インディアナポリス研究会コルツ部

歴史

2012シーズン

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2013年
4月
ドラフトに向けて  先日、横浜のラミレスが日本球界2000本安打を達成した。そこで、それについての賛辞やら理由やらがいろいろ述べられていたが、とくにそれらについて異論を述べる心算は無い。ただ、ひとつ抜けている視点があるのではないかなと思うので、付け加えておきたい。

 ラミレスの2000本安打の大きな要因は無論本人の努力の賜物であろうが、彼がヤクルト入団当初、同時期に、同時日本球界最高のバッターであったぺタジーニがいたことも大きかったと思う。
 ヤクルト入団当初は、外に逃げるボールが打てないという明らかな技術的欠陥がったにもかかわらず、それなりの成績が残せ、翌年以降もヤクルトと契約できたというのは、ぺタジーニが打つまくる事により、ラミレスへのマークが緩み、更にはラミレスへの非難が回避されたという点が大きかったと思う。その数年前のミューレンとオマリーの関係に似ている。もっとも、ミューレンの場合は、ラミレスと違って、その間にバッティングは全然進歩しなかったのであるが。もし、打てない外国人と組んでいたら、あるいは外国人打者がラミレス一人だったら、マークと非難が彼に集中し、翌年以降の契約は厳しかったと思う。そういうツキもラミレスにはあった。

 もちろん、ラミレスはミューレンと違って、逃げる球対策も年を追うごと、どころかゲームごとに進み、シーズン200本安打を達成したのは周知の通りである。特に右打者で達成したというのは、どんなに褒めても褒めたり無いぐらいの偉業だと思う。さらには、2000本安打を川上に次ぐスピード達成である。

 ちなみに、川上の最速2000本という記録はもっと讃えられて然るべきだと思う。川上といえば監督のイメージが強いが、バッターとしても王に匹敵する、あるいは王以上の選手だったと思う。この川上に限らず、海の向こうのテッド・ウィリアムズやディマジオも同様であるが、彼等はプレイヤーとしての全盛期を戦争で失っているのである。通算成績はそれを加味して考えるべきであろう。戦争がなければ、川上は楽々3000本を達成していただろう。

 さて、話をラミレスに戻すが、上述したように、ラミレス入団当初は、「2,3年でいなくなるだろうなあ。」と思って、彼を見ていた。まさか、同僚のぺタジーニ以上の結果を残すとはとても思えなかった。分からんもんである。ちなみに、この当時のヤクルトは、このラミレスに加え、昨年2000本を達成した宮本、稲葉、そうして古田と2000本安打達成者が4名、岩村もアメリカに行かなければ、おそらく2000本達成していただろうから、上述のペタジー二も加えると、結構とんでもない打線だったということになる。打線の印象的には、日本シリーズで対戦した近鉄の新いてまえ打線の方が上のようであったが、記録的にはヤクルトの方が上だった事になる。とても、そんな風には思えんが。でも、2000本安打達成者を4人抱える打線というのはあまり無い様な気がする。調べてはおらんが。

 ちなみに、このペタジーニ、ちょうど野村監督の退団直後にヤクルトが獲得した選手で、ホージー等でお茶を濁されていた当時の私は、「こりゃ、完全に野村に対するヤクルト側のあてつけだな。」と大いに勘繰ったものである。
 またちなみに、このペタジーニ、星野監督も数年前から目を付けていた選手だったらしく、「ヤクさんに獲られた。」と大いに悔しがっていた。星野監督はヤクルトの事を「ヤクさん」と呼ぶのだ。

 さて、このラミレスの2000本に便乗して、今週の「週刊ベースボール」では「史上最強助っ人は誰だ」みたいなベタな企画を特集していた。現役の選手・監督・コーチへのアンケートによる集計なので、バースというベタ過ぎる結果になってしまったのは致し方あるまい。もう少し、アンケートの幅を広げていれば、また異なる結果が出たかもしれない。まあ、それでも、やっぱりバースか。

 「史上最高の助っ人」がウォーリー与那嶺、「選手としても監督としても成功した唯一の外国人だから」とされても困るしな。須田博ぐらいならともかく、巨人のキャッチャーのルイスとか言われても、雑誌売れないし。

