インディアナポリス研究会コルツ部

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2025年
暑い8月
補習その4  いや〜、暑いですね。こりゃ来たね、日本、じゃなくて地球を脱出する日が。

 大昔、「人類の宇宙開発が進展しないのは、宇宙に行く理由、住む理由が無いからじゃ〜〜。」みたいな事を書いたけど、出来たね、行く理由が、住む理由が。

 月でも火星でも、どこでもいい、地球を脱出せんと、この暑さから脱出せんと、死んじゃうよ〜〜。

 金星は、地球より太陽に近いからダメだな。火星でも木星でもなんでもいい、太陽から遠ざからんと。木星帰りの男になりたい。

 やっぱ、正しかったんだな、ジオン・ズム・ダイクン、シャア・アズナブル。

 空調完備のスペースコロニーでもいいや。そんなの出来たら即刻移民します。

 空調は20℃固定でお願いします。いやもう、飽き飽きしたよ、四季には。ちょっと前まで「寒い寒い」云ってたのに、今度は「暑い暑い」。この永劫回帰に飽き飽きした。いやもう季節はいらん。20℃固定で春なり秋なりが無限に続く感じでお願いします。夏冬はいらん。もう懲り懲り。気温に左右されるの。

 あと、出てくるな、この温暖化した地球に最適化した新生物が。進化してくるな。そうして、この100万年くらい、いや1万年くらいかな、地球の王だった人間をむしゃむしゃ食べちゃうだろう。それを避けるためにも宇宙移民。

 話はうって変わって、「2万円給付」の話。前回の記事(ココ)でその話をした訳であるが、その続報って訳でもないけど、テレビのニュースで識者だか街の人だかがこんなような事を云ってた。「賃金の上昇が物価の上昇に追いついていない」。

 いや、追いつかないっつの。そんなのは、まさしく「ロバの鼻先に付けたニンジン」みたいなもんで、いつまでたっても追いつかねっつの。賃金が上がれば物価は上がるし、物価が上がれば賃金も上がる。つかまあ、賃金もひとつの「物価」だしな。

 ただまあ、例外的、あるいは実験的ではあるが、「賃金が上がりつつ、物価が上がらない」パターンも無くは無い。ものすごく単純化したモデルで説明する。

 例えば、この世に商品Aと商品Bの2種があるとする。そうして、賃金、すなわち可処分所得が100万円とする。この額は何でもいいのだけど、とりあえずね。

 そうして、この可処分所得100万円で商品Aと商品Bを購入するとする。この場合の構成人員は何人でも良いのだけど、分かり易くするために1人とする。すると、商品Aと商品Bの価格はそれぞれ50万円となろう。この場合も、合計が100万円なら、30万円と70万円でも、95万円と5万円でもなんでもいいんだけど、分かり易くするために、それぞれ50万円とする。

 そこで、可処分所得が20万円アップ、すなわち120万円になったとする。すると商品Aと商品Bはそれぞれ60万円づつ、すなわち10万円分物価が上昇したという事になろう。昨今の日本の状態がこれである。

 ただし、ここで商品Cが開発販売されたとする。すると可処分所得120万円で三つの商品A、B、Cを買う事となり、個々の価格はそれぞれ40万円づつとなる。すなわち、10万円分物価が下降したという事となる。あら不思議、可処分所得、すなわち賃金が20万円アップしたにもかかわらず、物価は10万円ダウンしたという事となる。

 つう事は理論上は可能だし、また、それに近い事も現実にあっただろうけど、さすがに昨今の日本では不可能に近い。

 ものすごく小さい市場だったら、それは可能かもしれない。例えば、コーラ市場である。コーラ市場は、現状コカ・コーラとペプシコーラが独占しているが、そこに第3のコーラ(クラフトコーラしかない!!!)が登場、地位を確固たるものとすれば、先の理論で、コカ・コーラとペプシコーラは値下げせざる得なくなるだろう。まあ勿論、「コーラしか飲まない人」は極めて少数であり、市場に影響を与えるほどの数ではないので、仮に第3のコーラが登場したところで、物価に影響を与える事は無いであろう。コーラ市場なんてものはなく、現実に存在しているのは清涼飲料水市場だからだ。とりあえず、日本ではね。

 つう感じで、ものすごく小さい市場だったら、新製品の登場が物価に影響を与えるであろうが、現行の日本のようにとんでもない数、まさしく数えきれない程の商品が、種類的にも個数的にも存在流通している経済圏で、物価に影響を与えるような商品を投入流通させる事はほぼ不可能であろう。そして、おそらく理論的にも不可能だと思う。

