インディアナポリス研究会

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2012年
Week2
ラック初勝利

Week2あれこれ
 やっとるな、シーロー・グリーン。先週紹介した上下白スーツの黒人は、掲示板のシーホークスファンさんからの情報によると、シーローというアメリカのミュージシャンだそうである。一週で消えるのかなと思っていたが、今週の木曜日ゲームでも放送されていた。契約があるのだろうが、1シーズン丸々流すつもりか。

 んで、完全に興味本位で、このシーローの画像を検索して、ひとつ分かった事がある。私は彼の音楽的業績は一切知らないが、この画像群を見て分かるのは、コイツ人生ナメてます。人生ナメきってます。

 私の拙い聞き取り機能によると、問題の煽り映像では、「ドゥー・ユー・ライク・フットボール、セイ・ユー・ライク・フットボール」(ライクではなく、ラブかもしれぬ。)と歌っているのだろうが、あたりめーだろ、好きだから、わざわざチャンネル合わせて見とるんじゃい、貴重な時間裂いとるんじゃい。まあ、「ドゥー・ユー・ライク・フットボール」つうのは、直訳すると「あなたはフットボールが好きですか。」であろうが、現地の意味的には「フットボールしようぜ」とか「フットボール見よーぜ。」ぐらいの意味なのだろうが。

 でも、この曲、駅で電車を待っている時とかに、思わず口ずさんでいる時があるんだよな〜。音楽って恐い。洗脳には必須のアイテムだ。今、私の頭の中では、この「ドゥー・ユー・ライク・フットボール、レッツ・ゴー」とキャシャーンが凌ぎあっています。頑張れ、キャシャーン。

 さて、本格的にどーでも良い話柄から入ってしまったが、コルツファンにとって、Week2最大のトピックスは、何と云っても、ラック様初勝利であろう。テレビ映像も見ていないし、文字ライブも追いかけていなかったので、詳細は全然不明であるが、ボックススコアや各種記事からの情報によると、チームの力も勿論であるが、ラック自身の力によってもぎとった正真正銘のラック様初勝利であるらしいので、ほんと御目出度い。これで名実ともに、チーム、フランチャイズともに、ラック時代到来であろう。

 ただ、私個人的には、ラックの初勝利は早すぎたかなというのもある。どうも、ラックの発言を聞いていると、その言葉の端々に、過信に近い自身みたいなのを感じ取れるので、開幕5連敗ぐらいして、その鼻っ柱をへし折っておきたいというのもあった。まあ、開幕10連敗とかしちゃうと、雑音に殺されちゃうので、5連敗ぐらいが適当であろうと思っていた。まあでも、早く勝つに越した事は無いか。

 あと、ヴィナティエリ。相変わらず、どーでも良い20ヤードは外すが、大事な52ヤードは決めるのね。ゼニになる仕事しかしないという事か。勤務態度として、問題なくない。営業部にいたら嫌われるどー。部長が人格者だったら、呼び出されるどー。結果主義の部長だったら、呼び出さんけど。

 しかし、ラック初勝利のテレビ放送が無いとは何とも無念。ドラフト、初試合はあっただけに、最後のひとつが揃わなかった。そんなに、世間はラックのゲームを見たくないの。見たくないと言われれば、それまでだけど。

 つー訳で、ラック話はこれ以上出来ないので、そのほかのWeek2のゲームの感想を点描してみたいと思う。

 まずはマニングさん、こちらは初敗北。先週、開幕ン連勝もあるかもと書いた矢先に早速コレ。まさにマニング風味。先週の記事で、「私はマニング負けろ。」みたいな心持ちだと書いたが、いざ負ければ負けたで、やはり悔しい。何このアンビバレンツな感情。まさにマニング風味。ほんと因果なQBだのう。

 第1クォーターの3Intsが敗因となった訳であるが、3つ目は完全にコントロールミスかと思われるが、他の2つはホットルートの失敗っぽかったので、開幕戦で封印していたマニングの十八番をいよいよ第2戦から披露しようとして失敗したという感じである。第2クォーター以降、まったく無くなったのは、それを同じく封印したからであろう。まあ、さすがにウェインやクラークのようにシーズン序盤から動けというのは無理な要求か。

