インディアナポリス研究会

歴史

戦評 '11シーズン

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<1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11>

2012年
Week1
9月9日
IND@CHI
21−41
 DAL@NYG戦で戦犯的な扱いを受けていた二人のCB、ジャスティン・トライオンとマイケル・コー、そういやあ、両方とも元コルツだな。コーの場合は単に怪我しただけだけど。

 んなことより、コルツ、つうかラック第一戦である。

 このゲームへ臨む全コルツファン、つったら大袈裟かもしれないが、少なくとも私の視点は唯一つである。すなわち、「アンドリュー・ラック、お前は何者ぞ。」である。

 これは、このゲーム、つうか今シーズン全体の視点かも知れぬ。そんな大事な事だったら、シーズン展望の記事で触れろっつう意見もあろうが、この第一戦で、この今季のコルツの最重要課題とその解答を合わせて書こうと思い、敢えて触れなかったのである。単に忘れていただけつうのも無くは無いが。

 さて、その解答であるが、これはもう一試合丸々見るまでもなく、前半戦を見ただけで結論が出た。間違いなく本物である。いや、本物というだけじゃない、大物である。コイツは間違いなく大物である。

 ラックのコルツ入団がほぼ確定して早1年くらい経とうとしているが、その間、私の心に巣くっていたものは、「もしも、ラックがブレディ・クインやジミー・クラウセンのような、しょっぱいQBだったら、どうしよう。」という不安だった。この謂わばもやもやサマーズ感が、テレビを見ながらゲラゲラ笑っている時も、トンカツに醤油をかけようかソースをかけようか迷っている時も、仕事を無意識にこなしている時も、トイレでウンコをしている時も、オナニーをしている時も、歯磨きをしながら「そろそろ歯磨き粉を買わんといかんなあ。」と考えている時も、コンビニでジャンプを立ち読みしている時も、パソコンで麻雀ゲームに興じている時も、スーパーで半額弁当を選んでいる時も、往来で信号待ちをしている時も、家電量販店で「当分、パソコンは買えんなあ。」と儚んでいる時も、イトーヨーカドーで一番安いパンツを探している時も、玄関で傘を持って外出しようかしまいか悩んでいる時も、250円で買った漫画が別のブックオフでは100円で売られていて悔んでいる時も、熟女モノとロリータモノのAVのどちらを購おうか45分間迷っていた時も、ぼんやり電車に揺られている時も、要するに常住坐臥、このもやもやサマーズ感が頭から片時も消えなかったのであった。その霧が晴れた。

 いや、コイツ大物だわ。エルウェイ以来ともマニング以来とも評されるのも頷ける。私が今まで見てきたルーキーQBでも最も優れていたのは昨季紹介したシンシィのダントンであるが、彼と双璧、あるいはそれ以上だと思う。ほとんど注文を付けることは無い。現役QBの中でもすでにトップ10には入っていると思う。例えば、今回の対戦相手、シカゴのカトラーと比べても、もうラックの方が上である。年齢とか給料といったものを考慮にいれず、単純にQBの技量のみで、どちらか好きな方を選べと問われたならば、私は迷わずラックを選ぶ。まあさすがに、マニングやブレイディと比べれば現時点では落ちるだろうが、数年もすれば彼らと同格のQBになるだろう。

 とにかく、今回彼のプレイを見て最も感心したのは、ルーキーが、それも最初のゲームで、もう既にパスラッシャーを見ながらバックペダルを踏んでいるという点である。これは、ベテランQBでも出来ない選手は出来ない。ただ単に機械的にドロップバックをして、それからパスラッシャーなりファーストターゲットを見るというQBがほとんどである。ルーキーが、それも最初のゲームで既にそれが出来ているというのは、私は初めて見た。ダントンの最初のゲームを見ていないので何ともいえないが、シーズン中では出来たり出来ていなかったりという感じであった。

 大学時代のラックを私は数試合見ているが、その時は、ただ単に機械的にドロップバックしているだけだった。おそらく、キャンプ中に身に付けたのだろう。ラックに対する評価で、コーチやプレイヤー評論家等々から聞こえる最も多いものに、「ラックはとにかく吸収が早い。」というものがあるが、このテクニックをこの短期間で見に付けてしまったのだとしたら、確かに驚くほど吸収は早いという事になる。

 もっとも、そのドロップバック自体は、マニングの流麗なドロップバックを見慣れた私の目からすると、かなりぎこちない感じがするのであるが、まあそんなことはどうでも良い事である。

