インディアナポリス研究会

歴史

戦評 '11シーズン

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<1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11>

Week10 11月8日
IND@JAX
27−10
 「審判の背番号って、あれ何の数字。」「年齢じゃね。」「ふ〜ん。」

 まさかのNFLないないネタから入ってしまったが、木曜日ゲームのJAX戦は完勝である。先週の記事で、実力的に星勘定的にもマスト・ウィンと書いたゲームであったが、完勝である。唯一の不満は、木曜日ゲームなのに、何故かシーロー・グリーンの煽り映像が無かった事である。GAORAに切られたのか、NFL.ネットワークに切られたのかは不明である。軍隊による国家演奏があったので、それに配慮してのカットかも知れぬ。つーか、「シーロー、てめえ、評判悪んだよー。俺のボーナス、どーしてくれんだよ。」「グヘッ。チェケラ。」って事なのかも知れぬ。まあ、でも今のコルツをシーローに煽って貰いたかったな。ウソ。

 まあ、シーローのビジネス事情など、どうでも良いのであるが、とにかくコルツ完勝である。マスト・ウィン・ゲームの完勝となると、ポストシーズンを除けば、ちょっと意味合いは違うが2010年シーズンのHOU戦以来かも知れぬ。

 つー訳で、このゲームに関しては何も言うことは無い。ジョーンズ=ドリュー抜きのJAXに勝つべくして勝ったというだけのゲームである。そんなゲームが、今シーズンにあるとは思いもよらなんだ。

 ラックに関しても、もはや何も言うことは無い。後半、オフェンスの得点が3点のみだったのを有馬さんは心配していたが、これは単に流しただけの話である。何の問題もない。
 こういう状況で、前任者のマニングはドンドン一本調子で攻めていく事がままあったが、そこはさすがOCの専門職だけあって、エイリアンズは違う。ゲーム全体、シーズン全体を見通してのコールが出来る。まあ、その手のコールを現場のマニングに注文するのは筋違いなのであるが、マニングは自らそういう立場を作っちゃったので、致し方あるまい。コーディネーターという職の意味を、この試合はつくづく感じた。コルツファン独特の感覚であろうが。

 あと、これはこのゲームのみの特徴という訳ではないが、ディフェンスが、少しづつ形になってきている。シーズン当初は単なる5−2ディフェンスでしかなかったが、ここにきて3−4ハイブリッドっぽくなってきている。ヒューズがパスカバーに回ったり、ズビコウスキーがディレイ・ブリッツを仕掛けたりと、ちょっとづつ3−4ハイブリッドっぽくなってきている。パガーノの描いた青写真が、ここにきて形になりつうある印象である。

 正直言って、シーズン前は、カバー2から3−4ハイブリッドという、謂わば正反対のディフェンスに移行するのに、なかなか苦労するのではないかと予想していたのであったが、さすがプロ、ちゃんと出来るのね。まあ、3−4ハイブリッドというのは、一昔前のガチガチの専門職で固められた3−4とは違うという事情もあるだろうが、それでも、コーチ、プレイヤーともども、さすがプロ、さすがNFLプレイヤーである。

 まあ、フリーニー様だけは、相変わらずのオープンラッシュ一辺倒であるが、ここは治外法権も致し方なかろう。でも、ゲーム終盤で、ナイス・リバウンド決めてた。安西先生の「それだ。」っていう声が聞こえた。

 つう訳で、これで6勝3敗。上出来この上ない。

 で、今後の日程をつらつら眺めてみると、オフェンス力のあるチームが多い。今のコルツはオフェンス力のあるチームと対戦すると苦労しそうなので、ひとつ間違えれば7戦全敗もあるかもしれぬ。まあ、それでも問題ないが、KC戦+αの2勝、合計8勝8敗でのフィニッシュを目指して、頑張ってもらいたい。それで十分である。上手く転がれば、プレイオフもありえるだろう。

 とはいうものの、逆転地区優勝も決して諦めている訳ではない。シーズン終盤の3戦、HOU、KC、HOUの3つを3戦3勝してしまえば、逆転地区優勝もなくはないだろう。
 まあ確かに、実力的には、どう足掻いてもHOUに勝てそうな感じは無いが、少なくとも心理的には十二分に有利な立場にある。まず何と云っても、コルツ側は負けても何のショックも無し、謂わばノーリスクのギャンブルである。そうして、今までHOUに勝ちまくってきたという歴史。昨シーズンでさえ、ホームで1勝しているのである。確か、未だ負け無し。こうしたコルツ側の心理的優位理由が、そっくりそのままHOU側の心理的不安要素になる。謂わば、心理的にはコルツは2倍優位な位置にいるといってよい。
 しかも、その心理的優位をそのまま勝利に結び付けるだけの要素、粘り強いディフェンス、一発のあるオフェンス、安定したクォーターバッキングの3つがコルツには揃っている。勝ってみっか。