 ちなみに、私にとって「史上最高の助っ人」は誰かというと、いろいろな選手が思い浮かぶが、やっぱり唯一人選ぶとなれば、ブライアントだな。例の4打数連続もリアルタイムで見ていたし。私は、ライオンズファンでもバッファローズファンでもなかったが、大興奮した、つうか唖然とした。

 まあしかし、ブライアントと云えば、この4連発よりも、スピーカー直撃よりも何よりも、あの仰木監督が呆れたという伝説のシーズン204三振という不滅の大記録だろう。
 そもそも、シーズン150三振でも「三振多いなあ。」みたいな印象になるのに204三振って。しかもその年の打席数は550なので3打席に1回以上の割合で三振している事になる。そりゃ、仰木監督もダメ出しするわ。しかも、198三振のシーズンもあるし。通算成績は778安打259本塁打1186三振。三振の方が安打数より多いって。投手を除けば、日本球界ではおそらく唯一人だと思うが、メジャーでもそんなにいないと思う。比較材料としては岩鬼ぐらいか。

 人によっては評価が分かれる、つうか冷静に考えれば否定派が多いだろうが、プロ野球選手、つうかプロスポーツマン、つうか万物全てに於いて「面白ければ、あとは何でもいい」という私の価値観をある意味、具現化した選手だったと思う。

 ちなみに、このブライアントの所属した近鉄というチームは、このブライアントをその象徴とするように、例の10.19や江夏の21球、加藤の舌禍事件、北川の代打逆転サヨナラ優勝決定ホームラン、そうしてああいう形でのチームの消滅と、マンガみたいなエピソードに事欠かない球団だった。
 しかも、主要12球団の中では唯一日本一の無い球団でもある。しかも、それが、そもそも日本シリーズに出れないとか、出ても2勝4敗ぐらいで敗退するとかいうような感じならまだしも、上述した江夏の21球に加藤の舌禍とギリギリ手の届くまでいって逃がすという、やっぱりマンガみたいなエピソードを残すという、そういった意味でも貴重な球団だったと思う。その象徴が何と云ってもブライアントだったと思う。

 さて、いよいよ本題に入って、およそ5日後に迫ったドラフトであるが、その前にシーズン最終戦終了時点でのコルツの戦力についておさらいしてみたい。

 一口で言ってしまえば、QB、TE、LS以外全部穴、である。強いて、他に要補強では無いポジションを挙げるとすれば、K、P、ILBぐらいか。まあ、でも、この辺のポジションも余裕があれば補強したいといったところである。とりあえず、来シーズンは粘れるといった意味での要補強ではない、ぐらいの意味である。

 つー訳で、ドラフトでは、ほとんど全ポジションを補強したい訳であるが、そんなことは夢物語である。逆に言えば、どのポジションを指名しても失敗にはならないとも云える。そういった意味では、気楽ちゃあ気楽なドラフトである。

 そこで重要になってくるのが、ドラフト前のFA戦線ということになる。ここで、どんな選手と契約できるかによってドラフト事情が大きく変わってくる。しかも、今年はサラリーキャップががっぽり空いている。この10年間出始めて、というか私がコルツファンになって始めてといってよいくらいお買い物気分のFAマーケットである。ここ10年くらいのコルツファンにとってのFAマーケットは、お買い物気分というよりは逃げられ気分、あるいは放出気分のFAマーケットだったので、180°立場を変えてのFA戦線ともいえる。

 で、わたしの例年とは全然異なる気持ちでFA解禁日を迎えたのであるが、結果はというと、なかなか渋いお買い物であった。派手さがないのでメディア受けは悪いようであったが、私としては大満足とは云わぬが、十二分に納得できるお買い物であった。やりよるな、グリグゾンといった感じである。

 で、今オフ、コルツがFAで獲得した主だった選手を列挙してみると、ゴスター・シェリラス(OT)、ラロン・ランドリー(S)、ドナルド・トーマス(OG)、グレッグ・トーラー(CB)、リッキー・ジャン・フランシス(DT)等々といった面々である。