 また、このゲームではインターセプトを3つ喰らっているが、そのどれもが、私にとっては、マイナス材料ではなくプラス材料である。このインターセプトは3つとも、CBの能力の計算違いによるものだからである。ラックの計算より動きが速かったというだけの事である。これが、読み間違いだと多少問題は残るだろうが、計算間違いなら何の問題もない。計算なんてものはいくらでも修正できるからだ。

 カレッジのCBより動きが速かったというだけの事である。逆に言えば、ラックは、その動きの差、長さにすれば50センチとか30センチとか位の差、所謂スモールウィンドウに投げ込むだけの自信があった、あるいは投げ込んできたという事である。ティーボーのように2馬身空かなければ投げられないでは話にならない。

 とりわけ、二つ目のインターセプトはレッドゾーンから果敢に投げ込み、喰らったものであるが、これを私は高く評価したい。ここで、スクランブルやロールアウトをしていたら、私はがっかり、ディスアポイントメントである。レッドゾーンに入ると、途端に何も出来なくなるQBがままいるが、ラックはそうでは無いという事である。レッドゾーンでパスを投げられるか投げられないか、これは一流QBと二流QBを分かつ一つの指標である。

 もっとも、この場面、敵陣10ヤードからショットガン&ノーバックという、マニングチックがプレイ選択はどうなのかという問題はあるにはあると思う。しかもルーキーQBの初戦である。それだけラックを信頼しているという事なのであろうが。
 まあ、この場面に限らず、このゲームを通して、いかにもルーキーQB向けのプレイ選択つうのは皆無なのであったが、これはコーチ陣がラックを完全に一人前として扱っている証左であろう。ラックの評価の一つに、上に挙げた「吸収が早い」の他に、「とてもルーキーQBとは思えない。3,4年目のQBのようだ。」というものがあるが、コーチ陣もそのように思っているのであろう。私もそれで良いと思う。ルーキー向けのプレイ選択というのは、結局のところ、何の意味も無い、最終的にはそのQBの為にはならないからだ。

 とまあ、ラックに関しては何の不満も無いのであるが、強いて挙げるとすれば、これは不満というよりは、単に私の好みに過ぎないのであるが、大学時代の記事にも書いたが、スタンスの広さは、やはり気になる。私は、以前にも書いたように、ブレイディのただ突っ立ているだけのフォームが大好きなので、それと正反対のラックのフォームはやはり好きになれない。6−4という公表の割に身長が感ぜられないのは、やはりそのスタンスの広さの為であろう。ちなみに、対戦相手のカトラーは公表6−3なのであるが、ゲーム中はラックより長身のように感ぜられる。試合終了後、両者がハグするシーンがあったが、確かにそこではラックの方が大きかった。

 まあ、QBにとって最も大事なのは頭の中身であって、フォームなんていうのは最終的にはどーでも良い事なので、最終的には気にしていない。

 さて、その頭の中身であるが、フットボールIQが高いのは、このゲームを見ただけで一発で分かるが、リーダーシップとか勝負強さとかいったものは、さすがにこのゲームのみでは判断の仕様が無いので、それは今後の課題、観察材料である。

 んで、もうひとつ、ラックに対する不満というか不安を挙げるとすれば、既にジム・ケリーっぽいその頭頂である。んなとこにポリアン風味を残さなくても良いのに。

 でもまあ、ラックが本物、あるいは大物であって、ホントに安心した。マニングさん、2010年でもなく、2012年でもなく、2011年に怪我してくれて本当に有り難う。アンタ、ホントにインディアナポリスの大恩人だよ、ラリー・バードに次ぐ英雄だよ。市民栄誉賞ものだよ。って、それくらいはすでに貰ってっか。

 ちなみに、そのマニングさんがルーキー時代のデビュー戦で残した数字も、約300ヤード、1TD、3INTsで、奇しくも今回のラックとほとんど同じ数字らしい。まあ、だから期待できるとはならないが。

 そのスタッツという点では、今季のラックはやはり苦しむと思う。勿論、ラックの実力という意味ではなく、サポーティングキャスト不足という意味で、である。3000ヤード、20TDくらいはいくと思うが、それ以上はなかなか厳しいと思う。また、マニング同様13敗しちゃうかもしれない。でも、それはラックの責任ではない。仮に、今のラックが、GBやNOのようなチームに移籍したら、いきなりロジャースやブリーズと同等の成績を残せたと思う。すまん、あと一年待ってくれ、エースWR、絶対用意するから。って、そんなこと、ここ5年くらい言っている様な気がするのであるが。つう訳で、ドニー・エイブリーはすっ込んでろ。

