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戦評 '08シーズン

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 2008年
Week9
11月2日
SNF
NE@IND
15−18
  黄昏のルカスオイル・スタジアム、デカダンな人々にとってはなかなか味わい深い試合だったのではないでしょうか。私はお茶の味がしました。

 勝敗を分けたのは第4クオーター終盤でのデビッド・トーマスのアンネクサリー・ラフネスだったろう。あれでコルツは初めて3rd and Long の形が作れ、敵のオフェンスを凌ぐ事ができた。あれがなければ、どう転がっていたか分からない試合だった。コルツサイドとしては値千金のアンネクサリー・ラフネスだった。今季は要所要所でのファウルに苦しんでいたので、たまにはこういう試合があってもいいでしょ。

 その第4クオーターの頭辺りでNE側に4th and ギャンブルを巡るトラブルがあったが、私はあそこでは、ギャンブルは八割方成功するとはいえ(実際成功していた。)、我慢のFGが正しい選択だったと思う。過日にベリチックのギャンブル判断を褒めたばかりだったので、ここでギャンブルに行く姿勢を見せたのには、どうしたのかなと私は訝しんだ。コミニュケーションミスでもあったのかな。結果的にここでNE側はタイムアウトを余計に消費する事となり、これも最終的にはコルツサイドに利した。タイムアウトがもうひとつNE側にあったら、最終盤、試合はどう転んでいたか分からない。

 そういうゴタゴタを招いたひとつの要因であるニュー・イングランドの新QBマット・キャッセルであるが、さすがにブレイディと比べると1ランクも2ランクも落ちると思う。ブレイディの登場時もこのような感じだったのであろうか。マット・キャッセルはこれからどのような軌跡を描くのであろう。
 そのマット・キャッセル、大学時代はまるまる控えでスターター経験無しだそうであるが、そういうプレイヤーを、いくら7巡とはいえ、ドラフト権を使ってまで獲得し、ブレイディIR入り後に、しれっとスターターで使い続けるニューイングランドならびにベリチックの姿勢には、恐れ入るというか、呆れ返る。どんだけ鑑識眼に自信があるのだろう。プレイヤーの能力というのは練習や勝敗の決まってしまった試合だけではどうしても分からない部分があると思うのであるが。いやはや、である。

 さてコルツ側に目を転ずると、よく走られましたな、分かっていた事とはいえ、ランといいスクリーンといい。あげく、M・キャッセルのスクランブルまで。まあ、あれだけDL、とりわけDT陣がきれいさっぱりブッロクされてしまうと、如何ともし難いのであるが。ラッシングシュチエーションでダレル・リードを出しているんだもんなあ。その時点で、もう既に完敗。これは質という以前に頭数の問題でもあるので、シーズン終了するまでどうにもならない。怪我なんか無視して、マッカルゴ入れときゃ良かったのに。少なくとも、BUFではアクティブだった以上、全く動けない訳ではないのだから。

 素人考えかもしれないが、もう一歩後ろでタックルしてみたらどうだろう。タックルが早い、ないし浅い気がする。

 シーズン終了まで解決しない問題といえば、マービン・ハリソン問題も同様であるが、この試合もまずまずの出来。理由は良く分からないが、この試合はゴンザレスが当たっていたので、そこそこ点は取れたが、コルツもハリソンも今季いっぱいこんな調子で行くのだろう。
 ドラ1みっつでカルビン・ジョンソンくれないかなあ。両チームにとって悪くないトレードであると思うのであるが。ライオンズもこれだけドラ1があればどこかで待望の超待望のフランチャイズQBに当たるだろう。うまくいけば、QB、LT、REの三種の神器が一度に手に入るかもしれない。
 一方でコルツサイドとしても、どのみちマニングが引退したら当分勝てないのであるから、ドラ1みっつぐらい手放したところでどうって事ないだろう。激しく負けるか、そこそこ負けるかの違いであって、負けることに変わりはない。激しく負けた方が再建は容易いぐらいである。そこそこ負けるとは、今のペーサーズのような状態を謂う。ティンズリーなあ。

 本日は大当たりだったゴンザレス君であるが、あらためて見るとあの頭は凄い、本当に凄い。ゴンザレスよ、お前の青春に何があったのだ。知りたくはないけど。

 ヴィナ様、ああいうFGはあっさりと決めるんだよなあ〜。結構というか、かなり痺れる場面だったと思うのであるが。キーディングやヴァンダージャッドなら確実に、確実に外していたFGである。それも52ヤード。いくらドームとはいえ、オートマチックの距離ではない。見ているこっちの方が痺れた。銭になる仕事しかしないという事か。この守銭奴が、金の亡者が、ゴルゴ13が、デューク東郷が。嫌いになりそう。