 まず、数に驚かされる。これだけの選手数とFAで契約したのは、ここ10年で初めてでは無いだろうか。今オフはやる、とは分かってはいたが、実際やると、なかなか壮観ではある。

 で、その内容ではあるが、一目で分かるとおり、OLやDT、Sといった地味目なポジションが多い。これがメディア受けの悪かった最大の要因であるが、これはこれで仕方ないだろうと思う。そもそも、派手な選手、スキルポジションのスーパースターなんていうのは市場には出てこないからだ。例えば、現在で云えば、カルヴィン・ジョンソンとかエイドリアン・ピーターソンなんか出てくるわけが無い。そもそも、彼らやエースQBのサラリーを捻出する為に、割を食って放出されるのが、今季コルツが獲得したようなポジション、OL、DT、S、そのほかで云えば、LBあたりであろう。

 スキルポジションのスーパースターでFA市場に出てくるとしたら、まずは年齢や怪我、あとは金銭、チームやコーチとの不和といった、所謂曰く付き物件だけであろう。究極的には、フィールド外の問題である。
 何の問題もないのに、スーパースターがFA市場に出て来るとしたら、チーム事情的な問題で出てきた、今季のダレル・リーヴィスや昨季のマリオ・ウィリアムズ、同ポジションにスーパースターのいた数年前のアンクワン・ボールディンぐらいのものであろう。せいぜい、年に一人くらいの割合である。

 という訳で、FA戦線では、不人気ポジションの実力派20代選手を狙っていき、QBやWRといったスキルポジション、更にはパスラッシャーやLTといったチームの中核的なポジションはドラフトで、というのが、まさに定石だと思う。そういった意味では、今オフのグリグソンは、さすが、選手補強上手、オフ上手なイーグルスで育ったGMらしい仕事をしたと云える。まあ、あまりに定石過ぎて詰まらないという見方も無くはないが。

 実際、シェリアスやランドリーはドラフト一巡プレイヤーであり、その後も堅実な働きをした選手である。そういうプレイヤーの全盛期と契約できるというのは、まさしくFA制度最大の旨みである。FA制度がなければ、絶対とっていよいほど他球団への移籍は無いプレイヤー達である。

 特に、個人的にはランドリーの獲得は嬉しい。たしか、ドラフト時は、Sどころか全DB中でも最も高い評価を受けていたプレイヤー、ここ数年のコルツ・ディフェンスの懸念のひとつだったSの問題を解決してくれるだろう。
 もっとも、そのとばっちりを受けたという訳でもないが、ズビコウスキーの退団は、個人的にはちと悲しい。バックアップとしてはベストといってよい存在だっただけに。

 また、シェリラスも、ドラフト時はLTもできるという触れ込みの選手で、ライオンズのバッカス重視の事情からRTを務めていた訳であるが、コルツではもしかしたら右と左の交換もあるかもしれない。いずれにせよ、心強い加入だと思う。

 そのほかの、トーマスやトーラー、フランシス等々も実力派であるので、きっと活躍してくれると思う。

 とまあ、地味にいい補強をしたみたいな書き方をしているが、お前一人派手なの忘れてんだろ、というツッコミがあったと思う。私も聞こえた。そう、ダリアス・ヘイワード=ベイである。まあ、FA最大のお笑い物件かもしれないが、コルツが獲得しちゃいました。これはまあ、良い買い物の出来たグリグソンの心の余裕と見たい。レジ前のガムみたいなもんである。1年契約だし。失敗したら失敗したらで、それも良し。

 とまあ、私は全然期待していないみたいな書き方をしているが、実はこっそり期待している。恥ずかしくておおっぴらには言えないが、意外にやるんじゃねーかなとも思っている。淡い期待だけど。
 故アル・デービス翁が全体7位なんちゅう無茶な順位で指名してしまった為、お笑い色が強くなってしまっているが、元々は体格と運動能力の両方を兼ね備えたWRとして、ドラフト前にぐんぐん評価を上げていた選手である。まあ、さすがに10位のクラブツリーより前ってことは無いと思うが、実力者ではあると思う。上のランドリーも同様であるが、無茶の高順位で指名されたため、それなりに働いていてもバスト臭の漂う、いわば東大卒のサラリーマンみたいな選手がままいるが、ベイもその一人だと思う。レイダースのゲームをチラチラ見た限りでは、そんなに悪い印象も無かったし、ラックと組めば化ける可能性もある。まあ、化けたら化けたで高い給料を要求して一年でサヨウナラなんてシナリオも考えられなくはないが。