 しかし、こう考えると、第3週のセルジオの一敗がいたいのお〜。あれが無ければ、現時点で7勝2敗だもんなあ〜。そういえば、セルジオの野郎、髪染めてたな。お前は、アゲアゲか。

 さて、来週はNE戦。現役ナンバー1のコーチに、ど〜んとぶつかってこい。そうして、粉砕されてこい。それでいい。

 「今川焼きって、どうして今川焼きっていうの。」「焼いている人が今川さんなんじゃね。」「ふ〜ん。」、ないない。強引にないないネタで締めてみた。

                                                     2012/11/13(火)
ミッドシーズン
レポート
 開幕前のシーズン展望で、「今季のコルツは新加入組が予想通り働いてくれれば、いいとこに行く。」みたいな事を書いた。そこで、例年、こういう事はやっていないのであるが、新戦力の評価を中心にミッドシーズン・レポートと洒落込みたい。

 まずは何と云ってもアンドリュー・ラック様。

 100点、つうか1000点、つうか1億点。

 もはや何もいう事は無い。技術や能力については、今までの戦評で散々書いてきたので繰り返さぬが、コルツのここまでの6勝、その全てはラックの力といっても過言ではない。つうかセルジオの一敗を差し引けば、事実上の7勝である。QB以外の戦力という意味では、昨シーズンよりむしろ下回っているといってよいコルツがこの結果というのは、ラックの力も元よりであるが、フットボールというゲームにおけるQBの価値を改めて再確認した。

 つーか、ごめんなさい。他の31チームのファンの皆さん、ごめんなさい、2回続けて全体1位のQB当てちゃって御免なさい。コルツのオーガニゼーションに代わって私がお詫び申し上げます。

 つーか、マニング、仮病でした。首のケガとか嘘でした。手術とか全然してませんでした。ラックが欲しくて嘘ついちゃいました。医者、買収しちゃいました。マニングには因果を含めて嘘をついて、尚且つチームを出て行ってもらいました。

 まあ、これは勿論冗談だけど、そんな八百長も成立するだけのラックの能力ではある。でも、ホントにそんな事をしていたら、アーセイとマニングは国外追放だな。それもプエルトリコどころか、パプア・ニューギニアとかまで飛ばされる国外追放だろう。ラックゲートになってしまう。

 まあ、そんな冗談はさておき、コルツファンという立場を離れて、否、コルツファンという立場で考えても、このラック獲得はちと反則という感じもしなくは無い。多くのチームがQBに苦しむ中、それはね〜よなーという感じではある。10年連続プレイオフ出場したチームは向こう5年間、全体5位以内のドラフト権は獲得できないみたいな特別ルールは必要かも。

 あと、全体最下位指名のチャンドラー・ハーニッシュは余裕のPS入り。何の為、指名したんだか。受け狙いか。ちなみに背番号は12、ではなく余裕の8。あと、ドリュー・スタントンも余裕の出番なし。
 
 さて、問題のレシーバー陣である。

 まずは、ドニー・エイブリー。

 私は、開幕戦のレポートで「ドニー・エイブリー、てめえはすっこんでろ。」みたいな事を書いたが、そのこころは、ラック最初のインターセプトのシーンで、そのインターセプトを妨げるような動きをエイブリーは全然しなかったからである。「僕、ルート通り走りましたけど、ボール来ませんでした。」みたいな感じだったからである。まあ確かに、トップスピードで走っていて、そこからインターセプトを妨げるような動きはなかなか難しいのかもしれないが、そんな雰囲気ぐらいは見せて欲しかった。あのプレイを見た時、リーグトップレベルのスピードがあると言われながら、ケガはあったにせよ、ラムズ、タイタンズの2チームから放出された理由が分かった様な気がした。

 つっても、肝心なのは気持ちよりプレイなので、その後、エイブリーのプレイは観察していたのであるが、上記の第一印象を覆すような才能や技術を見せる事は無かった。何より気になったのはルートランが甘いという点である。

