2008年 Week11 |
11月16日 HOU@IND 27−33 |
Week11ともなると、シーズンも佳境に入り、各地で熱戦激戦死闘が繰り広げられ、私もレポートしたい試合が沢山あるのであるが、仕事があれこれあれこれ忙しく、そこまで手が回らない。しかし、仕事ばっかりじゃ詰まらないので、せめてインディファンの嗜みとしてインディ戦ぐらいはレポートしてみたいと思います。 しかしスカパーに入ると、ほとんど、つうか今まで全部、のコルツのゲームがTV観戦できるのね。感慨。 さてその件のWeek5以来のHOU戦になるのだけれど、試合内容としては、快勝とまではいわなくとも、準快勝とでもいうべき試合内容だった。今季一番のゲームだったと思う。 その準快勝の主因は何といってもマービン・ハリソンである。しばらく振りの9キャッチ77ヤード1タッチダウンである。なんか放送で触れられていたが、忘れた。とにかく久方ぶりの9キャッチである。でも77ヤード。 しかしそのキャッチのほとんど(もしかしたら全部。)が後半に集中している。やり方を替えたのか、たまたまこのとき体調が良くなったのか、はたまたマッチアップの問題か、理由は皆目不明である。とにかくこの後半のみは、今季初めてといっていいくらい、全盛期っぽいマービン・ハリソンであった事だけは確かである。結果後半のコルツは快勝だった。ハリソンの動きが良ければ、オフェンスのみならず、コルツの総てが好回転する。 ただ、この調子が次週以降に持ち越されるかというと、それははなはだ疑問である。再三再四触れてきているように、体力の衰えというのはこういうもので、時折昔の状態に戻るのである。これにファンもチームメイトも、そうして当人もだまされる。 一方、フリーニーも2サック。これで今季通算7サック、3年ぶりの二桁サックも見えてきた。これははっきりスタイルの変更による効果であろう。さすがに若い頃のようにスピード一辺倒では苦しくなってきた。そこでムーブを増やしたのであるが、それが功を奏した格好である。これで向こう3年ぐらいは二桁サックが見込めるのではないだろうか。 メルビン・ブリット。スターター抜擢以来、ラッキーボーイ的に妙にインターセプトを稼いでいるが、ボブ・サンダースの代役という感じではない。ベシアの代わりといった感じである。まあ、待望のバックアップ・セイフティを得たことには変わりはないのであるが。でも、今ドラフトではセイフティを指名したいなあ。 プレイコールにちょいと注文。オフェンス最後、つうか最後はニーダウンのドライブなので、その前のドライブ、FGのひとつ前のプレイ、3rd&7でのパスコール。ああいうとこ、なんとかならんかなあ。ああいう場面で40秒近くを消費するしないは結構大きいと思うのであるが。マニングさんはランシュチエーションでは判で押したようにパス。まあ確かにあそこでファーストダウンなりタッチダウンなりを獲れば勝ち確定であるが、っつてもなあ。40秒あれば3プレイ分はある。それを確実に削る事の方がより勝利に近いと思うのだけど。 先週こういう場面でランをコールできるようになってきたと褒めたばっかであったが、あれは単なる気紛れだったようだ。パス大好きのマニングさんである。 そういや、流行りのワイルドキャット、コルツもやればいいのに。ハリソン to マニング、観てみたいぞ。この場合のレシービング記録は両者のタンデム記録に加算されるのであろうか。 目をヒューストン側に転ずると、前回の対戦の時にも書いたが、プレイコール、というか戦略戦術自体が総花的なのが非常に気にかかる。個々のプレイヤーの能力はQBを除けばコルツよりも上、それも格段に上であろう。あとはコーチングだけだと思う。水際立った戦略戦術を見せて欲しいものである。 ローゼンフェルズとアンドレ・ジョンソンのWCOはそれだけでリーグ屈指の強力なオフェンスウェポンである。マリオ・ウィリアムズはもはやペッパーズを抜いてリーグナンバー1のエンドといって良いであろう。LTもいい。勝てる材料はほとんど全部揃っているのである。なのに負け越し。