 で、そのマニングの十八番を知悉しているストークリーは出ずっ張り。第1次デンバー時代の後半から、シチュエーション限定、スポット参戦的な使われ方になっていたと思うが、ここに来てのフル参戦。上に書いたような事情もあるだろうが、一選手にここまでの人事権を握られちゃっていいのか。いーのかもしれんが。

 一方、脱ムラーキーに成功したATLであるが、こちらは順調な仕上がりと見た。マット・ライアンが若いので、その影に隠れてはいるが、チーム全体はかなり高齢化しているので、ここらで最低でもスーパーボウル出場ぐらいの結果を出さないと、SDと同じ憂き目を見ることになると思う。何気に崖っぷちのチームではある。

 次はDET@SF

 なんつーか、SFが磐石とでも謂うべき試合。先週のGB戦も同じだったが、敵オフェンスのメカニズムを完全に知り尽くしての勝利といった感がある。GB、DETというオフェンス自慢の両チームを相手に、凡ミスとか不運なファウル絡みでの失点はあるものの、構造的な失点は一つも無し。2年目で、このディフェンスを作り上げるとは、まさしくハーボー恐るべしである。華麗とも評されるようなオフェンスのランブロッキング・スキームといい、見事としか言いようが無い。フットボールというゲームが如何なる構造の基に成立しているのか、知悉している証左であろう。

 昨季、ああいう負け方をしたので、ジェッツのように、強豪ではあっても、しばらく低迷するかなと私は予想していたのであるが、その予想は大きく裏切られたようである。
 今のSFへの視点はただひとつ、スーパーボウルを獲るかというような事ではなくて、SFが、NEに代わる10年代の覇者、すなわち王朝を作れるかのただ一点であろう。私はアレックス・スミスがQBをしている限り、無理だと思っているのであるがどうだろうか。スミスをQBに据えて王朝を作るようであれば、冗談抜きで私は自身のフットボール観を変えねばならぬ事になる。

 まあ、今季、マニングが入団しとったら楽々優勝していただろうな。やはり、入るチーム間違えたな。つうか、ラックが入団していたら、楽々王朝作っていたな。いや、ラックは渡さん。つーか、ハーボーくれ。パガーノ+マシス+ボンタ・デービス+パドュー大ぐらいで手を打てない。

 一方のDETであるが、こちらは昨季と比べて1ミリの改善も無し。油断と見た。スケジュール的には緩いが、8勝前後で終わると見た。

 最後にCLE@CIN。

 老齢(でもないか。)のウィーデンと、私が勝手にラックの仮想ライバルと目しているダルトンのマッチアップということで、個人的注目しており、単独で記事にしようかとも思っていたのであるが、いまいち盛り上がらないゲームだったので、その他大勢扱い。

 そう謂えば、先週の記事でダルトンを何故かダントンと表記していたが、これは完全に私の間違いです。すんません。別にフランス革命が好きな訳でもないのであるが、自分でも不思議。
 この選手に関しては、ドルトンで日本語表記が定着しつつあるが、個人的にはダルトンの方が好きなので、しばらくコチラを使おうと思います。

 さて、そのダルトンであるが、相変わらず素晴らしいクォーターバッキングであるが、ひとつ気になる事がある。これは昨年の記事も書いた様な気がするが、難しい事をしようとしすぎる。具体的に云えば、これは現地の放送でもクローズアップされていたが、WRばかりに投げようとしすぎる。

 私は、QB、とりわけ若いQBがTEやRBにしか投げない、もしくは投げられないというのは問題だと再三再四書いてきたが、WRにばかり投げるというのも、これはこれでチームプレイヤーとして問題であると思う。つーか、そんな選手初めて見た。一流選手というのは思わぬエゴを持っていて、そうしてそれは概ねその選手の糧となるものであるが、やはりどこかのタイミングで改めるべきだと思う。流川の天上天下唯我独尊男みたいなもんである。しかも、グレシャムという優秀なTEがいるのだから尚更である。