 つう訳で、今季のコルツのオフェンスの問題は、この1試合で全て解決した訳である。あとは、やらなくても良いくらいである。やるけど。

 あと、このゲームでオフェンスで気になった点はというと、まずはドナルド・ブラウンか。二度の落球。それも技術的な問題ではなく、完全にメンタルの問題。RACの事を考えなきゃ、目を離さなきゃ、キャッチできているのに。もともと、ハンドは良いのだから、つうかハンドに自信があるからこそ、目を離している訳なのであるが。なんつうか、粗忽なんだよなあ。だから、最後までマニングの信頼を得られなかった訳か。来季はいないかもな。

 あと、サテーレ。丁髷を切りたい。猛烈に切りたい。あんなののアンダーセンターにいたら、丁髷を切りたくてゲームに専念できんわ。今のラックの頭の中の85%はサテーレの丁髷で埋まっているあると思う。気になって仕方ないわ。

 つかまあ、このサテーレに限らず、OLのプレイヤーには長髪派が多いと思うが、あれ意味あんの。2メートル、150キロの段階で、如何なる長髪も似合わないと思うのであるが、どうだろう。単純に不潔という結果に終わるだけだと思うのであるが、どうだろう。
 つーかもう、OLに限らず、スポーツマンの段階で、どう足掻いてもオシャレにはなれないと思う。そもそも、オシャレな人はスポーツなんかしないっつーの。スポーツマンという段階で致命的にオシャレにはなれないと思う。昔、ロッドマンが、「俺は黒人とスポーツマンとは話が合わぬ。」と語っていたが、この発言はそういう意味だと思う。

 また、昔、マイケル・ジョーダンが、バスケットボールの短パンは恥ずかしいといって、裾をのばし、所謂ブギーパンツの走りになる訳だけど、今現在、バスケットボールのブギーパンツは裾長すぎだろ。膝下くらいまであるぞ。かつての、所謂ストックトン・パンツといわれる短パンもピチピチで恥ずかしいが、今のブギーパンツもダブダブで恥ずかしいと思う。両者ともにオシャレでない。ジョーダン時代がベストの長さだろう。もし今、ジョーダンが現役だったら、逆に裾を短くしたろう。

 このジョーダンやロッドマンは稀有な例外であり、大概のスポーツマンは、サテーレの丁髷であり、裾長過ぎのブギーパンツである。要するに、オシャレとは無縁という事である。野球選手の裾のばしも本当にダサいと思う。

 さて、オフェンス話はこれくらいにして、次はこのゲームの敗因ともいえるディフェンスであるが、やはり難しいか、いきなり3−4ハイブリッドは。

 私は、戦前、シカゴのオフェンス陣の陣容からして、止めるのはなかなか難しいとは思ってはいたが、一方で、ひとつ間違えばサック祭りもあるかもしれないなどと甘ちょろい予想も立てていた。
 実際、第一クォーターはそのような感じで進んだのであるが、その後音無しの構え。まあ、フリーニーが抜けたのが痛いちゃあ痛いのかもしれないが、特定のプレイメーカーに頼らないつうのが3−4ハイブリッドの一つの特徴じゃないのか。もう少し、色々工夫できたのだと思うのであるが、どうなのだろう。

 一コルツファンの意見としては、「なんか、いつか見た光景だなあ。」というのが第二クォーター以降のディフェンスの印象である。パスラッシュが届かず、ミドルやディープにポンポンパスを通されるという。まあ、マンツーマンとゾーンの違いはあるけれど、ダンジー・コールドウェル時代に見た懐かしすぎる風景である。

 そのパスラッシュも単純な1on1のプルラッシュのみで、3−4ハイブリッドの真骨頂ともいえる複雑なルートや動きは全然無し。パスラッシャーに角度をつけるというカバー2でもやりそうな事すらしない。でも、第一クォーターではやっていて、しかも成功していたのに、どういう事。なんか深い考えでもあるんか。複雑すぎて、逆に単純になっちゃったのか。それとも、単に私の見過ごし。

 スキームの習練度の問題なのかメンツの問題なのかはよく分からないが、解答があっさり出たオフェンスとは違って、こちらは一シーズンをかけて、その傾向と対策をじっくり探っていきたいと思う。