 一方、ニューイングランド側のキッカー、ゴスコウフスキー、いつ見ても凄い名前だ。そのうちドストエフスキーとかいうキッカーが出てきたらどうしよう。シーズン0/42とか十分有り得る。十分有り得る。だってドストエフスキーだもの。どんな心配だ。

 上位陣のテネシー以外は負けが込み出し、ワイルドカード争いも首の皮数枚でつながっているコルツであるが、こうなると、シーズン前は鬼門と思われていたシーズン最終盤の@JAX、vsTENも幸甚か。JAXはこの時点で死んでいると見る。TENはよもや15−0って事はないと思うので、ホームフィールド・アドバンテージも決まり、流してくるだろう。つうわけで、昨年貸した白星、同地区のよしみで、大相撲張りに、帰して頂戴。これで2年連続クリーブランドが割りを喰ったら笑えるが。ありえなくない展開であるだけに怖い。
 更によく見ると、その前も@CLE、vsCIN、vsDET。5連勝も十分に有り得るスケジュールではある。この5連勝に今の4勝を付け加えると、9勝7敗、十分圏内である。あれっ、プレイオフ行けんど。
 コルツファンになって5年、初めてのワイルドカード皮算用であるが、これはこれで結構楽しい。

 目をNFCに転ずると、ジャイアンツ、磐石なんだよなあ〜。単にスケジュールに恵まれているだけかとも思っていたが、ゲームを見ていると、攻守ともに磐石なんだよなあ。現時点では、私のスーパー制覇最有力候補である。イーライ、よもやの2連覇か。ペイトンさんの立場わ。

 ちなみにコルツは来週も生放送あり。カージナルスとかビルズの試合、放送すりゃあ、いいのに。勝ってるんだから。

                                                            2008/11/4
 
11月2日
NYJ@BUF
26−17
 タージンに夢中。

 久しぶりのビルズの試合の放送なので楽しみにしていたら、実況はタージン様。試合に集中できん。んで、今日のタージン。

 ビルズにデレク・ファイン Derek.Fine (フェイン?)というプレイヤーがいるが、彼に触れたらいきなり、「デレック・ファイン。アイム・ファイン。GAORAを御覧の皆様はこんなのがお好きでしょうか。」と早速きやがった。意識してやってたのか。

 現地の放送は地元の名物料理みたいのを試合の合間によく流すが、それを見たタージン様、「手羽先でしょうか。山盛りです。アメリカではこれで一人前です」とか言ってやがった。どう見ても鳥のモモ肉だっつの。手羽先って。ミナミの横丁じゃないんだから。しかも量はどう見ても一人前じゃないし。解説の人が「いくらアメリカでも、これ四人前ぐらいですよ。」とか、慌てて断ってやんの。

 あいかわらず英語は読めない。
 ポゼッションだっつているのにポジション言うし。ポゼッションとポジションは全然違うっての。
 レオン・ワシントンがキックオフのリターンで上手いプレイを見せた際には、「クレエイバーなプレイ」。どんだけ母音を強く発音したいんだ。ちなみにこのプレイはルール自体が間違っていると思う。まあ、なにか理由はあるのだろうけど。

 そしてこの試合のタージン実況ハイライトは第4クオーター、T・エドワーズがサックされたシーン。「きびしい、きびしい、きびしい、足首、足首、足首、うしろからガーーン。」うしろからガーーンって。これからすべてのサックシーンはタージン様に実況してもらいたいと思う。


 つうわけで、もはや試合のことはほとんど記憶にないのであるが、うろ覚えのままに2,3レポートしてみたいと思います。

 噂のトレント・エドワーズであるが、私が彼の動く姿を見たのはおよそ1年振りである。評価の錯綜しているプレイヤーであるが、私の目からすると、去年同様、いまいちかなあといった感じである。気になる点がひとつあって、それはバックステップが速く、深すぎるのではないか、という点である。ちょっとジェフ・ガルシアを思わせるものがある。彼の場合はそのバックステップには背の低さをカバーするという重要な役割があるのだが、立派な体格をもつT・エドワーズにその理由はない。単なる癖なのであろうか、それともコーチから言われているのであろうか。
 その速く深いバックステップ自体には問題はないのであるが、そこからもう一度前進してポケットに入らなければネイキッドみたいなものである。安全ではない。私はポケットの使い方をQBを量るひとつの目安にしているのであるが、その視点から見ると、彼はギリギリ不合格である。
 そのプレイスタイルから判断すると、彼はWCO向きのQBであるように思われる。BUFは彼のためにWCOを導入すべきだろう。