 CINのチーム状態であるが、これはもう十分スーパーボウル出場が狙えるレベルだと思う。ただ、これは以前にも書いた事があるが、マーヴィン・ルイスがHCを務めている限り、プレイオフ出場前後のレベルで終わるとも思う。このルイスも、首が危うくなるとポッとプレイオフ出場というのを数回繰り返し、早10年というジャック・デル・リオ・パターンであるが、HCの力量としては完全に結論が出ていると思う。ダルトンがパーマーの二の轍を踏まぬよう願うばかりである。

 一方のウィーデンであるが、こちらは先行イメージよりはずっと良かった。先行イメージが悪すぎたというのもあるが、フットワークにもそれなりのリズムを感じるし、十分スターターを任せられるレベルだと思う。まあさすがに、ラックよりは数ランク落ちるだろうが。あと。ブラウンズで背番号3のQBというと、どうしてもデレク・アンダーソンを思い出してしまうという、良いのか悪いのか良く分からんイメージがある。

 しかし、このゲームの白眉は、何と云ってもトレント・リチャードソンであろう。内も外も走れて、スピードとパワーを兼ね備え、カットが切れて、レシーブが出来て、ブリッツピックも出来るという、まさしくコンプリート・パッケージだと思う。私は大学の先輩のマーク・イングラムみたいなもんかと思っていたが、全然違った。さすが、意味不明のトレードアップをして獲っただけの価値があると思う。

 この1試合だけ判断するのもどうかという意見もあろうが、ピーターソンやフォーテといった一時代を築いたRBがデカダン期に入った事を考え合わせれば、もはや現役ナンバー1のRBといっても良いかもしれない。現時点における現役ナンバー1のRBといえば、フォスターやマッコイの名を挙げる人もあろうが、彼等は自分勝手に走るので、私はあまり好きになれない。このリチャードソンのように決められたルートを走り、尚且つそこからエクストラヤードが期待できる方が好みであるし、正しいと思う。エミット・スミスの再来という声もあるのも、なるほど頷ける。私は個人的には、そのスミスよりトムリンソンに近いタイプだと思うが、まあ、そのスミスもトムリンソンも似た様なタイプなので、結局同じという事であろう。いずれにしても、一時代を築けるランナーである事は間違いないと思う。恐いのはケガだけか。

 ブラウンズというと、この10年近くQBがパッチワーク状態という事で有名であり、マニングのコルツと比較されて、よく揶揄されてきたが、一方じゃ、そのQBの影に隠れているが、RBもまたパッチワーク状態、毎年毎年くるくる変わっていた。ただ、QBと違って、RBは結果を残していたので、それが目立たなかったのではあるが。

 でも、このリチャードソンとウィーデンの登場により、その問題は解決したと思う。向こう5年はウィーデン・リチャードソン体勢でいけると思う。それで、いきなり地獄のAFC北を勝ち抜けるとも思えないが、とりあえず戦える体制は整ったと思う。今オフは、思い切って、WAS張りの野放図な補強をしてみっか。

                                      涼しいと、よく眠れる。2012/9/23(日)
Week3 9月23日
JAX@IND
22−17
 所謂、大体審判のお勤めが、このWeek3で終わり、Week4からは正規審判の登場と相成った訳であるが、この代替審判、各所で不評だったようであるが、私はむしろ良くやった方だったと思っている。開幕の一ヶ月だか二ヶ月前だかに召集され、プレシーズン4つに、レギュラー3つをこなした訳ではあるが、その短期間の割には、むしろ、よくやった方だと思う。正規審判と比較する事自体が間違っているだろう。
 正規審判というのは、毎試合ごとに反省会を開き、オフシーズンには研修会を開き、それを10年20年とこなし、それでも誤審があって、ビデオ判定を導入しているぐらいなのだから、今回の代替審判は、むしろ無難にまとめた部類だと思う。