 ルートランというのは、NFLを見始めた頃はいまいち良く分からぬ概念、その良し悪しの分からぬ概念だったのであるが、ここ最近1,2年ほどではっきり分かった。ルートランニングの良し悪しというのは、はっきりとある。ルートランニングの良い選手というのは、直線を走るにせよ、曲線を走るにせよ、また、止まるにせよ、曲がるにせよ、くっきりとシャープに動いている。一方、ルートランの悪い選手というのは、それらの動きがみなグンナリとしている。言葉で言い表すのはなかなか難しいのであるが、ふんわりとしている。その違いははっきりとある。

 昨今話題になる落球問題も結局はルートランニングに起因している。落球癖のある選手は例外なくルートランが悪い。正しくルートランニングすれば、ごく自然にフリーになれるし、捕球体勢もしっかりと取れる。それで、ボールが来なければ、QBが悪く、フリーニなれなければ、それはOCのプレイブックが悪いという事になる。レシーバーの責任ではない。

 ポリアンが、レシーバーはルートラン重視という姿勢で臨んでいた理由も今となっては、はっきりと分かる。なるほど、そういうことだったのか。ありがとう、ポリアン。

 で、問題のエイブリーなのであるが、彼は残念ながら後者である。で、それが改善されるかといえば、私は悲観的である。ルートランの悪い選手が、NFL入りしてから改善されたという事例を私は知らない。それが先天的なものなのか、学生時代に身に付けるものなのかは良く分からぬが、少なくともNFL入りしてからでは遅いと思う。

 もしかしたら、エイブリーは良くなるのかもしれないが、現時点では典型的なカレッジのスーパースター留まりの選手である。大学時代は溢れる運動能力で他を圧倒していたが、プロ入り後は、その運動能力という唯一のアドバンテージを失うというパターンである。

 ただ、エイブリーの契約を見ると、どちらが望んだかは不明であるが、一年契約であるので、チームサイドとしても多くは望んでなかったのかもしれない。今季限りのつなぎの選手という位置付けなのかもしれない。つっといて、来オフ、エイブリーと長期大型契約を結んだら、グリグソンの見識を疑う。

 次は、フリーナー。良くも悪くも予想通りである。

 TEとしては平均的な動きと数字である。そういった意味で不満は無い。ただ、2巡34位で指名する価値があったのかというと、大いに疑問である。このくらいのTEなら、ストリートにいくらでもいる様な気がする。また、例えば、ジミー・グラハムは別格としても、オーエン・ダニエルズとかトニー・モエアキとか、これくらいのTEなら3巡以下でもいそうである。じゃあ、誰かと問われても知らんけど。

 このへんが、ドラフトの難しいところというか、面白いところでもある。変な話であるが、もしフリーナーの順位が1巡29位とかだったら、これはこれで全然オッケーなのである。戦力的充実しているチームが、「他に指名したいところも無いので、鉄板のTEにでも行くか。」というのなら、これはこれで全然オッケー、儲けもんのドラフトとなる。

 ただ、昨オフのコルツのような、所謂再建期にあるチームが2巡上位でTE指名というのは無かったと思う。WR、RB、OLB等々のプレイメイカーに行って欲しかったというのが私の正直な気持ちである。フリーナーは何も悪くないのであるが、つう訳で、彼にはどうしても厳しくなってしまう。

 んで、もう1人のTE、ドウェイン・アレンであるが、これは当たりという事になる。総合的に判断すれば、フリーナーと遜色ないであろうが、ドラフト順位が絡むので、こういう評価になってしまう。

 ドラフト前の評価通り、ブロック、レシーブともに上々なのであるが、何より素晴らしいのは、そのレシービングである。自分、マークマン、QB、ボール、この4者の位置を巧みに測ってレーシビングしよる。ちょっと、ゲイツを思わせるものがある。私はリトル・ゲイツと呼んでいるが、実際、もう少し身長があったら、1巡中位での指名もあったかもしれない。10cm身長が低かった為に、ン億円損した典型的なNFLあるあるである。

 その身長から、私は彼をHバック、更には、よりフルバックに近いHバック、私は勝手にGバックと呼んでいるが、そういう使い方をするのかなと思っていたが、そういう位置にはセットしていないみたい。あくまでTEとしての起用の腹積もりらしい。
 とはいうものの、プレスナップ時には、オーディブルやモーションなどで盛んに動いているので、スキーム的には、そういう位置付けなのかもしれない。