 ちなみに、このベイの年の一巡のWRは、先に書いたクラブツリーの他に、ジェレミー・マックリン(19位)、パーシー・ハーヴィン(22位)、ハキーム・ニックス(29位)、ケニー・ブリット(30位)、2巡以下だと、マイク・ウォーレス(84位)、ブライアン・ハートライン(108位)、オースティン・コリー(127位)、ジョニー・ノックス(140位、)と結構多士済々、そりゃお笑いに転向せざる得ないわな。松本明子みたいなもんだ。意味不明。

 上手くはまれば、ラックが活かしてくれれば、ブランドン・マーシャルやヴィンセント・ジャクソンみたいに、って、それはさすがに虫が良すぎるか。
 
 あとまあ、これは直接ベイに関する事ではないが、昨年のエイブリー、ヒルトン、そうして今年のベイと、グリグソンはWRには体格や運動能力を求めるタイプのようだ。ルートランとシェアハンド重視、つうかルートランとシェアハンド絶対主義だったポリアンとはその点は180度異なるようである。私はポリアン直系なので、この方針に一抹の不安を覚えるが、まあフットボールにはいろいろなアプローチがあるのでその方針を否定する心算は無い。

 さて、コルツのFA戦線に話を戻すと、これはお笑いではないが、もうひとつ書き加えておきたい。マット・ハッセルベックである。コルツファン的に見れば、ラックのバックアップとしては、心強い事この上ないのであるが、ハッセルベックのファン的には、「それってどうなの?」的なコルツ入りであろう。

 実力的には完全にスターター級であろうが、年齢的に嫌われて、ラックのバックアップを受け入れたというところか。でも、とりあえず1,2年ベテランで凌ぎたいというチームには最適のQBだと思うんだがなあ。

 数年前のマーク・ブリュネルのように、元スターターがバックアップQBになるというのはまま見られるが、ああいうのはどうなのだろ。将来的なコーチ業を見据えてのキャリアなのだろうか。まあ確かに、バックアップQBというのは試合中ほとんど、HCやOCの傍にいるから、コーチ修行としては最適のポジションだと思う。近年、バックアップQB上がりのHCに成功者の多いのは決して偶然では無いと思う。それを睨んでのコルツ入りか。

 以上が、ドラフト前のコルツの戦力状況であり、今ドラフトのコルツの順位は24位である。

 むう、24位か。万年ドアマットチームのファンにはまことに申し訳ないが、またもや得意の20位台にまさかの1年で復帰である。せめて、1回、いや2回ぐらいは10位台を楽しみたかった。一年でプレイオフ復帰しちゃうんだもん。全然ドラフト楽しめなかったよ。

 これは私見なのか、それとも一般的な見解なのかは不明であるが、ドラフトは20位台がいっちゃん詰まらん。話題のプレイヤーは当然いないし、プレイメーカーになりえるような選手も当然消えている。逆に、ここまで落ちてきたら逆に不安で指名しにくい。まあ、まれにデズ・ブライアントみたいな成功例もあるけど、ここまで落ちてきた有名処は大概バストである。

 逆に言えば、OGとかSとかTEみたいなチームの主役になり得ないポジションのトップ・プロスペクトを狙い目なポジション、そういう旨味もあるにはあるのであるが、まあでもOGはOG、TEはTEだしなあ。パスラッシャーとかWRとかはやっぱり違う。仮に取れたとしても、興奮せん、勃起せん。
 また、それらのポジションが空いていれば良いが、空いてなければ、指食わえ状態である。

 つう訳で、コルツファンである私の長年の経験からいって、ドラフトは20位台がいっちゃん詰まらん。むしろ、2巡上位の方が興奮するくらいである。2巡でこんな選手が獲れたか、てな具合である。
 そうして昨年は、永年の悲願、つう程のものではないが、待望の20位台からの脱出に成功したかと思ったら、全体一位、しかもラックの年、選択の余地ゼロである。ざる蕎麦しかメニューのないこだわりの蕎麦屋に入っちまったようなものである。