 大きな論争の種になった、件のGB@SEAにしても、まあ確かに、最後のはジェニングスの方が先にレシーブしているようにも見えるが、同時キャッチと云えば同時キャッチとも言えなくは無いだろう。そもそも、シアトルのホームで、ビデオ判定の後、「いや〜、あれ、ビデオでよく見たら、タッチダウンじゃありませんでした、えへへ〜。」とか言えねーだろ。少なくとも、私は云えん。GBファンの方々には悪いが、一種のホーム・フィールド・ディシジョンだと思って、諦めてもらうしかないだろう。それに、ホーム・フィールド・ディシジョンといっても、ゲームを通じてシアトル側に有利に審判していた訳ではないのであるから、謂わば両チームに平等に誤審していた訳であるから、そんなに不満を抱く事もあるまいと思う。

 そもそも、私は、スポーツの観戦や参加の際に、審判に文句をいう事自体が好きでは無い、というか嫌いである。誤審もゲームの内であるのだから、そんな事に文句を言っても始まらない。審判に不満や文句があるのならスポーツ観戦や参加はきっぱりと諦めるべきであろう。誤審というのは、風向きとかボールの転がり具合と同じ、コーチやプレイヤー、すなわち当該チームの力ではどうにもならぬ、一種の不確定要素なのである。そういう意味でも、「審判は石コロと同じ」は蓋し名言である。まあ、ボールや風と違って、審判には、所謂袖の下の力で、どうにかなるっちゃあ、どうにかなるけど、それはまた別問題である。

 もちろん、誤審といっても、所謂ジャンパイアのように、特定チームへの贔屓だったら、それは問題であるし、排除すべきであろうが、今回の代替審判のように平等に誤審しているのなら、ゲームにおけるフィアネス、公平性は担保されている訳であるから、何の問題もない。

 また、どうせ完全な審判は無理だからと、誤審を野放しにしているのなら、それはそれで問題だろうが、このNFLに限らず、各競技団体は、ビデオ判定まで導入して、出来る限り正確に審判しようと努めているのだから、それを問題にする事もあるまい。

 という訳で、当サイトにおいて、一種の冗談として誤審を揶揄する事はあっても、真面目に誤審を非難することはありません。今までも、無かったと思う。いや、あったかな。

 また、この手の誤審を非難し、それを勝因や敗因の全てだとするような論調もまま見かけるが、そういう論調は、上に挙げたような理由から、私は好きになれない。というか、軽蔑している。
 そうやって、何かつうと、レフリーの笛を非難する人は、一度、草野球の審判でも良いから、何かスポーツのレフリーをやってみ。レフリングというのが、そのスポーツのプレイよりも遥かに難しいという事が分かるだろう。私もかつて野球の塁審を勤めて、大恥をかいた事がある。プレイヤーのミスもレフリーのミスもゲームの一部である。審判に完全性を求めるのだったら、ボウリングとかダーツとかをするしかないだろう。

 しかも、野球の審判だったら、ほとんど身体を動かす事は無いけれど、これがサッカーやラグビーだったら、走りながらの審判である。完全性を求める方がおかしいというものであろう。フットボールは、それらを顧慮し、どんどん審判の数を増やし、いまやNFLは10人体制だか20人体制だかである(正確な数は自分で調べてネ。)。
 大相撲なんか、あんな短期間の格闘技なのに、行司を含めて5人体制である。で、八百長をやっているという支離滅裂。八百長をやるから、正確な審判が必要だという説もあろうが。

 とまあ、今回の審判問題で私が書きたかったのは以上のような事では無い(えっ。)。今回のNFLの審判問題は朝日新聞でも報道されていたのであるが、その記事によると、この代替審判、アリーナ・フットボールやランジェリー・フットボールから召集されているらしい。まあ、新聞記事なので、そのまま鵜呑みには出来ないが、アリーナはともかく、ランジェリーから召集されたら、そら、誤審するわ。NFLなんか、やってられないわ。適当に誤審して、逸早くランジェリーに戻りたいわ。ランジェリーで誤審して、ランジェリーに詰め寄られたい。考えただけでも、勃起してしまう。いや、俺、別に、フットボール好きじゃないんだもん。ランジェリーが好きだから、審判やってんだもん。こんな、むさ苦しいところ、さっさと厄介払いしたいわ。
 私は、生まれ変わったら、ランジェリーの審判になりたい。