 そのほか、ディフェンスで目に付いた点と云えば、ズビコウスキーかなあ。ほんとエロイ所にいよる。いかにもディフェンス帝国のボルチモアから来たセイフティという感じである。タックルも厳しいし。身体能力的にプロボウラーとかはなかなか厳しいとは思うが、いかにも玄人好みの渋いセイフティである。個人的にはタイプである。1シーズンかけて、そのプレイを堪能したいタイプのプレイヤーである。前任者のブリットがいかにも淡白だっただけに、余計に。

 このズビコウスキーとレディングはパガーノが一番最初に連れてきたFAプレイヤーであるが、こういう動きを見ると、「なるほど」と思わせる。彼等の主な役目は3−4ハイブリッドの現場監督であることは一目瞭然である。

 そんなとこかのお、初戦の感想は。

 あと、勝てそうなゲームはTV放送が無いという事か。まあ、今のコルツが勝てそうなのは、しょぼそうなカードだけなので致し方あるまい。

                                                   2012/9/12(水)
9月9日
PIT@DEN
19−31
 木曜日ゲームのCHI@GBを見とったら、試合前の煽り映像でハジケ祭りのメガネの黒人を発見。アイツ、何。俺ら、毎週金曜日の朝、アイツのハジケっぷりを見なきゃいけないの。私は音楽シーンにはとんと疎いのでまったく分からないのであるが、あいつ、有名なラッパーなの。でも、あいつ、算数出来ないよ。引き算できないよ。ランボー・フィールドっていう綴り、書けないよ。フィールドの方も間違えているからね。

 ついでに試合の感想もちょいと書いておくと、アーロン・ロジャースの被サック数の多さはやはり気になる。同じシカゴ戦という事で我等がラック様との比較になるが、ラックの2に対して、ロジャースは5である。私はマニングで育ったので、そのように見えるのかもしれないが、被サックというのはQBを量る大きな指標だと思っている。QBレイティングに直接的に加えるべき数値だとすら思っている。事実、被サック数を並べると、大概優秀そうなQB順に並ぶし。これが、私がロジャースを高く評価しない大きな要因である。

 あと、サタディは緑と黄色のユニフォーム、意外に似あっとるな。まあ、コルツのユニフォームは、サタディに限らず、似合う似合わない以前の問題なのであるが。あれ、単なる白いTシャツに背番号と袖の輪っか付けただけだろ。NFLやフットボールに限らず、世界中で一番地味なユニフォームだと思うわ。地味というか、デサイン以前の問題な気がする。デザインしとらん。高校野球でももう少しデザインしとるわ。ユナイタスに脅されてたのか。「僅かでも色気みせたら、殺す。」みたいな。質実剛健みたいな。「ジョー・ネイマス、殺す。」みたいな。

 と、強引にコルツの話柄にしたところで、このゲーム、すなわちマニング復帰戦についても触れておく。勿論、一コルツファンとしてである。

 このゲームに臨むに当たっての私のテーマは、マニングの回復具合は如何なるものかでもなく、マニングがデンバーに馴染んでいるかでもなく、ポラマルがマニングに止めを刺すかでもなく(これはちょっとあるけど、)、このゲームを臨むにあたって私の気持ちは如何なるものかであった。ぶっちゃけていえば、私はスティーラーズとブロンコスのどちらを応援しているかである。それを確かめたかった。

 で、結論から言うと、スティーラーズを応援していました。最後、トレーシー・ポーターのインターセプトリターン・タッチダウンが出た時、「ちっ、またコイツか。」と舌打ちしてしまいました。「余計な事しやがって。」

 まあ、マニングに負けて欲しいとか、ずっこけて欲しいとか望んでいたというよりも、マニングが活躍する事で、「やーい、コルツ、マニングを放出して失敗してやんの。」みたいな空気になるのが嫌だったようである。すんません、おいどんは心の狭い男でごわす。間接的には、「マニング、失敗しろ。」つう事になるのであるが、まあ、これは仕方あるまい、私の正直な気持ちである。

 さて、ゲーム内容であるが、これは特に特筆する事も無い、平凡なNFLのゲーム、マニングのゲームであった。

 このPIT@DENといえば、何と云っても、昨シーズンのワイルドカードの劇的な結末だろう。同じくプレイオフのNO@SFと並んで、昨季のベストバウトといってよいゲームである。昨シーズンという括りを取り除いても、ここ10年くらいのNFLでトップ10に入るくらいの劇的なゲームである。とりわけ、デンバーファンにとっては、それこそエルウェイ時代以来の興奮だったのではないだろうか。