 これがラックの年じゃなければ、2つか3つぐらいの選択肢はあったのだろうが、ラックの年じゃなあ、マニングが怪我した時点でラック決定だったもんなあ。まあ、勿論フットボール的な観点からはラック大正解であるが、ドラフト的にはラック大失敗、つうかラックでは0点である。だって、ドキドキ感が何も無いもの。

 しかもTV放送の実況席でも、日米ともに、番組前の提供読み扱いだもんなあ。ラックどころかグリフィンまでが提供読み扱い、3位のミネソタからが本番で〜す、みたいな扱いだもの。一コルツファン的にはドラフトに参加した気分がまったくしないドラフト会議だった。

 まあそれでも、来年は10位台を楽しめるかなあと思っていたら、まさかの24位。いやいんですよ、プレイオフ進出してんですから、コルツファン的にはそれ以上の結果はありませんよ、でもドラフトは楽しくない。

 以上、長々長々とした前置きはようやく終わり、この2013年コルツドラフトではいかなる選手を獲るべきか、獲るだろうかといった予想や推察に入りたいのであるが、まず、結論から言うと、正直誰でもいい。なんだそりゃ。

 先に書いたように、今季のコルツの戦力状況はQBやTEといったごく一部のポジションを除いては、ほとんど穴という状態なので、誰を指名しても、そんなに問題ない、というかオッケーちゅう状況である。
 FAでOLやS、DLあたりを指名したので、その辺の指名の確率は大きく下がるかもしれない。特にSはランドリーを獲得したので、一巡での指名の確率は0とはいわぬが、大きく落ちたと思う。ランドリー獲得前は、エリック・リードとかケニー・ヴァッキャーロとかマット・イーラムといったSのトップ・プロスペクトも24位で十分指名可能なので狙い目かなとも思っていたが、まあさすがにランドリーを獲って1巡でSって事は無いと思う。獲るにしても3巡以下だろう。

 同様に、OLの指名もほとんど無いと思う。FA前はチャンス・ウォーマックはともかく、ジョナサン・クーパーは残っていたら面白いかなと思っていたが、さすがにねーだろ。アイジャラーナも一応いるし、とりあえず頭数だけは足りている現状である。ただまあ、あるとしたら、Cでバレット・ジョーンズであろうが、さすがに1巡という感じではなさそうな気がする。3巡で獲れたら儲けものといった選手であろう。逆に1巡で指名したとしたら、相当その才能を買っているという事になる。

 で、残りはDLであるが、これは意外に本命かと思う。確かに、フランシスと契約したし、チャップマンもいる事であるから、火急を要するポジションではない。とはいうもの、ここはローテーションが効くので、何人ロースターに抱えていても、問題はない。要するに、レディングの後釜、DEもDTも出来るタイプが欲しいのである。幸い、今ドラフトはDTは豊作らしいので、24位まで残って、面白そうなのがいたら、指名するのではないだろうか。シルベスター・ウィリアムズとかシェリフ・フロイドとか、あと、これはかなりDE寄りになるがデトーン・ジョーンズとか。名前的には、私はシルベスター・ウィリアムズが気に入っている。あと、今各モックを調べたら、フロイドはレイダースでガチっぽいのね。
 猛烈にこの選手が欲しいというのはいないが、DE/DTというのは、今ドラフトの特徴的にも、順位的にも狙い目なポジションだと思う。

 で、それ以外とすると、単純にニーズであるWRやパスラッシャー、いう事になるだろう。それもプレイメーカー級である。

 プレイメーカーといえばCBもそうであるが、ここは昨年ボンタを獲り、今オフでトーラーをとった事から考えても、1巡って事は無いと思う。よほど欲しい選手がいれば話は別であるが。