 さて、本題のJAX@INDである。

 私は、基本的には、このゲームのように、スタッツとハイライト映像と文字ライブのみの情報からでは、記事は書かない事にしている。トンチンカンな事を書いてしまう危険性があるからだ。まあ、テレビ放送をがっつり見ていてもトンチンカンな事を書いていると指摘されれば、それまでであるが。

 今回、その大方針を覆してまで(んな、たいそうなもんじゃない。)、記事を書こうと思ったのは、今週のコルツは、今まで私が経験した事の無いようなスットコドッコイな負け方を喫したからである。

 私もコルツファンを10年くらいしてきて、その中には、戦力的なもの、展開的なもの、ゲームプラン的なもの、天候的なもの、サイファーズ的なもの、サイファーズ的なもの、サイファーズ的なもの等々、色々なものがあった。でも、こういうトンチンカンな負け方は初めてである。つか、NFL観戦でも初めてかもしれない。

 1点リード、敵陣20ヤード、試合時間残り56秒、敵側タイムアウト無しって、これを守りきれない、つうか一発タッチダウン喰らうって大問題だろ。弱小ハイスクールレベルのプレイじゃねーの。カレッジレベルでもなかなかお目にかかれないプレイ、つうか現象だと思うが。

 んなもん、クッションとってタックルすれば終わりじゃん。FG圏内という意味では50ヤード、FGの安全圏という事を考慮すれば60ヤード進まれなきゃ良いだけの状況だよ。仮に、それだけ進まれて、FGを決められたら、そん時はそん時、相手が上手だったというだけの話である。一発タッチダウンはねーだろ。ねー。ねー。ねー。

 ハイライト映像を見ると、30番台の長髪、恐らくセルジオ・ブラウンがニッケルバックに入って、20ヤード前後のパスをWRのセシル・ショーツに抜かれて、そのまま一発タッチダウンなのであるが、ブラウン、何やってんの。ショーツの前に入る理由、まったく無いだろ。むしろパスカットしちゃいけない場面だろ。レシーブさせてタックルが定石じゃないの。仮にタックル出来なくとも、カットとか切らせてWRの速度を緩めれば、最低限の仕事をしたことにはなるんじゃないの。それをWRの前に出ちゃうなんて、アホか。てか、アホ。アホ確定。

 つーか、こんなもん、キャンプの初日にやる練習だろ。ツーミニッツ・ドリルのイロハのイみたいな練習だろ。練習の為の練習みたいなもんだろ。チャート式問題集の練習問題みたいなもんだろう。セルジオ・ブラウンは最近契約したから、コルツのキャンプには参加していないが、んなもん、何処のキャンプでもやっとるから、言い訳にならん。しかもブラウンの登録上のポジションはセイフティだし。もう俺はコイツは一生信用しない。人間というのは、同じミスを永遠に繰り返すものである。

 また、パガーノもパガーノで、プレイ前にチェック入れておけよ、「捕らせて、タックルすればいいんだぞ。」って。言ったのかもしれないけれど、やられてしまっては、言った事にはならない。チェックが甘かったという事になる。分かっているつもりでも分かっていないのが人間だよ。嫌がられるくらい、しつこく言わないと出来ないのが人間だよ。ベリチックの言うシチュエーション・フットボール、野村の言う準備野球というのは、つまり、そういう事である。人間の判断力なんていうのは、動物どころか昆虫レベルなんだから、本能的に出来るようになるまで、しつこくチェックしないと。

 今回の一件は、ルーキーHCという事で、大目に見るけれども、パガーノに一抹の不安を感じたのも確かである。

 ちなみに、この逆転タッチダウンを奪ったセシル・ショーツというのは、マウント・ユニオン大出身、つまりギャルソンの後輩という事になる。トリビア〜〜ンな情報だけど。

 んで、ラックである。ラック様である。もう完全におんぶに抱っこじゃん。ルーキーQBをチーム全体、オーガニゼーション全体で盛り上げるどころか、完全におんぶに抱っこじゃん。むしろ、足引っ張ってるやん。完全に迷惑掛けてるやん。