目移りせず、視線を固定すべきだろう。得るという事は失うという事である。 リーグナンバー1といえば、オーエン・ダニエルズ。ブロック力なども加味すれば、もはやゴンザレスやヒープを凌いでリーグナンバー1TEといってよいと思う。 森・有馬コンビの実況はなかなか良い。安定感がある。ター濱ほどではないにせよ。 今週の新QB診断 唐突に始まったこのコーナーであるが今週のお題はブレディ・クイン。デレクさんからブラウンズQBの座を禅譲された男である。 さすがに、ポケット内でのフットワークやプレイアクション、コントロール等々のQBとしての基本的な技術はデレクの比ではない。こういう基本的能力といったものは、一部のアスリート系QBを除けば、たいていドラフト巡に比例する。つうかクレネルはこの両者を一緒に練習させておいて、何故にデレクをスターターにしていたのだろう。能力的には一目瞭然だと思う。やはり年功序列?。ダンジーとクレネルに接点は無かった筈だが。 また、クインにはディープが無いという指摘があり、確かに実際なかったが、そもそもディープのコントロールなど現状のNFLではマニングさん以外では誰も持っていないので気にすることはないだろう。チャド・ぺニントンのようにそもそも肩がないというのとは違うようだし。それこそ適当に放っておけばブレイロンが飛びつくだろう、喜んで。 ただ現行のブラウンズオフェンス陣に合うQBはどちらかといえば、それはデレクという事になるだろう。クインは、見た所、典型的なWCO用のQBである。しかしながら現行ブラウンズにWCO向きのタレントはいない。ブレイロン・エドワーズなど最もWCOから遠いレシーバーである。だってスラント嫌いなんだもの。ジョー・トーマスですら不要であろう。あそこまでのパスプロをWCOは要求しない。だってすぐ投げちゃうんだもの。 しかしながら、QBとしての能力ははっきりクインの方が上である。どーすんだか、ブラウンズ。 だけどなんでクインはあんなにジャンピングスローしたがるんだか。体が小さい訳でもないのに。本職はショートストップか。 話をコルツに戻すと、これで6勝4敗、まずまずである。次週のサンディエゴ戦は余裕で負けられる。勝ちそうだけど。 2008/11/22 |
11月16日 SNF DAL@WAS 14−10 |
試合を見る機会があったので、ちょいと感想をば。 ワシントンが勝てた試合だったと思う。敗因は試合前の彼我の戦力分析の誤りだろう。試合開始早々のFG圏内でのギャンブルといい、前半終盤での覆りそうもないチャレンジなど、焦りの見えるプレイコールが多かった。ダラスを過大評価していたのだろう。 私の見た所、ロモの小指等を考え合わせれば、ワシントン有利のマッチアップだったと思う。ドンと構えていれば、向こうから勝利の転がり込んでくる試合だったと思う。実際、前半は終始ワシントンが圧倒していた。しかし結果はワシントンが変に攻めての逆転負け、痛い敗戦だったと思う。有利な側は保守的に、不利な側はギャンブル的に、これは勝負の基本である。 このゲームのワシントンの基本戦略はターンオーバーをFGに結びつけるだったと思う。そういった意味では、第2クオーターでのFGミスも痛かったと思う。その直前のプレイでサックされ10ヤード後退、こうなるとFGミスの確率はぐんと高まる。この場面、QBは絶対サックされてはいけなかった。また、それのみを避ければよい場面だった。J・キャンベルの勝敗を左右する大きなミスだったと思う。このシーンの最低限のプレイは投げ捨てである。これだと絶対にロスヤードはない。 同じ45ヤードでも、直前のプレイで2ヤード前進しての45ヤードと10ヤード後退しての45ヤードでは成功率が全然異なると思う、調べてないけど、たぶん、印象として。さすがに30ヤード以下は同じだと思うが。体を動かすのは心であるという事の優れた証拠だと思う。 フットボールに限らず、彼我の戦力を正確に測るというのは非常に重要な事であり、また非常に難しい事でもある。過大でもいけないし、過少でもいけない。それらはまさしく過ちである。