 で、まずはパスラッシャーであるが、20位台まで落ちてくる選手で、プレイメーカーになれるパスラッシャーって、まずいないんだよね。プレイメーカー級のパスラッシャーつうのは、例年、ドラフトで一人か、せいぜい二人ぐらいで、当然の事ながら、たいがい20位以内で消える。24位まで残っているパスラッシャーは、まずバストと考えてよかろう。バストじゃないにしても、そこそこレベルである。20位台というのはパスラッシャーを獲るには最も危険な順位ともいえる。まあ、クレイ・マシューズみたいな成功例もあるが。マシューズの場合は、ある程度スキーム込みという側面もある。

 つう訳で、今ドラフトで、コルツがパスラシャーを獲りにいくのは私は反対である。ちなみに2巡以降だと、昨年のブルース・アーヴィンではないが、私の目に留まった選手が一人いて、それはフロリダ・ステイトのブランドン・ジェンキンスである。2012年は怪我でほぼ全休だったらしいが、2010年は14ゲームで13.5サックである。顔つきもいい。いかにも考えなしで突っ込んでいくタイプである。24位で獲るのは、さすがにリーチかもしれんが、2巡以下(2巡持ってねーけど)なら、ちょっと狙って欲しい選手ではある。24位で獲ってもいいけどね。スコーンと外す余裕は今のコルツにはないが。

 残るはWRであるが、WRつうかエースWRは今年に限らず、ここ数年、つーかハリソン引退以来ずっと懸案事項なのであるが、まあ当然の事ながら24位では取れん。そもそも、今ドラフトはWRの層は薄く、エースっぽいの一人もいなそうである。トップ・プロスペクトといえど、皆帯びに短し襷に長しの感がある。

 つう訳で、あまり食指は伸びないのであるが、強いて挙げるとすれば、ロバート・ウッズ。エースWRのタマでは無いらしいが、ナンバー2レシーバーとしてはパーフェクトっぽいので、ちとリーチ気味な気もするが、ウェインの後釜として24位を使っても良いと思う。元々、評価の高かった選手であるし、3巡までは残っていないと思われる。

 で、そのウッズの評価を落とした張本人こそ、噂のマーキス・リーであるが、うむ、これは欲しい。名前だけでも、やりそうな気がする。来年出てくるのか再来年出てくるのかは不明であるが、ラックの時と同様、わざと負けて顰蹙を買っても良いぐらいである。んで、ラックの相棒にする。年齢的にも地域的にもピッタリだろう。ただ、USCという事で、、毎年12月ごろ両者の中が険悪になるという不安材料もあるが。

 リー獲得作戦はともかくとして、そのほかのポジションとしてはRBがあって、これは意外に有力かと思われる。というのも、トップ・プロスペクトのレイシーやボールの評価が芳しくなく、またポジション的な価値の低下もあり、24位でも十分彼等に手が届くからだ。ここらで一丁、エジャリン以来の本格的なRBを指名するのも悪くないと思う。

 幸いな事に、ラックはどんなタイプ、パワータイプでもスピードタイプでもバランス型でも、どんなタイプとでも上手くやれそうなので、残っている中で良さそうなのを指名すればよいと思う。

 このラックの「誰とでも合う」という特徴は、RBに限らず、WRにも同じ事が言えるし、さらにもどんなスキームやゲームプランでも云えると思う。この汎用性の高さというのはラックの大きな特長のひとつだと思う。彼は、どんなタイプのプレイヤーにもスキームにも合わせられるのだ。良くも悪くも、スキームどころかプレイスタイルまでガチ固定だったマニング時代との大きな違いである。

 とまあ、色々書いてみたのであるが、今ドラフトに限っては、2巡も無い事であるし、トレードダウンが最も得策である様な気がしてきた。2巡+4巡とか、2巡+来年の1巡とかでトレードダウンしちゃうのが、ベストの様な気がしてきた。ドラフトガイド誌をざっと見た限りでは、1巡下位で獲りたいような選手はあまりいない。巷間ちらほら聞かれるように、今ドラフトは全体的に小粒のような気がする。
 そういった意味では、トレードダウンないしBPAがコルツの今ドラフトの最善手であるようにも思う。個人的には、トレードダウンやBPAを私は嫌い、反対派なのであるが、今ドラフトに限っては、それがベストのように思う。