 もう完全にマニング級やん。つうか部分的にはマニング越えてるやん。最後、逆転タッチダウンを喰らった後、完全にモメンタムを失っている中、残り45秒、自陣38ヤードから敵陣26ヤードまで持っていって、あわや逆転タッチダウンなんて、マニングじゃ無理だよ。適当に4回投げて終わりだよ。

 しかし、ラックがこんなに出来ると分かっていたら、アダイとかクラークとか放出するんじゃ無かったな。ギャルソンあたりも無理してキープしとけば良かった。
 ルーキーQBは一人前になるのに2〜3年懸かるといった風評に騙されて、じゃあアダイやクラークはいらんのかなと思ってしまったけど、これだけ出来るんだったら、もう一年目から勝負できたやん。ラックだったら、アダイやクラークも上手く使えこなせたやん。下手すれば、マニングより上手く使いこなせたやん。惜しい事をした。

 何故に途中から関西弁風になったのかは、自分でも意味不明。 

 マニングと云えば、今週、デンバーがヒューストンにディープボム数発喰らって負けておったが、何で今更、あんなコテコテのゾーンブロックスキームに引っかかるんやろ。しかも、デンバーは、そのゾーンブロックスキームの本家本元総本山なのに。シャナハンが去って何年経ったかは忘れたが、一緒にゾーンブロックスキームも忘れてしまったか。

 まあ、ディフェンス・オフェンス共々、戦術にメリハリをつけないというのが、良くも悪くもジョン・フォックスの特徴であり、それが彼独特の粘り強いゲームを生んでいるのは確かだけれども、この試合ぐらいはメリハリをつけても良かったんじゃないかな。まあ、来たるプレイオフに向けて、隠しているという穿った見方も出来なくは無いが。

                               ニコ・ロビンに膝枕をしてもらいたい。2012/9/30(日)
Week4 パガーノ入院  今週のコルツはバイウィークで、更には面白そうなカードも無かったので、戦評はやめて、「HCの仕事」の続き、つうか残りを書こうと計画していたのであるが、コルツ的には大ニュースが入ってきたので、それについての報告と仮想を書きたい。

 HCのパガーノがAcute Promyelocytic Leukemia、ネット検索で日本語に直訳すると、急性前骨髄球性白血病、要するに白血病で入院しちゃいました。
 1〜2ヶ月入院して、集中治療、その後は様子を見て、治療を施すという事で、さすがに今季中の復帰は無理なので、OCのブルース・アリアンズが暫定HCに就任しています。

 白血病なので、長期的にはともかく、いきなり死ぬという事はとりあえず無いだろうが、安静という事が最も重要な病なので、NFLのHCという激務に関して、来季以降は白紙だと思う。本人としては、人生最大の夢が叶った瞬間、こういう結果になって悔しいだろうが、2〜3年はフットボールを離れて安静していた方がよいように私は思う。まあ、アメリカの話なので、無理矢理は治療を施して現場復帰させるという事も十分可能だろうけれど。

 で、パガーノ緊急入院に関しての報告と感想は終わりなのであるが、ここで記事を終わりにするのも詰まらないので、今回は、ここまで書こうと思ってはいたが、各タイミングを逸していた小ネタをまとめてみたい。

 まずは、HC不在つながりという事で、NOについて。ここまで開幕4連敗という辛い結果に終わっているが、そりゃ仕方ないよ、ヘッドコーチ不在だもの。逆にこれで普通に勝っていたら、HCって何、ショーン・ペイトンって何、僕って何という事態になってしまう。しかも、ショーン・ペイトンというのは、ただいるだけのコールドウェルとは違って、自身でプレイコールも出しているのだから、これで勝っていたら、まさしく「僕って何」である。重役会議でオーナーは質問しちゃうよ。「え〜まあ、ワシもNFLのオーナーをやっているくらいだから、お金の事についてはガタガタ言いたくないけれど、この5億円(超テキトー)って意味なくね。意味無くなくなくね。ワシ、何の為にペイトンに5億円も払ってんの。」