それを過った為にワシントンはこの大一番を落とした。 ちなみに、この彼我の戦力を正確に測るという事が最も得意なコーチは、申す迄も無く、あのビル・ベリチックである。彼を知り、己を知らば、百戦して殆うからず。お粗末さまでした。 DALに関してもひとつ。 最後の4th and ギャンブルはアホだと思う。ああいう事をしているからウェイド・フィリップスは勝てないのだ。確かに、あそこでファーストダウンを取ってしまえば勝ち確定であるが、失敗したら大ピンチとまではいかなくとも、敵に希望を与えてしまう。それもかなり大きな希望を。あそこは普通にFGを蹴って7点差にすればよい場面である。TDを獲れば勝ちとTDを獲っても同点では、オフェンス側ディフェンス側ともに気持ちが全然変わってくる。しかも、後者の場合、厳密に言えばTDを獲ってなおかつPATを決めて初めて同点である。前者が逆転勝利まで一段階であるのに対し、後者は同点まで二段階を要する。ほんの少しでも勝ち易くするのが将の務め、任務、仕事である。勝者は常に激辛流である。 急がなければ、勝てたのに。 しっかしテネシー負けねえな〜。2008/11/24 |
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2008年 Week12 |
11月23日 SNF IND@SD 23−20 |
ここを過ぎて悲しみの市。いや、悲しくねえよ。 もとい。トンネルを抜けると、そこは雪国だった。いや、寒くねえよ。 例によって例の如く、訳の分からない書き出しで始まりましたが、今季のインディにとって懸案のWeek6(5も入れていいかな。)からWeek12までを無事終了しました。その間、5勝2敗、上出来です。そして総合すると7勝4敗、まずまずです。” しっかしテネシー負けねえな〜”とか書いていたTENも、書いたそばから、うまい具合に負けてくれたし。これで、Week16を迎えるまでにJAXが死に、Week17を迎えるまでにTENがホームフィールドアドバンテージを確保してくれれば、インディサイドとしては願ったり適ったり、残り5戦5勝&プレイオフ進出に向けて視界良好です。 んで、試合内容であるが、これはもうヴィナ様に尽きる。どうでもいい30ヤードは外すが、家路に付ける事が確定している51ヤードは決める男、それがヴィナ様である。好き、好き、ヴィナ先生(意味不明。)。 ロングスナッパーがボールをセットした時、ヴィナ様の後姿を前景にプレイヤー全体を撮る映像があったが、その時にはもう決まったと思ったもの、わたくしは。好き、好き、ヴィナ先生。 しかし俺がサンディファン(造語。気にしないで下さい。)だったら、刺すな、ヴィナティエリ。いやまじで。51ヤードの決勝FG、決めるか、しかもど真ん中。うちのキーちゃん(これも造語、気にしないで下さい。)なら確実に外してたよ。チアガールに命中させてたよ。 その決勝FGの前の 4th and ギャンブル。そのプレイ選択も含めて、これも賛否の分かれるところであるが、決着をオーバータイムに持ち越すか否かの問題なので、これは考え方というよりは性格の問題になるでしょ。しかしそのプレイがハリソンへのパスつうのが、さすがマニングさんであるが。開いた口が塞がらないというのはこの事を指すのであろう。まあ、確かに勝つためにはある程度ヤーデージを稼がなければならないつうのは分かるが、しかしパスするかねえ、そして決めるかねえ。ハリソン、爆弾でも投げられたかのような獲り方だったもの。そりゃそうだ、あんなパス。 どっちに転がってもOTには持ち込まないという作戦だった訳である。さすが稀代の勝負弱さを誇る男である。勝負事というのは、最終的には、大概、勝ちたい人間ではなく、負けたくない人間が勝つものである。急がなければ、勝てたのに。 16点目のタッチダウンとなる 4th and ギャンブルも、あれも結構問題なんだよなあ。決まったからいいようなものの。しかも例によって例の如くパス。つうかなんで、ショートヤーデージといえばこの人、アダイさんを使わなかったのだろ。