 で、このカードはその昨シーズンの劇的なワイルドカードのリターンマッチという位置付けになり、それを受けて開幕戦にスケジューリングされたのであろうが、その主役が交代しちゃったので、イマイチ盛り上がりに欠けたのは致し方あるまい。マニング入団前にスケジューリングしたのかしら。マニングとティーボー以外は両チームのメンツがそんなに大きく変わっているわけでもないので、QBが変わればゲームが変わるという、ある意味、見本のようなゲームではあった。マニングとティーボーという両極端のQBなら、尚更であろう。

 さて、そのマニングとデンバーの今後であるが、シーズン展望にも書いたように、マニングの怪我さえなければ、4000ヤード、30タッチダウン、10勝は、そんなに難しくないノルマであろうし、デンバーのディフェンスがコルツより良い事を加味すれば、まあ、ちょっとスケジュール的には厳しいが、それこそ開幕ン連勝、スーパーボウルも見えてくるだろう。

 ただまあ、どっかにも書いたと思うが、果たしてそれで、デンバーというフランチャイズ的には、何か意味があるのだろうかという懸念はいまだに私にはある。まあ、マニング的にはスーパー獲れて万々歳だろうが、デンバー的には果たしてそれで良いのだろうか。まあ、スーパーボウルを獲れれば、それで良いのかもしれないけれど、フランチャイズの醸成という意味では、むしろ後退のようにも思われる。ファーブのミネソタの2年間のような徒花になるのではないだろうか。

 このマニングやファーブのような実績のあるベテランQBの獲得というのは、例えば近年のボルチモアのような、選手の多くが高齢化し、今すぐにでも結論を出したい、あるいは出さねばならぬというようなチームには効果的、意味のあるものであろうが、今のデンバーのような全体的に若いチームには、あまり意味が無いように思われる。唯一のベテランはチャンプ・ベイリーだろうが、長年フランチャイズに尽くしてくれたベイリーへの贈り物つう訳でもあるまい。

 そのデンバーで、マニング、ベイリー等と並んで、数少ないベテランであるストークリーであるが、デンバーファンの皆さんも完全にお気付きでしょうが、こいつ完全に縁故採用です、マニングのコネ入社です。こいつら、完全にデキてます。付き合ってます。ヤッちゃてます。一緒にテネシー大学女子バスケットボールのゲームを見に行ってます。

 って、行くか、普通、カレッジの女子バスケットボールの試合。アメリカにおける、カレッジの女子バスケットボールの地位が如何なるものかは皆目分からんが、「テネシー大の女子バスケットボールのチケット、手に入ったから、一緒に見に行こうぜ。」「えっ、いいの、わりーな、超嬉しいよ。」とかならんだろ。えっ、なんの。まあ、マニングは母校という事もあるし、HCのパット・サミットとも親交があるだろうから、観戦に行く理由もあるだろうが、ストークリーはねーだろ、完全に。

 まあ、でも、行ってみるもんだな。思わぬボーナスを得た訳だし。行ってみるもんだ。

 でも、ストークリーって、行く先々で優勝しているからな。シーホークス時代も奇跡のプレイオフ一回戦突破しているし。お守り的に獲っておいても良いのかもしれん。ロバート・オーリーみたいなもんか。

 あと、デンバーファンというか、エルウェイさんに、一コルツファンとして提言です。アダイ、獲っとけ。何も言わず、アダイ、獲っとけ。このゲーム、ノーション・モレノがブリッツピックで右往左往していたけど、あれ、アダイなら一発で決めます。ケガとか無視して、アダイ、獲っとけ。

 あと、このゲームとは全然関係ないが、デンバーと並んで、昨季の主役、そうしてマニングを奪い合った仲のSFについても感想を一言。SF@GBを見たが、サンフランというか、ハーボーというのは、「ランを出し、ランを止める。」とか「ターンオーバーを奪い、ターンオーバーを奪われない。」といった、謂わば古典的なフットボールの格言に忠実なチームを作るのね。たまに、イカれたプレイコールをするので、それが目立たないが、基本的なチームコンセプトはパーセルズやコフリンのそれと同じなのな。「セオリーに則った奇策」という野村の言葉が思い出される。

                                                   2012/9/16(日)

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