 しかも、NOのペイトンのみならず、ディフェンスのQBといわれるMLBのヴィルマも不在、更には、そのバウンティ問題でハードヒットしたらガタガタ言われる状況である。無意識レベルで選手に影響を与えているだろう。実際、この開幕4戦、そういう結果である。勝てそうでありながら、最後の一押しが無くて、負けている。

 開幕前、GAORAでNFLの予想番組が放送されていた。私はこの番組に7割から8割ほど不満だったのであるが、そのうちのひとつがNOの高評価であった。確か、予想者4人のうち4人がNOの地区優勝を挙げていた。まあ、穴狙い的に4人のうち1人くらいがNOを推すというのなら、番組演出的に分からないでもないが、4人中4人がNOは無いと思う。というか、思った。しかも、その内の何人かはHC経験者である。自分の仕事、全否定してどうすんの。「僕、給料泥棒で〜す。」って言っているようなもんじゃん。

 勿論、NOはペイトンの代わりにHC代行を据えているけれど、来季確実にペイトンが戻ってくるのであるから、そんなに自由にもやれないし、選手もついて来ないだろう。今季のNOは、謂わば完全にHC不在のまま戦うシーズンだと私は思っていた。フットボールにおいて、HC無しだとどうなるかという実験のようなものだと私は考えていた。

 ところが、この予想番組では、そんなことはほとんど触れず、NOは戦力的に有利だから地区優勝と安易に断じていた。しかも、NOがHC不在を差し引いても、地区内で戦力的にズバ抜けているというのならともかく、ATLという実力伯仲のライバルがいるのである。私はおかしな予想番組だと思った。

 そのほか、この番組には大いに不満があり、その批判記事みたいなものを書こうかと思っていたのであるが、タイミングを逸して書き損なってしまった。

 次はシラグサ。

 アイツまだサイドラインレポーターやってんのな。私がNFLを見始めてから、かれこれ10年近くサイドラインレポーターやってんのな。10年契約なの。後釜いないの。シラグサがみんな斥けてんの。シラグサは実況席には永遠に行けないの。実況席よりサイドラインレポーターの方が格上なの。なんか、色々な妄想が広がるんだが。シェリル・ミラーなんか20年近くやっとるし。
 私はこの手の様々な仕事の内実を色々妄想するのが大好きなのである。ちなみに最も興味があるのは仏具屋の経営事情。

 次はアリゾナのマット・コーブ。

 ちょっとは活躍し始めたようだな。

 雑誌「フォーブス」恒例のプロスポーツマン年収企画で48位に着けただけの事はあるな。まだ、全然足りんけど。

 で、私がコーブについて語りたいのは、そういう事ではなくて、その日本語表記である。その活躍にともない、日本の報道機関等々でも日本語表記を用意しなければならなくなっているのであるが、GAORAやG+では、それがコブやコッブになりつつあるという事である。そのKOLBという綴りから考えて、コーブないしはコルブになるのかなと私は予想していたので、これは少々意外な展開だった。

 この単語中にあるOLないしALというのは長母音記号「ー」で日本語表記されるのが通例である。マーシャル・フォーク(これはAULだけど)やピーター・フォーク、シャーロック・ホームズ、普通名詞のフォークソング、あるいは「話す」という動詞のトークなども同様であろう。となると、何でもかんでも「ー」かというと、そうでもなくて、コルツファンなら薄々勘付いているかもしれないが、我等がコルツは必ずコルツと日本語表記し、コーツとは表記しない。

 現地の発音を私のヘッポコイヤーで聞き取ると、インディアナポリス・コルツというよりは、むしろインディアーナポーイス・コーツって感じに聞こえなくも無いのであるが、とにかくコルツは必ずコルツと書くように決まっている。
 先に例に挙げたホームズも昭和20年代くらいまではホルムズといった日本語表記も無くはなかったのであるが、いつしかホームズに統一された。KOLBが一体、どのような日本語表記に落ち着くのかは皆目不明であるが、こうした事例をつらつら考えてみると、「法則があるようでなく、ないようであるのが言語である」とは、蓋し名言だと思う。