 ちなみに、パスプロ、ブリッツピック、レシーブ、ランブロック、ボールキャリー等々、パス以外のオフェンスの全てのプレイをこなす、このGバックというのは、これからのNFLで必須になると、私は予想している。ヘルナンデスに続く第2号にアレンがなって欲しいものである。そうなれば、ラック共々、新生コルツのオフェンスの顔になるだろう。いや、なって欲しいものである。

 さて、残り2人の新人レシーバー、ヒルトンとブラジールであるが、目立ってはいないものの、まずまずの及第点だろう。ただ、ヒルトンにはエイブリーと同じ匂いを感ずるので不安も無くは無いのであるが、新人という事で大目に見ようと思う。ブラジールはレシーバーとしては、あまり出てこないのであるが、チラッと見た限りでは、ヒルトンやエイブリーより、むしろ可能性を感じた。今のコルツは、あまりスロットを使いたがらないようであるが、スロットは彼が最も適任であるように思われる。ウェイン、ヒルトン、ブラジルのセットをこれからは多用してもらいたい。

 とはいえ、今ドラフトはドラフト上位なりFAなりで、ラックの相棒となるWRを獲得して欲しい。切に希望する。

 ウェインの名が出たので、新人でも新加入でもないけど、ウェインについて一言だけ。

 今季のウェインは、体制が変わったので当然と云えば当然なのであるが、SE、FL、スロット等、いろんな位置にセットする。コルツファンとしては、これは新鮮。ハリソンが引退した直後、同じようにいろんな位置にセットした時期があったが、それも束の間、すぐに元の左ガチ固定。キャリアのほとんどを左ガチ固定というのも、なんだかんだで珍しいと思うが、他のポジションも出来るのネ。当たり前ちゃあ当たり前だけど。ただ、コルツファン的には新鮮。

 次はOL。ここも多くが新戦力・新加入組みであったが、とりあえず分かった事は、OLは怪我しちゃあかんという事である。とりあえず、誰でもいいから5人固定してくれ。評価はそれからだ。

 RB陣は、可も無く不可も無く、完全に予想通り。

 次はディフェンス。こちらもかなりの未知数なのであったが、シーズン中盤に来て、なんとなく形になってきた様な気がする。メンツ的に苦しむかなと思っていたが、さすがプロやね。どんなスキームも最低限はこなせるのね。また、基本的に指南役、フィールド上のコーチとして入団してきたレディングとズビコウスキーの両者も、予想通りというか予想以上の活躍。チームに無くてはならぬ2人になった。特に、ズビコウスキーは運動能力的にはいまいちであるが、いかにもプロっぽい、玄人好みの味わい深い動きをしよる。ハルキ・ナカムラの方が欲しかったが、こっちで正解と見た。ベシアの負担もかなり減った。

 スペシャルチームは、やはりパンターを変えたい。他のチームを見ていると切なくなる。マカフィーと再契約するようなら、グリグソンの見識を疑う。一方でヴィナテェリは、替えにくいだろうなあ、さすがに。ますます貴重な存在になっているという気がする、コルツ的にもNFL的も。こんなキッカー、いねーよ、他に。死ぬまで蹴らせるか。実際、50歳ぐらいまでやりそうだし。

 GMとコーチ陣の評価は、これはさすがにシーズンが終了しないと、何とも云えぬ。ただ、ブルース・エイリアンズは当たりだったと思う。PITも手放したくなかったみたいだし。

 ドラフト組ではティム・フーガーの開幕前カットが個人的には残念だったが、他は概ね順調か。あと、チャップマンは如何ほどかは見てみたい、今季中に。

 こんなところか。総じて言えば、当然と云えば当然であるが、エイブリー以外は、予想通り、ないし予想以上の結果だろう。だからこその6勝3敗な訳だ。後半はスケジュール的には厳しいが、もう何も望むことは無い、この調子で頑張れ。ゴー、ブルー。

 コルツについては、これくらいにして、他のチームについても少々。

 まずはコルツファン注目のマニングさん。シーズン序盤は苦しんだものの、ここにきて愛人ストークリーへのパスも減ってきているようだし、まずは順調な仕上がりといってよいのではないでしょうか。ケガの心配もなさそうだし。スーパーボウルへの最有力候補か。そうして、仮病がばれる日が来るのか。インディファンも冷や冷やだ。