 コルツ話はそれくらいにして、今ドラフト全体の感想を少しばかし。

 先に、今ドラフトは小粒と私は書いたが、その中にあって、最も可能性を感じさせるのは、ディー・ミリナーだと思う。順調に行けば、チャンプ・ベイリーの後釜も夢じゃないと思う。何より名前がいい。CBとして、いかにもやりそうな名前だ。

 今ドラフト1の鉄板っぽいのがこのディーであるとすると、逆にバスト第1候補はエゼキエル”ジギー”アンサーの様な気がする。大学時代のスタッツもしょぼいし、シニア・ボウルの活躍だけで、そんなに高く評価してよいものだろうか。年齢も24だし、じっくり育ててなんて余裕は無いと思う。また、DEっていうポジションは、意外にテクニックが重要なので、この手の運動能力特化型は意外に苦しむ事は多い。同じDLでもDTは運動能力特化型でもいけるのだが。もちろん、アモビ・オコイエみたいな運動能力特化型DTの失敗例もあるけど。DL、とりわけDEというのは、運動能力型よりテクニック型の方が生き残りがちなポジションだと思う。
 まあ、これだけ皆が褒めるのだから、良いところがあるのだろうけど。私は大いに不安を感じる。

 他にトピックスと云えば、ここに来てすっかり鳴りを潜めてしまったが、やはり、モンテ・テオに関しては触れざるを得まい。事件の詳細について、私はまったく不明、つうか当のテオも不明であろうが、とりあえず云えるのは、ドラフトガイド誌の顔が全然プレスペクトのそれじゃないって事である。
 ドラフトガイド誌に掲載されるような選手は、みんな輝かしい顔をしているけれども、テオは全然輝いていないもの。あんなに眉間にしわを寄せているプロスペクト、初めて見た。完全にプロスペクトの顔じゃないもの。ドキュメンタリー番組の顔だもの。60ミニッツに追われている人間の顔だもの。

 この問題はともかくとして、純粋にフットボールプレイヤーとしてみた場合は、10月11月ぐらいまでは、正直、私も欲しかった。オフェンスの顔のラックに、ディフェンスの顔にテオを据えるのもいいなあと夢見ていたのである。10位前後だったら十分手が届くしなと思っていた。でも、結局24位になっちゃったし(嫌味)、フリーマンも台頭してきたので、全くいらなくなった。さようなら、テオ。なんじゃそりゃ。

 このテオが結局何位かというのは、今ドラフトのある意味、ひとつの目玉だろうが、それこそ1巡下位から2巡上位ぐらいで指名されるんじゃないかなあ。評価がこの半年間でジェットコースターのように上下、それこそ記録的レベルで上下した選手であるけれども、この事件があったことで、なんだかんだで結局、最もまっとうな評価に落ち着いたのではないだろうか。これを不幸中の幸いとは絶対云わんだろうが。評価を上げたのも幻想なら、同じく評価を下げたのも幻想という非常に特殊なケースである事に違いはないが。

 こんなとこかな。つう訳で、今ドラフトはフワフワした気持ちで望みたいと思いま〜す。

 しかし、ペリカンズって、ファンにならざる得ないやないか。

                                                  2013/4/21(日)

 前回の記事に書き忘れたという程でもないが、今回のドラフトに関する気ままな随想をひとつばかし。

 前回の記事で、「今年のドラフトは小粒だ。」みたいな事を書いたが、おんなじような事は各メディアでも論じられているようである。
 そこで、コルツファンなら誰でも思うのが、マニングが2011年シーズンではなく、今季、すなわちこの2012年シーズン、同じような怪我をしていたら、どうなっていただろうという事である。似たような事は、これまでも散々書いてきたが、仮にマニングが、この2012年シーズンに怪我していたら、おそらくマニングは、かなりの高確率、つうかほぼ100%コルツ残留だったろう。もしかしたら、ポリアンもそのまま続投だったかもしれぬ。ジーノ・スミスやマット・バークリーを全体一位指名して、マニングを放出というシナリオはおよそ考えにくい。他のポジションのプレイヤーを指名するか、トレードダウン、いずれにしてもコルツのQBはそのままマニングだったろう。