 つかまあ、ごく最近気が付いたんだけど、今の日本ってモノ多過ぎない。

 最近、ニュース動画で中国の大学生くらいの女の子が自室で取材を受けていたんだけど、その部屋、ほとんどモノが無いんだよね。机とベッドくらいしかない。あと教科書とノートくらいか。

 その他の中国人、50代くらいの日雇いのオッサンの部屋も、他の動画で見た事あるけど、やっぱモノはない。机とベッドと簡単な食品くらい。

 「ひとりもんだからかな」と思って、今度は6人家族の中国人の家の映像を見たのだけど、そこもほとんどモノが無い。家具と電化製品くらい。

 「いや、これは中国だからかな。」と思って、ほかのアジア地域やヨーロッパ、アメリカ等々の家や部屋も注視したんだけど、大体こんな感じ。強いて挙げると、アメリカのヲタクの家はモノに囲まれている。ゲームとかDVDの山に囲まれて暮らしている。そうはいっても書架等に収められているけどな。日本のように床に山積みって事は無い。

 そう、日本だったら、少なくとも昨今の日本だったら、ヲタクに限らず、多くの日本人がモノに囲まれて、いや多くのモノに埋もれて暮らしていると思う。

 まず、俺んち。ゴミ屋敷とまでは云わないけど、ゴミ屋敷一歩手前の状態ではある。何が散乱しているかは口が裂けても言えない。生首とかじゃないよ、勿論。念のため。

 また、私は、人の家にお邪魔する仕事、引っ越し屋みたいな事をちょろっとやってた時期があるが、あがる家あがる家、モノだらけだった。本、ビデオ、衣料等々。また、使ってもいない家具や家電を後生大事に抱えている家も多かった。

 また、最近、私の叔父が死去して、その葬式に行ったという話をちょろっとしたけど、そこで親戚の家に一泊した訳であるが、ゴミ屋敷という訳でもないけど、「えっ、ここ物置?」みたいな部屋に泊まらされた。俺んちも似たようなもんだから、文句言えんけどな。

 かつて、宮崎事件があった時(覚えてる?)、ナンシー関が、その宮崎の部屋の公開とそれへの批判嫌悪に対して、「いや、あたしンちも、ビデオとかエロ本は無いけど、似たようなもんだよ。」って、宮崎ではなく、自身を擁護していた。同じような気持ちになった人は私だけではあるまい。というより、あれを非難嫌悪する人が多いって事は、多くの家が整理整頓されてんだなと思って、ビビったもんである。その後の人生で、そうでない事を知るのは先に述べたとおりである。

 J太郎先生の至る所にエロ本が山積みにされている家も大概びっくりしたし、これは特別だろうけど、現代日本人がモノに囲まれて、モノに溺れて暮らしているのは間違いないと思う。

 そのひとつの証拠は、ハードオフやセカンドストリート等々の隆盛であろう。家具や家電製品の量も大概だけど、私がとりわけ驚くのは衣料品、いや、どんだけあんだって量である。といいつつ、今年の春先に250円でジャンパー買っちゃった。イトーヨーカドーとかで2万円くらいで売られてそうな奴。モノは悪くなかったんだけど、デザイン、特に色が酷かったので、その値になってしまったのだろう。作業着みたいなジャンパー。私はファッションには全然興味が無いので、値段だけで買ったけどな。しかも、愛着してる。2500円じゃないよ、250円だよ。そりゃ、イトーヨーカドーも潰れるよね。

 いやまあ、実際、総商品数となると、インドや中国のような人口の多い国、あるいはアメリカのような経済大国の方が、日本より多いだろうけど、総商品種類となると、日本がもしかしたら世界一位、ダントツ一位なのではないだろうか。二桁はともかく、本当に一桁違うのかもしれん。

 例えば、来日する外国人が、洋の東西を問わず、コンビニの商品点数の多さに等しく驚いている。でも、日本人にとって、コンビニは商品点数の少ないとこである。「コンビニだし、こんなもんか。」。

 また、もひとつ例を出すと、日本人の食生活である。現代日本のような雑食、いや悪食は世界に唯一なのではないだろうか。どこの国でも、原則的にはその国の伝統的な料理を食べる。中国人は中国料理、フランス人はフランス料理、トルコ人はトルコ料理、イタリア人はイタリア料理、インド人はカレー、アメリカ人はハンバーガー、イギリス人は何か食えるもの等々である。

 ところが、現代日本人はホントに何でも食べる。猿のように雑食、悪食である。ラーメンを食った翌日にスパゲティを食べ、昼にホットケーキを食べて夜にお好み焼きを食う。朝食をパンかご飯かで迷う。そんな国、他にないのではないだろうか。