 ただ意外だったのは、思ったよりデンバーのディフェンスがやられているという事である。まあ、QBがティーボーとマニングでは、相手の攻め気も違ってくるだろうが。

 そのティーボーが移籍したジェッツであるが、さすがにこの移籍は意味ねーだろ。どっちかを放出してやらならと、両者の為にもチームの為にもならぬと思う。

 このフットボールというゲームはほとんどのポジションで状況による選手起用が可能だと思われるが、さすがにOLとQBは難しいし、意味が無いと思う。私は、かつてMADDENでランとパスでOLを使い分けていたが、リアリティを欠くので止めた事を思い出した。
 その私も、さすがにQBの使い分けはした事が無い。しかも、ティーボーとサンチェスは全然タイプが違うのだし。無駄にプレイブックが厚くなるだけだと思う。どんだけ、Tシャツ売りたいんだか。

 最後に、プレイオフ予想でもしてみっか。

 AFCはデンバー、ヒューストン、ニュー・イングランドの三つ巴かなあ、さすがに。BALとPITは厳しいと思う。他に対抗馬もなさそうだし。マニング対ウェイド・フィリップス対ベリチックという良く見た構図。意外に新陳代謝が進まねえな、AFCは。

 NFCは、さすがにサンフランが磐石か。そこそこ星をこぼしているので、サンフランを危惧する向きもあるが、私がチラ見した限りでは、ハーボーは明らかに手を抜いている。手を抜いていると言うと語弊があるが、明らかにゲームごとに勝敗度外視の課題を持って取り組んでいる。完全に王朝建設を目指している。それを油断と捉える事もできようが、自信ともいえる。

 ケガとか誤審とか天候といった不測の事態の無い限り、すなわち実力ではサンフランが頭一つ二つ抜きん出ていると思う。NFCのみならず、NFL全体でも。対抗馬は、何気に崖っぷちのアトランタぐらいか。ジャイアンツ、パッカーズ、先に挙げた不測の事態の力を借りない限り、厳しいだろう。

 10時間後にNE戦、かなり楽しみ。勝つにせよ、負けるにせよ、負けるにせよ。

                                                     2012/11/18(日)
Week11 11月18日
IND@NE
24−59
 せ〜る〜じ〜を〜、ま〜た〜、お〜ま〜え〜か〜。ガンナーがフォルススタートって、どんなに気焦ってんだよ。ホテルに入ったら、すぐパンツ脱いじゃうタイプか、お前は。大人の嗜みとか、男の余裕とか、お前には無いのか。先週のJAx戦でのギャバートのファルススタートを笑えなくなったじゃねえあ。面白ければ、何でもいいのか。おもしろ刹那主義か。由利徹か。

 とまあ、ちょっと冗談めかして書いてみたが、まあ実際、元パッツということで、セルジオの性格も知っていただろうし、このフォルススタートもカバー時の押し出しも、ベリチックは狙っていたのかもしれない。後半のパントカバーでも、セルジオは潰されていたし、元々デザインされていたプレイだったのかもしれない。

 つう訳で、表面的にはセルジオが戦犯であるが、勿論このプレイが無くても、敗色濃厚だったろう。ただ、私の見るところ、本当の戦犯というか敗因は、このセルジオの直前のプレイの3&アウトだったと思う。この3&アウトの内容がもう少し良ければ、勝ちの目もあったかもしれない。

 そこまで、2シリーズ、インディは完璧なドライブで2TDs、そうして、NEのゴスコウスキーがFGを外す。この瞬間、ラックを中心にインディサイドはホッとしたと思う。これで一息つける、ゲームの主導権を握れると。特にラックは、ベリチックとの対決という事で、この1週間、かなり緊張し、最高の集中力でゲームに臨み、完璧なドライブを、それも2本、遂行した直後だったから、フッと気のゆるむ所があったと思う。とにわけ、二つ目のヒルトンへのTDパスなどは凄味すら感じさせた。その直後のFG失敗だけに、いきなり緊張感がほどけてしまったのだろう。
 そして、その安心、というか一種の油断が、最初のプレイ、アレンへのオーバースローにつながったと思う。私は、この瞬間、嫌な予感がした。そうして、続けてパス2回失敗して3&アウト、で、セルジオのプレイにつながる訳である。