 それについての可否を論じる心算は無いし、論じたところで無意味であるのは自明である。ここで私の言いたいのは、「人間の運命なんて、ほんと儚いものである。」という、人類の歴史が始まって以来、ありとあらゆる形で表現されてきた事実を再確認したという事である。マニングの怪我が1年先でも1年後でも全然変わっていたという事である。ラックが大学残留を決め、マニングが怪我をした事で、ポリアン親子やグリグソン、パガーノ、ティーボー、そうしてサタディやアダイといったコルツの面々のキャリアが大きく変わってしまったのである。また、ジム・コールドウェルがもしそのままコルツのHCを続投していたら、2012年シーズンのBALはどうなっていただろう。

 また、コルツの問題を離れ、他の選手、すなわち昨ドラフトの2位と4位の両者が今ドラフトにエントリーしていたら、いったい如何なる結果になっていたろうと考えてみるのも面白い。おそらく両者ともに全体1位だったろう。
 グリフィンの1位は論を待たないし、マット・カリルにしても、どう考えてもジョーケルやフィッシャーよりは格上である。もしかしたら、トレント・リチャードソンやブラックモンの1位すらあったかもしれぬ。下衆な言い方をすれば、彼等は1年エントリーが早かったが為にン億円損してしまったのである。

 また逆に、今季のバークレーが昨年エントリーしていたら、1巡での指名はまず無かったろう。もっとも、昨季のバークリーが昨年のドラフトにエントリーしていたらい1巡だったろうが。ややこしい。

 勿論、こんな空想は全く埒の明かぬ話であるし、選手のグレードだって、それはあくまでドラフト時点での話であって、全キャリアを通してみれば、もしかしたら今ドラフトは豊作だったのかもしれぬ。

 また、こういう想像をして面白いのは、改めながらであるが、プロスポーツマンというのは、その運命をかなり、少なくとも他の人々よりは、よりはっきりとした形で見ることが出来るという点である。他の職業の人たちも、多かれ少なかれ、プロスポーツマン同様の運やツキ、あるいは運命の綾のようなものがあるのだろうが、ただそれをプロスポーツマンのように、よりはっきりとした形で認識する事はできない。

 例えば、ある営業マンが何らかの契約を勝ち取ったとしても、それが純粋に自身の力によるものなのか、それとも何か自分以外の力が働いたのであるかはほとんど知ることが出来ない。取引先やライバル会社の事情などほとんど分からないからだ。もっとも、巨大企業になれば、そこは産業スパイを使って、ある程度明らかにするのであるが、多くの会社では、そこまではしないであろう。

 ところが、プロスポーツマンというのは、その辺りは、良くも悪くもメディアが明らかにしている。当のプロスポーツマンにとっては、有難迷惑な点が多いだろうが、我々観客にとっては、それを知るのも大きな楽しみのひとつである。麻雀のTV番組、たとえば「割れ目でポン」を見るような楽しみである。これもスポーツ観戦の醍醐味のひとつであろう。隠れた醍醐味ではあるが。

 最後に、今ドラフトのコルツの指名予想をば。

 各モックを見ると、デトーン・ジョーンズが結構多く予想されているが、確かに、これはいい線いっていると思う。諸々の事情や状況を考えると、かなりの高い確率、50%ぐらいの確率でデトーン・ジョーンズになると思う。テな訳で、私もデトーン・ジョーンズに1票。個人的な好みとか希望ではなく、純粋に当てにいっての1票である。

 まあ、もっとも、前回の記事では書き忘れたが、今年の24位の理想はTEだったんだよなあ。この不作ドラフトでおそらく最も層が厚いのはTEっぽいので。だ・か・ら、昨年の2巡っで、って、しつこい。

 まあ、そんなしつこい愚痴はともかく、先の記事に書いたように、今回のドラフトに限っては、誰を指名してもトレードダウンしても何の不満も無いけどね。QB、TE以外がほとんど穴という状況なら、なんでも有りだわな、そりゃ。でも、ホント、QBがガッツリ決まっていると、戦力補強はホント楽。しかも、ラックのように汎用性の高いQBだと、もっと楽。つう訳で、今ドラフトはフワフワした気持ちで望みたいと思いま〜す。

                             でも、TV中継は生で見れない。  2013/4/25(木)

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