 ブライアン・ムーアマン。私が見る度にスペシャルプレイやっとる。ビルズはよっぽど彼の脚力に自信があるのだろう。でもさすがにあの場面、7−13、第3Q、14:03、atBUF24、でスペシャルプレイをしてはいけないと思う。結果的には成功、しかし反則で取り消され、チャレンジがあり、最終的にはパントになったのだけど、無意味なスペシャルプレイ、ギャンブルプレイだったと思う。成功しても、即得点、即勝利につながる場面でもなく、失敗すればタダで3点ないし7点を献上してしまうような場面だったのだから、どれだけプレイの成功率に自信があっても、慎まねばならなかったと思う。ギャンブルは、野球のヒット&ランに似て、非常に魅力的なプレイだけれども、基本的には慎むべきプレイだと思う。成功したときの華やかさに判断を誤らせがちなプレイだと思う。

 クリス・ジェンキンス。4−3から3−4のNTに転向し成功しているという点では、CLEのショーン・ロジャースと同様であるが、ショーン・ロジャースに見慣れた目からすると、いかにも普通に映る。ショーン・ロジャースはどんだけ怪物なんだ。

                                                           2008/11/7
 
 11月2日
ATL@OAK
24−0
 私がそもそもこの試合のレポートを書こうと思ったのは、うちのマニングにも比せられるマット・ライアンに興味を持っていたからである。どこかのタイミングでアトランタのゲームをレポートをしようと思っていたのだが、この試合を選んだのは前年度のドラフトのナンバー1評価のQBとの比較という事でちょっと面白いと思ったからである。しかし結果的には失敗だったかなあ。いかんせん試合内容が………。ひとつ前の@PHIの方が良かったか。

 つうわけで試合内容はお粗末だったけれども、マット・ライアンの感想をば。今気が付いたけど、マット・ライアンとマット・ライナート、紛らわしい。英語表記は全然違うけど。

 さてマット・ライアンであるが、私がそもそもこの男に興味を持ったのは、各ドラフトレビュー誌で、その比較対象がうちのペイトン・マニングになっていたからである。毎ドラフト、QBについてはいろいろな評価がなされるが、ペイトン・マニングに比せられるのはなかなか珍しい。イーライにも無かったのではないだろうか。P・マニングの若い頃を知らぬ私は、そういう意味で、このマット・ライアンに興味をもっていた。

 そういう訳でちょこちょこ彼のプレイはチェックしていたのであるが、一試合まるまる見るのは今回が初めてである。

 で、その感想はというと、なるほどペイトンによく似ている。
 私はQB、特に新人のQBの評価の大きな判断基準にポケットの使い方を用いるのであるが、なるほど彼はポケットの使い方が非常に上手い。新人離れしているといっても良い。マニングほどではないにせよ、その使い方は非常に巧みである。いったんステップバックしてから前進してポケットに入る、これがポケットの使い方の第一歩目であるが、彼はこれがすでに出来ている。マニングに比せられるのも頷ける。これの出来ない選手はベテランにも多い。更にポケット内でのステップワークをマスターすれば鬼に金棒だろう。これもマニングの数多い名人芸のひとつである。

 次に目を引かれるのは、そのスパイラルの美しさである。スパイラルが美しいという事は手が大きいことの証左であり、QBにとって最悪のプレイといっていいファンブルの不安が減る。スパイラルの美しさはもちろんコントロールの安定の証左でもある。

 そのほか特筆すべき点としては、1年目にしていきなりノーハドルをやらされていたが、これは首脳陣からの信頼の証だろう。そのうちオーディブルもやらされる事になるだろう。

 マット・ライアンのプレイについて、総じて言えるのは、その頭の良さである。1年目のマニングもここまでの知性を示す事はなかったのではないだろうか。細かいテクニックに関しては、マニングにはまだまだ遠く及ばないが、その知性に関しては、マニングと同等、もしくはそれ以上かもしれない。注目を続けるだけの価値のあるプレイヤーである。今後が大いに楽しみである。

 一方、前年度のナンバー1QB、ジャマーカス・ラッセルであるが、この試合、というかこのチームのみで評価を下すのは厳しいかなあと思う。あんなティッシュペーパーのように薄ぺっらいOLでは誰がQBだって何も出来ないだろう。RTですら厳しいといわれているクワミ・ハリスがLTを務めている段階で終わっている。怪我しないことだけで手一杯であろう。まことにもって受難である。

 同じ背番号2のQB、これからどのような軌跡を描くのであろうか。

 話は変わるが、濱田さん、この試合では実況!を務めていた。進行役という名称だったけれど、こんなこともやらされているのね。レイダースファンの濱田さんにとっては苦役のような仕事だったろうけど。ご苦労さんです。

