンには不安の事ばかり書いてしまったが、じゃあ良い点は何かあるのかというと、コントロールくらいしか見当たらぬ。これは間違いなく素晴らしい。NFLでもトップレベルだと思う。もっとも、ディープへのパスはこのゲームではほとんど見せなかったので、そのへんは良く分からぬ。そのほか、リーダーシップやゲームへの理解度といった内面的なものがあるが、これはさすがに一試合見たくらいでは何とも評価できぬ。まあでも、全体一位が予想されているQBなのだから、その点に関しては問題ないのだろう。 ただまあ、いずれにしても、ラックに対する私の印象は、あまり良いものは無い。ほんの一試合での評価、それも負けたゲームでの評価なので、印象が悪くなるのは仕方の無いものであろうが、昨シーズンのボウルゲームで私が途中で寝ちゃったというのも、この出来では分らんでもない。睡魔を吹き飛ばすだけの輝きはなかったのであろう。 と、ここまで書いてきて、私の脳裏によぎるののは、「ラックの成績というのは、ほとんどがハーボーの力によるのもではないのか」という、ある意味、ラックに対する私の、というか世間一般的に見ても最大の懸念材料である。ちょうど今週(ゲーム自体は木曜日のゲームだけど、)、NFLではアレックス・スミスがBALのディフェンスの前に何も出来ず粉砕されているが、そのスミスとラックが私の目には二重写しに見えなくも無い。ここまでスミスはハーボーの力で好成績を挙げてきたけれど、BALのディフェンスのような、本当の意味でQBの力が試されるようなゲームでは、ハーボーの力も及ばず、スミスの実力が露呈されてしまった、というのと同じような事がNFL入り後のラックにも起こるのではないかという不安が、あくまでこの一戦を見た限りでの話しだけれど、私の中では増大した。 ただまあ、いずれにしても、ラックというのは、アーロン・ロジャースやブリーズと同じく、コーチ陣まで含めて、周りのサポーティングキャストをしっかりと固めて、初めて活きるタイプのQBであることだけは間違いないと思う。マニングやファーブのような、「とりあえずQBに丸投げしておけ。」というようなタイプで無い事だけは確かだと思う。コルツがラックを指名するのかしないのかは、現時点では皆目予想できないが、もし指名するのだとしたら、それこそ3年掛かりくらいでチームを大改造する必要があるだろう。オフェンスのメンバーは勿論のこと、ディフェンスもそれなりに強力にしなければいけないので、現有メンバーのほとんどはチームを去る事になるだろう。ロジャースのデビューにグリーン・ベイは3年掛けているが、似たような事がコルツにも起こるのではないか。今のマニングと似たような路線で行きたいのなら、バークリー、もしくは近いタイプのQB指名だと思うし、その場合はペインターにもチャンスは出てくるだろう。 まあ、こんあところが、この一戦を見た限りでの、私のラック観バークリー観である。あくまで1ゲームでの印象なので、そんなに完全なものではないだろうが、現時点では両者のどちらかを全体1位で指名したいという気持ちはかなり後退したのは確かである。もちろん今後、何試合か彼らのゲームを見る機会はあるだろうし、昨年のボウルゲームのDVD(オレンジボウルだったかな。)も見てみる予定なので、その内容次第では、私の見解も大きく変わるかもしれぬ。 そのほか、このゲームや、この3チームについて、もう少し書きたい事があるのであるが、時間が無くなってきたので、また次回。 おっ、今週はいいゲームしてんな。2011/11/28 以前、「ペイトン・ヒリスがMADDENカバーになったことで、ペイトン・マニングが怪我した。」みたいなことを書いたが、よく考えてみると、ショーン・ペイトンも怪我しとる。似たような名前も破壊しつくすのか。恐るべし、MADDENカバー・ジンクス。PS3になって、ますますパワーアップしとる。当のヒリスもケガ&チームと揉め事を起こしているし。恐い恐い、私も気をつけないと。←意味不明 さて、前回(つっても、1日前だけど。)の続きである。 前回の話は、コルツファン垂涎のアンドリュー・ラックに私は個人的にはいまひとつ魅力を感じないということであった。その理由は、先の記事に書いたとおりであるが、それをまとめる、というか前回書き忘れたことを付け加えると次のようになる。。私の、初めて見るQBの第一の、というか唯一のチェックポイントは「フットワークと、そこから生まれるリズム」なのであるが、ラックにはそれを感じないという事である。で、その要因はというと、ボールを構えている時の広すぎるスタンスにある。あれでは視野が狭まるし、肝心のフットワークも使いようが無い。それが私のラックへの不満の全てといっていい。 まあ、もっとも、これはあくまで一試合、それも負けた一試合を見ての感想(とはいえ、技術的なものは1ゲーム見れば十分だけど。)なので、これから良い方向への変更を余儀なくされるかもしれない。特に精神的なもの、リーダーシップとか、フットボールの理解度などはまるで分からない。良い印象へ変わる事を期待したい。 ただ現時点では、私の全体一位へのテンションはかなり下がった事だけは確かである。 ラック話はこの辺で終わりにして、この2試合の感想を書いてみたい。 まず、この2ゲームで一番目に付いたのは、スタンフォードのOLの多彩なランブロックスキームの美しさである。ホワード・ムードが如何にも好みそうなOLの動きである。もしこれがジム・ハーボーの置き土産だとしたら、ハーボーは単なるプレイコールだけの男では無い事になる。これだけのOLの動きを作り出すのには相当の手間隙が掛かるからだ。しかも、それでいて、さほどの生産性が無い。スクリメージから5〜10ヤードを取るのにはスラントプレイが最も手っ取り早いからだ。でも、それをしないで、というか、それをしつつ、これだけのランブロックスキームを作り出したというのは、それはフットボールへの愛と言ってよいと思う。ちなみに、私があらゆるフットボールのプレイの中で最も好きなものも、同じくこの華麗なランブロックスキームである。 次に目に付くのは、スタンフォード、USC両校のWR陣だ。私は彼らがNFLのスカウトにどのように評価されているのかは皆目分らぬが、彼等は素晴らしい。ラック、バークリー両者のスタッツは彼等の力によるところも大きいのではないだろうか。来ドラフト・ナンバー1WRと噂されるブラックモンが、もし彼等以上だというのなら、ブラックモンを1位指名しても良いくらいだ。 また、この3校の中で、NFL好みのタレント揃いなのは、やはりUSCのように見えた。同じ事はテキサス大にも云えるのであるが、この両校は、やはり根本的に運動能力重視でリクルートしているようで、NFLで通用する選手はこの両校に多いように思える。スタンフォードやオレゴン、またその他の学校にももちろん良いプレイヤーは沢山いるが、彼等はあくまでカレッジレベルといったら語弊があるけれども、カレッジ・フットボールで勝つ為に訓練されていて、その上は意識されていない、個人レベルではともかく、少なくとも学校レベルでは意識されていないように感ずる。もちろん、それはカレッジ・フットボールなのだから当然の話なのだけど。 しかしまあ、この3校の中で、今現在NFLのスカウト達が涎を垂らしているのは、オレゴンの馬鹿っ速RBコンビだろう。何か2人だけ早送りみたいだもの。純粋スピードタイプというのは、ポジションによらず、NFLに来ると苦しむパターンは数多いが、そうはいってもあのスピードを欲しがるチームは多いだろう。 んなとこかな。ラックについては、追ってレポートする予定です。 ティーボー・マニアになりつつある。 2011/11/29 |