 もしこのシリーズで、だらだらランを3回コールしていたら、アレンへのパスがピシッと決まっていたら、仮に3&アウトで終わっていたとしても、また違う展開になっていたと思う。一瞬の油断が命取りになった典型的なシーンだったと思う。

 特に前2シリーズでは、私がコルツファンになって以来最高とも言ってよいくらいランが出ていたので、ここは油断せず慎重にせめて欲しかったと思う。

 まあ、その後はインターセプト・リターン・タッチダウンが出て、ひっちゃかめっちゃかのゲームになってしまった訳であるが。この辺は、ラックの若さが出たという感じである。というか、「むちゃくちゃムキになっている。」by赤木剛憲であった。

 自分のミスを取り返したい、チームの劣勢を跳ね返したい、という気持ちが強かったのだろうが、無理に点を取ろうとしている様がありありと分かった。第2クォーター前半での1TD差、それもどちらかと云えば事故に近い1TD差なんていうのは、どうにでもなるのだから、焦らずじっくり、ダラダラと攻めて欲しかった。チャンスなんか、そのうち向こうから転がってくるものである。

 ラックは大学時代、格下か同格のチームとしか対戦経験が無いので、こういう格上相手のチームとの対戦時の心得は知らなかったのだろう。常にリード、ないし優勢でないと安心できないという心理みたいなものがあるのかもしれない。こういう、ちょっとした心理の傾きで大きく動いてしまうようなゲームは初めての経験かもしれない。

 とは言うものの、そういうムキになるという気質は、特に若いプレイヤーにとっては決して欠点ではない。むしろ美質といってよいと思う。マニングだってブレイディだって若い時はすぐムキになったものである。マニングなんか、30近くまでムキになっていた。ウェーデンのようなのん気の方がむしろ問題である。まあ、ウェーデンは30近いけど。

 ラックというのは紳士然としているけれど、こういう向こうっ気の強さというか、気の強さというか、勝ちたがりの一面をちょっろと見せる。勿論、優れたプロスポーツ・プレイヤーにとっては必須の気質である。
 それが、このゲームではたまたま敗因になったけれど、それはそれで仕方があるまい。エイリアンズもそれを抑えるような指導やプレイコールは勿論出来ただろうが、あえてそれをせず、ラックに一任したのだと思う。私はそれを支持する。寝技は30過ぎてから覚えればいい。さっき、放送していたSD@DENでは、マニングはじじむさいクォーターバッキングをしていたけれど、あんなのは30過ぎてからでいい。

 つう訳で、このゲームは、ラックのプロ入り後、初めて自分の思い通りにならなかったゲームになったと思う。もちろん、ここまでの9戦でもそれなりに失敗はあったが、それはある意味、予想の内というか、所謂想定内だったと思う。ここで初めて、自分の想像を超えるゲームに出会ったと思う。実際、かなり研究もされていたようであるし、NFL最高のコーチというものが如何なるものか、ラックには本当に良い勉強になったと思う。このゲームを機に、ラックはもしかしたらスランプに陥るかもしれないが、それは良いスランプである。本当に内容のある良い敗戦だったと思う。

 という訳で、スタッツ的表面的には4ターンオーバーの24−59というスットコドッコイなゲームであったが、私自身としては、内容の濃い、考えさせられる事の多い良いゲームであった。そういう意味では、私がコルツファンになって以来、ベストのゲームかもしれぬ。

 ゲームの話はここまでにして恒例の余談。

 GAORAの放送で、解説の村田さんが、元コルツのムーアヘッドがスタンフォード大でアシスタント・コーチをしているなんて情報をポロッと漏らしていた。まさか(いや、別にまさかじゃないけど、)と思って、調べてみたらホントにやっとった。そうして、「ラックはマニングに似ているよね。」なんて宣っているらしい。アホのくせに、アホのムーアヘッドのくせに。ハリソンと口が効けるというだけの理由でロースター枠得ていただけの男が、生意気に。

 TV放送といえば、今季のコルツはTV放送自体は例年より少ないのであるが、どういう訳か、生が多い。夫婦か、若い夫婦か。

 近所のスーパー・マーケットの惣菜コーナーで、何故かバッファロー・ウィングが売られている。こんなビルズ・ファン以外には何のシンパシーもない料理が、何故に日本の片田舎のスーパーの惣菜コーナーで売られている。あの厨房にビルズ・ファンがいるのか。恐いな〜。いや、怖くはないけど。
 
                                                     2012/11/20(火)

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