 そう、これが、先に説いたように、この30年間の日本で物価が上がらなかった最大の理由なのである。

 「失われた30年」とか言われているけど、その間でも日本人はせっせとモノを作っていたのである。「モノづくり」だけが景気回復の唯一の道だと信じてね。そういえば、「ものつくり大学」ってどうなったの。まだ、あんの。

 「でも、せっせとモノを作るのは労働者なのだから、せっせとモノを作る事により賃金は上がるのではないか」と疑問を持つ方もあろう。ところが、ここにカラクリがある。団塊ジュニアである。

 この30年間、労働者としても消費者としても主役は団塊ジュニア、労働意欲は極端に低いが、消費意欲だけは極端に高く、そうして数が多いという、あの悪名高い団塊ジュニアである。ニートだ、フリーターだとか云って労働を嫌悪しつつ、その一方ではヲタク世代なのでモノは買う。自身の金が無くなれば、親の金を頼る。まさしく、ごくつぶし世代である。AKB48のCD騒動なんていうのは、その醜態の極みであろう。まっ、俺もその一人だけどな。さすがに、AKBのCDは買わんが。

 「でも、労働を嫌悪していたら、モノは作れないのではないか。」という疑問もあろう。そこで中国である。この時期、上手い具合に、いや、不味い事に中国が経済開放し、日本企業の工場が大挙中国で建設された。そこで、大量の中国人が日本人の10分の一、いや100分の一くらいの賃金で、せっせとモノを作り、それを団塊ジュニアがせっせと購う。日本人が商品を企画開発し、中国人が安い人件費で大量生産し、日本人が安価に大量に買う。

 よって、ここに世界史でも稀な「給料は上がらないのに、物価は安く、モノに溢れる社会」が出来上がってしまったのである。おそらく、人類史上初の現象だと思う。様々な偶然(「巨大ヲタク世代の発生」、「中国の経済開放」等々)が重なり合って成立した、世にも奇妙な経済現象だったと思う。

 もっとも、この時、せっせとモノを作った中国人がお金持ちになり、日本に来て、所謂「爆買い」をして、わずかながらも物価を押し上げている訳であるから、大きな経済圏で捉えれば、賃金と物価の法則は成立している訳である。ただ、日本のみに経済圏を限って考えてしまうと、一般的な賃金と物価の法則に反する事象が成立してしまう。

 「いや、同じような事はアメリカやヨーロッパでも起きて然るべきではないか。」という疑問もあろうが、アメリカには団塊ジュニアがいないんだよね。ニートやヲタクみたいな人達は、それなりにいるだろうけど、数が少ないので経済に影響を与えるまでには至らない。また、中南米はともかくとして、アフリカは、中国の工場のようにはいかないだろうし。強いて言えば、70年代80年代のアメリカはそれに近い状態だったかもしれないが、団塊ジュニアほどの数が無いからなあ。

 日本においても、団塊ジュニアの親の世代、団塊の世代となると、この世代も団塊ジュニア同様、というか団塊ジュニア以上に数が多いのであるが、彼らは優秀な労働者でもある。自分たちでせっせとモノを作り、自分たちでせっせとモノを買った世代である。従って、一般的な「賃金と物価の法則」通り、給料がアップした。すなわち経済が成長した。

 また、先にハードオフやセカンドストリートの隆盛についてちょっと触れたけど、考えてみれば、ブックオフのような大型古書店、古CD店、古DVD店、古ゲーム店が成立したのも「失われた30年」特有の現象だったかもしれない。以前にどっかに書いたけど、この「団塊ジュニア世代」「巨大ヲタク世代」というのは、経済学社会学的に見て、非常に特殊な影響を社会に与えた世代だったと思う。

 もっとも、この「団塊ジュニア世代」「巨大ヲタク世代」も、もうそろそろ社会的にも生命的にも、死滅絶滅してしまうであろうから、これからの日本社会、日本経済がどうなるかはそれは分からない。

 続く世代は、「労働意欲が低い」という点では「団塊ジュニア」と変わらないが、「団塊ジュニア」と違って、「購買意欲が低い」っぽいので、その辺がどう影響するかは分からない。また、「失われた30年」と違って、「中国の工場」も無いしね。そして何より、人口ピラミッドを歪にするほどの人口は無い。まあ、普通の「経済学」で解される世代、時代かもね。もっとも、この世代の経済活動に何らかの結果が出る頃には、私はもうこの世にいないけどな。

 で、この後、これまで書いた事とは何の脈絡も無く「商売は立地が全て」についての悪口を書くつもりであったのだが、疲れちったので次回。その後、「ワンピース」と「Jリーグ」の悪口へと続く。

 なんか最近疲れが取れん。暑さか、暑さが原因なのか。暑さを憎む。

                                      2025/8/3(日)

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