                                                              2008/11/10
 2008年
Week10
 11月9日
IND@PIT
24−20
 小熊美香には飽き飽きした。毎回毎回毎回毎回、おんなじ格好でおんなじ事言いやがって。たまには違う事しろっつの。上半身ブラジャー姿で出てくるとか、逆にノーブラで視聴者を惑わすとか。ホントに芸がない。

 つうわけで、しれっと勝っちゃいました。ハインツ・フィールド、つうかPITの本拠地での勝利は実に1968年以来、40年振りだそうです。すると、次の勝利は2048年?
 くだらん冗談はともかく、この情報を報じた現地のTV局は同時に敵地での連敗記録をほかに3種類知らせていたが、実にその三つが三つともライオンズの記録。凄い、凄すぎる。さすがとしか言いようがない。凄味すら感ずる。私はNHLのことは全く知らないのであるが、それを除いたアメリカ三大プロスポーツのチームの中で、間違いなく最弱チームだろう。ロイヤルズやクリッパーズだって、もっと遥に勝っている。なにしろライオンズの強かった時代は50年代まで遡らなければならないというのだから、凄い、凄すぎる。さすがとしか言いようがない。凄味すら感ずる。

 そんなライオンズ話はともかく、試合内容の方であるが、特筆すべきような事はあまりない。展開にも恵まれ、コーチ陣以下チーム全体が機能しての勝利だったと思う。あんまり使いたくない言葉になるが、所謂チーム一丸の勝利である。

 強いて特筆すべき点を挙げるとすれば、やっぱり3INTsを奪ったDB陣という事になるだろう。とりわけティム・ジェニングス。ここまで評価を下すのを避けていたが、スターターに起用されたここ数試合の様子から判断すると、マーリン・ジャクソンより良いと思う。さすがにランサポートではM・ジャクソンの方に分があるが、総合的に見ればもはやT・ジェニングスのほうが上だと思う。将来的にはM・ジャクソンをリリース、T・ジェニングスと契約延長すべきだろう。結果的には両方リリースすんだろうけど。さすがにK・ハイデンは残すと思うが。

 DB陣といえばボブ・サンダース。試合序盤での派手な空振りタックル。あんな豪快な空振りタックルは初めて見た。男・岩鬼の空振りを思い出した。

 DB陣は活躍したとはいえ、今季の課題であるショートパスは相変わらず通されまくり。中央のパスが多い事を考えると、ラインバッカー陣に問題があるのか。ブラケットに問題があるとは考えにくいから、ケイアホー、セッションのどちらか。ハグラーが復帰すれば解決するだろう。

 DLではエド・ジョンソン改めアントニオ・ジョンソン初登場(もちろん別人。11月4日にTENのPSから引っこ抜いた。)評価は保留しておきます。つうか、こっそりエド・ジョンソンがヘルメット被って出ていても気付かないんじゃないか。気付くか、やっぱし。

 フリーニー様はDTの後ろから回り込んでのサックを記録。年齢を重ねるにつれて、こういうプレイも必要になってくる。いつまでもスピード一辺倒という訳には行かない。

 なんだかディフェンス陣の話ばかりになってしまったが、実際この試合はディフェンス陣の力で獲った試合だったと思う。細かな落球も多かったし。
 ただオフェンスでちょっと嬉しかったのは、第2クオーター終盤タッチダウンを取ったプレイの一つ前のコール。2 and Goal at 9 からのD・ローズのラン。こういうパッシング・シュチエーションでのランのコールはホント久しぶり。ラッシング・シチュエーションでのパスはうんざりするほど見てきたが。この試合、こういう我慢のランコールが、特に後半、随所に見られたと思う。いい傾向だと思う。

 ちなみに久々対決のPITの印象はというと、2,3年前より、何というか、凶暴さを失ったという感じ。ジョエイ・ポーターとジェローム・ハリソンのキャラクターの違いか。LBのみならずDLやOLにも同じような印象を受けた。NEのOLBがW・マッギネストからエイダリアス・トーマスに変わったのと同じ印象である。随分とやり易くなった。


 さて、これで5勝4敗、次戦のHOU戦に勝てばプレイオフへの視野も大きく開けてくる。楽な相手ではないが、何としても勝ちたい。

 しかし同一地区に全勝チームがいるって、こういう感じなのね。努力しても努力しても報われない感じ。テネシー、ジャクソンビル、テキサスの皆さん、ご迷惑掛けました。皆様の気持ちがよおく分かりました。あと、バッファロー、ニューヨーク、マイアミの皆さん、皆様には迷惑は掛けてはいませんけれど、皆様のお気持ちもよおく分かりました。もう1ランク上かもしれないけれど。上か下かはよく分からんが。

                                                            2008/11/12  

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