ケガでもしてたのか。不思議。 今季はインディに限らず 4th and ギャンブルが試合のキーとなる事が多いように感ずる。そのうち私のギャンブル論を書いてみようと思う。 ボブ・サンダース、また休み。明らかに仮病である。まあ、プレイオフ要員だから、別にいいけど。こいつの給料は試合割にした方がいいと思う。キャップ対策としても。してんのか。 今週の新QB診断。 今週はフィラデルフィアのケビン・コーブ(日本の放送ではコブと発音していたが、ちょっとカッコ悪いのでコーブとしときます。現地放送は聴いてなかった。でもさすがにコーブが近いと思う。コにアクセントがある筈だし。) 絶不調のマクナブに代わって出てきたが、良し悪し以前に全くオーラなし。いいのか、これで。なんつうか、一般市民がQBの位置についているような気さえした。まあ、WCOのQBの場合、初めはこんなものかもしれないが。にしても凄い。あまりに普通。並平凡。 イーグルス最大の問題といっていい、A・リードはWCOを志向しているのに、マクナブが全然WCOに向いていないという、あらためて考えると、スゴイを通り越して、とてつもない問題を、このケビン・コーブが解決できるのか、普通すぎてまったく分からん。 今週の新発見:A・リードは前から見るより横から見るほうが太い。 各地で激戦が勃発。やっぱりNFLはこのあたりの週が最も面白い。ありとあらゆるものが渦巻いている。 2008/11/26 |
11月23日 CAR@ATL 28−45 |
タージン名言集 「な・ぜ・か・か・れ・は・た・お・れ・な・い。」 ター濱コンビに注目のマット・ライアンつう事で見ちゃいました、CAR@ATL。アトランタファンには最高のゲームだったのではないでしょうか。 しっかし、見れば見るほどマニングさんに良く似ているな、マット・ライアン。本人も相当意識しているのではないだろうか。いよいよ、ノーハドル・オーディブルもやりだしたし。ハードカウントも好きそうだし。ここ最近の新人QBでは抜群である。1年目のマニングさんを私は見てはいないが、1年目のマニングさんよりずっと良いのではないだろうか。。 唯一の不安材料は変則型のOC、マイク・ムラーキーか。マット・ライアンのようなQBには正統派のOCの方が合っていると思う。じゃあ正統派のOCは誰か、と問われても良く分からんが。もっとも、NFLのコーディネーターはチームやプレイヤーに合わせたコールが出来るものであるが。あとはマニングさんのようにパス大好き病、パス投げないと死んじゃう病に感染しない事を祈るばかりか QBにLT、そしてREと、アトランタは待望久しい三種の神器を手に入れたことになる。これで今オフにエースレシーバー(ジェンキンス、ホワイトの両者はエースにはいまひとつ物足りない気がする。)を獲得し、少しづつディフェンスを改善していけば、アトランタは混戦の続いたNFCウェストの盟主、更にはスーパーボウルコンテンダーになれるのではないだろうか。それはそんなに難しい事ではない。 ターナー、バーナー、火炎放射器。いや、火炎放射器って。直訳されても困るが。ターナーと何も絡んでないし。 今の彼を見ていると、RBを2,3年ベンチで寝かしておくというのも有りな様な気がしてきた。体が出来上がるのを待って、気力を十二分に溜めさせてから、実戦投入。そりゃ爆発するわ。 アトランタ、次週はサンディ(私の造語。気にしないで下さい。)戦。両チームのファンも選手もそんなには意識しないだろうが、ちょっと面白い。トムリンソンについては、敢えて上のインディ戦の項では触れなかったが、やはりどこかで書いたように、体力的技術的というよりは精神的なスランプに陥っている様な気がする。彼のような、生まれてこのかた褒められた事しかない人間というのは、何かの弾みで一旦批判されると、意外に脆いところがある。それっきり立ち直れない。典型的なのが巨人の原。トムリンソンが復活することは無いのではなかろうか。 只今終了したサンクスギビングゲーム、ライオンズ、脅威の惨敗。凄味すら感ずる。 2008/11/28 |