 代わって、ドラフト。先日、J−Sportsでドラフトのドキュメンタリー番組を放送していたのであるが、その中で、あるレポーターがドラフト中継を「まるでリアリティー番組のよう」と形容していた。その形容、全然間違えているから。ドラフトって、完全にリアルだから。現実ぽくっないから。完全に現実だから。現実そのものだから。人生懸かっているから。大金動くから。

 で、いきなりNFLの話から外れて、タツノコプロの話、最近タツノコプロ50周年記念という事で、CSでタツノコ作品の第1話と最終話を数十作品放送していたのであるが、私はそれを懐かしく見た。

 なかでも、「ポールのミラクル大作戦」は、私が子供の頃、大好きだった作品で、再放送を見たいと長らく願っていながら、30年間、まるで見れなかった作品だったので、非常に嬉しかった。ちょっと涙ぐんだ。「ぼ〜くのニーナを救い出すまで、ふーたりでなーかよく帰れる日まで、」なんて究極のエロティシズムじゃね。また、今回の放送で発見したのであるが、オカルトハンマーとは、なんて素晴らしいネーミング。

 そのほか、みんな、それぞれ懐かしかったのであるが、意外だったのは「ムテキング」。この作品は私はそんなに好きではなかったのであるが、タコの悪役4人衆を見た瞬間、「コレコレコレ、いたいたいた。」って、テレビに向かって、思わず叫んじゃった。これは自分でも意外な反応だった。

 そのほか、「ゴールドライタン」の「か〜わるんだ、変わるんだ、無敵のロボに」も聴いた瞬間、「それだっ。」って、テレビに向かって思わず叫んじゃったし、「一発貫太くん」の「勝つぞ〜、勝つぞ勝つぞ、きょ〜うは負けても、あしたは勝つぞ」という有名なフレーズはエンディングテーマの一節だったという新発見があったり、子供の頃は単なる格闘アクションものだと思っていた「破裏拳ポリマー」に、こっそりオシャレ探偵風味が隠されていたという新発見があったり、色々と面白かった。中学生の頃好きだった「ジリオン」も久方振りに見て、「そういえば、あの変形パワードスーツをフルスクラッチしようとして、それっきりだったな。」なんて事も思い出した。

 とまあ、みんなそれぞれ懐かしく面白く、それこそ全作品全話放送してもらいたいぐらいなのであるが、今回タツノコ作品を改めて見て思ったのは、一連のタツノコ作品というのは、何から何まで嘘っぱちだけれども、それ故に、人間の色々な欲望、自己顕示欲とか性欲とか暴力とか支配欲とか認識欲とか創作欲とか爆破欲とか等々を出来うる限り大量に満足させる作りになっているという事である。その象徴が「ポールのミラクル大作戦」あるいはオカルトハンマーであろう。

 もっとも、そんなのはタツノコ作品のみならず、それこそ「鉄腕アトム」以来、現在の「ワンピース」に至るまでの多くのアニメ作品、あるいは、ほとんどの漫画や映画、小説、テレビドラマ等々共通の特徴なのであろうが、それが最も濃い、あるいは、それに徹しているのがタツノコ作品であると思う。

 この「何から何まで嘘っぱち」という点は、製作者側にとっては、どこか詰まらぬ、あるいは物足りぬ感じになり、そこから、少しハミ出す、すなわちリアリティというのも導入したくなりがちであるけれども、それは大概失敗する。その副作用をもっとも周知していたのがタツノコプロという言い方もできるかも知れない。もちろん、そこからハミ出し、そうしてハミ出す事によって大成功を収めた「あしたのジョー」や「機動戦士ガンダム」といった数少ない例外もあるにはあるけれども。

 最後に、規定投球回数(?)に達したという事で、今季を終了した(ポストシーズンも投げないらしい。)ナショナルズのストラスバーグについて。一ヶ月遅れの話柄であるし、多くの人が既にツッコミ済みであろうが、縁起物なので、みんなの尻馬に乗る形で最後にツッコんどく。箱入りかっ。

                                    寝ても寝ても、寝足りない。2012/10/7(日)

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